京都市交通局、「バス1日券」を廃止
京都を公共交通機関で観光するなら、まず手にするのが京都市交通局の「バス1日券」。京都市交通局等のバスが700円で1日乗り放題。いくつかの観光スポットを訪れるのなら、確実に元が取れるお得な切符です。しかしそのため、バスはかなり混雑し、市民から改善を求める声が上がっていました。
そこで京都市交通局は、「バス1日券」を廃止することにしました。9月で発売を終了し、2024年3月で使用もできなくなります。その後は、1100円と少々高いものの、地下鉄にも乗ることができる、「地下鉄・バス1日券」の利用を勧めています。地下鉄は階段の上り下りが要るものの速く、空いているのが特徴です。京都市交通局としては、観光客からそれなりのお金を取ることができるというのもメリットのうちでしょう。
もっとも、京都の場合、地下鉄はあまり充実していませんが、バスは結構充実しています。しかも、京都駅などのターミナルに乗り入れてくれます。この構造を変え、沿線以外には地下鉄とバスを組み合わせていくように持っていかないと根本的な解決にならないでしょう。
京都市交通局にはもう一つニュースがあります。京都市交通局は経営が厳しいため、地下鉄やバスの運賃を値上げする計画でした。ところが地下鉄については、国の特例債の延長などの財政支援措置があるため、値上げは行わないようです。ただバスについては、燃料費や人件費が上がっているため経営は苦しく、値上げは行う予定です。
(追記)
新型コロナの前、京都市交通局の「バス1日券」の年間売上は約330万枚であるのに対して、「地下鉄1日券」は約120万枚(かつては六地蔵から京都の都心まで往復するだけで元が取れたため、宇治市方面からの利用者が多かったようです)、「地下鉄・バス1日券」は約70万枚でした。しかも、「バス1日券」の9割は観光客の利用で、京都市民はたったの1割でした。
また、「バス1日券」の廃止により、地下鉄の利用が増えるので、年間2.9億円の増収を見込んでいます。バスのほうも、元々「バス1日券」では4~5回使っていた人が多かったことから、そのまま1回230円の運賃を払う人もいると見られ、約1000万円の増収を見込んでいます。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230201/k10013967981000.html、https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20230125/2010016505.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/124155/2)
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