「ジャパン・レール・パス」は、日本を観光目的で訪れる訪日旅行者が利用可能な切符です。7~21日間、JR全線が利用可能な切符ですが、「のぞみ」と「みずほ」は利用できません。東海道・山陽・九州新幹線の主要列車なのですが、数百円程度の追加料金がネックなのか利用することができず、「ひかり」等のそういう制約のない列車に乗らざるを得ません。
ところが、10月ごろを目途に、JRグループはそのような事態を解消する予定です。「のぞみ」や「みずほ」については乗車前に専用の切符を追加で購入することにより、乗ることができるようになります。追加で購入しなければならない切符の値段は未定です。単なる都市間特急に過ぎない「のぞみ」や「みずほ」に追加の切符を求めること自体がおかしい話ですが、乗ることができるようになることは一歩前進と言えるでしょう。
消費税率の改定によるものを除くと、1981年の発売開始以来一度もしていなかった、値上げも行います。現在の普通車用(7日間用)は、JR指定販売店、代理店が29650円、専用サイトが33610円ですが、どちらも50000円になります。かなりの値上げのように見えますが、このところの円安傾向を考えると、ドル建てではその値上げ率は小さくなります。普通車用(14日間用、21日間用)、グリーン車用(7日間用、14日間用、21日間用)も同様に値上がりします。正直言って、今の「ジャパン・レール・パス」の水準は安すぎます。普通車用(7日間用)の場合、今の値段では東京と新大阪を往復するだけでほぼ元が取れてしまいます。日本人よりも観光で日本に来る外国人のほうがお金を持っているでしょうから、適切な水準にするのが望ましいでしょう。
(追記)
「ジャパン・レール・パス」の値上げは10月1日に行います。専用サイトで購入する場合は、日本時間の10月1日4時から値上げになります。
また、「のぞみ」や「みずほ」に乗るには、「【ジャパン・レール・パス専用】のぞみ・みずほ利用券」が要ります。「のぞみ」や「みずほ」に1回乗るごとに、1枚必要です。その値段は、東京・品川-新大阪間の場合、4960円です。どうやら、自由席特急券と同額が必要になるようなので、お金を持っている外国人でも使いづらいのが正直なところかもしれません。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230414_00_press_jprailpass.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230726_03_press_japanrailpass.pdf、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230414-OYT1T50249/)
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