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May 2023

鹿児島線、福岡地区でラッシュ時に6月1日から臨時列車

 JR九州は西九州新幹線開業に伴うダイヤ改正で、利用者の多い福岡地区の列車の本数を減らしてきました。あまりにも減らしすぎ、混雑するようになったので、苦情が相次ぎました。

 JR九州はようやく重い腰を上げました。6月1日から平日朝のラッシュ時に臨時列車を2本走らせます。当分の間運転する臨時列車は、下りが福間7:08発快速南福岡行き、上りが南福岡8:05発普通吉塚行きです。なお、これに伴い、4本の列車について、一部区間で時刻の変更があります。

 7月1日にはダイヤの修正を行います。西九州新幹線では「かもめ3号」の長崎到着時刻を2分繰り上げ、また接続する長崎発佐世保行きの普通列車の長崎発車時刻を4分繰り下げることによって、乗り換えできるようにします。福間には新たに6本の特急が停まります。朝の小倉、大分方面と夕方の博多方面です。日豊線では快速が下曽根に停まり、また列車の順序を入れ替えることによって、西小倉で日豊線から鹿児島線に乗り換えることができるようにします。なお、今回のダイヤ修正では、列車の本数の増減はありません。根本的な解決ではないでしょうが、何もしないよりは良い、と言ったところでしょうか?
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/emergency/__icsFiles/afieldfile/2023/05/24/230524_fukuoka_rinji_1.pdf、https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/emergency/__icsFiles/afieldfile/2023/05/24/230524_daiyahennkou_1.pdf)

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117系引退へ

 瀬戸大橋線「マリンライナー」用を除いて国鉄時代につくられた車両がたくさん走っているJR西日本の岡山エリア。その岡山エリアに新型車両、227系が導入されるという話は以前にも書きましたが、この運行開始日が決まりました。

 その運行開始日は7月22日。あと2か月もしないうちに入るとは、結構早いです。当初は、山陽線岡山-三原間、瀬戸大橋線岡山-児島間、宇野線岡山-宇野間、伯備線倉敷-総社間で走りますが、順次拡大される予定です。

 そして、この227系導入に伴い、引退する車両が出てきます。それは、117系。定期列車としての運転を終了します。国鉄時代にライバルの私鉄に対抗しようと、2扉転換クロスシートという居住性の良さと俊足で売り出した車両で、京阪神の新快速から外れた後もJR西日本の各地で走っていましたが、とうとう定期列車から引退することになりました。227系にしろ、ほかの国鉄型の車両にしろ、3扉が主流なので、異端の2扉の車両は早く引退させたかったのでしょう。

 観光用列車の「WEST EXPRESS 銀河」が最後の117系ということになります。

(追記)
 7月29日のことですが、「おのみち住吉花火まつり」に伴う輸送力増強のため、117系が使われました。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230529_00_press_urara.pdf、railf.jp https://railf.jp/news/2023/07/31/092500.html)

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「デジタルきっぷ」に往復タイプや回数券タイプ

 近鉄の一部の駅では、スマホ画面にあるQRコードを改札にかざす、「デジタルきっぷ」というものが使えます。

 この「デジタルきっぷ」ですが、伊勢方面への周遊タイプのほか、往復タイプや回数券タイプもあります。

 往復タイプは、「奈良往復デジタルきっぷ」。京都から近鉄奈良への往復タイプの切符です。発売期間は4月1日から6月30日、有効期間は4月1日から7月1日までの間で、乗車開始日から2日間。値段は1400円です。通常の片道運賃は760円なので、往復だと120円お得ということになります。回数券タイプは、京都-桃山御陵前間、近鉄名古屋-桑名間、近鉄名古屋-近鉄弥富間で設定されています。近鉄名古屋-桑名間の場合、発売期間は4月1日から6月30日、有効期間は4月1日から9月30日までの間で、購入時に設定した乗車開始日から3か月間。値段は5枚セットで2000円です。1枚当たり400円なので、通常より130円お得ということになります。

(追記)
 「デジタルきっぷ」のうち、京都から近鉄奈良への往復タイプの切符、近鉄名古屋-桑名間と近鉄名古屋-近鉄弥富間の回数券タイプのものについて発売期間、有効期間が延長になっています。往復タイプは発売期間が2024年3月31日まで、有効期間が2024年4月1日までに延長になっています。回数券タイプは発売期間が9月30日まで、有効期間が12月29日までに延長になっています。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/senden/Railway/eticket/、https://www.kintetsu.co.jp/all_info/news_info/Digital_Ticket-encho230616-0930.pdf)

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スマホとQRコードで切符

 JR九州は長崎-佐世保間の32駅で、「JR九州 片道デジタルきっぷ(長崎)」というものを発売しています。

 どういうものかと言えば、専用のアプリを入れることにより、スマホで乗車駅、降車駅を選択して購入、使用することができます。これまでこのようなデジタル乗車券は、あらかじめ乗車区間が決まっているものや、フリー切符タイプが多く、今回JR九州が実証実験で行っているように乗車駅と降車駅から運賃をその都度計算するタイプのものは珍しいです。スマホの画面でそのまま乗車することができ、QRコードで改札を通ります。値段は通常の片道切符と同額で、発売当日限り有効です。支払はクレジットカードで行います。

 実際にこの切符を使うとき、駅にQRコード読み取り端末があれば、乗車時及び乗車時にスマホ画面のQRコードを端末にかざします。読み取り端末がない駅は、乗車時及び降車時にスマホ画面からカメラを起動し、駅改札口に掲示しているQRコードをカメラで読み取ります。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2023/03/09/230309_digital_ticket_MaaS.pdf)

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「FUKURAM」故障中で復旧は8月以降

 福井鉄道のLRV車両、「FUKURAM」。4編成ありますが、一番最後につくられた桜色の車両が故障中です。

 故障したのは、2022年12月のこと。西鯖江での架線トラブルで、「FUKURAM」のほかの車両のパンタグラフが故障しました。そこで、以前からドアの故障で運用を外れていた桜色の車両からパンタグラフを外し、それを取り付けて復旧させました。パンタグラフを取られた桜色のほうはそのまま動くことができないようになっています。

 ここでネックになるのは、「FUKURAM」が外国製であること。ドイツから部品が入ってこないと再稼働させることができません。故障したパンタグラフは現在つくっていなくて、在庫もありません。再びドイツでつくって取り付けるので、復旧は早くとも8月以降になるようです。国産なら、そういうことはなかったのです。

 「FUKURAM」が4編成だけで、後は「FUKURAM Liner」になったのは、その問題を解決する意味があるのかもしれません。「FUKURAM Liner」は国産です。
(参考:福井新聞ホームページ https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1779496)

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東急新横浜線、相鉄新横浜線に乗る(2)

 幕末、ペリーが上陸したのは浦賀ではなく、久里浜だった。上陸したところには石碑が立っていて、ペリー公園という名前の公園になっている。駅から30分ほど歩いて公園に向かう。小さな資料館もあり、ペリーの来航について紹介している。このペリー公園の近くの開国橋というところから浦賀行きのバスに乗る。久里浜と浦賀の間にはバスがあるが、1時間に1本程度の割合で少し遠回りの便もある。どこを通るのかと言えば、少年院の入口。中が見えるところまで行くのだ。トンネルを抜けて浦賀の町に入る。どこに行こうか決めていなかったが、とりあえず紺屋町で降りることにした。ここまでなら運賃は199円(ICカード)で済む。バス停の近くに渡し船があったので乗ってみることにする。浦賀の町を行き来する渡し船で、ダイヤは特に決まっていない。運航時間内ならボタンを押せばやって来るのだ。ボタンを押した。対岸からやって来た。2~3分でやって来るのだ。運賃は車内で払う。1回400円と高いが、600円の1日フリー切符もある。往復するつもりだったのでフリー切符にした。対岸に着いたら少し辺りを散歩して、再び元に戻る。その後は浦賀奉行所の跡など、幕末の歴史を感じさせるところを巡る。 

 浦賀から京急に乗る。堀ノ内で特急に乗り換え、汐入で降りる。横須賀の中心部に近いこのエリアで食べたのは、アメリカサイズのハンバーガー。ナイフとフォークで食べる。ハンバーグはビーフだけでできているからか、完全に焼けていないところもある。ハンバーグではなく、肉そのものを食べているような感じだ。昼を食べた後に寄ったのが、戦艦三笠の記念館。日露戦争で活躍した三笠をそのまま博物館にしている。ゆっくりと見ていたら、意外と時間がかかった。雨が降っている。汐入にしろ、横須賀中央にしろ、駅まで歩くと時間がかかるので、バスの時間に合わせて見る時間を調整すべきだったか。快特が停まる横須賀中央まで歩いていくことにしたが、途中から歩道に屋根があり、助かった。

  横須賀中央16:25発の特急で横須賀を後にする。横須賀は山が海近くまで迫っている町で、トンネルをたくさんくぐる。京急川崎まで行き、支線の大師線に乗る。大師線は沿線に川崎大師があるが、日常の姿は工業地帯への通勤路線。小島新田への行きは空いていたが、帰りは工場からの帰宅ラッシュで混んでいた。この帰宅需要に対応するため、日中は10分間隔のところ、夕方は5分間隔となっている。

 このまま品川に戻ると18時ごろ。予約している新幹線は品川19:34発の「こだま753号」なので、品川で1時間半も時間がある。そこで都営浅草線の西馬込まで往復することにした。都営浅草線の泉岳寺―西馬込間は、枝線みたいな区間。乗ったのは京急川崎17:45発の快特青砥行きなので、品川を過ぎて次の駅、泉岳寺で乗り換え。泉岳寺18:08始発の西馬込行きに乗る。都営の車両だ。12分後に西馬込に着くが、駅の外に出るのに意外と時間がかかる。地下鉄なのにいったん階段を降りないといけないからだ。折り返して乗ったのは、西馬込18:32発の快特成田空港行き。こちらは京成の車両。泉岳寺で京急に乗り換え、品川で降りる。

  品川で晩の弁当とお土産を買うのだが、売り場は少ない。新幹線の改札内に少々ある程度である。弁当は「品川貝づくし」にした。予約した「こだま753号」に乗る。「EXこだまグリーン早特」で予約したので、正規の普通車指定席よりも安くグリーン車に乗ることができた。「エクスプレス予約」の普通車指定席よりも1000円以上安い。「こだま」だからこそできる贅沢だ。「こだま」には車内販売はないが、「のぞみ」などの通過待ちのため、数分の停車時間がある駅もある。ホーム上に売店のある駅は少ないが、たまたま三島の売店がグリーン車の目の前にあったので、そこで足らない土産を買うことにした。

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東急新横浜線、相鉄新横浜線に乗る(1)

 最初に乗るのはジェイアール東海バスの「ドリームなごや10号」。名古屋市内は地下鉄東山線沿いにこまめに停まってから東京に向かう。自宅から歩いて千種駅前まで行き、そこから「ドリームなごや10号」に乗る。約5分遅れて到着、ここから私を含めて4人が乗る。事前にインターネットで予約し、プリントアウトした紙を運転士に見せる。座席は2階の「クレイドル・シート」、よく分からないが普通の3列シートより若干良さそうである。そのほかの停留所でも客を乗せていく。降りたときに聞いた運転士の話によれば、定員39人のところ、26人が乗ったとのことだった。休憩は上郷サービスエリアと足柄サービスエリア。高速に入ってすぐの上郷サービスエリアで休憩とはありがたい。早く寝る態勢をとることができるからだ。両方のサービスエリアでいったん外に出たが、足柄サービスエリアは規模が大き過ぎるので、迷いそうになる。むしろパーキングエリアのほうが使い勝手が良さそうだ。 

 「ドリームなごや10号」は定刻に霞が関に着いた(余談だが、インターネットでは霞が関で降りる切符を買うことはできない。いったん東京駅までの切符を買い、運転士に霞が関で降りることを伝える必要がある)。農水省の前がバス停である。近くにある入口から地下鉄に入り、霞が関5:50発の中目黒行きに乗る。東武の車両。終点の中目黒で、向かいの6:06発、元町・中華街行きの急行に乗る。こちらは東京メトロの車両。東急東横線の急行は停車駅が多いが、意外と速く感じた。そして、8両もあるのにワンマンである。地上を走り、踏切もある鉄道でこんな長い編成のワンマン列車が走るとは、時代も変わったものだ。日吉で乗り換え。向かいの東急目黒線ホームから乗るのかと思ったら、同じホームから出る。日吉始発(6:23発)の急行海老名行きだ。東急の車両が使われる。ここからが3月18日に開業した区間。ほとんど地下を走るとはいえ、しっかり見ることにする。 

 新横浜に到着。急行はこの先、特急に変わる。このまま乗り続けても良かったが、いったん改札を出ることにする。エスカレータに乗って、東急が管理している改札を出る。地上に出て、少し外を歩くと新幹線の新横浜だ。再び地下のホームに行くが、帰りに通ったのは同じ駅でも相鉄が管理している改札だった。新横浜6:52発の湘南台行きに乗る。これも東急の車両。引き続き地下を走り、外に出てJRからの線路と合流したら、羽沢横浜国大。新規開業区間はここまでで、ここから先は2019年に開業した区間である。すでに乗車済みの区間である(そのときの乗車記はこちら)。乗っているのは湘南台行きなので、分岐駅の二俣川で乗り換え。7:08発の快速に乗ったが、実は二俣川から先は各駅に停まる。車両は相鉄のものだった。大和で小田急に乗り換え。目の前で急行のドアが閉まったので、次の各停に乗る。ちょうど朝の通勤通学のラッシュ時。乗り降りが多い。 

 江ノ電はJR、小田急の駅の向かい側にあるデパートの2階から出ている。駅の近くで朝御飯を食べていたら、予定していた列車の次になった。8:24発の鎌倉行きに乗る。江ノ電は14分間隔以上に詰めることができないので(少し前までは12分間隔だった)、4両編成にして対応している。車掌もいるし、主な駅には駅員が立っているので、人的サービスは手厚い。結構細かなカーブが多く、直線区間は少ない。踏切板もない、非公認の踏切があちこちに見られる。安全性の面からは避けたいが、住宅地を縫って走る江ノ電には難しい話だ。JRが遅れているためか、鎌倉からは予定していた列車(8:59発)に乗ることができた。この鎌倉8:59発は逗子行きのため、次の逗子でもう1回乗り換え。逗子始発の短い4両の久里浜行きに乗る。どちらもE217系で、新型のE235系に乗ることはできず。(続く)

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東急新横浜線、相鉄新横浜線に乗る(0)

 5月18日から19日にかけて神奈川県に行き、3月18日に開業した東急新横浜線、相鉄新横浜線に乗ってきました。その時の様子を今日と明日の2回に分けて書きます。

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2023年ブルーリボン賞にHC85系

 5月25日、鉄道友の会は2023年ブルーリボン賞・ローレル賞の発表を行いました。

 ブルーリボン賞に選ばれたのは、JR東海のHC85系。「ひだ」及び「南紀」で使われてきたキハ85系を置き換えるためにつくられた特急用車両で、ハイブリッドシステムを採用しているのが特徴です。特急ということもあり、ハイブリッドシステムの車両としては国内最高速の時速120キロで走ります。JR西日本と共同受賞した285系を除けば、JR東海の在来線車両では初めてのブルーリボン賞受賞です。納得の結果と言えるものでしょう。

 そしてローレル賞は、京都市交通局の20系が選ばれました。1981年の地下鉄烏丸線開業時に導入された車両の置き換えのためにつくられました。こちらの特徴は両先頭車に設置されている「おもいやりエリア」と、車内のあちこちにある京都ならではの伝統工芸品。ほかには見られない車両です。
(参考:鉄道友の会ホームページ https://www.jrc.gr.jp/newsreleas/6946.htm)

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京急は子供のIC運賃を75円に

 以前にも書きましたが、京急は10月に運賃の改定を行います。単純に値上げだけをするのではなく、値下げの場合もあるという、戦略的な運賃改定です。

 そのときには触れていなかったのですが、ICカード利用時の子供の運賃を75円にします。初乗りでも泉岳寺から三崎口まで乗り通しても、75円均一です。75円という金額は、大人初乗り運賃の半額ということで決められました。なお、空港線加算運賃がかかるところは、25円を追加で徴収し、100円になります。

 JR東日本との競争が激しい、品川-横浜間には、特定運賃が設定されているところもあります。品川-横浜間、品川-京急川崎間、京急川崎-横浜間などです。これらの区間も値上げされますが、割引額を大きくすることによって、値上げ幅を抑えます。例えば、品川-横浜間の場合、現行は本来314円となるところ、303円に抑えています。それが改定後は、本来347円となるところ、313円に抑えます。10円だけの値上げになるのです。

 反対に割引が消えるところがあります。空港連絡特殊割引が消えてなくなります。羽田空港第1・第2ターミナル、羽田空港第3ターミナル-都営地下鉄線各駅、京成線各駅(成田空港、空港第2ビルを除く)間、京急線各駅(羽田空港第1・第2ターミナル、羽田空港第3ターミナルを除く)、都営地下鉄線各駅-成田空港、空港第2ビル間、羽田空港第1・第2ターミナル、羽田空港第3ターミナル-成田空港、空港第2ビル間に設定があり、最大大人80円を値引いていましたが、それが10月1日から消えてなくなります。京急の空港線加算運賃が2019年に大幅に引き下げられたことも背景にあると思われます。
(参考:京急ホームページ https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20230510HP_23013TE.pdf、京成ホームページ https://www.keisei.co.jp/cms/files/keisei/MASTER/0110/edj5aXVe.pdf)

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JR北海道の車両の窓が見えにくいわけ

 毎日同じ路線に乗るのならともかく、日ごろ乗らない路線の列車に乗ると、外の景色を見たくなります。ところが、JR北海道の列車に乗ると、外の景色が見えにくいことがあります。せっかく北海道の大自然を見たいのに、残念です。どうしてでしょうか?

 窓の材質が特殊なのです。ポリカーボネートでできているのです。氷の塊やバラストで窓が割れるトラブルが相次いだため、約20年前に窓の材質をポリカーボネートにしました。このことによって割れるトラブルは解決しましたが、別の問題が出てきました。洗車時の水質や洗浄剤によって傷がつき、うろこ状の汚れになります。これを繰り返すことによって窓が曇りガラスみたいになってしまいます。

 そもそも、ポリカーボネートの寿命が10~15年なので、窓を取り替えてから約20年経っていることを考えると、取替の時期を迎えているのかもしれません。
(参考:鉄道ホビダス https://rail.hobidas.com/rmnews/458749/)

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E8系には車体傾斜装置がない

 2024年春にデビューする、山形新幹線の新型車両、E8系。15編成がつくられる予定です。このE8系、秋田新幹線用のE6系をベースにしていますが、違うところもあります。どこが違うのでしょうか?

 E8系の最高速度は時速300キロ、E6系の時速320キロよりは遅いです。停車駅が多いので、それほど速くなくていいようです。そのため、鼻の長さを短くすることができ、座席数も増やすことができました。E3系よりは減りますが、減少度合を減らすことができています。

 そして、定員が増えるため、E8系には車体傾斜装置がないのです。定員が増えると台車へかかる負担が増えますが、車体傾斜装置がなければその重量負担は緩和されます。でも、E8系は東北新幹線内でE5系と併結されます。E5系は車体傾斜装置あり、E8系は車体傾斜装置なしでは問題がないのでしょうか? 連結器部分で若干ねじれが生じますが、その程度のねじれは連結器が対応できるようになっているので、心配の必要はありません。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/124564)

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自民党プロジェクトチーム、JR全社での常設の協議機関の設置を求める

 分割民営化から35年以上が経ち、JR各社の間には格差が目立っています。株式を上場し、数兆円もかかるリニアを自力でつくろうとしている会社もあれば、赤字ローカル線ばかりでどうにもならない会社もあります。

 そこで自民党のプロジェクトチームは、JR旅客鉄道6社とJR貨物が参加する常設の協議機関の設置を求める提言をまとめました。分割民営化後に各社に生じた格差を是正するためのもので、それができないのであれば再国有化や持ち株会社化の議論もすべきだとしています。

 確かに分割民営化時にJRホールディングスのような各社の上に立ち、利害を調整する機関は必要だったのでしょう。JR東海の莫大な利益があれば、それを財源に(鉄道が得意とする)幹線鉄道の整備が進んだことでしょう。東海道線沿いに貨物専用鉄道をつくることもできたかもしれません。

 ただ残念ながら、再国有化は論外として(黒字会社を買い取るには多額のお金が必要ですし、一地域の人しか利用しないローカル線を国が買い取る理由もありません)、どうやって持ち株会社をつくるのか、という話はあります。既存の上場しているJR株と交換するのでしょうか? また、新幹線や大都市の通勤路線で稼いだ分を、バスで十分運ぶことができるような赤字ローカル線につぎ込むのは全くの無駄です。こういうところは一定の基準で機械的にJRから切り離し、地元の県や市町村で運営させることを議論の大前提にしないといけません。
(参考:東京新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/250328)

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65歳以上なら「スーパーおき」、月4回まで特急料金760円引き

 平成の大合併により山口市の範囲は広くなりました。小郡町が山口市に合併されて駅名も小郡から新山口になったのは有名ですが、津和野側もかなり広くなりました。津和野のすぐ手前まで山口市です。

 これだけ範囲が広いと、同じ山口市内を移動するのに、特急に乗るというケースも出てきます。山口市内の停車駅は、新山口、湯田温泉、山口、三谷、徳佐の5駅。1時間に1~2本の割合で普通列車が走っている新山口-山口間はともかく、そこから先は普通列車の本数が激減します。

 そういうこともあり山口市は、「スーパーおき」の特急料金を助成することにしました。対象は阿東・徳地地域に住んでいる65歳以上の人。月4回まで「スーパーおき」の特急料金相当額760円を助成します。新山口-徳佐間の営業キロは49.9キロなので、山口市内の利用ならば月2往復まで自由席特急料金が無料ということになります。発着のいずれかが山口市内の駅であればよく(益田方面に行っても構いません)、期間は4月26日から2024年3月31日までです。阿東総合支所地域振興課などの対応窓口で持ち帰った特急券と身分証明書を呈示すると、その場で特急料金を現金で返してもらえます。
(参考:山口市ホームページ https://www.city.yamaguchi.lg.jp/soshiki/34/135126.html)

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えちぜん鉄道の「恐竜列車」、車両の中まで恐竜

 勝山にある福井県立恐竜博物館は、この夏にリニューアルオープンする予定です。これに合わせて運行するのが、えちぜん鉄道の「恐竜列車」。静岡鉄道から購入した2両編成の車両を2.3億円(国や福井県の補助金を含みます)かけて改装しました。

 どのようになったのでしょうか? 車両の中も外も恐竜だらけになりました。外は恐竜の絵が描かれています。1両目はアメリカ大陸で発見された34体の恐竜が、2両目にはアジア各地で発見された42体の恐竜が描かれています。2両目には福井県内で化石が発掘された恐竜も描かれています。

 さらにすごいのが内部。1両目はジャングルを表し、車内には木(レプリカ?)もあります。2両目は化石発掘現場をイメージしてアンモナイトなどの模型があります。高さが1メートルを超える恐竜のモニュメントが2両合わせて3体あり、とても電車の車内とは思えないです。車内では恐竜に関するクイズを出したり、探検隊の服を着た乗務員がおもてなしをしたりします。

 運行ダイヤは福井発勝山行きの片道だけで、定員50人の予約制です。福井県立恐竜博物館の入場券とセットで発売するようです。冬季を除いて休日に運行し、夏休み中は平日にも走らせます。通常は1本、繁忙期には2本を走らせます。

 なお、この「恐竜列車」、MC8000形となるようです。

(追記)
 えちぜん鉄道の「恐竜列車」は7月15日から運行を始めます。8月31日までは毎日運行します(8月11日は除きます)。福井9:35発勝山10:30ごろ着の1日1便で、料金は一般4500円です(学生やシニアの設定あり)。「えちぜん鉄道一日フリーきっぷ」、勝山市内バス乗り放題、恐竜博物館常設展観覧料、「恐竜列車」特別料金がセットになっています。

 予約はえちぜん鉄道の専用ホームページで行い、支払はクレジットカードで行います。
(参考:えちぜん鉄道ホームページ https://www.echizen-tetudo.co.jp/news/2023/04/2346852.html、https://www.echizen-tetudo.co.jp/news/2023/06/2395552.html、福井新聞ホームページ https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1754933、railf.jp https://railf.jp/news/2023/05/06/053000.html)

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「odeca」は地域連携ICカードに

 気仙沼線と大船渡線のBRTで使えるICカード、「odeca」。7月1日、この「odeca」が生まれ変わります。

 どのようになるのかと言えば、地域連携ICカードになるのです。名前は「odeca」のままで、これまで通りBRTに乗ることができます。そのほか、「Suica」の機能が付加されます。BRTで利用できるほか、沿線外では「Suica」として利用できます。利便性がアップするのです。

 これに伴い、「odeca」は新しいカードに切り替えの必要が出てきます。現在の「odeca」の発売・利用可能期間は6月30日まで。定期券も7月以降の分は磁気定期券で対応します。現在の「odeca」は取扱窓口で手数料なしで払い戻しします。払い戻し期間は4月25日から9月30日までです。新しい「odeca」は7月1日から発売を開始しますが、定期券は8月1日からの発売です。その間は磁気定期券で対応することになります(8月1日以降、「odeca」に切り替えることができます)。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/morioka/20230424_mr01.pdf)

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錦糸卵のない「かしわめし」

 鳥栖に「かしわめし」という有名駅弁があります。かしわめしの駅弁は全国各地で売られていますが、鳥栖の「かしわめし」は1913年に発売を開始し、110年の歴史を誇ります。日本で最初のかしわめしの駅弁は、ここ鳥栖のもののようです。

 「かしわめし」には鶏肉のほか、欠かせないものがあります。卵です。錦糸卵が敷き詰められています。ところが、鳥インフルエンザの影響で、卵の生産は不安定になり、錦糸卵や卵焼きを納入しているメーカーから卵の使用量の減少を求められました。そこで、卵の納入量が大幅に減ったときに備えてつくったのが、錦糸卵の代わりにコーンを入れた「かしわめし」です。コーンは、醤油、みりん、砂糖で薄く味付けをしたものを入れています。

 この錦糸卵のない「かしわめし」は鳥栖、新鳥栖と本社で4月8日から発売しています。通常の錦糸卵の入った「かしわめし」も引き続き販売しています。値段は通常の「かしわめし」と同じ740円です。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASR4D71KRR4CTTHB004.html)

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小湊鐵道、上総牛久以南廃止か?

 小湊鐵道は五井と上総中野を結ぶ鉄道ですが、元々は安房小湊を目指した鉄道でした。その計画は実現しませんでしたが、終点の上総中野で木原線(現:いすみ鉄道)とつながり、行き止まりの鉄道ではなくなりました。ところがこの小湊鐵道、新型コロナウイルスの影響などで厳しい経営状況にあるとして、地元の市原市に財政支援を求めています。

 小湊鐵道は設備や車両の維持、補修などに今後10年間で60億円が必要だとしています。そして、利用者の少ない上総牛久-上総中野間22.7キロについては、廃線を含めた検討も必要だとしています。市原市はとりあえず、廃線になった場合の影響や安全運行のために必要な費用などについての調査を行うため、約2700万円を補正予算に計上しました。

 小湊鐵道の場合、ダイヤを見れば分かるとおり、五井に近いところは大丈夫でしょうが、先の部分は利用者が少ないです。首都圏に近いところで昔懐かしい車両が走っているという意味で、観光客や鉄道ファンに人気のある路線ですが、市原市に財政負担をしても、観光資源として維持する価値があるかどうかにかかっているのでしょう。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20230429/1000091969.html)

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阿武隈急行も経営見直しか?

 槻木と福島を結ぶ第三セクターの阿武隈急行。白石を経由する東北線とは違って、阿武隈川沿いに走ります。

 ところがこの阿武隈急行、災害による長期不通が相次いでいます。2019年の台風19号のときは全線復旧まで1年ほどかかりましたし、2022年3月の最大震度6強の地震のときも駅や線路などが被害を受け、全線で1か月あまり不通となりました。そのほか、新型コロナウイルスの影響で経営状態が悪くなり、2021年度末の累積赤字は約23.7億円です。

 そこで宮城県、福島県、そして沿線5市町村も参加して、抜本的な経営改善を目指すための会議を設けることとなりました。約2年かけて経営改善策をとりまとめます。最初の1年は鉄道を廃止してBRTにするかどうか話し合います。その後、鉄道を維持するならば、上下分離方式の導入などを検討します。

 阿武隈急行の一番のネックは、県境の区間。福島市や伊達市の市街地は比較的利用者がいるようですが、県境の区間の利用者は少ないようです。ここをどうするかによって、結論が決まりそうです。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230315/k10014008351000.html、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR3Y7SWJR3RUNHB007.html)

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6月1日から315系は関西線にも

 315系は3扉ロングシートの新型車両。8両固定編成で2022年3月から中央線名古屋-中津川間を走っています。増備されているようで、徐々に315系が使われる列車が増えているように感じられます。

 さてその315系ですが、6月1日からほかの路線でも走ることになりました。それは関西線。名古屋-亀山間で走ります。8両編成ではなく、4両編成です。3000番台と名乗ります。

 この関西線に投入される315系、車両側面にカメラを設置しています。画像認識技術によって、ホーム上の安全確認や利用者の接近等の検知をすることができるようになっています。もし何らかの問題があれば、運転士に通知されるのです。1月から試験運転を行ってきましたが、6月からは営業列車に投入することにより、画像認識技術の確立に向けた検証を行います。営業列車に使うことにより、様々な時間帯や天候における実際のホーム上の状況を撮影し、より多くのデータを蓄積することにより、検知精度の向上を図ります。最終的には、3両以上の編成でもワンマン運転を行うことを考えています。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042716.pdf、railf.jp https://railf.jp/news/2023/05/17/110000.html)

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「スペーシア X」、2編成増備

 7月15日にデビューする、東武の新型特急車両、「スペーシア X」。N100系で、1日2~4往復運行されます。

 ところがこのN100系、デビュー当初は6両編成2本しかつくられません。週末など4往復走るときは、予備の車が全くない状態となります。

 さすがにこれでは危ないので、2023年度中に2本増備し、当初の予定通り、4本を用意することにしました。4本あれば、かなり余裕があることから、最繁忙期には追加の臨時列車が運行されるのかもしれません。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2023/04/30/370500.html)

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久大線に新しい観光列車、水戸岡氏がデザインを行わず

 「ゆふいんの森」などが走る久大線に、2024年春、新たな観光列車が走ります。

 コンセプトは、「ゆふ高原線の風土を感じる列車」。ゆふ高原線とは久大線のことです。月曜日、水曜日、土曜日に博多から別府へ、火曜日、金曜日、日曜日に別府から博多へ、それぞれ約5時間かけて走ります。全席グリーン車で、沿線の食材を中心に福岡、大分両県の魅力を詰めた弁当を提供します。

 この新たな観光列車の特徴は、水戸岡氏がデザインをしないこと。鹿児島市に本社がある株式会社IFOOがデザインを行います。JR九州の観光列車と言えば、水戸岡氏デザインのものだらけですが、何があったのでしょうか? なお、どういうデザインになるかはまだわかりませんし、列車名、運転時刻、運転日、停車駅、車内サービス、価格などもまだ決まっていません。車両は肥薩線の「いさぶろう」、「しんぺい」を改造してつくります。「いさぶろう」、「しんぺい」の運行は2023年秋までの予定で、その後に改造に取りかかります。

 肥薩線は2020年7月の水害で大きな被害を受け、未だに復旧の目途が立っていません。そのような状況で、看板の観光列車が次々に活躍の舞台を変えていくというのは、JR九州には肥薩線を復旧させるという考えがないことを示しているのでしょう。確かに肥薩線の現状を考えると、復旧は厳しいです。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2023/05/10/230510_yuhukougen_ds.pdf、FNNホームページ https://www.fnn.jp/articles/-/527640)

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芸備線は輸送密度1万人超の下深川-広島間でも赤字

 芸備線は備中神代と広島を結ぶ約160キロの路線。広島近郊は大都市広島の通勤、通学輸送があるためかなりの利用者がいますが、広島から離れるにつれ利用者は減り、輸送密度が10人程度という極めて少ない区間もあります。バスでも輸送力過剰になるぐらいの区間です。

 ですから、芸備線の廃止の話が出ています。そしてその芸備線について5月10日、岡山県と広島県の沿線自治体がJR西日本から経営状況を聞き取る第2回ヒアリングが行われました。ここで芸備線の区間ごと(備中神代-東城間、東城-備後落合間、備後落合-備後庄原間、備後庄原-三次間、三次-下深川間、下深川-広島間)の営業損益が明らかになりました。輸送密度が1万人を超える下深川-広島間については、これまで営業損益は公表されていなかったのですが、今回初めて公表されることになったのです。

 輸送密度が1000人未満の区間はともかく、1万人を超える下深川-広島間は黒字かと思ったら、そうではありません。2017~2019年度の平均で2.9億円の赤字です。輸送密度が10人程度の東城-備後落合間の2.8億円とほぼ同じ数字です。

 とは言っても、両者の重要性は天地ほどの差があります。東城-備後落合間ならジャンボタクシーで十分ですが、下深川-広島間はバスでは運びきれません。社会的に鉄道が求められる区間です。増発(そういう意味では、そこそこ利用者のある区間の減便は愚策です。さらに減らす危険性がありますので、あまりやらないほうが良いでしょう。新型コロナウイルスの影響で減らしたのなら、回復具合を見て元に戻したほうが良いのかもしれません。減らすなら、輸送密度が2桁とか、3桁前半ぐらいのすでに終わっている路線です)や駅の増設等の努力は必要でしょうが、輸送密度が1万人もあって赤字になってしまうのは、JRの運賃が安すぎるからでしょうか? 正規運賃を上げて、競争の激しい区間ではインターネットでの割引切符で対応するようにしたほうが良いのでしょう。
(参考:山陽新聞digital https://www.sanyonews.jp/article/1396799)

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養老鉄道、15日からインターネット定期券予約サービス導入

 明日5月15日で、近鉄において養老鉄道との連絡定期券及び養老鉄道単独の定期券を買うことができなくなります。

 ただ、その5月15日から新たにできるサービスもあります。それは、インターネット定期券予約サービス。インターネット上で定期券を予約し、事前に指定した受取日に、事前に指定した受取駅で料金を支払い、定期券を受け取るものです。通勤定期、通学定期ともに購入することができます。通学定期の場合は通学証明書が必要ですが、通学証明書の写真をアップロードすることにより、対応します。

 受取日は申し込んだ日の3~9日後の間で、申し込むときに指定します。定期券の使用開始日は、受取日から14日以内で指定することができます。支払は現金のほか、PayPayも選択できます(桑名は現金のみ)。

 すでに養老鉄道には、スマホの画面が定期券になる、「モバイル定期券」というものもあります。定期券を販売する駅は少ないので、このような「モバイル定期券」を使うのがメインになり、補助としてターミナル駅で事前にインターネットで予約した定期券を使うことになるでしょう。
(参考:養老鉄道ホームページ https://www.yororailway.co.jp/oshirase/annex/785_Field05.pdf)

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北総鉄道、通学定期大幅値下げで3割増

 北総鉄道は2022年10月に値下げを行いました。特に値下げが大きかったのは通学定期。沿線に子育て世代を呼び込むため、64.7%の大幅な値引きを行ったのですが、値下げから半年経ち、どのようになったのでしょうか?

 通学定期の利用者が3割増えました。値下げにより1/3程度になったので通学定期自体は減収になっていると思われ、トータルとして効果があったかは分からないですが、通学定期の利用者が増えたのは確かです。街づくりのきっかけにはなっているのでしょう。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=132&ng=DGXZQOCC1935G0Z10C23A4000000)

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小田急でワンマン運転か?

 小田急はこのたび、2023年度から2026年度までの中期経営計画をまとめました。

 この中期経営計画によれば、箱根登山鉄道小田原-箱根湯本間でワンマン運転を行います。2025年度に試験運用を開始する予定です。実はこの区間、箱根登山鉄道でありながら、小田急の車両で運転される区間。4両編成の電車が行き来しています。今までは長編成のワンマン列車は考えられなかったのですが、JR東日本がそのような線区でのワンマン列車導入を考えています。小田急も箱根登山鉄道小田原-箱根湯本間を使って、ワンマン運転の研究をしようとしているのでしょうか?

 このほか小田急は、業務を見直し、信号業務の集約化、メンテナンスの効率化などを図ることによって、少ない人数でも運営できるような体制を整えます。鉄道事業においては、2035年度までに2020年度に比べて3割少ない人員で対応できるようにします。
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20230429-2668599/)

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宮島入島規制で船も大幅減便

 広島でのサミット期間中は路面電車やバスで運休等がありますが、宮島に行く船も大幅減便します。

 減便が行われる期間は5月18日から20日までの間。18日12時から20日14時までの間、宮島の入島規制を行います。一般観光の人は宮島への入島ができません。住民など関係者のみ行き来できるのです。JR西日本宮島フェリーは通常、日中は15分間隔で運行されていますが、18日の午後は30分間隔、19日は1時間間隔になります。20日の午前中はさらに少なく、8時台の後は12時台。4時間間隔が開きます。

 さすがに入島規制がある以上、地元の人以外の利用はないでしょうが。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230509_00_press_ferry.pdf)

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西九州新幹線、「リレー方式」では採算が取れず

 西九州新幹線は離れ小島の新幹線。2022年9月に武雄温泉-長崎間が開業しましたが、新鳥栖-武雄温泉間がつながっていないため、博多-長崎間を行き来するのにも武雄温泉での乗り換えが必要です。しかも、新鳥栖-武雄温泉間の開業の目途が立っていません。このため、JR九州によれば、利用者はあまり増えていないようです。収支も厳しいようです。

 ある意味当たり前の話でしょう。部分的に新幹線が開業したことにより所要時間が短縮しましたが、武雄温泉での乗り換えがありますから、ありがたみは薄いです。しかも、車が使えなくても、福岡と長崎を直結してくれる高速バスは何本も走っています。スピードで圧倒するならともかく、現在の「リレー方式」では極端な差はつかないので、新幹線に乗り換えてくれないのです。在来線時代と同じように、少々高くなったとはいえ割引切符で乗ってもらうしかないのです。圧倒的はスピードを武器に稼ぐこともできないのです。

 この事態を解決するには、全線フル規格を実現するしかありません。都市間輸送に関しては、在来線を維持しても未来はないのです。在来線特急ぐらいのスピードなら、車でも出せます。新幹線という車では出せないスピードなので、お金を払って使ってくれるのです。全線フル規格にすると収支が大幅に改善するのは明らかです。西九州新幹線を狭軌にしても博多-長崎間の直通運転はできますが、期間と費用がかかり採算が取れません。一旦開業した後に運休させてレールを敷き直すほどの価値はありません。

 結局、西九州新幹線改善の唯一の方法は、佐賀県を説得して、全線フル規格建設の道筋をつけることでしょう。佐賀県も佐賀市の視点ではなく、県全体の視点から条件闘争に持ち込むべきでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR5C6QMWR5CULFA01R.html)

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IRが実現してもJR西日本は桜島線を延伸せず?

 2025年の大阪・関西万博には間に合いませんが、桜島線を延伸する構想があります。どこに延ばすのかと言えば、夢洲。夢洲には大阪・関西万博が終わった後にIR(カジノなどの統合型リゾート)ができるので、そのアクセスのひとつとして桜島線が延びるのです。

 ところが、4月28日に発表された「JR西日本グループ長期ビジョン2032・中期経営計画2025」には、夢洲への延伸が盛り込まれていません。夢洲へのアクセスを検討することが掲げられていた2018年の「JR西日本グループ中期経営計画2022」より後退したように見えます。「JR西日本グループ長期ビジョン2032・中期経営計画2025」では、夢洲への輸送はあくまでも大阪・関西万博のためであるとしています。

 桜島線の延伸は消えたのでしょうか?
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/jrw-chukei2025/)

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近鉄奈良線の移設、凍結か?

 今から37年後の2060年にできるという近鉄奈良線の移設計画。ずいぶん気の遠い話ですが、消えることになりました。

 なぜかと言えば、4月の奈良県知事選で知事が替わったからです。これまで荒井氏が4期16年県知事を務めてきましたが、今回の選挙で当選したのは維新の山下氏。これまでの荒井奈良県知事が進めてきた事業を見直しているのですが、その見直しの対象になっているもののひとつが、近鉄奈良線の移設計画です。事業の必要性や費用対効果の検討が不十分なので、2023年度予算の執行を止めるのです。

 このほか、関西空港への鉄道網整備についても予算の執行を止めます。近鉄奈良線の移設はともかく、こちらは元々何の意味があるのかわからなかったですから(わざわざ奈良からの鉄道をつくる必要はない)、見直しは必然とも言えるでしょう。関西広域連合の全面加入も行い、府知事、市長ともに維新が占めている大阪との歩調を合わせます。
(参考:共同通信ホームページ https://nordot.app/1026147448404934656?c=996030135055417344)

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「WEST EXPRESS 銀河」もうめきたエリアの大阪に停車

 117系を改造してつくったJR西日本の観光列車、「WEST EXPRESS 銀河」。今は山陰方面に向かって走っていますが、秋から春にかけては、南紀方面に行きます。「WEST EXPRESS 銀河」が南紀に行くのは、これが3年目です。

 南紀に向かって走るのは、9月から2024年3月までの間。ただし、11月から2024年1月にかけて、車両メンテナンスのため運行しない予定です。京都発新宮行きは夜行、新宮発京都行きは昼行です。

 今回は、3月18日に開業した大阪に停車します。うめきたエリアの大阪です。夜行、昼行とも停車します。また、京都行きの昼行は、新宮の発車時間を大幅に繰り下げます。2022年は9:50発だったのですが、13時ごろの出発になります。新宮周辺の観光をしやすいようにするためとのことですが、途中駅での停車時間が短くなるのでしょうか? なお車内では利用者の要望のあった、特産品の販売を行います。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230508_00_press_ginga.pdf、中日新聞ホームページ https://www.chunichi.co.jp/article/686658)

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新幹線函館乗り入れに関する補足

 大泉函館市長の公約である、北海道新幹線の函館乗り入れ。この補足です。

 まず、新幹線の軌間は1435ミリであるのに対して、在来線は1067ミリ。どうやって新幹線の車両を走らせるのかと言えば、三線軌条にするのです。在来線の線路の外側にレールを追加し、新幹線も在来線も走ることができるようにします。函館-新函館北斗間のうち函館-七飯間は複線ですので、工事期間中でも在来線の運行は何とかなりそうです。新幹線の車両は在来線より重たいのですが、函館線は貨物列車用の重たい機関車に対応していますから、問題はないようです。また三線軌条のため新幹線の車両は在来線の車両とずれますが、北海道の線路は除雪を考慮して広めにつくっています。駅のホームを除いて、支障となるものはないようです。さらに言えば、函館の駅は、フル規格新幹線が来てもいいようにつくられているようです。なお、新幹線から在来線への乗り入れは、北海道新幹線の車両基地を通って行います。

 三線軌道になるのは東側だけです。距離が短いので新幹線同士がすれ違うことはなく、交換設備なしの単線で足りるとしています(1か所ぐらい交換設備があったほうが良いような気はしますが)。西側は狭軌のままなので、狭軌のほうは複線扱いとなります。また現在、電化されている函館-新函館北斗間で電車が走るのは、「はこだてライナー」のみです。しかし、新幹線が函館に乗り入れると、「はこだてライナー」はその役割を終えてなくなります。新幹線しか電車はないので、狭軌のほうの電化設備は撤去します。在来線のローカル輸送はディーゼルカーで賄い、「はこだてライナー」用の車両は札幌で使います。

 以前にも書きましたが、函館-新函館北斗間をフル規格にすると1000億円かかりますが、ミニ新幹線なら75億円で済みます。また、ミニ新幹線の建設にかかった費用は30年間で回収することができます。電化の廃止により在来線電車が不要になること(初期投資の車両費や運行経費が減ります)、国からの補助金、新幹線利用者からの加算運賃などにより回収することができるようです。
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20230503-shinkansenhakodate/)

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石狩市にロープウェイ構想

 札幌の北にある石狩市というところに、ロープウェイをつくる構想があります。

 元々、石狩市には鉄道をつくる構想がありました。1985年からある話でしたが、建設費が莫大で、鉄道にしろ、モノレールにしろ、採算が取れないので、話は前に進みませんでした。この鉄道構想が、ロープウェイというかたちで復活したのです。

 なぜロープウェイにするのかと言えば、設置費用が安いこと。鉄塔を建てる場所だけ用地買収をすればいいので、コストが下がるというのです。また、ロープウェイは上空を走ります。大雪のときの渋滞を避けることができるというメリットがあるようです。

 エネルギーも時代に合わせてアップデートしています。石狩市には、風力や木質バイオマスの発電所をつくる計画があります。沖合には、大規模な洋上風力発電所の計画があります。環境に優しい再生可能エネルギーでロープウェイを動かすのです。ロープウェイは風に弱そうなイメージがありますが、スキー場に同じような構造のリフトがたくさんあるのですから、問題はないようです。

 さて、この構想、実現するのでしょうか? そもそも、軌道系の交通機関が要るほどの需要があるのか、というところから考えないといけません。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/ff4df2a5839ad4e025f9c1fbfd7d7add906b9111、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/ishikari-ropeway/)

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熊本市交通局、5月13日から休日に増便のダイヤ改正

 熊本市交通局は5月13日にダイヤ改正を行います。

 今回のダイヤ改正で変わるのは、休日。休日の日中の利用が増加傾向にあるため、A系統、B系統ともに本数を増やします。土曜はA系統が9往復、B系統が10往復増えます。日曜、祝日はA系統が5往復、B系統が10往復増えます。また、ダイヤはパターン化されます。日中の10~17時は、A系統が6分間隔、B系統が12分間隔で走ります。両系統が走る区間は4分間隔ということになります。

 また、土曜日の夜間(21~22時台)の混雑が目立つので、新水前寺駅前行きを3本、健軍町行きを1本増発します。
(参考:熊本市交通局ホームページ www.kotsu-kumamoto.jp/kihon/pub/detail.aspx?c_id=3&id=1356&pg=1)

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2023年の春も「みんなの九州きっぷ」

 JR九州には、「みんなの九州きっぷ」というフリーきっぷがあります。この「みんなの九州きっぷ」ですが、2023年春にも再発売されることになりました。

 「みんなの九州きっぷ」の発売期間は4月26日から7月9日まで(利用開始日の1か月前から7日前まで発売)、利用期間は5月13日から7月17日までの連続する休日2日間です。値段は全九州版が大人18000円、子供2000円、北部九州版が大人9500円、子供1000円です。大人は1人で利用できますが、子供1人だけでの利用はできません。「みどりの窓口」では発売せず、JR九州インターネット列車予約で購入することになります。

 なお、「ハロー!自由時間クラブ」会員(入会条件は60歳以上であることのみです)は、5月13日から7月17日の間、曜日に関係なく利用することができます。平日でも利用することができます。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2023/04/25/230425_minnanokyushu.pdf)

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日田彦山線BRTは8月28日開業

 日田彦山線の添田-夜明間は、2017年の平成29年7月九州北部豪雨により大きな被害を受け、それ以来、鉄道での運行はありません。この区間は元々利用者の少ないところなので、鉄道で復旧させても使える交通機関にならず、単に赤字が積み上がるだけです。

 そこで、この区間はBRTによって復旧させることにしました。そしてこのたび、BRTとしての開業予定日がJR九州から発表されました。その日は8月28日、の間に開業させることができるようです。

 BRTはこれまでの日田彦山線がそうであったように、大分県側の主要都市である、日田まで乗り入れます。BRTとして走る区間は添田-夜明-日田間約40キロということになります。このうち、専用道で走るのは彦山-宝珠山間約14キロです。一般道を走行する区間を中心に駅が増え、使いやすくなります。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2023/04/26/230426_brt_kaigyoyotei_1.pdf)

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Osaka Metroのデマンドバスに呼出インターホン、呼出専用電話

 以前にも記事にしたことがありますが、意外なことに大阪市内にもデマンドバスが走っています。

 ただネックなのは、予約がアプリで行うのが原則、ということ(電話でもできます)。公共交通機関が充実している大阪市では、デマンドバスを使う必要性は見当たりません。車がなくても地下鉄などの鉄道やバスを使えばいい話なので、高齢者向けになるのですが、その高齢者は相対的にアプリに弱いです。Osaka Metroも高齢者の利用は少ないことを認識しています。

 そこでOsaka Metroは2022年12月から、平野区内の23か所のデマンドバスの停留所に呼出インターホン、そしてデマンドバスエリア内にあるOsaka Metroの4駅(喜連瓜破、平野、長原、南巽)に呼出専用電話を設置しています。呼出インターホンや呼出専用電話はボタンを押したり受話器を上げたりするだけでコールセンターにつながり、スマホがなくてもデマンドバスを利用することができます。

 下手にデマンドバスをつくるよりタクシーの補助券を配ったほうが仕組みが簡単なように思われますが、せっかくデマンドバスの仕組みをつくったからには、利用者を増やす取り組みが必要でしょう。
(参考:Osaka Metroホームページ https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20221215_odb_senior.php?_ga=2.119346953.1416952654.1671512217-158534594.1656898011&_gl=1*16tl90g*_ga*MTU4NTM0NTk0LjE2NTY4OTgwMTE.*_ga_LT5TV95QB9*MTY3MTY5MTkwMi4yMC4xLjE2NzE2OTE5NTAuMTIuMC4w)

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貨物新幹線での貨物の積み替え方法

 新幹線に貨物列車を走らせるという話があります。いわゆる貨物新幹線です。ただし、貨物新幹線が走るのは新幹線の上だけなので、それだけでは不十分です。在来線も使う必要があります。それでは、どうやって新幹線と在来線との間で貨物を積み替えるのでしょうか?

 JR貨物の出願した特許で明らかになった内容によれば、新幹線と在来線が対面で停車し、ホーム上で積み替えます。新幹線の両側に在来線が挟み込むかたちになっています。上には屋根があります。積替用のホームにはコンベアーがたくさんあります。在来線のコンテナから運び出された荷物はコンベアーで運ばれます。荷物はコンテナではなく、航空機で使われるようなパレットに入っています。新幹線の車内にもコンベアーはあるようです。貨物新幹線に使う車両は、旅客用の車両から座席を取っ払ったものになるか、貨物専用に開発された車両になるかのどちらかとなります。

 在来線を通さずに、直接新幹線とトラックとの間で積み替えを行うパターンもあります。新幹線の駅は2面4線の駅になっています。小田原のような構造ですが、旅客は扱いません。高架ホームにエレベータがあり、そのエレベータで荷物を地上のトラックヤードに下ろします。

 この貨物新幹線、東北・北海道新幹線に導入することが想定されています。並行在来線の需要があまりにも小さく、ローカル需要だけで維持するのがあまりにも厳しいからです。そして、北海道の貨物駅の候補として第一に挙げられているのが、札幌貨物ターミナル。大都市札幌にあることが最大のメリットですが、そのためには北海道新幹線をもう少し延ばさないといけません。それができなかった場合、次善の策として浮かび上がってくるのが、長万部のようです。北海道新幹線が開業しても室蘭線は分離されず、そのままJRで残ります。ですから、そこで在来線に積み替えて札幌等に行けば良いのです。長万部町にとっても貨物駅ができれば何らかの需要が生まれることでしょう。町のホームページに貨物新幹線の紹介までしています。

 本州側はどこに置くのでしょうか? 同じ長万部町のホームページでは大宮操車場を候補に挙げていますが、大宮以南だと東北新幹線の他に上越、北陸新幹線も集まり、対応が厳しくなるでしょう。大宮の北で、割合東京に近いところがターミナルになると考えられます。在来線の貨物駅と新幹線が近いところを考えると宇都宮が候補に挙がります。そこでも新幹線の本数が多くて厳しいのなら、仙台近辺になるのかもしれません。仙台の貨物ターミナルは岩切に移転します。ここなら東北新幹線に近いです。また、途中には何か所か中間の貨物駅ができることでしょう。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/125501、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/kamotsushinkansen202304/、長万部町ホームページ https://town.oshamambe.lg.jp/uploaded/attachment/6540.pdf)

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ワンマンを始めた知多新線と常滑の電気バスに乗ってきました

 今日(5月5日)のことですが、3月18日のダイヤ改正でワンマン運転を始めた知多新線常滑の電気コミュニティバスに乗ってきました。

 

 これまで河和線の特急、急行は半々の割合で河和と内海に行っていたのだが、今回のダイヤ改正で早朝や深夜の一部を除いて河和発着に統一され、内海へは分岐駅の富貴での乗り換えになった。急行から乗り換えたのだが、知多新線に乗り換える人がそこそこいた。

 続いて河和行きの特急がやって来て、同じように乗り換える人を下ろしていく。その後、内海方面から知多新線の列車がやって来た。4両編成でしかも新型の9500系。ワンマン対応になっているとは言え、4両編成の新しい車両が使われるとは意外だ。2両編成の比較的古いのをワンマンに使うと思っていたから。16:04に内海行きは出発した。そこそこ乗っていて、末端のローカル線とは思えない。知多新線は単線だが、複線化できるようになっていた。ただ、想定のようには利用者は増えず、単線のままとなっている。5分ほど走って、次の駅の上野間で降りる。向かいのレールが錆び付いていると思ったら、3月18日のダイヤ改正で使用を停止していた。上野間はすれ違いのできない駅になっていたのだ。基本的には30分間隔なので、交換設備はそれほど要らないのだろう。

 知多新線はその名の通り、後になってできた路線なので、駅前に商店街というものはない。あるのはバスロータリーだけで、バス停のポールが1本、寂しく立っている。この寂しい上野間から乗るのが、常滑市のコミュニティバス、「グルーン」。上野間は美浜町にあるが、市町の境は上野間のすぐ近くにあるので、上野間まで常滑市のバスが乗り入れているのだ。バスは電気バス、コミュニティバスらしく小柄なバスだが、見慣れないメーカーだ。どうやらBYDという中国のメーカーのバスだ。BYDの電気バスは国内でも走っているが、気になるところもある。性能とかそういう話ではない。これから電気自動車が主役になるのなら、日本でも研究を重ねて、どんどん国産の電気自動車を投入していかなければならないのだ。ガソリンが高いのは逆にチャンスであり、次の選挙だけを気にしてガソリンに補助金をつけて安くする暇があったら、電気自動車の普及にお金をつぎ込んだほうが良い。ガソリン車と同じように日本車が当たり前の状態にしなければならないのだ。ガソリン車でも、さらに燃費の良い車を開発するきっかけになるだろう。話を元に戻す。バスは私を含めて乗るのが目的と思われる3人と、直前に乗り込んできた3人の合わせて6人で発車。

 電気バスは時折モーターの音がするものの、ディーゼルバスに比べると静か。行楽帰りなのか、国道は渋滞していたが、脇の旧道に入るとそのようなことはなく、スムーズに走る。意外なのは、乗客の数。途中までは動きがなかったが、だんだん増えていく。ついには立つ人まで出てきて、乗客の数は14人にまでなった。バスの本数も割合多いが(途中からは武豊からの便もあるので、1時間に1本ほどになる)、やはり一番利いているのは、無料ということだろうか? そう言えば、バスは「貸切」と書かれている。整理券の発行機はあるが、運賃箱はない。常滑競艇の観客輸送という名目で走らせているようで、そのためお金は要らないのだ。元々常滑から上野間までバスで行くと590円かかっていたのだが、これが0円になるとは大きい。地元の人にとっても気軽に乗ることができるだろう。それで公共交通の利用の拡大につながるなら喜ばしい話だ。
(参考:JTB時刻表 2022年10月号)

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近鉄、駅のトイレに温水洗浄便座を設置

 これまでもトイレの改修を行ってきた近鉄ですが、2023年度から2025年度までの3年間で約100駅のトイレを改修します。

 どのように改修するのでしょうか? トイレを設置している全駅に洋式トイレを1基以上設置します。そして、その洋式トイレには全て温水洗浄便座を設置します。2025年度までに行うのですから、たった3年間で全てのトイレのある駅に温水洗浄便座を設置するのです。なお、2023年度は、近鉄日本橋、高の原、新石切など20駅で改修を予定しています。

 また、特に利用者の多い駅については、洋式トイレの整備のほか、トイレの床や壁などの内装の改修工事、駅ホームを含めた美装化工事を行います。
(参考:近鉄ホームページ https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/toirekaisyuu.pdf)

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国交相、並行在来線の函館線を基幹鉄道区間として認識

 北海道新幹線が札幌まで延伸すると、函館-小樽間は並行在来線として分離されます。特急や貨物がなく、単なるローカル線に過ぎない長万部-小樽間はともかく、貨物列車がたくさん走る函館-長万部間も分離されます。

 長万部-小樽間は一部を除いて需要は少ないのでバスに転換しても大きな問題はないのですが、単純に旅客需要が少ないからと言って函館-長万部間も一部を除いてバス転換するとややこしい話になります。貨物をどうやって運ぶのか、ということです。国鉄時代のようににするわけにはいかないですし、しかもその国鉄時代より船での運航区間が長くなります。函館線が使えない以上、函館ではなく、いきなり苫小牧あたりまで運ばないといけません。少なくとも貨物新幹線が実用化するまでは、函館線を維持しないといけないのです。

 それでは、どうすればよいのでしょうか? 国交省はすでに2022年11月から、国、北海道、JR北海道、JR貨物の4者による協議を行っています。また、斉藤国交相は4月19日の衆議院国土交通委員会で、議員(北海道の議員ではなく、なぜか関東の議員です)の質問に対して、函館線について基幹鉄道区間として認識しているとの答弁を行っています。

 新函館北斗-長万部間のローカル輸送はバスでもいいでしょうが、貨物は全国的な問題です。一地域の事情だけで貨物鉄道網を毀損するようなことがあってはいけないでしょう。
(参考:カナロコ https://www.kanaloco.jp/news/government/article-983903.html)

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熊本県、肥薩線の負担割合を沿線自治体に提示

 肥薩線は2020年7月の豪雨で大きな被害を受けました。この肥薩線を復旧させるためには、約235億円という巨額の費用がかかります。また、復旧すればそれでおしまいというわけではありません。赤字路線なので、維持するための経費もかかります。八代-人吉間で毎年約7.4億円になるとみられています。

 基本的にはこれらの費用は国に頼ります。復旧費用は約235億円ですが、球磨川の河川整備や災害復旧は国が行いますので、残りは約76億円。これを国、地方、JR九州が1/3ずつ負担しますが、地方分は熊本県と地元自治体(沿線等の12市町村)が半分ずつ負担します。約235億円のうち、補助制度や交付税措置を含めて国が197億円を負担し、JRは25.3億円、熊本県と12市町村がそれぞれ6.35億円を負担します。

 それでは、12市町村の負担割合はどうなるのでしょうか? 熊本県は負担割合の案を決め、12市町村に提示しました。12市町村の中で一番恩恵を受けるのは人吉市とみられていますので、5割の3億1750万円を負担します。八代市は3割の1億9050万円を負担します。残り2割を10町村で負担するのですが、沿線の芦北町、球磨村の負担額を増やすか、均等にするかは未定です。

 維持経費は約7.4億円ですが、このうち国が補助制度や交付税措置を含めて5.4億円を負担します。維持経費はJRの負担分はなく、熊本県が8000万円、12市町村が1億1970万円を負担します。12市町村の負担割合は復旧費用と同じで、人吉市が5980万円、八代市が3590万円などとなっています。

 もっとも、12市町村の中には、負担額が大きいとして熊本県の追加支援を求める声があります。でも、地元が必要としない鉄道は熊本県が必要とするのでしょうか? そのあたりから考えていかないといけないのかもしれません。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://nordot.app/1019367141866356736?c=996030135055417344)

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JR北海道、鉄道とバスの共同時刻表を作成

 時刻表に載っていないことも多いので分かりにくいところはありますが、鉄道に並行してバスが走っているところはたくさんあります。鉄道の本数は少なくても、バスを組み合わせばそれなりの本数になるところもあります。

 JR北海道にもそういう路線はあります。単独では維持できないものの、国や自治体の支援を受けて存続させる予定の8線区も該当します。JR北海道はこれら8線区について、鉄道とバスの両方が載った時刻表を作成します。JR四国ではすでに事例がありますが(牟岐線のほか、予土線等が該当します)、JR北海道では初めてのことです。

 どのような時刻表になるのでしょうか? 鉄道と並行する路線バス・都市間バスのダイヤを一緒に載せます。各駅や主要バスターミナル、公共施設などで掲示するとともに、沿線の家庭にも配ります。6月以降に行う予定です。宗谷線と石北線については少し早く取り組みます。交通新聞社の「北海道時刻表」の5月号と6月号に、鉄道とバスの両方が載った時刻表を掲載します。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR4D5QMXR4DULFA01G.html、JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/renraku-bus/)

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JR貨物が貨物船を所有

 JR貨物はJRの主要幹線で貨物を運んでいますが、鉄道で運ぶ以上、1か所でも災害などで途切れると、運ぶことができなくなります。災害で不通になる事態は毎年のように生じます古い規格の鉄道なので、災害には弱いです。迂回運転することもありますが、これは国鉄時代につくられ、全国を走った実績があるDD51があったからできたことで、DF200に置き換えられた現状では、そういうことは難しくなります。鉄道での迂回運転は考えず、最初からトラックと船による輸送を考えます。それならそれで、JR貨物も対応策を考えないといけません。そこでJR貨物は、災害時に代行輸送として使うことのできる船を所有することにしました。

 2024年春に完成する予定のこの貨物船は、船の総トン数は499トン、長さ70メートル、幅12.5メートルで、12フィートコンテナ80個を積むことができます。センコーグループホールディングス(本社:東京都江東区)との共同所有で、保有比率はセンコーグループが70%、JR貨物が30%です。平常時はセンコーグループの船のひとつとして運航しますが、鉄道が寸断し、船が必要になったときは、この船を代行輸送に使います。
(参考:JR貨物ホームページ https://www.jrfreight.co.jp/info/2023/files/20230412_03.pdf)

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サミット期間中は広島の電車、バス一部運休

 5月19日から21日の間、広島で「G7広島サミット2023」が開催されます。これに伴い広電は、5月18日から22日の間、電車やバスを通常と異なるダイヤで走らせます。

 路面電車は、5月18日から22日の間、土曜・休日ダイヤで走らせます。広電西広島-紙屋町西-広島港間を走る3号線については、一部便を除いて運休します(区間運休の日もあります)。そのほかの路線も交通規制があるため、大幅に遅れたり、急遽運休、行先変更があったりします。

 バスは、5月18日から22日の間、呉エリアで運行が完結するものを除いて、日曜・祝日ダイヤで走らせます。一部の路線では、運休したり、迂回運行したりするものもあります。広島市内の路線バスだけでなく、リムジンバス、高速バス(呉、松江、米子、浜田、三次・庄原方面)も運休します。ほかのバス会社も同様になります。

 なお、JRは、新幹線、在来線ともに通常通りのダイヤで走る予定です。
(参考:広島電鉄ホームページ https://www.hiroden.co.jp/topics/2023/0405-g7summit.html、NHKホームページ https://www.nhk.or.jp/hiroshima/lreport/article/003/93/)

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「S Work車両」が「ひかり」、「こだま」に

 JR東海では現在、「のぞみ」の7号車を、モバイル端末等を気兼ねなく使用して仕事をすることができる「S Work車両」として設定しています。その「S Work車両」のサービスが拡充されます。

 まず、「S Work車両」として使っている7号車の一部の席について、3人掛けの真ん中の席、B席にパーティションを設置し、A、Cの2席しか使えないようにします。テーブルも改良し、ノートパソコンが使いやすくなります。「S WorkPシート」です。10席が該当します。通常の3人掛けシートより、広く使えるようになります。この「S WorkPシート」も「エクスプレス予約」等で購入することができますが、3人掛けのシートを2人で使うため、少し高くなっています。通常の「エクスプレス予約」等で購入した場合の普通車指定席の1200円増しです。「S WorkPシート」は10月20日から導入されます(予約開始は10月18日から)。

 同じ10月20日からは、「ひかり」や「こだま」でも16両編成で走るものについては、「S Work車両」が登場します(小倉-博多間のみの全車自由席のものを除きます)。こちらも予約開始は10月18日からです。

 「S Work車両」については、ノートパソコン等を使いやすいように、全座席のリクライニングの角度を従来よりも小さくします。7月以降順次、整備します。また、「S Work車両」は「エクスプレス予約」等でないと買えませんでしたが、2024年春以降、「e5489」や駅の窓口等でも買えるようになります。値段は通常の普通車指定席の値段と同じです(「S WorkPシート」は追加料金が必要です)。

 現在、N700Sの一部編成で「ビジネスブース」を試験導入していますが、N700S全編成に拡大します。10月1日以降、整備を終えた編成から順次使えるようになります。2024年度に整備は完了する予定です。なお、「ビジネスブース」は現在無料ですが、本格導入以降は有料となります。30分までは10分ごとに200円で、クレジットカードで払います。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042666.pdf、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230419_00_press_workplace.pdf)

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「Suica」のクラウド化によりエリア統合か?

 JR東日本は5月27日から、北東北3エリア(青森、盛岡、秋田)の45駅で「Suica」を導入します。

 今回北東北で導入される「Suica」は、これまで首都圏などで展開してきた「Suica」とは違います。これまでは改札機で乗客の運賃を計算してきました。ところが、今回導入される「Suica」では、運賃計算は改札機とは別のところにあるセンターサーバーで行います。改札機との間はネットワーク通信で結ばれ、乗客が改札機にタッチしたときにセンターサーバーで運賃を計算します。ただ、乗客にとっては利用方法は今までと変わらず、目に見える変化はありません。この新しい「Suica」のシステム、北東北3エリアだけで使うものではありません。この夏からは、すでに「Suica」が導入されている首都圏、仙台、新潟の3エリアでも順次導入されます。

 このようにシステムが変わることにより、どのような効果があるのでしょうか? サーバーや通信ネットワークが高速化されることにより、首都圏の鉄道利用に求められる高速な処理に対応することができます。サービス機能を拡張しやすくなり、処理スピードが上がり、改修作業においても速くなり、コストダウンします。

 これまでできなかったサービスもできるようになります(開始時期は未定です)。事前に購入した切符のデータを「Suica」と紐付けをして、「Suica」でタッチすれば移動できるようになります。時間帯や曜日に応じて割引をすることができます。沿線のイベントに連動させて電子クーポンを発行して割引を適用させることもできます。また、これまでエリアをまたいだ移動はできなかったのですが、それが新しいシステムではできるようになるようです。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230404_ho02.pdf)

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