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June 2023

川勝静岡県知事、リニア松本経由を提案

 2027年に品川-名古屋間が開業する予定だったリニア中央新幹線。静岡県内の着工ができないため、その見込みが立っていません。

 その静岡県ですが、川勝静岡県知事が非公式ですが、妙な案を出してきたのです。品川-名古屋間を先行開業するのを止めて、品川-名古屋-大阪間を一気に開業させるというのです。いったん名古屋まで開業するというJR東海の思惑とは違いますが、大阪まで一気に開業させることによって最終的には不要になる名古屋での大規模な乗り換え設備が不要になるというメリットがあります。

 そして、もうひとつの案も出しています。甲府-中津川間のルートを大幅に変えるのです。飯田ではなく、松本にするのです。リニアを少しずらすだけでも開業が10年遅れるのですが、松本まで大きくずらすとルートの大幅な変更になり、今までの議論を完全にひっくり返します。リニアは一直線に結ぶから採算が取れるのであって、以前にも記事にしたように松本まで遠回りにすると採算が悪化します。南アルプスをトンネルで掘ることができないなどの理由がない限り、ルートを変えるにしても静岡県をギリギリ通らないようにする程度の小幅なものにしたほうが良いでしょう。

 もっとも、川勝静岡県知事がこのような大幅なルート変更案を出していないという報道もあり、真偽のほどは定かではありません。ただ、周りが振り回されていることは確実のようです。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20230602-GIVW3HLOPNJULICS56KFYBWOXI/、中日BiZナビ https://biz.chunichi.co.jp/news/article/10/64063/)

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鳥取県、大阪・関西万博の客向けに「スーパーはくと」の増便を求める

 関西と鳥取を結ぶ特急、「スーパーはくと」。智頭急行経由で関西と鳥取の間を高速で走る特急です。平日は1日6往復、週末は1日7往復走っています。その「スーパーはくと」の行き先となる鳥取県ですが、JR西日本に対して、「スーパーはくと」の増便を求めています。

 なぜ増便を求めるのでしょうか? 2年後の2025年には大阪・関西万博が行われます。その大阪・関西万博で関西を訪れる観光客を「スーパーはくと」の増便によって鳥取まで引っ張ろうとしているのです。これに対してJR西日本は前向きに検討しています。

 でも、どうやって増便するのでしょうか? 平井鳥取県知事の発言にヒントがあります。京都発着ではなく、大阪発着にするのです。大阪発着案は兵庫県知事や岡山県知事の了承も得ています。大阪発着にすることによって、今の車両数でも増便できるようにするのでしょうか?
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20230606/4040015173.html、日本海新聞ホームページ https://www.nnn.co.jp/articles/-/60480)

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近鉄バス等、大阪-金沢間に高速バス

 北陸新幹線が敦賀まで開業すると、途中の敦賀で乗り換えが必要になります。こうなると大阪と北陸とを乗り換えなしで直通するバスが有利と思えますが、わずかしか走っていません。阪急バスは3年前に撤退しましたし、JRバスも昼行は1往復しかありません。

 この大阪-金沢間に新しいバスが参入することになりました。近鉄バスと北日本観光自動車が共同で走らせる、金沢特急線です。7月14日から1日2往復を走らせます(初日の7月14日は午後の便から運行)。ダイヤは金沢行きが湊町バスターミナル7:00発とユニバーサル・スタジオ・ジャパン14:00発、大阪行きが北観佐奇森車庫7:30発と13:30発です。途中、湊町バスターミナル、梅田、京都駅八条口、北陸自動車道小松バスストップ、金沢駅前に止まります。梅田-金沢駅前間の所要時間は5時間25~31分なので、在来線特急の「サンダーバード」のほぼ倍です。運賃は日によって変わり、大阪-金沢間が2800~6000円、京都-金沢間が2500~5700円です。ただし、7月中は全便最安値の運行開始記念キャンペーンを行います。大阪-金沢間2800円、京都-金沢間2500円です。なお、子供や障害者は、年中最安値が適用となり、大阪-金沢間2800円、京都-金沢間2500円です。

 いくら乗り換えの手間がかかり、値段が新幹線の分高くなると言っても、スピードに圧倒的な差があり、本数も限られている現状では、鉄道の優位性は変わらないものと思われます。ただ、鉄道がこれでいいわけではありません。何としても北陸新幹線を完成させないといけません。北陸と関西を直結する新幹線を。
(参考:近鉄バスホームページ https://www.kintetsu-bus.co.jp/upload/pdf/upPdf/20230626105811_kanazawapress.pdf)

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えちごトキめき鉄道、455系・413系を富山まで運転

 えちごトキめき鉄道の保有する国鉄急行型車両、455系・413系。普段はえちごトキめき鉄道の中を走っています。

 この455系・413系ですが、8月14日の1日だけ、あいの風とやま鉄道に乗り入れて、富山まで行きます。「急行立山号」です。同じ所を行ったり来たりするより、急行らしく富山まで走ります。

 ダイヤは「急行立山1号」が直江津10:28ごろ発富山12:28ごろ着(途中、糸魚川、泊、入善、魚津に停車)、「急行立山2号」が富山13:33ごろ発直江津15:22ごろ着(途中、滑川、黒部、泊、糸魚川に停車)です。

 この「急行立山1号」、「急行立山2号」はツアー形式で行われます。最少催行人員はそれぞれ35人で、料金は10800円(ロングシート)~12800円(ボックスシート)です。弁当もついています。予約はえちごトキめき鉄道の専用ホームページで行います。
(参考:えちごトキめき鉄道ホームページ https://www.echigo-tokimeki.co.jp/information/detail?id=1902)

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立山トンネルのトロリーバスも電気バスに切り替えへ

 立山黒部アルペンルートはいろいろな乗りものを乗り継いで行きます。そのひとつが室堂と大観峰を結ぶトロリーバス。かつてはバスが走っていましたが、立山トンネルの中を走ることもあり、1996年にバスから置き換えられました。

 トロリーバスは元々立山黒部アルペンルートだけで走っているのではなく、東京や大阪などの大都市で走っていました。架線は要るものの、線路は要らないので、路面電車より低コストで整備できたのです。しかし、モータリゼーションが進み、地下鉄が整備されたので、大都市ではなくなり、立山黒部アルペンルートだけでのみ走ることとなりました。立山黒部アルペンルートでは扇沢と黒部ダムの間でトロリーバスが走っていましたが、こちらは老朽化で2018年に廃止され、電気バスに置き換わっています。

 残った唯一のトロリーバスである立山黒部貫光ですが、こちらも2025年度以降に廃止し、電気バスなどに置き換えられるようです。更新に必要な部品の調達が難しくなっているからです。トロリーバスは全国でひとつだけしかない乗りものなので、どうしても部品の調達が難しくなります。法律的には鉄道の廃止ですが、関西電力のトロリーバス同様、代わりの交通機関は用意されているので、不便になるわけではないというのが救いです。

(追記)
 立山黒部貫光のトロリーバスは2024年で廃止されます。2025年以降は電気バスが走ることになります。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20230617-OYT1T50100/、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASRDC6HXFRDCPISC00R.html)

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ハピラインふくい、終電繰り下げへ

 北陸新幹線開業後、北陸線の福井県部分はJRから分離され、ハピラインふくいとなります。

 このハピラインふくいですが、終電の繰り下げを行うようです。福井発の現在の終電は、敦賀行きが23:15発、芦原温泉行きが23:06発となっていますが、これを20~30分程度遅らせるようです。

 また、福井と敦賀の間で走る快速の停車駅は、沿線の市町ごとに1駅とする方針です。

 なお、ハピラインふくいのダイヤは2024年の年明けになってから発表される予定です。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/d53f1720333abfd56fe04dc74a9473b54f8ddafe)

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北大阪急行の延伸区間の加算運賃は60円

 北大阪急行の延伸は2023年度末に行われます。延伸する区間は千里中央-箕面萱野間、2.5キロです。この区間の運賃について、6月2日、近畿運輸局長に認可申請を行いました。

 運賃のベースは延伸区間も変わらず、2キロまでの初乗りが100円と変わりありません。ただ、営業キロが伸びるため、新たに4区(6キロを超え8キロまで)と5区(8キロを超え10キロまで)の設定を行っています。4区の運賃は160円、5区の運賃は180円です。

 しかし、延伸区間については建設にかかった費用の一部を負担してもらうため、加算運賃の設定を行います。その額は以前にも言われていたとおり、60円。これがベースとなる基本運賃に加算されます。定期券にも加算運賃の制度があり、それぞれ加算されます。千里中央-箕面萱野間の運賃は190円、江坂-箕面萱野間の運賃は240円になります。
(参考:北大阪急行ホームページ https://www.kita-kyu.co.jp/upload/199.pdf)

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嵐電に「KYOTRAM」

 嵐電には27両の車両がありますが、このうち、老朽化が進んでいるモボ101形6両(戦前生まれです)と301形1両の置き換え用として、新型車両を7両導入します。2024年度から2028年度にかけて導入します(2024年度に導入されるのは1両です)。

 この新型車両、愛称は「KYOTRAM」です。外観は嵐電のイメージカラーである京紫色を基調としています。車両前後は曲線的なフォルムとなっており、古くからの路面電車や嵐電のイメージを重ねています。窓は大きく、沿線の風景をゆったりと楽しむことができます。

 運行の安全性や安定性を向上させ、バリアフリーや他言語対応もできるようになっています。VVVFインバータ制御と回生ブレーキの導入により、1両当たりの消費電力量は、抵抗制御車両の約半分となります。なお、嵐電は2022年度にモボ2001形(VVVFインバータ制御車両)2両に対して回生ブレーキの追加工事を行っています。また2023年度には回生電力貯蔵装置を導入しています。
(参考:京阪ホールディングスホームページ https://www.keihan-holdings.co.jp/news/upload/230530_keifuku.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/126132)

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キハ143形、一部車両を残す?

 5月20日に、2両編成の737系が運行を開始しました。現在は室蘭線室蘭-苫小牧間を中心に走っていますが、函館線で走ることも計画されているようです。岩見沢-旭川間がメインになるのでしょうか?

 これで置き換えられるのが、キハ143形。客車を改造した車両でした。一部の車両はJR東日本に行き、「SL銀河」の客車として使われていましたが、この6月11日で運行を終え、車両は解体されることになりました。

 JR北海道のも同じように解体されるのかと思われていましたが、どうやらそうとは限らないようです。JR北海道によれば、キハ143形について何らかのかたちで活用することも考えているようです。旅客用としては年数が経っているのでほかの線区に転用することは考えにくいのですが、どういうことでしょうか?
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20230420-2658567/、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20230619/6040018031.html)

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地下鉄七隈線が延伸で混雑

 七隈線が延伸して3か月ほどが経ちました。七隈線はどれぐらい利用されているのでしょうか?

 結構順調なようです。延伸前の3月20~26日(区間は天神南-橋本間)と延伸後の5月8~19日(区間は博多-橋本間)の平日を比較したところ、1日当たりの乗客数は58%増えていました。延伸前の3月20~26日と延伸後の3月27日~4月23日との比較では53%の増加でしたから、開業した直後の一時的なブームではなく、着実に増えていると考えられます。この時期は大学の春休みに当たるので単純に比較はできませんが、通勤客がバスから移行したと見られています。沿線にある大学の福岡大も、地下鉄ができたため、下宿せずに家から通う例が出ているようです。

 ただ、利用者が増えたため、朝の通勤時間帯では混雑が目立っています。延伸後の4月以降、8時前後の列車で、混雑率が140%以上のものが出ています。混雑率140%とは、隣の人と密着した状態を指しています。七隈線は需要が少ないと見られたので、空港線よりコンパクトな車両を使っています。空港線の6両編成の定員は854人であるのに対して、七隈線の4両編成の定員は351~378人です。半分以下です。

 さすがにトンネルを掘り直すわけにはいかないので、できることは4両編成を6両編成に延ばすことですが、6両にするには各駅でホームドアを増設する必要があるので、単純にはいきません。このような混雑は朝だけで夕方は問題ないようなので、福岡市交通局は朝のラッシュ時に運転間隔を詰めることができないか検討しているようです。

(追記)
 福岡市交通局は8月19日から、七隈線の増便を行います。平日朝に2往復、平日夕方に4往復を増やします。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20230529-OYTNT50034/、福岡市交通局ホームページ https://subway.city.fukuoka.lg.jp/topics/detail.php?id=1818)

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羽田空港には東武も乗り入れか?

 羽田空港アクセス線の記事は昨日書きましたが、その続報です。羽田空港に乗り入れる特急は常磐線特急だけではありません。

 それではどれが羽田空港に乗り入れるのでしょうか? どうやら東武の特急のようです。それも日光や鬼怒川方面の特急ではなく、伊勢崎線方面の特急のようです。久喜に連絡線を設け、直通させるようです。別に特急が乗り入れるとは決まっていませんが、距離があることから羽田空港に乗り入れるのは「りょうもう」のような特急のようです。館林、足利市、太田と言った群馬県南部から(足利市は栃木県ですが)、羽田空港や東京に直通するのです。

 ただし羽田空港に乗り入れるのは1時間に4往復のため、伊勢崎線特急が乗り入れると何を減らすかが問題となってきます。さらに言えば、普通列車の乗り入れはなく、全て特急になるとの見解もあります。JR東日本は建設費の返済をする必要があり、そのためには客単価を上げないとやっていけません。加算運賃はあるかもしれませんが、羽田空港は東京都内にあるので、東京都区内発着の切符なら、追加料金無しで羽田空港まで行くことになります。0円ではどうやっても建設費の償還はできません。

 もっとも、今のところ決定事項ではなく、正式に決まるまではいろいろ構想が出てくることでしょう。
(参考:47NEWS https://nordot.app/1039032622294745321?c=648454265403114593、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/23a46604bd9d4f80da5f801528cc633e468a4cc2)

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羽田空港に常磐線特急乗り入れへ

 都心と羽田空港とを直結するJR東日本の羽田空港アクセス線。2031年度開業予定のこの路線、起工式が行われ、本格的な工事は始まりました。

 今回着工されるのは東京と羽田空港とを結ぶ「東山手ルート」と言われるもので、東京と羽田空港との間は18分で結ばれます。また、上野東京ラインを通って、東北線、高崎線、常磐線と結ばれます。羽田空港アクセス線には途中の駅がなく、新橋を出ると羽田空港までノンストップです。ただ、羽田空港のホームは1面2線ながら長さが310メートルもあるため、15両編成の列車が走ることができます。また、田町付近で東海道線から羽田空港行きの線路が分岐しますが、このあたりが一部単線になるため運転本数に制約が出て、1時間当たり4往復、1日だと72往復しか運転させることができないようです。

 ところで、羽田空港に乗り入れる列車は何でしょうか? その候補に挙がっているのが、常磐線特急です。常磐線にはノンストップタイプの「ひたち」と主要駅停車タイプの「ときわ」が1時間に1本ずつ走り、原則として品川まで乗り入れています。「ひたち」になるか「ときわ」になるかはわかりませんが、このうち1本が羽田空港に乗り入れ、残り1本が品川発着になるとも言われています。東北線や高崎線にはそれぞれ新幹線がありますが、常磐線には新幹線がありません。それを逆手にとって、羽田空港に直通させるのです。

 そうなると残り3本は東北線、高崎線、常磐線の普通列車になるのが順当なところですが、違う話も出ています。それは別記事で書くことにしましょう。
(参考:47NEWS https://nordot.app/1033619030790537315?c=648454265403114593、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR6255CYR5YUTIL01Q.html)

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あいの風とやま鉄道、2両編成を3両編成に

 あいの風とやま鉄道の主力は521系。2両編成の電車です。ところが2両編成ではラッシュ時の輸送力が足らないため、2025年度以降に3両編成にする計画です。

 どうやって3両編成にするのかと言えば、2両編成の521系の中間に車両を挿入します。運転台やトイレ等の設備がない中間車で、乗車定員は現在の250人から400人に増えると考えられています。中間車は3両つくられるので、3両編成のものが3編成分つくられるということになります。521系の中間車はこれまでなかったので、これから設計するのでしょうか? 3両編成になるのに時間がかかるのは、そのこともあるのでしょう。

 なお、この中間車の製造により、老朽化していて、部品がない古い車両は廃止されます。413系の「とやま絵巻」も廃止になるようです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/a23fbb7f12f83277c4a33715002ac9c2155c1b6e) 

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大井川鐵道、普通電車7本を客車で運行

 大井川鐵道の大井川本線は、SLなど一部の列車を除いて、電車で運転しています。電車と言っても、近鉄や南海などで活躍した古い車両なので、それはそれで価値があるものです。

 しかし、6月20~22日、27~30日、7月1~13日の合わせて20日間、夕方から夜にかけての普通列車が、客車で運転されます。普通運賃だけで利用でき、各駅に停まる列車が、電車ではなく客車で走るのです。国鉄時代ならよく見られた光景でしたが、それが令和の今、再現されるのです。

 客車で走るのは、新金谷16:10発(金谷-新金谷間は電車で運転)から新金谷20:44着(新金谷からは電車で運転)までの7本。新金谷発家山行きが1本、金谷-家山間が5本、金谷発新金谷行きが1本です。上下とも家山寄りからE101、スハフ43 2、オハフ33 469、E32の順で走ります。客車の両端を電気機関車でサンドイッチするのです。普通運賃で乗ることができますが(全車自由席なので、指定席料金も要りません)、ずっと乗り通すのならフリー切符を買う、という手もあります。一部の列車、区間を除いて、車内販売も行います。飲み物、菓子のほか、お酒、おつまみ、弁当も販売します。瓶ビールを買い、ボックスシートにある栓抜きで開けることもできます。ワンマン列車ではないので、車掌による改札もあります。車内補充券の発行もできます。

 なおこれらの客車列車は、通常の電車と同ダイヤで運転しますが、客車のため時間がかかるようで、終着駅の到着時間が最大5分ほど遅れる場合があります。夕方なので、通学客などで混雑することもあります。デッキや通路で立たざるを得ない場合もあります。扉付近の一部の座席は、定期券で利用している人の優先座席となっています。
(参考:大井川鐵道ホームページ https://daitetsu.jp/archives/event/showa_local)

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うめきたに行ってきました(2)

 樟葉で降りる。樟葉には駅前にショッピングモールがあり、その中に展示されているのが、「テレビカー」の旧3000系など。この春からは5扉車の5000系も加わった。それを見に行ったのである。3000系は車内に入ることもできる(座席に座ることはできない)。じっくりと見ることができた。再び樟葉に戻り、また特急に乗る。樟葉までと同じ8000系だが、今度は2階建て車両の1階に座ることができた。駅を通過したり、ほかの列車とすれ違ったりすると、低い位置にいることがよくわかる。中書島からは宇治線に乗り換え、六地蔵へ。

 六地蔵から醍醐寺を経て山科まで行くバスは時刻表にも載っているが、20分間隔で走っている。次のバスまで少し時間があるので、JRの駅まで行って、「ICOCA」のチャージをしておく。バス停は駅から若干離れたところにあるが、十分間に合った。バスがやって来た。バスは狭い道を走り、10分ほどで醍醐寺前に到着。醍醐寺は9世紀につくられた歴史ある寺院で、豊臣秀吉が花見をしたことでも知られている。ほかの京都の寺院と一緒に世界遺産にも指定されている。西大門から入ると、木が少なく、何か殺風景のような気がする。5年ほど前の台風で木が倒されたのだ。

 帰りは京都駅八条口まで直通するバスに乗る。醍醐寺前まで乗ったのと同じ京阪バスだが、こちらは座席の数が多く、シートベルトもついている。最初は乗っている人が少なかったが、途中から高校生などが乗ってくる。高速バスではないので、普通のバスと同じように短距離でも利用できる。それにしてもこのバス、狭い道を走る。とても京都駅八条口に直通するバスとは思えない。ところがこのバス、いきなりトンネルに入っていく。かなりの長さのトンネルだ。無料だが、自動車専用道路のこのトンネルを通ることによって、京都駅八条口と醍醐寺との間を30分ほどで結んでいるのだ。

 ただ、当初の予定よりも早く進んでいる。そこで途中でバスを降りて、京都市交通局の地下鉄に乗ることにした。乗るのは東西線。十条から烏丸御池まで烏丸線に乗り(新型ではなかった)、そこから六地蔵まで東西線に乗るのだ。駅員に大体の所要時間を聞いて出発。烏丸御池の乗り換えはスムーズだったが、結構距離があり、40分ほどかかった。六地蔵からは複線化が完了した奈良線で。六地蔵17:00発は元阪和線の205系1000番台であった。六地蔵を出た時点では座れなくても立つスペースは十分にあったが、稲荷と東福寺でたくさん乗ってきて、ラッシュ時並みの混雑に。伏見稲荷は外国人に人気だし、東福寺は京阪との乗り換え駅だが、ここまで混むとは思っていなかった。京都17:27発の急行で南に向かう。

 このまま急行で帰るとかなり遅くなるので、大和八木から伊勢中川までの間は特急に乗る。「ビスタカー」なので、京阪と違って2階から見下ろす格好になる。特急なので晩の弁当も食べることができると思ったが、ちょうどいいものはなかった。伊勢中川からは再び急行に乗るのだが、名古屋線には珍しくオールロングシートの急行だった。
(参考:醍醐寺でもらったパンフレット)

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うめきたに行ってきました(1)

 元々南紀方面の列車は天王寺から出ていて、新大阪や大阪からは大阪環状線などに乗らなければならなかった。ところが分割民営化後、これらの天王寺発着列車を新幹線が停まる新大阪に乗り入れさせるために使われたのが、新大阪と西九条とを結ぶ貨物線である。しかしこの貨物線、大阪のすぐ近くを走るのにそこには駅がなく、目の前を通過するだけであった。これでは大阪からは使えず、南紀や関空に行くのに時間がかかる。そこで梅田にあった貨物駅の再開発に合わせて線路が移設され、大阪にも駅がつくられることになった。うめきたの大阪である。

 この区間を走る列車はおおさか東線を除いては特急のみ。おおさか東線は大阪までなので、西半分は特急のみとなる。特急券は乗車前日に「e5489」で購入。ポイントが貯まっていたので、ポイントも一部使った。天王寺から大阪まで自由席でも760円するが、それを400円と200ポイントで買った。これで座席も指定されている。パソコンのプリントアウトやスマホの画面がそのまま切符となり、駅で引き換える必要はない。

 大阪へは近鉄で行く。この6月だけ、2日間有効の「近鉄全線2日間フリーきっぷ」というものが売り出されている。通常は週末しか使えないが、こちらは平日でも使え、しかも3000円と安い。単純に名阪間を往復するだけで元が取れる。近鉄名古屋5:50発の急行に乗って、伊勢中川で大阪上本町行きの急行に乗り継ぎ、鶴橋まで行く。鶴橋からは大阪環状線の外回りで天王寺へ。目の前に停まっていたのは221系だった。

 天王寺で大和路線のホームに行き、そこから乗ったのは、289系の「くろしお10号」。全車指定席だが、先ほど書いた通り、指定席はすでに予約している。天王寺は大阪の南のターミナルなのだが、乗った扉からは降りた人はいなかった。降りる人は結構いると思っていたが。逆に新大阪までしか行かないのに、乗る外国人がいたのは意外だった。かつてのように日本人は金持ちではないので、外国人用の切符を適正な価格にして、外国人からお金をいただきたいところだ。福島から地下にもぐり、地下駅の大阪で降りる。こちらでは降りる人が見られ、空いている「くろしお」はさらにガラガラになった。

 うめきたの大阪は、未来を見据えた設備もある。改札には顔認証のものがあるし、南紀、関空方面の21番線はフルスクリーンのホームドアになっている。ホームドアには次の列車の発車時刻、停車駅などが表示されている。15分ほど待って特急の発着を見届ける。ホームドアは列車の扉に合わせて開く。どうやらホームドアそのものが動くようだ。今は特急だけなのであまりありがたみはないが、なにわ筋線が開業し、南海を含めていろいろな車両が走ると、効果を発揮するだろう。

 大阪の北西は、元々貨物駅があったところ。そこが再開発されて、ビルが建っている。その中の店でお昼にする。営業開始まで時間があるので、ビルの中を歩き、この旅行記の原稿を書き、本を読んで待つ。選んだのは「近畿大学水産研究所」。近大が卵から完全養殖した「近大マグロ」を食べることができる店である。「近大マグロ」とそのほか近大が養殖した魚が載った海鮮丼を食べた。再びうめきたの大阪から列車に乗るが、今度は中央改札口から入る。同じ駅なのでここからでもホームをひたすら歩けば、うめきたの大阪に行くことができるのだ。ただし、急いで歩いても数分かかるので、うめきたから乗る場合は注意が必要だ。大阪までは特急に乗ったが、大阪からはおおさか東線が乗り入れているので、運賃だけで乗車可能。大阪11:50発の久宝寺行きに乗る。車両は221系。次の新大阪でお土産を買うためいったん降りたが、この新大阪で乗る人が結構多い。おおさか東線も使われているようだ。おおさか東線は15分間隔で出ている。鴫野まで乗り、鴫野で学研都市線に乗り換え、京橋へ。大阪環状線のホームを歩いたら、京橋12:37発の特急に間に合った。(続く)

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うめきたに行ってきました(0)

 16日のことですが、3月18日にできたうめきたの大阪に行ってきました。その時の様子を明日から2回に分けて書きます。

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JR北海道、無人駅42駅を廃止か?

 JR北海道は、ダイヤ改正のたびに利用者の少ない駅の廃止を進めています。そのJR北海道ですが、無人駅42駅の廃止を考えています。JR北海道の駅は全部で334駅ですから、1割以上の駅が廃止されます。

 廃止の対象となっている駅を挙げます。宗谷線が瑞穂、日進、智北、初野、恩根内、天塩川温泉、咲来、筬島、佐久、問寒別、糠南、雄信内、南幌延、下沼、兜沼、抜海。石北線が愛山、瀬戸瀬、緋牛内。釧網線が茅沼、美留和、緑。根室線が東滝川、厚内、尾幌、別当賀、昆布盛。富良野線が鹿討。函館線が仁川、赤井川、山越、山崎、黒岩、国縫、中ノ沢、二股、目名、比羅夫。室蘭線が静狩、礼文、大岸。石勝線が滝ノ上。地元自治体が管理を行っている駅も容赦がありません。このうち、初野、愛山、中ノ沢、滝ノ上の4駅については、JR北海道が2024年春の廃止もしくは地元自治体への管理の移管を目指しています。

 ここまで廃止になると、かなり駅が減ります。例えば、宗谷線名寄-稚内間で残る駅は、特急停車駅を除けば、智恵文と勇知だけです。そのほかの区間でも、かなり駅と駅の間隔が開くところが出てきます。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/83790a4f0dbbb0944790779aa1caf9452fb1aca4?source=sns&dv=pc&mid=art06ct&date=20230617&ctg=loc&bt=tw_up)

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熊本市交通局のモバイル回数券は1年間有効

 熊本市交通局は6月1日から、モバイル24時間券とモバイル回数券の発売を開始しています。

 モバイル24時間券は、大人600円、子供300円。購入してから3か月有効です。使いたいときはアプリで有効化してから使います。有効化してから24時間使えます。1日目の夕方から2日目の午前まで、というような使いかたもできます。

 モバイル回数券は1800円。10回分の料金で11回利用可能な回数券です。このモバイル回数券の特徴は、有効期間が長いということ。購入してから1年使えます。紙の回数券では3か月が有効期間であることが多いので、結構長いです。なお利用するときは、降車直前にアプリで有効化の処理をしてから、運転士にスマホ上の券面を呈示します。有効化の処理をして15分すると無効になってしまうので、熊本市交通局は降車のひとつ手前の停留所を目安に有効化の処理をすることを勧めています。
(参考:熊本市交通局ホームページ www.kotsu-kumamoto.jp/kihon/pub/detail.aspx?c_id=3&type=top&id=1368)

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同じ「あずさ1号」でも乗り換えあり

 7月から9月までの休日、新宿-松本間の「あずさ1号」、「あずさ38号」が白馬発着になります。新宿-白馬間の運行です。

 ところがこの「あずさ1号」と「あずさ38号」、白馬まで乗り換えなしで直通するのではありません。松本までも松本から先も同じE353系ですが(新宿-松本間は12両、松本-白馬間は3両)、途中の松本で同一ホーム上ではありますが乗り換えが必要なのです。特急券は松本で分けることなく、1枚の切符で乗ることができます。

 運用の都合とは思いますが、珍しい列車です。ただ、「リレーあずさ」など違う名前にせず、同じ名前の列車に乗り換えるのは、ややこしいです。
(参考:JR東日本長野支社ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/nagano/20230519_na01.pdf)

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運賃値上げを考えているローカル私鉄は2割程度

 運賃値上げを行った、また行おうとしている鉄道はありますが、地方の私鉄はどうなのでしょうか?

 この記事で参考にした日経が2022年12月から2023年1月にかけて、JR、大手私鉄、地下鉄を除くローカル鉄道95社に対して調査を行い、そのうち69社から回答を得ました。それによれば、運賃値上げを考えている会社は回答した69社の2割ほどしかありませんでした。

 JRや大手私鉄でさえ新型コロナウイルスに伴う利用者の減少に苦しんだのですから、地方の私鉄はもっとでしょう。本来なら値上げをしたいところです。ただそれをやるとさらに客が減る危険性もあります。

 こういうときこそ県や沿線の市町村の出番です。あまりにも利用者がいなくてバスで十分なレベル(JRで廃止の話があるのは大抵このレベルです)ならともかく、通勤に使われているレベル(このことは、車よりも鉄道のほうが便利で、お金を払ってでも乗る価値があることを意味しています)なら、地元がお金を出してでも鉄道を維持したほうが良いでしょう。バスにすると余計な初期投資がかかり、車に乗る人が増えて、渋滞や環境悪化などの別の問題が出てきます。そこそこ乗っている鉄道は、少々赤字でも公がある程度支えることが必要なのです。

 また、JRでも枝線だと、ある程度利用者がいても、JRがあるがゆえに窮屈な経営しかできないというところもあります。城端線や氷見線は典型例です。すでに富山県が検討を行っていて、新型車両の導入を行うようですが、こういうところは鉄道を残すことを前提に第三セクター化などを考えても良いでしょう。帳簿上の損益に汲々とするのではなく、増発と駅の増設を行い、使いやすい鉄道にするのです。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC222U20S3A320C2000000/、https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC280FM0Y3A520C2000000/)

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牟岐線の新駅は中止

 牟岐線に新駅をつくる話があります。場所は以前にも記事にしたとおり、徳島と阿波富田の中間あたり。このあたりに徳島県が整備する新ホールへのアクセスとして駅をつくります。駅舎がなく、ホーム1本だけの簡素な駅で、約2.5~3億円の工事費は徳島県が負担します。

 ところがこの新駅の計画、徳島で県知事が変わったため、消えることになりました。徳島から徒歩圏内にあるため、要らないと言うのです。

 自身の公約を反映させるかたちとなったのですが、もったいない話です。牟岐線も徳島に近いところは結構利用者がおり(新型コロナウイルスの影響がある2022年度でも徳島-阿南間の輸送密度は3793人です)、鉄道としての特性を発揮できる区間です。JRから切り離してバスにするしか方法はないところとは違って、駅を増やして使いやすくすればそれなりの効果があります。新駅は隣の徳島と違って駅構造が簡単なので、スロープだけでバリアフリーが完成します。エレベータやエスカレータがなくても良いのです。

 車に慣れた地方の人ほど、歩くことを嫌がります。数百メートルも歩かないといけないなら、それだけで車になるでしょう。バスに乗るような距離でもなく、中途半端です。そういうきっかけを与えてしまうのが、新駅の建設中止なのです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR6G6WRBR6GOXIE02Q.html、JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/04_company/disclose/pdf/average/2022.pdf)

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名鉄は特急車両料金も値上げ

 名鉄の値上げについては以前に記事にしましたが、その続報です。

 値上げの時期は2024年3月。初乗りは170円から180円になります。普通運賃の値上げ率は10.5%ですが、利用の多い7キロまでの区間は値上げ率を抑えます。通学定期は家計に配慮して値上げをしませんので、通学定期の割引率は82.2%から84.3%に拡大し、大手私鉄の中では一番高い割引率になります。知多新線、豊田線、羽島線、空港線に設定している加算運賃はそのままです。名鉄名古屋-名鉄一宮間など名古屋本線の一部区間に設定している暫定運賃については、対象区間や設定額を見直し、値上げの認可後に特定運賃の届出を行う予定です。名鉄名古屋-名鉄一宮間は380円から400円、名鉄名古屋-名鉄岐阜間は570円から630円になります。また、過去の駅移設に伴い設定していた特定運賃については(上飯田、西ノ口、柳津を発着する一部区間)、今回の値上げで廃止し、通学定期を含めて本来の距離に応じた運賃がかかるようになります。主な区間の運賃は、豊橋-名鉄名古屋間が1140円から1270円、金山-名鉄名古屋間が190円から210円、中部国際空港-名鉄名古屋間が890円から980円になります。

 変わるのは運賃だけではありません。特別車両料金も変わります。今は360円ですが、値上げ後は450円になります。これは駅で買ったときの値段(基本料金)で、車内で買えば500円になります。車内精算料金です。このような制度を採っているところはほかにもありますが、名鉄も車内で買えば高くなるのです。こうやって事前に駅等で買うことを促すのでしょう。

 ネットで買えば安くなります。「名鉄ネット予約サービス」で平日9~16時台及び休日に乗れば、閑散時間帯割引料金として300円になります。ただし、閑散時間帯割引料金は中部国際空港発着は対象外です。空港利用者はそれなりにお金があるので、割引しなくても良いということでしょう。
(参考:名鉄ホームページ https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2023/05/26/unchin2023.pdf?_ga=2.51225769.1484310108.1685109074-1534109813.1683283522、中日新聞ホームページ https://www.chunichi.co.jp/article/697440)

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スカイレールの運行を2024年4月まで延長

 広島のスカイレールは2023年の年末に廃止される予定でしたが、廃止時期が延びるようです。2023年12月末から2024年4月末に延びます。

 なぜ4か月遅くなったのかと言えば、スカイレール運行終了後に代わりに走る電気バスの運行開始時期が遅くなったため。バスの運行のために必要な車庫やバス停の整備などに時間がかかり、運行開始が2024年3月30日になったからです。運賃が200円(現在のスカイレールは170円です)となる電気バスは団地内に15か所のバス停を設け、始発は当初の計画よりも早く、6時に設定します。

 スカイレールは日本にひとつしかない特殊な乗りものなので、廃止の発表以来、全国から鉄道ファンが来ているようです。私も一度乗ったことがありますが、廃止の前にもう一度乗っておきたいです。

(追記)
 スカイレールの廃止が2024年5月1日に決まりました。最終便はみどり口、みどり中央ともに2024年4月30日の12時発です。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/57277a7d0381f2627de997e3d1426f8d17860b9b、https://news.yahoo.co.jp/articles/ea6aac7fda04627767ca9d7b8ec71224f40e35d7、中国新聞ホームページ https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/310492、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/131350)

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JR四国、8000系をリニューアル

 JR四国の予讃線特急、「しおかぜ」、「いしづち」で使われている8000系特急型電車。8600系はあるものの、それほど数は多くないので、8000系のほうが主力です。その8000系ですが、値上げのところでも書きましたが、リニューアルをします。2度目のリニューアルです。

 どのようになるのでしょうか? 客席にはコンセントを設置します。グリーン車と指定席は全席に、自由席は窓側に設けます。グリーン車は電動リクライニング、フットレスト、読書灯も備えています。照明はLED間接照明になります。座席のモケットデザインは、グリーン車は「四国の芳醇なめぐみ」、指定席は「柑橘」、自由席は「瀬戸内海」をイメージしています。トイレは洋式化します。全て洋式トイレになります。JR四国では初めてとなる、車椅子フリースペースの設置を行います。自由席の5号車に3つ設けます。

 外観も変わります。8600系と共通の配色で、瀬戸内の温暖な気候、愛媛の柑橘を表すオレンジのラインを車両全長にあしらい、香川のオリーブをイメージした窓下ラインのグリーンを加えています。8600系と配色を揃えることによって、岡山・高松から松山に向かう特急であることを明確にする色彩デザインとなっています。

 リニューアルされた8000系は2023年12月にS編成(3両編成で、主に「いしづち」用)、2024年8月にL編成(5両編成で、主に「しおかぜ」用)がそれぞれ1編成ずつ運行を開始します。その後は定期検査で多度津工場に入るときに合わせて、年間2~3編成の工事を行い、2027年度に全ての編成のリニューアルを終えます。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/534f0c5052e5337fe0ed8ebb17100b761979856e.pdf、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2023/05/22/371253.html)

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輸送密度1000人以上のところでも存廃協議の対象に

 利用者の少ない鉄道をこのまま維持するのかどうか、存廃の協議を行う路線があります。これまで、その存廃の協議の対象は輸送密度が1000人未満と思われていたのですが、実はそうではないようです。

 実は、国交省が鉄道の存廃協議の対象に、輸送密度が1000人以上の線区も加わるのです。輸送密度が4000人未満の線区も協議の対象になるのです。4000人となったのは、その程度だと鉄道による大量輸送の利点が十分に活かせないからで、国鉄末期にバス転換の基準になった数字でもあります。ただ、どこが対象になっているかは公にはされていません。もっとも、当blogにも輸送密度の話はたくさん載っていますし、ある程度の部分は公表されています。

 輸送密度が1000人未満でも幹線の一部としてJRが運営したほうが適切な線区もありますし、輸送密度1000人以上でも枝線になっている路線なら、JRではなく第三セクターのほうがきめ細かなサービスができるところもあるでしょう。ある程度値上げして、地元もお金を負担する代わり、駅を増やし、列車も増やし、地元に根ざした交通機関として生きていくのです。
(参考:共同通信ホームページ https://www.47news.jp/9432739.html)

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後藤田徳島県知事も瀬戸大橋経由での新幹線建設を支持

 今のところ新幹線がない四国ですが、新幹線の構想があります。四国新幹線です。

 この四国新幹線をどこから引っ張ってくるかについては、2つのルートがあります。ひとつは岡山で分岐して、瀬戸大橋を経由するルート。そしてもうひとつは淡路島を経由して四国に入るルートです。

 これまで、徳島県は淡路島経由を支持していたのですが、後藤田徳島県知事は6日の四国4県知事会議で、ほかの県と同じように瀬戸大橋を経由するルートで新幹線をつくることを支持しました。本州と淡路島の間は鉄道が通ることのできる橋はありませんが、瀬戸大橋はすでに新幹線が走ることを前提に橋がつくられています。瀬戸大橋経由ならその分、簡単に新幹線ができるのです。また後藤田徳島県知事は、4県の考えが揃わないことで、新幹線ができないことを危惧したのです。赤字の在来線を維持するために、新幹線をつくって稼いでもらわないといけないのです。

 単純に徳島県だけの事情を考えたら、淡路島経由のほうが良いでしょう。瀬戸大橋経由だと遠回りで、時間がかかってしまいます。お金もその分かかります。メリットが薄いことは分かっているのですが、四国全体のことを考えてのことでしょう。具体的には挙げませんが、足を引っ張っている、どこかの都道府県とは違います。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20230606-LJ3KINL66BOTZFOKYY2HKPW6H4/)

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JRを使って会議に行けば助成

 鉄道を長く残すためには、地元の人に使ってもらうことが必要です。しかし、ほとんど使われていないのが現状です。そこで、島根県とJR沿線の10市町、商工観光団体などでつくる島根県鉄道整備連絡調整協議会が5月26日にスタートさせた制度があります。

 どういうものかと言えば、島根県内の会場で、スタッフを含めて10人以上が集まる会議、研修会、講演会において、参加者の1/3以上がJRを利用すれば、会場利用料や最寄り駅からのバス、タクシー代を主催の企業や団体に助成するというものです。助成の率は鉄道の利用者が増えるほど高くなり、助成の上限額は会場費が6万円、駅からの移動経費は3.4万円です。2023年度は予算に400万円を計上しています。

 この記事の最初のほうに「(鉄道は)ほとんど使われていない」と書きましたが、どれぐらい使われていないのでしょうか? 2022年度に島根県内の企業にアンケートを行ったところ、出張にJRを利用したという答えは7%でした。木次線はともかく、山陰線は高速化がなされ、益田まで1日7往復の特急が走っています。結構速く、そこそこ使えるのですが、それでも低い値に留まっています。ここを引き上げずに、ただ廃止に反対するだけでは、説得力を持ちません。多くの人が使うことこそが説得力を持つのです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/2acb6afaf64cdae3fda2a433afdf4b762ab30f70)

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泉北高速は岸和田市内に延びるか?

 泉北高速は中百舌鳥と和泉中央とを結ぶ14.3キロの路線。南海グループで、高野線と相互直通運転をしています。

 この泉北高速に、和泉中央からさらに延ばす構想があります。岸和田市方面に延ばすのです。これは元々ある話で(和泉中央のホームの外側に通過線らしきものがあるのは、将来の延伸を見込んでの話です)、2019年11月の大阪府公共交通戦略の改訂で、岸和田市が検討する構想路線として追加・記載されています。すでに一部の区間には都市計画道路泉州山手線が整備されており、この道路上に鉄道が延びるのです。

 ただ、鉄道ができるためには、国の事業許可審査が必要です。その審査の重要項目として、採算性が挙げられます。採算が取れる事業でないと、認められないのです。泉北高速が延びると和泉中央の次にできる駅は、岸和田市の山直地区になることでしょう。山直東のバス停の付近と思われます。まずはバスの利用者を増やし、鉄道が必要だと認識させることが大切です。もっとも、同じ岸和田市内でも、東ヶ丘町あたりだと直結する道がないこともあり、和泉中央に行ったほうが近そうなので、利用者を増やすのは難しいと思われます。
(参考:日刊建設工業新聞ホームページ https://nordot.app/1033123455092884461?c=648454265403114593)

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「WESTERポイント」利用商品に在来線チケットレス商品

 JR西日本の新しいポイントサービス、「WESTERポイント」。6月5日からこの「WESTERポイント」を使った商品に在来線チケットレス商品が加わっています。

 新たに加わった在来線チケットレス商品は3種類。いずれも2024年3月31日までの商品です。「WESTERポイントアップグレードチケットレス(グリーン)」、「WESTERポイントアップグレードチケットレス(Aシート)」、「WESTERポイントチケットレス」の3種類です。まず、「WESTERポイントアップグレードチケットレス(グリーン)」は1000ポイント(100キロまでは500ポイント)を出すと、JR西日本の主な特急列車をグリーン車にアップグレードできます。金沢-大阪間の場合、本来6610円かかるところ、2310円と1000ポイントで乗ることができるので、結構お得です。「WESTERポイントアップグレードチケットレス(Aシート)」は840円かかる新快速の「Aシート」が300ポイントで乗ることができるというものです。利用前日の5:30から購入できる「WESTERポイントチケットレス」は、関西エリアの主な特急列車に200ポイントを出すと乗ることができます。京都-大阪間の場合、本来1290円(自由席だと760円)かかりますが、450円と200ポイントで乗ることができます。座席も指定されています。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230522_00_press_westerpoint.pdf)

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北陸新幹線における京都府のメリット

 北陸新幹線が2024年春に敦賀まで延びると、残る区間は敦賀-新大阪間のみとなります。ここまで来たら残りもつくって完成させたいところですが、なかなかうまくいきません。京都府内での環境アセスメントが遅れているので、着工ができないのです。

 京都府としては新幹線をつくることによるメリットが小さいとのことですが、駅が亀岡にしかできないのならともかく、京都駅に併設されるのですから、メリットは十分あるでしょう。おまけに松井山手にも新幹線の駅ができます。メリットは十分にあるのであり、本来なら恩恵のある京都府や京都市がお金を出して、環境対策を行うものでしょう。

 とは言っても、この原則にこだわって新幹線ができないのは大問題です。敦賀と新大阪の間がフル規格でできて、北陸と関西の間を直通することができたらそれでいいのです。ただ、今までの経緯がありますから、これまでの「小浜-京都ルート」を変えることによって大きな損失を被るところが出たら、それなりの補償はしないといけないでしょう。

 地震のような大災害でなくても、1週間前(6月3日)のように東海道新幹線が大雨で運休すれば、北陸新幹線に迂回する乗客が出てきます。金沢までしか開業していない時点でもこうですから、新幹線の区間が増えれば効果はさらに高まります。ガラガラの新幹線を走らせることはありませんが、平時には北陸に行く人の輸送を担い、有事には東海道新幹線の代替を果たすことが求められます。北陸新幹線はそれができる新幹線なのです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/c95d07ae19a02249efadb6756f0817513f850020、https://news.yahoo.co.jp/articles/3c9b5fd5b442ee326d72cc5f84bd83060bb69cce)

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日田彦山線BRTのダイヤ、運賃発表

 8月28日に開業する日田彦山線BRTですが、そのダイヤや運賃が公表されています。

 まず、運行本数は区間運転を含めて32本に増えます。内訳は、添田-日田間が20本、添田-彦山間が8本、筑前岩屋-日田間が4本です。このうち、光岡-日田間について学校や市役所前を経由する便が7本あります。日田へ向かう朝の便、添田方面に向かう昼や夕方の便が該当します。鉄道が走っていたときのダイヤと比べてみましょう。2017年時点では、添田-日田間が18本、添田-彦山間が4本なので、添田-日田間通しの便で比べると、若干増えています。ただ、鉄道からBRTになったことで時間はかかり、鉄道時代(2017年)は平均約56分で結んでいた添田-日田間が、平均約1時間32分かかるようになっています(学校・市役所前経由は約1時間37分)。また、添田ではバスの走る道路をかさ上げし、鉄道とBRTが同じホームで乗り換えることができるようになっています。

 運賃はどうでしょうか? BRTで完結する区間は、現行の鉄道の運賃と同じです。一部は安くなります。鉄道(JR九州の一部区間に限ります)を乗り継ぐ場合は、鉄道とBRTの運賃を別々に足し、100円の乗継ぎ割引を適用します。東北のBRTと同じ考えです。定期券は今の鉄道と同額です。

 なお、日田彦山線BRTの事業主体(土地や車両の保有等を行います)はJR九州、運行主体(運行、運行管理等)はJR九州バスですが、一部の運行は日田バスに委託します。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2023/05/26/230526_hikoboshi_unchin_daiya.pdf、https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2023/05/29/230529_hikoboshi-line_unkotaisei.pdf)

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宗谷線名寄-稚内間、住民は特急料金0円

 JR北海道の輸送密度200人以上2000人未満の路線についての取り組みについては記事にしましたが、宗谷線ではこういう取り組みを行うようです。

 宗谷線名寄-稚内間で2023年度に行う調査・実証事業は、地域住民なら特急料金実質10円で特急に乗ることができるというもの。以前から沿線の一部の町では10円を追加すれば特急に乗ることができるという取り組みを行ってきましたが(今でもあるようです)、それをパワーアップさせるようです。

 宗谷線名寄-稚内間の輸送密度は、新型コロナウイルスの影響がほとんどない2019年度でも316人。鉄道では厳しい区間でありますが、国境にある路線として、維持する必要があります。通学や通院のための必要最小限の便以外は特急だけでいいので、何とか維持したいところです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/bf265f9e2f06359376415d9ebc4dc4e34fd17662、豊富町ホームページ https://www.town.toyotomi.hokkaido.jp/section/chominka/lepd6s00000098dn-att/lepd6s00000098iw.pdf、JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/jyoukyou/transition.pdf、名寄市ホームページ www.city.nayoro.lg.jp/section/chiikikadai/prkeql000003aic0.html)

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根室線釧路-根室間に指定席

 JR北海道の路線のうち、輸送密度が200人未満のところは廃止されるか、その目途が立ちました。しかし、輸送密度200人以上2000人未満のところは地元の協力を得ながらとはいえ、これからも運営していかないといけません。

 そこで、この2023年度に総括的な検証と事業の抜本的な改善方策の検討を行うのにあたって、ファクトとデータに基づく有効な改善方策を調査・検証するための調査事業、実証事業を行うことにしています。

 それではどういうことを行うのでしょうか? 今のところ予定となっている事業から抜粋して紹介します。6月以降に、沿線住民の人を対象に、公共交通の利用実態やニーズ等の調査を行います。鉄道とバスの運行時刻が一目でわかる時刻表をつくります。参考にしたプレスリリースでは釧網線の時刻表が載っていますが、結構わかりやすいです。観光にも使えそうです。

 観光利用の拡大のためには、次のことを行います。観光のオフシーズンとなる10月には「くしろ湿原ノロッコ号」の臨時運行を行います。繁忙期の8月には根室線釧路-根室間で車両を増結し、景色の良い海側に指定席を導入します。7月の休日には札幌-滝川-富良野間を走る「フラノラベンダーエクスプレス」を旭川まで延長運転します。富良野線内は快速扱いとなります。7月15日から23日の間、「富良野・美瑛ノロッコ号」のみが停まるラベンダー畑に、一部の快速・普通が停まります。

 バスとの連携によって公共交通全体の利用拡大を狙って、次のことを行います。7~8月には、JRを利用してオホーツク管内を訪れた人に、バスのフリーパスを買いやすくします。同じ7~8月には、オホーツク管内の石北線沿線住民のため、札幌-北見・網走間を片道JR、片道バスで利用できる取り組みを行います。7~9月には、札幌圏で発売している「一日散歩きっぷ」の利用者を対象に、日高線等の沿線のバスに乗ることができるようにします。根室線落石-根室間については、2024年3月まで、高校や病院に直通するバスを走らせます。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20230517_KO_demonstration_project.pdf)

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南阿蘇鉄道全線運転再開後のダイヤ

 南阿蘇鉄道は7月15日に全線での運転再開を行いますが、そのときのダイヤが明らかになりました。

 肥後大津に乗り入れるのは、朝の2往復。高森の発車時刻は6:29と8:26です。このJR乗り入れ列車を含めて1日14往復走りますが、このうち2往復はトロッコ列車の「ゆうずけ号」、1往復が木、金、休日に走る列車ですので、日によっては1日11往復しか走りません。なお、運転再開初日の7月15日は、一部列車のダイヤを変更させた、特別ダイヤで走ります。

 トロッコ列車の「ゆうずけ号」の2023年の運行期間は、7月16日から8月27日までは毎日、8月28日から11月30日の休日、それと11月24日です。運転再開初日の7月15日は運休します。ダイヤは高森発が9:40と13:40、立野発が11:35と15:30です。トロッコ列車は全車指定席で、運賃のほかに整理料金が必要です。大人1010円、子供750円ですので、運賃との合計は大人1500円、子供1000円となります。なお、トロッコ列車は3歳から有料です。

 どうやってトロッコ列車を予約するのでしょうか? 個人で利用する場合、南阿蘇鉄道のホームページで乗車10日前から3日前まで受け付けています。余った分は当日券として乗車日に発売します。当日券は高森では9:00から、立野では10:50~11:25と14:40~15:20に発売します。それ以外の駅は無人駅なので、車内で車掌から購入します。
(参考:南阿蘇鉄道ホームページ https://www.mt-torokko.com/2023/05/19/6199/)

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「はやぶさ72号」は新青森発大宮行き、グリーン車、「グランクラス」なし、6月16日のみの運転

 6月16日の1日だけ、「はやぶさ72号」が走ります。新青森を9:37に出て、終着駅の大宮に12:30に着きます。途中、盛岡と仙台に停まります。

 6月16日だけの運転、新青森発大宮着という運転区間も特徴的ですが、さらに特徴的なのは乗ることができるのが1~5号車に限られること。「TRAIN DESK」、グリーン車、「グランクラス」は使いません。なぜそんな列車を走らせるのかと言えば、荷物を運ぶため。6~8号車の3両を使って荷物を運びます。3両も使って運ぶのは、これまでで最大の規模です。正直言って、客のほうがおまけなのです。

 運ぶ荷物は鮮魚、スイーツ、生花、電子部品等約600箱。盛岡新幹線車両センター青森派出所と盛岡で積み込みます。新青森を発車する前に車庫で積み込むので、駅でその間待たされるということはありません。盛岡は「こまち」連結を想定した停車時間の中で積み込むのでしょう。終着駅が大宮なのは、ホームに余裕があり、荷物を下ろす時間があるからでしょう。埼玉県内だけでなく、東京都、千葉県、茨城県の店へも大宮から運ぶようです。また今回は、無人搬送車や客室輸送専用台車等も使い、今後の実用化に向けて課題を探します。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230517_ho01.pdf)

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「WEST EXPRESS 銀河」は山陰方面でも「みどりの窓口」で買える

 117系を改造してつくった「WEST EXPRESS 銀河」。7月に岡山を走っている117系が定期運用を離脱するので、最後の117系になると思われます。

 この「WEST EXPRESS 銀河」ですが、7月3日以降の運行日から、「みどりの窓口」等で購入することができます。元々、「WEST EXPRESS 銀河」は、気軽に「みどりの窓口」で買うことができるというのがコンセプトだったのですが、新型コロナウイルスの影響でそのコンセプトが崩れ、この2~3月に6回だけ行ったのを除いて、旅行商品として販売されてきました。それが本来の姿に戻ったのです(もっとも、すぐに売り切れてしまう危険性はありますが)。ちなみに、京都から出雲市までの大人片道の運賃、料金は普通車指定席の場合、10640円です。

 なお、上りの車中で食べることのできる弁当は、「tabiwa by WESTER」で申し込みます。下りの深夜の姫路で食べることのできる「えきそば」は、予約なしで食べることができます。代金は現地にて支払です。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230524_00_press_westexpressginga.pdf)

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京都鉄道博物館、カニ24の展示終了

 京都鉄道博物館には、「トワイライトエクスプレス」にも連結されていたカニ24形12号車が展示されています。このカニ24は、本館1階車両のしくみ/車両工場エリアを中心に、屋外留置線等で展示してきました。

 しかし、このカニ24、建物の中で固定されているのではなく、状況に応じて入換作業が必要となります。車体の老朽化(車両は1976年につくられました)や部品の経年劣化で、その入換作業が難しくなってきたので、展示を終了することにしました。6月27日まで(6月14日は除きます)は本館1階車両のしくみ/車両工場エリアで展示します。13日まではマイテ49形2号車と並べて展示されます。27日の展示終了後もしばらくの間は、留置線で見学することができます。

 また、今回の展示終了に合わせて、特別な車内公開も行います。16~18日、23~25日の6日間、450組限定で行います。グッズのついた入館券は大人2900円です。2人まで一緒に特別な車両公開を見ることができます(2人目の人は別途通常料金の入館券(大人の場合1500円)が必要です)。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230523_00_press_kyoutotetuhaku.pdf)

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「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」値下げ

 JR西日本は6月2日から、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の12月~2024年2月出発分(第21期)の参加申し込みを受け付けています。

 この「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」ですが、第20期(10~11月出発分)と比較すると、どのコースも若干値下がりしています。例えば1泊2日のコースの「ロイヤルツイン」(2人利用)は385000円から355000円になります。1泊2日のコースではどの客室も3万円、2泊3日のコースではどの客室も5万円安くなっています。

 出発するのが冬なので、多少安くしているのでしょうか? 「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のような豪華寝台列車は値段を気にしない人が乗るものだと思っていましたし、値上げの話ばかりでしたので、このように下がるケースがあるのは意外でした。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.twilightexpress-mizukaze.jp、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230316_00_press_mizukaze.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230518_00_press_twilightexpressmizukaze.pdf)

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ハワイの鉄道、6月30日に暫定開業

 以前にも当blogで取り上げた、ハワイホノルルの鉄道計画。紆余曲折はありましたが、この6月30日14時に一部区間が開業します。

 開業するのは、西側のイースト・カポレイ-アロハスタジアム間、約16キロ。運賃は大人3ドル。実際に乗車するには、オアフ島の公共バスで使われている「HOLOカード」というものが必要です。このカードがあれば、鉄道と公共バスが2時間半乗り放題となります。ちなみに、7.5ドル払えば、1日乗り放題になります。なお、開業日の6月30日は14時から18時まで無料開放されます。7月1日から4日も、「HOLOカード」があれば、終日無料です。

 このハワイの鉄道は、標準軌で、第三軌条方式です。4両編成の自動運転の電車が10分間隔で走ります。電車の最高速度は時速55マイル(88キロ)のようです。

 ただし、今回開業する区間は一部だけで、日本からの観光客が使いそうな区間ではありません。空港やホノルル中心部まで開業するのは、2031年の全線開業時です。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/honolulurail2023/)

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無記名の「Suica」、「PASMO」、8日から発売一時中止

 大都市圏の鉄道を中心に、交通系ICカードが普及しています。しかし、この8日から、無記名の「Suica」、「PASMO」の発売を一時中止します。

 なぜ発売を一時中止にするのかと言えば、世界的な半導体不足のため。交通系ICカードの製造のために必要なICチップの入手が困難となっているため、8日から無記名のものの発売を一時中止するのです。

 ただ8日以降も、すでに持っている無記名のカードは引き続き使えます。記名式のカード、定期券及びカード障害や紛失時の再発行も引き続き行います。5月27日に導入したばかりの青森エリア、盛岡エリア、秋田エリアでは、「Suica」のサービスを始めてから時間が経っていないので、引き続き無記名のカードの発売を行います。訪日外国人のためのICカードも引き続き発売します。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230602_ho01.pdf)

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芳賀・宇都宮LRTは8月26日開業

 これまで路面電車が全くなかったところにできる芳賀・宇都宮LRT。国内で路面電車が新たにできる(延伸を除きます)のは1948年の万葉線(現在の名称)以来、75年ぶりのようです。そして、その開業の日が決まりました。

 その日は8月26日。8月最後の土曜日です。予定通り8月中に開業することができます。当日は式典を行いますので、実際に乗車できるのは、それが終わった後の15時以降を予定しています。

 開業当初のダイヤや運賃の概要も発表されています。開業当初は運賃収受等に時間がかかるため、普通のみの運行とし、所要時間も40分台後半としています。計画されていた快速はありません。本数も予定から減り、ピーク時は約8分間隔、オフピーク時は約12分間隔となります。運賃は距離に応じて変わり、150~400円です。定期券もあり、通勤定期は約4割、通学定期は約5割の割引率です。

(追記)
 芳賀・宇都宮LRTの快速は2024年春以降に運行する予定です。
(参考:宇都宮ライトレールホームページ https://www.miyarail.co.jp/news/110、宇都宮市ホームページ https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/032/422/kisyakaiken0602.pdf、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC02B3U0S3A600C2000000/)

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名古屋市交通局も「manaca」マイレージポイント激減

 名古屋市交通局の地下鉄やバスに乗るなら「manaca」がお得です。乗車金額に応じてマイレージポイントがもらえるのですが、その率が結構高いのです。平日の朝夕でも10~13%のポイントがつくので(ポイントの率は利用金額によって変わります)、回数券レベルの割引になります。名鉄等のマイレージポイントは引き下げられましたが、名古屋市交通局は従来通りのマイレージポイントを維持してきました。

 しかし、このお得なマイレージポイント、7月1日から大幅に付与率が減ります。平日も休日も時間帯に関係なく付与される基本ポイントは、たったの1~4%。かなり減ります。平日の昼間(10~16時)はボーナスポイントとして、基本ポイントに上乗せするかたちで、バスは30%、地下鉄は20%のポイントがもらえますが(現行は平日の昼間と休日については、基本ポイントの代わりにバスは30%、地下鉄は20%のポイントがつきます)、平日の朝夕はともかく、休日はそのようなポイントは全くありません。バス30%、地下鉄20%のポイントから1~4%に激減です。

 「manaca」を使っている人の中には、通勤定期代わりにしている人もいます。バスの定期の割引率があまり良くないからです。ただ、「manaca」のマイレージポイントが減ることを考えると、通勤定期にしたほうがお得になるかもしれません。バスの定期は全線使え、持参人方式なので、家族などほかの人が使っても構いません。休日なら、家族のバス代がほぼ半額になります。
(参考:名古屋市交通局ホームページ https://www.kotsu.city.nagoya.jp/jp/pc/MANACA/TRP0004676.htm、https://www.kotsu.city.nagoya.jp/jp/pc/TICKET/TRP0000285.htm)

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「エクスプレス予約」等、秋に値上げ

 ある程度東海道新幹線を利用する人にとってお得なのは、「エクスプレス予約」。2001年にサービスを始めてから、多くの人に利用されています。その「エクスプレス予約」及び「スマートEX」について、秋に値上げを行います。

 「エクスプレス予約」で値上げを行うのは、「EX予約サービス」、「EX予約サービス(往復割引)」、「e特急券」。普通車自由席は現在と同額ですが、普通車指定席やグリーン車は現在よりも割引幅を縮小します。正規の料金はシーズンによって最大600円の幅で変わりますが、「エクスプレス予約」もこれまでの均一価格から変わり、シーズン別の料金になります。正規の料金では「のぞみ」や「みずほ」に乗ると若干高くなりますが、「エクスプレス予約」も同じように高くなります。年間通じて同じ料金、そして「のぞみ」でも追加料金なしというこれまでの大原則が変わるのです。複雑になって分かりづらいです。東京-名古屋間など列車によっては「ひかり」が「のぞみ」に抜かれずに先着するようなところでは、「ひかり」を買うケースも増えることでしょう。山陽新幹線の場合、「のぞみ」や「みずほ」の料金が上がり、かつ「のぞみ」より「さくら」のほうが座席が良いので、「さくら」の人気がさらに高まるでしょう。

 具体的に、どれぐらい上がるのでしょうか? 大人1人、片道、「のぞみ」の普通車指定席、通常期という条件で比較します。正規の運賃、料金が11300円の東京-名古屋間は10310円から10880円に上がります。正規の運賃、料金が14720円の東京-新大阪間は13620円から14230円に上がります。「エクスプレス予約」は年会費が要りますが、これまでは年に1回ぐらい乗れば、年会費を回収することができるぐらいのものでした。これからはそういうわけにはいかなくなりますので、ビジネスで利用する人を除いては、会員を続けるかどうか難しいところです。

 「スマートEX」は、「スマートEXサービス」、「スマートEXサービス(往復割引)」で値上げを行います。東海道新幹線や九州新幹線だけで完結する場合は関係ありませんが、山陽新幹線を利用する場合(東海道新幹線や九州新幹線に跨がって利用する場合を含みます)は、「のぞみ」や「みずほ」の加算額が加わります。

 また、「EX予約サービス」や「スマートEXサービス」で、東京-品川間、京都-西明石間の各駅相互間を利用する場合、鉄道駅バリアフリー料金として10円が加算されます。

 今回、「エクスプレス予約」等を値上げするのは、単にやりやすいからでしょう。本来なら、国交省の認可は要りますが、正規の運賃を上げて、有人の「みどりの窓口」の利用者を減らし、「エクスプレス予約」等のインターネットでの販売に移行させるというのが望ましい方法です。切符の買いかたがわからず、駅員に頼っている人からは人的コストを勘案した年中高い運賃、料金をもらい、インターネットでは状況によってお得な切符を売れば良いのです。そういう意味では、「エクスプレス予約」等の値上げは賢明ではありません。一番良いのは中距離以上の運賃の値上げ、その次は「みどりの窓口」で買う人の特急料金の値上げです。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042742.pdf)

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