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熊本県、肥薩線の負担割合を沿線自治体に提示

 肥薩線は2020年7月の豪雨で大きな被害を受けました。この肥薩線を復旧させるためには、約235億円という巨額の費用がかかります。また、復旧すればそれでおしまいというわけではありません。赤字路線なので、維持するための経費もかかります。八代-人吉間で毎年約7.4億円になるとみられています。

 基本的にはこれらの費用は国に頼ります。復旧費用は約235億円ですが、球磨川の河川整備や災害復旧は国が行いますので、残りは約76億円。これを国、地方、JR九州が1/3ずつ負担しますが、地方分は熊本県と地元自治体(沿線等の12市町村)が半分ずつ負担します。約235億円のうち、補助制度や交付税措置を含めて国が197億円を負担し、JRは25.3億円、熊本県と12市町村がそれぞれ6.35億円を負担します。

 それでは、12市町村の負担割合はどうなるのでしょうか? 熊本県は負担割合の案を決め、12市町村に提示しました。12市町村の中で一番恩恵を受けるのは人吉市とみられていますので、5割の3億1750万円を負担します。八代市は3割の1億9050万円を負担します。残り2割を10町村で負担するのですが、沿線の芦北町、球磨村の負担額を増やすか、均等にするかは未定です。

 維持経費は約7.4億円ですが、このうち国が補助制度や交付税措置を含めて5.4億円を負担します。維持経費はJRの負担分はなく、熊本県が8000万円、12市町村が1億1970万円を負担します。12市町村の負担割合は復旧費用と同じで、人吉市が5980万円、八代市が3590万円などとなっています。

 もっとも、12市町村の中には、負担額が大きいとして熊本県の追加支援を求める声があります。でも、地元が必要としない鉄道は熊本県が必要とするのでしょうか? そのあたりから考えていかないといけないのかもしれません。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://nordot.app/1019367141866356736?c=996030135055417344)

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Comments

熊本県はすごいですね。

きちんと沿線市町村の費用按分を決めてそれを提示しているのですから。

個人的にはそこまでするなら三陸鉄道のように3セクししても良いのではないかと思います。

結果がどうであるとしても同様の問題を抱える他の県にはできなかったことです。

画期的な事だと思います。

Posted by: ゆめ | 2023.05.05 01:02 AM

 ゆめさん、おはようございます。

* きちんと沿線市町村の費用按分を決めて

 熊本市あたりでは肥薩線がなくても困らないのですから、沿線市町村が負担するのは当たり前の話だと思っています。

* 個人的にはそこまでするなら三陸鉄道のように

 (ビジネスに使える)特急があるとか、貨物列車があるとか、鉄道でないと運びきれないような需要があるのならともかく、そうでなければJRである必要はありません。第三セクターのほうが適切です。

Posted by: たべちゃん | 2023.05.05 07:10 AM

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