芸備線は輸送密度1万人超の下深川-広島間でも赤字
芸備線は備中神代と広島を結ぶ約160キロの路線。広島近郊は大都市広島の通勤、通学輸送があるためかなりの利用者がいますが、広島から離れるにつれ利用者は減り、輸送密度が10人程度という極めて少ない区間もあります。バスでも輸送力過剰になるぐらいの区間です。
ですから、芸備線の廃止の話が出ています。そしてその芸備線について5月10日、岡山県と広島県の沿線自治体がJR西日本から経営状況を聞き取る第2回ヒアリングが行われました。ここで芸備線の区間ごと(備中神代-東城間、東城-備後落合間、備後落合-備後庄原間、備後庄原-三次間、三次-下深川間、下深川-広島間)の営業損益が明らかになりました。輸送密度が1万人を超える下深川-広島間については、これまで営業損益は公表されていなかったのですが、今回初めて公表されることになったのです。
輸送密度が1000人未満の区間はともかく、1万人を超える下深川-広島間は黒字かと思ったら、そうではありません。2017~2019年度の平均で2.9億円の赤字です。輸送密度が10人程度の東城-備後落合間の2.8億円とほぼ同じ数字です。
とは言っても、両者の重要性は天地ほどの差があります。東城-備後落合間ならジャンボタクシーで十分ですが、下深川-広島間はバスでは運びきれません。社会的に鉄道が求められる区間です。増発(そういう意味では、そこそこ利用者のある区間の減便は愚策です。さらに減らす危険性がありますので、あまりやらないほうが良いでしょう。新型コロナウイルスの影響で減らしたのなら、回復具合を見て元に戻したほうが良いのかもしれません。減らすなら、輸送密度が2桁とか、3桁前半ぐらいのすでに終わっている路線です)や駅の増設等の努力は必要でしょうが、輸送密度が1万人もあって赤字になってしまうのは、JRの運賃が安すぎるからでしょうか? 正規運賃を上げて、競争の激しい区間ではインターネットでの割引切符で対応するようにしたほうが良いのでしょう。
(参考:山陽新聞digital https://www.sanyonews.jp/article/1396799)
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Comments
輸送密度1万とか言っても、通学需要がほとんどだと思う。
通学なら、学割定期ということになるので、あまり儲からないのでは。(定期券外の一般利用者はおそらく少ない)
そのため、コロナ前で、輸送密度が多くても、慢性的な赤字になっているのでは。
(JRの運賃というよりも、どちらかというと定期券の割引率と学割の割引率が高いのでは。)
Posted by: たかちゃん | 2023.05.16 12:03 PM
たかちゃんさん、こんばんは。
* 輸送密度1万とか言っても、通学需要がほとんどだと思う。
2021年に芸備線に乗ったときは、夕方ということもあり、通勤客がたくさん乗っていました。
さすがに広島近郊だと、車で行くよりも列車のほうが便利です。
Posted by: たべちゃん | 2023.05.16 10:23 PM