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September 2023

芸備線等の輸送密度が上がる

 29日、JR西日本の2022年度の輸送密度が発表されました。

 新型コロナによる行動制限が緩和され、徐々に戻りつつある状況であるため、全体的に見て、輸送密度は上がっています。長距離の移動もしづらくなくなっているので、新幹線などの輸送密度も大きく上がっています。

 そんな中、ローカル線の輸送密度はどうなったのでしょうか? 一時は一桁にもなったことのある芸備線ですが、こちらも数字は良くなっています。備中神代-東城間は80人(2021年度、以下同じ)から89人(2022年度、以下同じ)に、東城-備後落合間は13人から20人に、備後落合-備後庄原間は66人から75人に、備後庄原-三次間は312人から327人に増えています。周辺の線区も、木次線宍道-出雲横田間は220人から237人に、出雲横田-備後落合間は35人から54人に、福塩線府中-塩町間は144人から160人に増えています。廃止が正式決定する前に乗っておきたいという鉄道ファンのおかげでしょうか?

 もっとも、輸送密度が増えても、到底鉄道で運営できる数字ではありません。芸備線の中で鉄道が本来の役割を果たしているのは下深川-広島間ぐらいで(それでも赤字です)、広島県などによる高速化投資や金銭負担は必要ですが、三次や備後庄原まで鉄道が残れば御の字というところが正直なところでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2023_08.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230929_00_press_ysomitsudo.pdf)

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10月2日から「いまざとライナー」減便、中央線20系は2023年度まで

 Osaka Metroは今里筋線今里以南に、BRT「いまざとライナー」を走らせています。その「いまざとライナー」ですが、10月2日にダイヤ改正を行います。

 どういうダイヤ改正かというと、平日の減便。1日当たり94本走っていますが、70本に減ります。現在1日70本の休日と同じになるのです。これまで平日の7~18時台は長居ルート、あべの橋ルートともに20分間隔でしたが、それが30分間隔になります。どうやら、BRTは供給過剰と判断されているようで、今回のダイヤ改正でそれを反映させたのです。こんな状況では、地下鉄の延伸はないでしょう。

 話は変わりまして、次は中央線。新型への置き換えが進んでいますが、これまで走ってきた20系は2023年度で全廃する予定です。2025年度の万博まで、新型車両と併用して使うのではなかったようです。なお、30000A系は万博終了後、谷町線に転用し、古い車両を置き換えます。
(参考:Osaka Metroホームページ https://brt.osakametro.co.jp/news/news/other/20230901_brt_dia_kaisei.php?_ga=2.106627971.1843151090.1695472113-1681113808.1690004777&_gl=1*sm7q5n*_ga*MTY4MTExMzgwOC4xNjkwMDA0Nzc3*_ga_LT5TV95QB9*MTY5NTQ3MjExMS40LjEuMTY5NTQ3MjEzNS4zNi4wLjA.、https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20230905_himitsu_tunnel.php?_ga=2.106627971.1843151090.1695472113-1681113808.1690004777&_gl=1*sm7q5n*_ga*MTY4MTExMzgwOC4xNjkwMDA0Nzc3*_ga_LT5TV95QB9*MTY5NTQ3MjExMS40LjEuMTY5NTQ3MjEzNS4zNi4wLjA.、大阪市ホームページ https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/toshikotsu/0000592861.html)

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北海道医療大学が北広島に移転か?

 札沼線の終点は北海道医療大学。1974年に開学し、2024年で50周年を迎えます。しかし、駅名にもなったその北海道医療大学、移転の話があるようです。どこに行くかと言えば、北広島。北広島には北海道日本ハムの野球場、ボールパークFビレッジがあります。新駅もできるその中に移るのです(新駅の話は別記事で書きます)。当別町のキャンパスのほか、札幌市北区あいの里にあるキャンパス、病院の大半が移ります。少子化に伴い、学生の利便性の向上を図るためで、2028年4月の移転を目指しています。

 この大学の移転によって、当別町から若い人が消えてしまいます。北海道医療大学の学生は約3500人ですが、当別町にはそのうち約800人が住んでいます。教職員も当別町内に住んでいる人はいるでしょうから、自宅が町内にある人はともかく、遠方から来た人は北広島に引っ越すでしょう。町にとっては大問題です。また、札沼線にも影響を及ぼします。札沼線はその名の通り石狩沼田まで延びていましたが、かなり前に新十津川以北が廃止され、2020年には北海道医療大学-新十津川間も廃止されてしまいました。このまま北海道医療大学が移転してしまうと、学生など北海道医療大学までの利用者は減り、当別-北海道医療大学間の鉄路が必要かどうかという話まで出てしまいます。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/ee6e98e1562854875db092fe902b46131afeaff9、https://news.yahoo.co.jp/articles/c3a45540cb24c64580f588a2b3f86c9893a6a6ae)

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西武の「サステナ車両」は東急と小田急の車両

 以前、西武が他社の中古車(「サステナ車両」)を買うという内容の記事を書きましたが、その続報です。

 購入する他社の車両は、東急の9000系と小田急の8000系。「サステナ車両」は無塗装のものにする予定だったのですが、適当なものが無く、塗装のある小田急の車両を導入することになりました。どちらも1980年代に登場した車両で、小田急の8000系は2024~2029年度に、東急の9000系は2025~2029年度に導入します。東急の9000系は多摩川線、多摩湖線、西武秩父線、狭山線に、小田急の8000系は国分寺線に導入します。東急の9000系、小田急の8000系合わせて約100両を導入します。池袋線や新宿線といった本線には新車を導入し、支線には「サステナ車両」で対応します。

 「サステナ車両」を導入することにより、2030年度には全ての車両がVVVF化されることになります。旧型の直流モーター車に比べて使用電力量は約半分になり、年間約5700トンの二酸化炭素排出を削減します。約2000世帯の年間排出量に相当します。また、新車の製造と廃車が減ることにより、新車製造時に排出する二酸化炭素は約9400トン減り(1両当たり約94トン減ります)、廃車時に排出する二酸化炭素は約70トン減ります(1両当たり約0.7トン減ります)。
(参考:西武ホームページ https://www.seiburailway.jp/file.jsp?newsroom/news/file/20230926_sasutenatrain.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/128387)

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「南海・泉北1日周遊きっぷ」、10月と11月に発売

 南海及び泉北は、10月1日から11月30日までの間、南海及び泉北が1日乗り放題となる、「南海・泉北1日周遊きっぷ」を発売します。

 「南海・泉北1日周遊きっぷ」は、10月1日から11月30日までの間、南海と泉北の各駅等(無人駅など一部を除きます)で購入することができ(9月23日と24日に、難波で先行販売を行っていました)、値段は2000円です。子供の設定はありません。

 また、この「南海・泉北1日周遊きっぷ」を購入した人には、「『Pokémon GO』パートナーリサーチ」への参加券ももらえます(数に限りがあります)。道具や特別なポケモンを手に入れることができるようです。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/230901.pdf)

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北陸新幹線開業で越美北線値上げ

 北陸新幹線金沢-敦賀間開業により、北陸線金沢-敦賀間は並行在来線となりJRから分離されますが、次のような困った問題も出てきます。

 どういう問題かと言えば、福井と越美北線の各駅との間の運賃が上がること。越美北線は福井のひとつ敦賀寄りの駅、越前花堂で分岐します。今は北陸線も越美北線も同じJR西日本ですが、北陸新幹線開業により福井-越前花堂間は第三セクターのハピラインふくいになりますので、2社にまたがることになり、運賃が上がってしまうのです。ハピラインふくいは値上げを行いますので、その点でも運賃が上がります。福井県とJR西日本は割引を設定することにより、値上げ幅を30%以下に抑えるようにすることを考えています。

 越前花堂が北陸線単独、あるいは越美北線単独の駅だったらこういうことにならずに済んだのですが、今となってはどうしようもありません。富山のように枝線を北陸新幹線並行在来線会社が運営しようとする動きもないので、越美北線がある限り、値上げの問題はついてきます。割引に期待するしかないです。

 越美北線にはこういう話もあります。越美北線の本数は少ないですが、並行して京福バスも走っています。これを使うのです。どういうことかと言えば、10月1日から2024年3月31日の間、越美北線の定期券を持っている人は、400円を払えば京福バスに乗ることができます(事前に割引利用券を手に入れることが必要です)。福井発22時台など、越美北線の列車が走っていない時間帯には、ありがたい施策です。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20230905-OYO1T50002/、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/128304、福井県ホームページ https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/sokou/koukyoukoutuu/sougoriyou.html)

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北吉原の橋上駅舎が消えていた

 室蘭線の北吉原は、日本製紙白老工場の最寄り駅。国鉄時代、普通列車の一部は通過するのに、停車する急行があるという、妙な駅でした。

 この北吉原ですが、駅舎は線路の上にありました。橋上駅舎でした。しかし、どうやらそれは消えてなくなったようで、上下線別に待合室があるだけです。上下線をつなぐ跨線橋の類もありません。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/network/station/station.html#4324)

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鳥になった気分で関門海峡を飛ぶ?

 関門海峡には橋もトンネルもあり、いろいろな手段で行くことができます。中にはトンネルで歩いて行くこともできます。

 そんな関門海峡ですが、空を渡るものが計画されています。計画しているのは下関市にあるレジャー施設の管理運営会社、ケイエムアドベンチャー。関門海峡にワイヤロープを渡して、滑り降りるのです。標高268メートルの下関の火の山公園と標高70メートルの北九州の和布刈公園との間をつなぎ、最高速度110キロで関門海峡を渡ります。所要時間はたった90秒です。利用料金は28000円を予定しています。実現すれば、全長1740メートルで、日本一の長さとなります。鳥になった気分で関門海峡を渡ることができ、愛好家などがやってくると見込まれています。下関、北九州の両市も観光客が見込めるとして支援を考えています。

 このジップラインは2025年春の開業を目指していますが、いろいろ難しい面もあります。関門海峡は外国船も行き交う国際航路であるので、海上保安部など10以上の許認可が必要になります。両端の鉄塔やワイヤに十分な強さを持たせる必要があり、船の航行を妨げないように建設作業にも注意を払う必要があります。事業費も約15億円かかるとされています。金融機関からの借り入れのほか、クラウドファンディングで調達することも考えているようです。
(参考:西日本新聞ホームページ https://nordot.app/1071963626461692560?c=996030135055417344)

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年末、岡山市内発着の路線バスが200円均一に

 岡山市は、12月から2024年1月3日の間、岡山市内を走る路線バスの運賃の上限を200円とします。

 このキャンペーンは、岡山市内だけが安くなるのではありません。一部分でも岡山市内を走ればよいのです。例えば、岡山から真庭市の中国勝山まで通常なら2200円かかりますが、ここがたったの200円になります。平日もこの200円の制度は適用されますので、通勤や通学でも使えます。

 このほか、2500円でタクシーを4000円分使うことができるチケットも11月から発売します。この施策により、燃料高騰などで苦しむ公共交通の利用促進を図りたいとしています。
(参考:FNNホームページ https://www.fnn.jp/articles/-/578615)

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北陸新幹線金沢-敦賀間の特急料金

 前の記事で予告したとおり、北陸新幹線の特急料金について書きます。

 22日、JR西日本は国交相に対して、北陸新幹線金沢-敦賀間に関わる特急料金について、認可申請を行いました。この認可申請の内容及び実際に適用される運賃や特急料金について説明したいと思います。

 北陸新幹線金沢-敦賀間は、並行する北陸線金沢-敦賀間が新幹線開業とともにJRから分離されるので、運賃や料金は建設キロを元に計算します。上越妙高-金沢間と考えかたは同じです。このため、小松-敦賀間のように、在来線なら100キロ以上なのに新幹線なら100キロ以下になるということもあります。金沢-敦賀間の指定席特急料金は3170円(以下、通常期の数字を書きます)です。自由席は基本的に指定席特急料金から530円引きですが、隣駅だけは880円になります。ところで、越前たけふ-敦賀間の指定席特急料金は1410円になっています。自由席より530円高いだけですが、何か理由はあるのでしょうか? この結果、東京-福井間(北陸新幹線経由)は、運賃が8580円、指定席特急料金が7230円の合計15810円となります。現在の指定席特急料金は7760円なので、新幹線で便利になったにもかかわらず、530円安くなります。

 それでは、新幹線開業によって乗り換えの手間が増える関西、名古屋方面はどうでしょうか? さすがに乗継割引を廃止するだけでは酷なので、特例措置が用意されています。北陸新幹線富山-敦賀間と敦賀-大阪間の「サンダーバード」、敦賀-米原・名古屋間の「しらさぎ」を敦賀で改札を出ずに乗り継ぐ場合には、特急料金の割引措置があります。新幹線の自由席特急料金と在来線の自由席特急料金をそれぞれ1割引にし、指定席なら座席指定料金相当額として530円加算します。新幹線、在来線ともに指定席を利用する場合でも530円で構いません。このように計算した結果、本来なら5560円かかる金沢-大阪間の指定席特急料金が4570円になります。2割近い割引で、在来線特急が半額になる乗継割引より若干高くなる程度で済みます。なお、この制度の導入に伴い、「サンダーバード」及び「しらさぎ」の繁忙期等の区別が、北陸新幹線のものに統一されます。

 運賃を加えるとどうなるのでしょうか? 現在、金沢-大阪間は7790円しますが、9410円になり、1620円の値上げになります。金沢-名古屋間は7460円から9080円と1620円の値上げになります。しかし、すでに新幹線が開業している新高岡、富山の値上げ幅は小さく、中には富山-京都間のように、北陸新幹線金沢-敦賀間の開業によって値下げになるケースもあります。ちなみに、東京-福井間を米原経由で行けば、16950円になります(運賃計算の営業キロは変わらないと仮定、東京-米原間は「ひかり」利用)。北陸新幹線経由よりかなり高くなります。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230922_00_press_hokurikushinkansennotokkyuu_1.pdf)

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JRグループ、乗継割引廃止

 JRの特急には、乗継割引という制度があります。乗継割引とは、新幹線と在来線の特急を乗り継いだときなどに、在来線の特急料金などが半額となるものです。本州と北海道、本州と四国の間では、在来線特急、急行同士でも割引になることがありました。新幹線の開業で在来線の特急が分断され、それによる特急料金の高騰を抑える目的で設定されました。

 ところがこの乗継割引、2002年の東北新幹線八戸開業のときに縮小されました。2011年の九州新幹線開業のときは小倉や博多で山陽新幹線とJR九州の特急を乗り継いだときの乗継割引が廃止され、2023年の春には岡山などで山陽新幹線とJR四国の特急を乗り継いだときの乗継割引が廃止になりました。そして2024年春、残っているJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本の乗継割引が廃止になります。廃止日はJR東海とJR西日本が北陸新幹線の開業する2024年3月16日、JR北海道とJR東日本は未定です。チケットレスサービスが普及し、それに伴い乗継割引の利用者が減ったためです。これにより2024年春以降に残る乗継割引は西九州新幹線及び別記事で書く北陸新幹線敦賀での乗り継ぎにかかるものを除いてなくなることになります。

 乗継割引は新幹線と在来線を乗り継いだときに在来線特急が安くなり、お得なので、廃止は痛いでしょう。ただ、このような制度があるためにJRの料金制度が複雑になってしまう面もあります。「みどりの窓口」で買う正規の切符の値段を高くする代わりに、魅力的なインターネットでの割引切符を拡充するのが求められることでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/92c228a30aae6cd43730ecbceaaf7f38b02df982)

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開業から1年近くが経った、西九州新幹線に乗りに(5)

 軍艦島は長崎港から18キロほど離れているので、船で40分ほどかかる。そして、船が軍艦島に着いてから、上陸できるかどうかの判断がなされる。結構条件は厳しいようだが(2022年9月の実績では、軍艦島に上陸できたのは3割にも満たない)、問題はないようで、晴れて上陸することができた。上陸しても島内を自由に歩くことができるわけではない。決められた見学ルートを、ガイドの案内で行くだけだ。軍艦島には多くの建物があったが、結構朽ちてぼろぼろになっている。台風などの高波が激しく、しかも使われていない島なので、修理もしない。メンテナンスもしない。朽ちていくだけだ。だから今ある建物が次来たときもあるとは限らない。今この目で見ないといけないのだ。上陸時間は30分ほどで、後30分ほどで軍艦島の周辺をクルージングする。再び40分ほどかけて戻り、上陸証明書をもらって解散。ホテルで荷物を受け取り、県営バスターミナル2階の長崎県物産館でお土産を買う。路面電車の一日乗車券を見せると5%割引になった。

 ここまで来てようやく西九州新幹線の番である。新幹線の駅は路面電車からかなり離れたところに移り、結構歩かされる。富山みたいに路面電車が新幹線駅に乗り入れる計画もない。今後も歩かされることになる。博多までの西九州新幹線の切符はすでにインターネットで買っていて、朝のうちに切符に引き換えている。券売機での切符の引き換えに時間がかかると聞いていたからだ。「みどりの窓口」ではなくインターネットで切符を買わせることは間違ってはいないが、インターネットで購入した切符を「みどりの窓口」等で引き換えなくてもいいようにしなければならない。QRコードを表示して、スマホの画面かプリントアウトした紙をそのまま切符にすればよいのだ。また、1週間前までの発売という制約があるとはいえ、3200円は安い。2900円(割引の類はないようだ)の高速バスと大差ない。安いこと自体はありがたいが、裏を返せば部分開業に留まっているためスピードという西九州新幹線の長所がなく、価格で勝負しなければならない、ということを意味している。私が乗った「かもめ44号」はガラガラの状態で出発したが、途中の諫早や新大村で乗る人が意外と多い。諫早や新大村はバスが少なく、鉄道が優位に立っているのだろう。トンネルが多く、フェンスが高いため、車窓は望めない。車窓に関して言えば、バスのほうが明らかに優れている。

 フリーゲージトレインはまだ実用化されていないので、新幹線が途切れる武雄温泉で乗り換え。「リレーかもめ44号」は787系の8両編成だった。武雄温泉の時点でほぼ席が埋まっていたが、佐賀などでも乗ってくる。佐賀なら「2枚きっぷ」で自由席だと思っていたが、この区間でもインターネットの切符があり、指定席も安く買えるのだ。博多で山陽新幹線に乗り換え。「エクスプレス予約」で予約し、登録している「EX-ICカード」を自動改札機にタッチすればいいので、紙の切符に引き換える必要はない。博多から乗ったのは「のぞみ62号」。博多を出た時点ではガラガラだったが、途中から乗ってくる人は多かった。早速小倉から増えてくる。もっとも、私の隣は新大阪まで来なかったが。

 夕食の弁当は事前に予約している。いくつかの弁当から選ぶことができ、自分の席まで持ってきてくれる。博多の駅弁を頼んだが(本来は出水の業者だが、博多に有力駅弁業者がないこともあり、博多に進出しているようだ)、車内販売は広島からなので、広島で持ってきてくれる。広島を出てしばらくしてから持ってくると思っていたが、広島を発車するかしないかのうちに持ってきてくれた。いい時間の車内販売はあっても弁当は売り切れていることが多いので、時間に余裕がないときは使うとよい。さらに、東海道新幹線の車内販売が終了する今、山陽新幹線もいつまであるかわからない。そう思って、車内販売でアイスクリームを買ってデザートにした。
(参考:やまさ海運ホームページ https://www.gunkan-jima.net)

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開業から1年近くが経った、西九州新幹線に乗りに(4)

 ホテルで路面電車の一日乗車券を買い、チェックアウトせずに7時前にホテルを出る。ホテルの目の前が停留所である。観光客ではなく、通勤、通学客が使っている、朝の路面電車の実態を知ることができた。ICカードで支払う人がほとんどで、一日乗車券を使っているのは私ぐらいだ。2時間半ほどで長崎電気軌道のほぼ全線に乗車。ほぼと言うのは、朝夕だけのレアな4号系統に乗っていないので、観光通と浜町アーケードの間の渡り線に乗っていないからだ。元々浜町アーケードは(西隣と同じ)西浜町という名前だったが、名前が変わり、乗りつぶしを考えるうえでややこしくなったのだ。 

 ホテルに戻り、チェックアウトして(大きな荷物はホテルに預けたままにする)、出島に行く。出島は江戸時代、オランダとの貿易の拠点として使われていたところ。そのときの建物が復元されている。展示物も多く、こちらもかなりの時間がかかると思っておいたほうがよい。出島にはレストランもあるが、今日は臨時休業。洋食が食べたくなり、トルコライスを食べることができる店を見つけて入る。本職がインドカレーの店なので、トルコライスにさらにインドの要素が加わったか? 

 長崎の沖合に軍艦島という島がある。本当の名前は端島というが、軍艦島のほうがよく知られている。島の様子が軍艦に似ているからだ。元々そんな格好をしていたわけではない。炭鉱の島として注目され、狭い土地を有効活用しようと、高層の建物が次々と建てられたからだ。最盛期には6.5ヘクタールほどの島(しかも、何度も埋め立てて島を拡張している)に5000人以上の人が住んでいた。生活のための設備は充実し、学校、病院、商店があり、神社、寺、映画館、パチンコ屋まであった。ところが石炭が使われてなくなり、50年ほど前に炭鉱は閉山、島から人が消え、島は荒れ果ててしまったのである。そんな軍艦島に行くことができるツアーがあったので、それに参加することにしたのである。船の出航時刻は13:00、12:30までに手続きを済ませるように言われていたので、それに間に合うように大波止の長崎港ターミナルに行く。かなり人が多い。こんなにも多くて対応できるのか、と思えるぐらい。事前に印刷した誓約書を提出し、代金を払う。交通系ICカードも使えるが、310円の見学施設使用料は現金で払わないといけない。(続く)
(参考:「軍艦島」(軍艦島上陸・周遊クルーズ参加時にもらったパンフレット))

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開業から1年近くが経った、西九州新幹線に乗りに(3)

 甘木には甘木鉄道のほか、西鉄もある。西鉄の駅は甘木鉄道の駅から若干離れたところにある。ロータリーがある元国鉄の甘木鉄道の駅とは違い、西鉄は駅前広場というものがない。町の中に埋もれているのだ。西鉄は朝も昼も夜も関係なく30分間隔。列車は出たばかりなので待つ。甘木線の列車は大牟田まで直通する。天神大牟田線でも大牟田のほうだと普通は2両のワンマンで充分だからだ。4扉の車両が使われるが、有人駅でも無人駅でも扉が開くのは両端の2つだけ。中ほどの2つの扉は使わないのだ。甘木10:42発は大牟田に向けて発車した。ワンマンといいながら車掌が乗っていたが、最初の交換駅(ホームの幅が非常に狭い)で降り、反対側の甘木行きに乗ってしまう。何の意味があって車掌が乗っているのだろうか? 宮の陣で天神大牟田線に乗り換え。すぐに急行がやってきた。転換クロスシートの6両編成である。西鉄二日市で太宰府線に乗り換え、太宰府へ。 

 太宰府と言えば、やはり太宰府天満宮。参拝してから近くにある九州国立博物館に行く。特別展はやっていなかったが、それでもボリュームがあり、急いで見ても軽く1時間以上かかる。参道で名物の梅ヶ枝餅を買って駅に戻る。ここから直通のバス(「旅人」)に乗って博多に向かうが、その前に大宰府政庁跡に寄りたいと思い、コミュニティバスに乗る。しかし、コミュニティバスなのでまっすぐ行かず、高台の住宅地に立ち寄る。気がつけば次の博多行きのバスは後ろを走っていて、大宰府政庁跡は車内から眺めるだけになる。直後に乗った博多行きのバスは、門司まで乗った連絡バスとは若干違うが、短距離高速バスタイプ。 何とか空いている席を見つけ、座ることができた。このバスは水城ランプから福岡都市高速に乗り、右のほうから建物が消えたと思ったら、福岡空港。国際線ターミナルに到着する。後ろには国内線への連絡バスが停まっている。これに乗ればいいようだ。連絡バスは空港の敷地内を通り、国内線ターミナルに到着。目の前が国内線ターミナル、そして階段を降りると地下鉄の駅。2駅で博多、5駅で天神だ。日本の主要空港で一番便利な空港だ。私も階段を降りて地下鉄に乗る。空港線で2駅、博多まで行き、そこから3月に延伸された七隈線に乗り換える。七隈線はミニ地下鉄なので、空港線から乗り換えると、その小ささがよくわかる。天神南からはすでに開業していた区間。既開業区間に入って次の駅、渡辺通で降りる。 

 今回の旅の目的のひとつが、開業して約1年になる西九州新幹線に乗ること。西九州新幹線は帰りに乗るから、行きはライバルの高速バスにする。福岡と長崎とを結ぶ「九州号」に乗る。西鉄天神高速バスターミナル16:35発の便だ。西鉄天神高速バスターミナルは九州一、日本でも有数のバスターミナル。九州各地に行くバスを中心に多くのバスが発着する。私が乗った「九州号」は予約制だが、短距離の佐賀だと予約は受け付けず、先着順になる。佐賀行きの列が伸びていた。「九州号」は西鉄天神高速バスターミナルを出た。ほぼ満席である。スーパーノンストップなので、次に停まるのは昭和町。途中の休憩もないので、長崎市内まで走り続けるのだ。まだ山の中の長崎多良見インターチェンジで降り、山の中の曲がりくねったバイパスを抜けると、昭和町。ここで10人以上が降りる。次の平和公園でも降りる人が多く(もう暗いので今から平和公園に行くことはない)、出島道路ができ、長崎の中心部にダイレクトに直結できるようになっても、昭和町などを経由する意味があるようだ。バスは10分ほど遅れて到着。夕食はホテル近くの中華料理屋で皿うどんにする。(続く)

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開業から1年近くが経った、西九州新幹線に乗りに(2)

 船は新門司港6:00着なので、朝は早い。レストランも5:00から営業している。トースト、コーヒー、ゆで卵、サラダがセットになった、モーニングセットを注文。喫茶店のモーニングみたいなメニューだ。船は定刻に新門司港に着いた。結構激しく雨が降っている。車でない限り、連絡バスに乗り遅れたら、タクシーしか利用できるものはない。連絡バスは西鉄バスの運行で、外観は路線バスだが、中は観光バスみたいな車内。短距離の高速バス用か? 乗ったのは私を含めて4人だった。6:10に発車。連絡バスは山を越えて門司、小倉に行く。土地勘がある泉大津なら歩いてでも行けそうだが、こちらは無理だ。連絡バスは小倉まで行くが、時間に余裕があるので門司で降りる。門司までは20分ほど。次に乗るバスは小倉駅前(南口)を7:30に出るので、その間に門司港まで行く。門司港行きは6:43発。811系の8両編成だが、前がオリジナルの転換クロスシート、後ろがリニューアルされたロングシートだ。ロングシートのほうに座る。変にデザイン重視ではなく、きちんと座ることのできるシートだった。門司港で折り返すが、帰りに乗った(門司港7:02快速久留米行き)のも同じ車両。今度は転換クロスシート。7時を過ぎて、ようやく外が明るくなってきた。 

 九州で一番の都市は福岡。発達している高速バスも福岡を中心に出ている。その中で福岡を無視するように走るのが北九州と長崎を直結する「出島号」。予約したときに印刷した紙を運転士に見せ(降りるときにその紙を渡す)、バスに乗る。バスは市内の何か所に停まった後、北九州都市高速、九州道を走る。隣にも誰か乗ってくるはずだったが、ほかの空席に移ったようだ。バスには15人ほどが乗っている。バスは雨をものともせず走っていたが、太宰府インターチェンジを過ぎたあたりで渋滞にはまる。玉突き事故のためで、30分ほど遅れて高速基山に到着。高速基山は基山パーキングエリアに併設されているバス停。基山パーキングエリアは福岡方面(太宰府インターチェンジ)から入って最初のパーキングエリアで、設備が充実している。時間があったらバス停をしばらく見てから(ここからも九州各地の高速バスに乗ることができる)、パーキングエリアにも寄るつもりだったが、時間がないので、すぐにバス停から出る。 

 高速基山のすぐ東をJRが走っている。事前に調べた通り踏切を渡り、並行して走る国道を南に歩けばけやき台。10分少々で着いた。9:31発の鳥栖行きに乗る。リニューアルされて座席が減った813系の6両編成だった。次の基山で甘木鉄道に乗り換え。改札を出て甘木鉄道の乗り場に行く。甘木鉄道は元々国鉄の路線だったが、分割民営化のころに第三セクターになった。国鉄のときは本数が少なく、使えない路線だったが、甘木鉄道になってから増発や駅の移設などの積極策で生まれ変わった。今利用者が極めて少ないとして問題になっている路線はともかく(逆に幹線鉄道網の一部なので、下手に廃止にすると問題が起こるところもある)、国鉄から切り離された路線の中にはそういうものがある。国鉄時代の努力が足りなかったのだ。甘木鉄道は1両とはいえ、昼間でも30~40分間隔で走っている。基山9:41発も十数人の客を乗せて出発。西鉄との乗り換え駅である小郡でも乗る客のほか、降りる客も見られた。後は降りる客が多く、甘木まで乗っていたのは3人だった。ICカードは使えないので、車内で現金で払う。(続く)

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開業から1年近くが経った、西九州新幹線に乗りに(1)

 近鉄名古屋6:10発の急行に乗ったが、今日は泉大津港17:30発の船に乗ればいいので、行ったり来たりの旅になる。何回か乗り換えて、天理で降りる。天理着9:37。 

 JRの駅に行き、「ICOCA」をチャージしてから桜井線に乗る。9:56発の高田行きに乗る予定だったが、大和路線の人身事故の影響で遅れている。最初は30分以上の遅れとアナウンスされていたが、ホームで待っているうちに18分遅れになっていた。227系2両編成の高田行きはすぐに発車。終点の高田にもそれぐらいの遅れで到着。高田では10:38発の王寺行きに乗る予定だったが、待ってくれていたので乗ることができた。227系2両編成の王寺行きは10分ほど遅れて高田を発車。桜井での降車が目立った高田行きとは違い、こちらはどんどん乗ってくる。このところの減便で和歌山線王寺-高田間も1時間1本の時間帯があるが、2本は欲しいところだ。かつては近鉄に対抗しようと、JR難波発着の快速を1時間に3本も走らせていた時期もあったのだから。王寺では人の流れについて行くと、ホームに停まっていた「大和路快速」に乗ることができた。94分遅れとのこと。天王寺で大阪環状線に乗り換え、京橋へ。若干早いが、ホームの立ち食いうどんでお昼にする。きつねうどんとおにぎりのセットだ。この時点で遅れを取り戻し、京橋からは予定通りに進むことができる。 

 昼食の休憩として40分あまりを確保していたが、きつねうどんではそれほど時間がかからない。元々京橋12:23発の区間快速に乗る予定だったが、一本早い京橋12:08発の区間快速に乗って終点の同志社前まで行く。同志社前は奥のホームが撤去され、1面1線だけの駅となっていた。ここまで来た区間快速はそのまま京橋方面に折り返す。同志社前までは15分間隔だが、木津まで行くのは1時間に1本だけ、いくら単線でも(松井山手から先は単線)、とても7両つないだ通勤型のロングシート車両が走る路線とは思えない。こちらもかつては1時間に2本あったのだが、減便されてしまったのだ。 

 木津で複線区間が増えた奈良線に乗り換え。快速に抜かれる宇治まで普通で行く。木津13:32発の普通に乗る。少なくなったロングシートの車両を期待したが、来たのは221系。4両編成である。城陽から複線区間に入り、宇治でみやこ路快速に抜かれる。「みやこ路快速」も221系だが、こちらは6両編成。快速だから混んでいると思ったが、こちらも空いていた。外国人観光客で賑わう稲荷も、快速は通過する。京都からはJR京都線、大阪環状線に乗り、新今宮へ。フェリー乗り場のある泉大津へは南海の急行で行けばいいのだが、たまたまホームに入って来たのが、2扉の普通。時間に余裕があるので、そのまま普通で泉大津まで行く。 

 フェリー乗り場には泉大津から連絡バスが出ている。駅西口で待っていると、バスがやってきた。岸和田観光のバスで、路線バスタイプの車両。阪九フェリーのラッピングがしている、専用の車両だ。有料の和泉府中からは誰も乗っていなかったが、無料の泉大津からは私を含めて5人がバスに乗った。フェリー乗り場に着く。すでにインターネットで決済までしていたので、フェリー乗り場でするのは座席が指定された切符を受け取るのみ。エレベータで3階に行き、船に乗る。予約した座席はスタンダード洋室。2段ベッドが並んだ16人部屋だが、いるのは私を含めて2人だけ。オフシーズンの水曜日なのでガラガラである。とりあえず使わない荷物はコインロッカーに入れた。 

 船旅の楽しみは、風呂と食事。大浴場とレストランがある乗り物は船だけだ。まず風呂から行く。阪九フェリーには露天風呂もついている。出港とともに風呂に行く。家にはない大きな風呂と海の中の開放的な露天風呂を楽しむ。次はレストラン。カフェテリアタイプで、好きなものを取ってから最後に支払う。長崎発祥の鯖の南蛮漬けをメインにした。神戸の街並み、そして明石海峡大橋を見ながらの晩御飯である。(続く)

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開業から1年近くが経った、西九州新幹線に乗りに(0)

 2022年9月に開業した西九州新幹線ですが、2023年9月13日から15日にかけて、ようやく行くことができましたその時の様子を明日から何回かに分けて書きます。

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金剛自動車、12月20日で路線バス事業廃止へ

 富田林市など南河内地方にバスを走らせている、金剛自動車というバス会社があります(通称は金剛バス)。近鉄や南海など、大手私鉄の系列ではなく、独立したバス会社です。

 この金剛自動車ですが、12月20日で路線バス事業を廃止することを発表しました。すでに5月の段階で自治体側に廃止の方針を伝え、自治体側は補助金などで経営の支援を行う方針を示していましたが、結局それを断り、廃止の方針を発表することになりました。根本的な問題に運転士不足があり、補助金では抜本的な解決にならないからです。

 過疎のバスならともかく、一応は大阪府内のバスです。通勤や通学でも使われています。自治体側は代わりになるバス事業者を探そうとしています。どうやら、沿線の大手私鉄系列の近鉄バスと南海バスが、(事業主体は自治体で、バス会社が輸送のみを行うという)コミュニティバス方式で対応するようです。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20230911/2000077770.html、産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20230912-QTT4AVXYMFNQJOFDZQPXH4JDLU/、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR9J736KR9HOXIE05X.html)

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「北陸ドリーム四国号」、3年半運休した後で廃止

 北陸と四国とを直結する高速バス、「北陸ドリーム四国号」。2019年6月に運行を始めました。

 しかし、この「北陸ドリーム四国号」、新型コロナウイルスの影響で2020年4月20日から運休していたのです。そして、復活しないまま、11月末で廃止になることになりました。運行していたのは10か月、そして運休が3年半という高速バスでした。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/127999)

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徳島県神山町、バスを廃止してタクシーの補助へ

 徳島県神山町は山に囲まれた町。1955年にいくつかの村が合併してできたときは約2万人の人口がありましたが、現在は1/4に減り、約4800人となっています。ただ、近年は光ファイバー網の整備に積極的に取り込み、IT企業が進出し、転出者よりも転入者が多い社会増になっています。

 このような神山町にも町営バスがあります。1972年から運行を始め、運行開始当初は年間約6万人の利用者がいました。しかし、人口の減少とマイカーの増加で利用者は減り続け、2021年度は3733人にまで減ってしまいました。1便当たりにすると0.29人なので、バス3本中2本は誰も乗っていないということになります。

 なぜバスは使われないのでしょうか? バスは幹線道路を走るので、家からバス停まで歩く必要があるのです。結局、幹線道路から離れていては使えないのです。そこで神山町が考えたのは、バスではなく、タクシー。結局必要なのは、ドアツードアの個別輸送なのです。ある程度需要がある区間以外は、下手にコミュニティバスを考えるより、タクシーの補助のほうがいいのです。従来の町営バスを3月に廃止し、タクシーの補助の大幅拡充を行いました。

 タクシーの補助を受けることができるのは、マイナンバーカードによって利用登録をした神山町民で、年齢や利用目的、利用回数に制限はありません。1回の利用につき、8000円を上限に85%分を神山町が負担し、残る15%と上限を超えた運賃を利用者が負担します。神山町の負担割合を85%としたのは、利用者の負担を従来のバスに近づけるためです。

 この仕組みだと、タクシーの需要は増えますが、陸運局からタクシーの増車が認められませんでした。そこで自家用有償旅客運送の制度も活用して、需要増に対応しています。運行はこれまで町営バスを運行していた地元タクシー会社3社に委託しています。また、自家用有償旅客運送の車両はほかの公共交通機関に影響を与えないようにするため、神山町内のみの利用となっています。
(参考:新・公民連携最前線ホームページ https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/052500076/081500040/?n_cid=emsl_186028)

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米坂線は鉄路で復旧するのか?

 米坂線も2022年8月の大雨で今泉-坂町間が不通となっています。8日のことですが、この不通区間をどのように復旧させるかという会議が山形県小国町で行われました。

 鉄路での復旧費用はJR東日本が4月に公表した内容によれば、86億円。内訳は山形県内が55億円、新潟県内が31億円です。鉄道軌道整備法に基づく災害復旧補助制度によれば、国と地方自治体が1/4ずつ、JR東日本が1/2の負担になります。

 山形県によれば米坂線は重要な路線とのことですが、本当でしょうか? 輸送密度は極めて少なく、しかもその減りは激しいのです。沿線7市町村の人口は減っていますが、それ以上に輸送密度が減っているのです。1990年と2020年を比べると人口は約2割減りましたが、輸送密度は約7割も減っています。国鉄時代は急行もあり、幹線的な要素もありましたが、今はなく、単なる一地域の交通手段です。JRという全国的な組織で残す必要はありません。もし鉄道で残すのならば、第三セクターあたりで対応するのが望ましいところでしょう。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20230908/6020018483.html、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/yamagata/news/20230908-OYTNT50151/)

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西九州新幹線開業後の長崎線の輸送密度

 西九州新幹線が開業してまもなく1年。どれぐらい使われているのでしょうか? JR九州から2022年度の輸送密度が発表されましたので、西九州新幹線や長崎線などに絞ってみていきたいと思います。

 西九州新幹線は2022年9月23日に開業したので、半年間のみの実績です。輸送密度は5882人でした。それでは、周辺の在来線はどうでしょう。新幹線開業後も同じように在来線の特急に乗る長崎線の鳥栖-佐賀間は24046人(2021年度は18594人)、佐賀-江北(旧:肥前山口)間は15478人(2021年度は11571人)です。新型コロナウイルスの影響はありますが、徐々に元の状態に戻りつつあったのが2022年度です。

 それでは、新幹線開業によって特急が消えた区間はどうでしょうか? 江北(旧:肥前山口)-諫早間は3078人(2021年度は3861人)です。先ほども書きましたが、新幹線開業は2022年9月23日なので、新幹線開業の影響は半分だけです。2023年度の数字がどうなるかが注目されます。また、区間も肥前鹿島で分割して、ローカル輸送が一番少ない肥前鹿島-諫早間がどうなったかが注目したい事項です。長崎近郊の諫早-長崎間は11128人(2021年度は11332人)と微減になりました。「かもめ」利用客が新幹線に移ったため減ったのでしょう。喜々津-浦上間は3921人(2021年度は3597人)でした。

 ほかの路線も見ていきましょう。佐世保線は5582人(2021年度は3597人)と増えました。これまではいなかった長崎への客が、西九州新幹線開業によって江北(旧:肥前山口)-武雄温泉間に乗るようになったので、数字が良くなったのでしょう。大村線は4007人(2021年度は3655人)でした。
(参考:長崎新聞ホームページ https://nordot.app/1072341050371752917?c=174761113988793844)

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三河知立移設、加木屋中ノ池開業、値上げは全て2024年3月16日

 2024年3月16日は、名鉄でもいろいろな動きがあります。

 まず知立付近の高架化に伴う三河知立の移設ですが、2024年3月16日に行うことになりました。現在の位置から豊田市のほうに約900メートル移設します。現在の位置での営業は2024年3月15日までです。移設後の三河知立は、2面2線、4両対応の相対式ホームで、改札口は上下両方にあります。駅集中管理システムを導入しています。

 次は河和線の新駅、加木屋中ノ池。ここも2024年3月16日に開業します。愛知県内では2012年の相見(幸田町)以来の新駅です。2面2線、6両対応の相対式ホームで、駅集中管理システムを導入しています。駅の建設に75億円かかりましたが、1/3は国費が充当され、後は地元東海市が負担します。1日の乗降客数は2400人と見込まれ、普通のみが停まります。当面は公立西知多総合病院の最寄り改札口となる北改札口のみ使えますが、2024年度中に南改札口も使えるようになります。

 値上げも同じ2024年3月16日です。豊橋鉄道の値上げも同じ2024年3月16日です。
(参考:名鉄ホームページ https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2023/09/01/23-09-01mikawachiryueki.pdf、https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2023/09/01/23-09-01kagiyanakanoike.pdf、https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2023/09/01/23-09-01unchinkaiteininka2023.pdf、豊鉄ホームページ https://www.toyotetsu.com/news/000399.html、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR977CZ6R96OBJB004.html)

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休日運休の貨物列車で米を運ぶ

 貨物列車の中には、休日に運休するものがあります。これを活用して、違う貨物を運ぼうとする動きがあるようです。

 何を運ぶのかと言えば、米。休日に運休する貨物列車のダイヤを活用して運ぶのです。貨物列車のルートは八戸から青森、秋田、新潟、金沢を経由して大阪市内の百済貨物ターミナルまで。日曜朝に八戸を出て、月曜夕方に百済に着きます。20両編成なので、トラックに比べて一度に大量の米(500トン)を運ぶことができます。列車なので二酸化炭素の排出量も大幅に抑えることができます。時間はトラックに比べてかかるようですが(トラックだと出荷元から卸先まで2~3日で運ぶことができますが、列車を使うと倍以上かかります)、トラックドライバーは不足しているので少ない人数で運ぶことができる貨物列車は使えると考えられているようです。

 この米を運ぶ貨物列車、新米の出荷が本格化する10月以降の定期化を目指しています。80~100個のコンテナを積まないと(16~20両編成)専用の貨物列車を走らせることができないので、取扱品目を増やすことも考えています。
(参考:「鉄道ファン」2023年8月号 交友社、北國新聞ホームページ https://www.hokkoku.co.jp/articles/tym/1116707、日本農業新聞ホームページ https://www.agrinews.co.jp/news/index/141660)

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今別町、津軽線の部分廃止を容認

 津軽線の蟹田-三厩間(28.8キロ)は、2022年8月の大雨によって大きな被害を受け、運休したままとなっています。これまで全線の鉄路復旧を求めていた沿線自治体の今別町ですが、一部区間のみ鉄路で残し、残りはバスや乗合タクシーで対応するという内容の提案を行いました。一部分とはいえ、鉄路の廃止を容認するのです。

 鉄道として残すのは、蟹田-津軽二股間(19.6キロ)。津軽二股は北海道新幹線奥津軽いまべつに隣接しています。新幹線駅なので交通の拠点であり(津軽中里への乗合タクシーが発着しています)、蟹田-津軽二股間にカーブや坂道が多い峠があり、冬場の定時運行や安全性に問題があるからです。残る津軽二股-三厩間はバスや乗合タクシーで対応します。今の代替交通がそうであるように、三厩を越えて龍飛崎周辺まで走ります。

 もっとも、蟹田-三厩間の被災箇所は13か所ありますが、そのうち12か所は大平-津軽二股間に集中しています。区間を短縮しても復旧費用はあまり減らないのです。このため、鉄路として残す区間を大平までにするという案もありますが、こうなったらもう(依然として重要な貨物路線として残り続ける)新中小国信号場はもうすぐです。需要が少ない以上、素直に蟹田-三厩間を転換して、奥津軽いまべつの停車本数を増やし、龍飛崎までの二次交通を充実させたほうが良さそうです。新幹線の駅があり、著名な観光名所があるだけ恵まれているとも言えます。
(参考:東奥日報ホームページ https://nordot.app/1070345460799128005?c=648454265403114593)

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北陸新幹線、2024年度も新規着工なし

 北陸新幹線金沢-敦賀間が開業すると、残る区間は敦賀-新大阪間のみ。ここが完成すると、単に東京との間が便利な新幹線から、東にも西にも便利な新幹線になります。

 この未着工区間の早期着工及び開業が待たれるところですが、なかなか着工できません。元々は2023年度初めに着工する予定でしたが、さらに着工時期が延びることになりました。2024年度には着工せず、2025年度以降となります。着工の前提となる環境影響評価に時間がかかり、トンネル掘削によって生じる残土の取り扱いや、新大阪付近の地質調査をしないといけないからです。

 このままではいけないでしょう。北陸新幹線は東海道新幹線のバイパスになり得ます。地震みたいな大災害でなくても、1か月ぐらい前の静岡での大雨クラスでも効果を発揮します。リニア中央新幹線もバイパスの候補になり得ますが、東京から大阪までこれからつくらないといけません。それに比べれば、敦賀と新大阪だけで良い北陸新幹線のほうが安上がりです。北陸新幹線は現在決まっている小浜、京都を経由するルートでそのまま完成するのがベストでしょうが、うまくいかないのなら北陸と新大阪を直通できるのならば(北陸新幹線敦賀開業時のダイヤを考えると、東京や信州と関西を結ぶ需要は少ないと見ているのでしょう)、ほかのルートでも構いません。国、沿線府県、JRさえ納得でき、場合によっては必要な補償を出すことができたら、それで構いません。必要なのは、東京と大阪を結ぶ北陸新幹線を全線開通させることなのです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20230824-OYO1T50030/)

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観光シーズンの嵯峨嵐山に特急臨時停車

 8月24日のことですが、JRグループから秋(10月1日~11月30日)の臨時列車についての発表がありました。

 まず嵯峨野線では、9月の間、平日も休日も一部列車で増結を行います。4両編成や6両編成の列車が、6両編成や8両編成になります。また、休日には京都-嵯峨嵐山・亀岡間で臨時列車を走らせます。混雑緩和やスムーズな乗降のため、補助シートを使うことのできる時間を縮小したり、通路部分が広い車両(元「関空快速」用車両)を使います。なお、10月以降も引き続き増結や臨時列車の運行を行います。

 10月以降ですが、嵯峨嵐山に特急の臨時停車を行います。10月21日から12月10日までの休日が対象で、午前中の福知山方面行き(3本)、昼から夕方にかけての京都行き(4本)が停まります。お金はかかりますが、混雑を気にせずに嵯峨嵐山に出かけることができます。

 10月7日から12月10日までの休日には、大阪、新大阪と奈良とを乗り換えなしで結ぶ「まほろば」が走ります。おおさか東線経由です。法隆寺にも停まり、「まほろば」で行くことのできる場所が増えます。

 JR九州では、10月7日から11月26日までの休日、佐世保発博多行き「みどり(リレーかもめ)14号」を運休させ、代わりに武雄温泉発博多行き「リレーかもめ14号」及び佐世保発博多行き「みどり74号」を走らせます。この時間帯は混むので、西九州新幹線からの乗り継ぎ客と佐世保からの客を分離しようとしているのでしょうか?
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230824_00_press_akirin.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230822_00_press_saganosen.pdf、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2023/08/24/20230822_shuki_rinzi_.pdf)

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路面電車の岡山駅東口広場乗り入れ、2026年度末に

 予定より遅れている路面電車の岡山駅東口乗り入れですが、また遅れることになりました。

 元々路面電車の岡山駅東口乗り入れは2022年度に完成する予定でした。つまり、今ごろは乗り入れが実現していたのです。ところが完成時期が2025年度に延び、今回さらにそれが2026年度末に延びることになりました。

 また、前回整備内容を縮小して総事業費を約66億円に抑えることができましたが、このたび、約1.3倍の約88億円に増えることになりました。増えた原因は、駅地下街の補強工事に伴って休業する店舗への補償費増加や資材費の高騰です。休業補償の対象は20店。売上や内装への投資を元に決めるのですが、この補償の額が増えます。2022年の段階では約16億円でしたが、29億円になることが分かりました。想定より売上が多かったり、内装にかかった経費が多かったりしたためです。工事用資材、労務単価の高騰、工法の見直しも総事業費が増えた原因です。

 完成時期が遅くなるのは、仮店舗の準備や在庫調整などのため、退去するまでに時間を要するからです。約1年間かかるようで、その分、完成時期が遅くなります。

 かなり遅くなってしまいますが、今の路面電車の停留所は若干遠いので、乗り入れが望ましいのは確かです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/80491d6279389196d3d85b7b857793acfb96c848)

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黒部宇奈月キャニオンルートは2024年6月30日から

 欅平と黒部ダムとを結ぶ約18キロの新しいルート、黒部宇奈月キャニオンルートは2024年6月30日に一般開放されることになりました。

 ただしこの黒部宇奈月キャニオンルート、従来からある立山黒部アルペンルートとは違って、自由に行くことはできません。用意されたツアーに参加しなければならないのです。

 ツアーは全て1泊2日の4種類。宇奈月から黒部ダムもしくは室堂に向かうコース、立山から宇奈月に向かうコース、扇沢から宇奈月に向かうコースの4種類です。専門にガイドが同行する予定で、定員は2024年11月末までで最大8180人です。

 なお、販売価格は11月に公表する予定です。
(参考:FNNホームページ https://www.fnn.jp/articles/-/579751)

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将来の高速道路は車線が狭くなる?

 自動運転が普及すれば、高速道路も変わるようです。

 NEXCO東日本によれば、自動運転の車はちゃんと前を向いて走ります。人間が運転する今のように、道路に余裕を持たせる必要はありません。車線の幅は今より狭くて良いのです。

 そして、車線の幅が狭くなることによって、必要なスペースが少なくなります。交通量の多い区間では、車線を増やすこともできます。インターチェンジを増やすこともできます。ETC専用ではなく、自動運転専用のインターチェンジになるようです。

 歩行者などがいて複雑な一般の道路はともかく、高速道路に関しては、自動運転が普及することによって、まるでベルトコンベアのように何もしなくても勝手に目的地のインターチェンジまで運んでくれるようになるかもしれません。インターチェンジから出るときとサービスエリア・パーキングエリアに寄るときだけ、手動運転になるのです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/127579)

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越前たけふからの交通はタクシー主体?

 北陸新幹線金沢-敦賀間にできる駅のうち、全くの新駅は越前たけふのみ。武生からは3キロ離れています。それ以外の駅は、在来線の駅に併設されます。しかも、従来からの特急停車駅です。

 ということは、駅からの交通を考えないといけないのは、越前たけふだけです。その越前たけふからの交通はどのようなものになるのでしょうか?

 どうやら、越前たけふから周辺の各地にバスが走るということはないようです。既存の特急停車駅である武生とのバスも、朝夕のみに限られます。周辺の観光地へは定額タクシーで対応するようです。背景にあるのが、新高岡の状況。新高岡は北陸新幹線開業に合わせて10分間隔でのバスの運行を始めましたが、今は間隔が崩れ、20分以上バスが来ない時間帯もあります。その状況を踏まえて、このような対応をしたようです。

 とりあえず車で新幹線の駅に行けば良い地元の人、取引先などが駅まで迎えに来てくれるような会社員はともかく、観光客の目線から言えば、越前たけふに着いても駅前に道の駅があるだけで、武生の市街や周辺の観光地に行くのは難しそうです。越前たけふでレンタカーを借りない限り、新幹線は福井で降りて(もしくは敦賀で新幹線に乗らずに)、そこから並行在来線で向かうほうが良さそうです。
(参考:福井新聞ホームページ https://nordot.app/1062114172106294071、加越能バスホームページ www.kaetsunou.co.jp/regular/shuttle6/)

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50000系の「泉北ライナー」は9月30日まで

 難波と泉北ニュータウンを結ぶ特急、「泉北ライナー」。本来は自社の12000系と高野線用の11000系で賄っていましたが、高野線特急の車両不足のため、本来「ラピート」で使われる50000系を借りてしのいでいました。「ラピート」は昼間は1時間に1本しかないので、車両が余っているのです。

 しかし、9月30日で元に戻ります。50000系による「泉北ライナー」の運行が終了するのです。「泉北ライナー」は全て4両編成になります。もちろん、「泉北ライナー」は12000系1本では賄うことができません。11000系を「泉北ライナー」用に使うことができる目途が立ったのでしょうか?
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/traffic/information/pdf/230824.pdf)

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「青春18きっぷ」でも宮島に行くと税金?

 以前、記事にしたこともある宮島に入るときの税金ですが、実現することになりました。

 この税金は宮島訪問税という名前で、10月1日から課税されます。宮島町の住民、未就学児、高校までの児童・生徒で学校行事として入島するとき、障害者などを除いて、課税されます。金額は1回100円で、1年分(500円)を前払いすることもできます。自分の船で宮島に入らない限り(この場合は自分で納付します)、フェリー会社などが運賃等と合わせて徴収し、廿日市市に納めます。ですから、基本的に納めるのはJR西日本宮島フェリーと宮島松大汽船ということになります。同じ10月1日からは運賃が180円から200円に上がりますので、行きは宮島訪問税を含めて300円、帰りは200円を払うことになります。

 それでは、「青春18きっぷ」のようなフリー切符だとどうするのでしょうか? この場合、宮島訪問税分は現地で支払う必要があります。宮島口の桟橋で宮島訪問税だけの切符(100円)を買います。改札(自動改札は使えず、有人の改札を通ります)では「青春18きっぷ」を呈示し、係員に宮島訪問税だけの切符を渡します。現に、10月7日から22日の間に使える「秋の乗り放題パス」では、宮島訪問税が別途かかることが明記されています。
(参考:廿日市市ホームページ https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/soshiki/110/59551.html、JR西日本宮島フェリーホームページ https://jr-miyajimaferry.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/d6c64d323e7d1f4fc214c57a22485ed8.pdf、宮島松大汽船ホームページ https://drive.google.com/file/d/1n1iVxhp71pCT9guOgp_cMaKECabv80rn/view?pli=1、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/127857、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230829_00_press_norihodai.pdf)

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タイヤ摩耗による粉塵、ヨーロッパで規制へ

 道路で車が走ると、タイヤは摩耗します。どこに消えるのかと言えば、粉塵となってしまいます。イギリスの大学のインペリアル・カレッジ・ロンドンが2月に発表した報告書によれば、タイヤの摩耗による粉塵は世界全体で年間約600万トンになると推計されています。粉塵の大きさは目に見える大きさのものからナノレベルの粒子まで様々です。大きさによって、大気中に漂ったり、道路から川や海に流れ出したりします。ただ、健康や環境にどのような影響をもたらすか、今のところ十分には分かっていません。

 そこでEU=ヨーロッパ連合のヨーロッパ委員会は2022年11月、タイヤの摩耗について新たに規制する方針を打ち出しました。その規制をつくるため、2024年中にタイヤの摩耗の測定方法などを検討します。

 タイヤの摩耗の問題は、ガソリン車からEVに変えても解決できるわけではありません。むしろEVは大きなバッテリーがあるため車体が重く、ガソリン車に比べて粉塵の量が2割ほど増えます。結局、タイヤから出る粉塵の量を減らすには、車の利用を抑えないといけないでしょう。しかし、無理にローカル線を使う必要はありません。新幹線や大都市圏の通勤電車のように使える鉄道だけで構いません。そういう路線で鉄道を使う割合を増やすことが必要なのでしょう。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230811/k10014160301000.html)

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大井川鐵道、10月1日に区間急行誕生

 2022年9月の台風15号により大きな被害を受けた大井川鐵道ですが、1年経った今でも家山-千頭間が運休しています。

 その大井川鐵道ですが、鉄道で運行する区間が延びることになりました。10月1日から、家山-川根温泉笹間渡間の運行を再開します。全ての便が川根温泉笹間渡まで延長されるのではなく、川根温泉笹間渡まで行くのはごく一部の便のみです。SLも一部が川根温泉笹間渡まで行きます。

 夜間には区間急行が走ります。臨時列車ではなく、毎日走る電車です。川根温泉笹間渡20:08発の金谷行きです。川根温泉で日帰り入浴と夕食を楽しんでから帰ることができます。

 今回のダイヤ改正では、利用実態に合わせて大井川本線の本数を変更しました。新金谷-家山間でも4.5往復しかないので、定期券を持っている人は、急行券なしでSL、ELに乗ることができるようになります。なお、これまで家山-千頭間を走っていたバスですが、10月1日から川根本町のコミュニティバスに移管されます。それに伴い、「大井川本線フリーきっぷ」など、一部フリー切符の発売を終了します。奥大井方面については、フリー切符ではなく、完全事前予約制の新たな旅行商品を発売します。
(参考:大井川鐵道ホームページ https://daitetsu.jp/archives/175540)

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函館新幹線総合車両所、北海道新幹線延伸で拡張

 函館新幹線総合車両所は北海道新幹線の総合車両基地。北海道新幹線が全線開業しても、札幌には大掛かりな車両基地ができないことから、北海道新幹線の車両基地は函館がメインだということになります。そして、その函館新幹線総合車両所ですが、車両基地を拡張するようです。

 現在、函館新幹線総合車両所にはH5系3編成30両が所属していますが、北海道新幹線延伸後には、JR北海道の所有する車両の数も増えます。それに合わせて着発収容庫に線路を8本増設し、12編成を収容することができるようにします。このほか、電気・軌道総合試験車の機器類検修などを行う総合試験車線も1線新設し、保守用車庫なども増築します。

 もともと函館新幹線総合車両所は北海道新幹線札幌延伸時には拡張することを前提とした計画を組んでおり、そのための土地はすでに確保しています。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/127519)

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広電、連節車両でもワンマン運転

 広電は、8月28日から1号線の広電本社前-広島港間において、一部の連節車両(1/3程度?)でワンマン運転を行っています(広島駅-広電本社前はこれまで通り、車掌が乗っています)。ワンマン運転を行う車両では、運転士は新たに車内に設置したカメラとモニターを見ながら、4か所ある扉(一部の停留所では2か所)を開閉操作します。

 乗り降りはどうするのでしょうか? ICカードを持っている人は全ての扉から降りることができます。現金の場合は、運転士の横にある運転台扉のほか、後ろのほうにある車掌台扉からも降りることができます。現金の客はどうやってチェックするのでしょうか? 1枚のICカードで複数人が使用する場合や一日乗車券を利用する場合などは、運転台扉から降ります。

 実は広電は、4月1日から連節車両の扉の開閉操作について変更していました。1号線の広電本社前-広島港間において、扉を操作するのを車掌から運転士に変更していたのです。1号線でも広島駅-広電本社前間はこれまで通り、車掌が扉の開閉操作を行います。これが連節車両でのワンマン運転の導入につながったのでしょうか?
(参考:広島電鉄ホームページ https://www.hiroden.co.jp/topics/2023/0810-train.html、「鉄道ジャーナル」2023年7月号 鉄道ジャーナル社

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津山市も水素燃料電池車両を検討

 以前の記事で、JR西日本が水素燃料電池列車を導入することについて触れました。この水素燃料電池列車に前向きな対応をしようとしている自治体があります。

 それは津山市。谷口津山市長は4月14日に行われた会見で、市内の駅への水素ステーションの設置と、津山線への水素燃料電池列車導入を検討していることを明らかにしました。

 その後この話がどうなったのかは分かりませんが、津山線には古い車両がいますので、その置き換えは急務でしょう。津山線ならそこそこ利用者がいて(新型コロナウイルスの影響で需要が落ち込んだ2021年度でも、輸送密度は2650人です)、今後もきちんと整備していけば、鉄道が一定の役割を果たすことができる路線と言えます。
(参考:「鉄道ジャーナル」2023年7月号 鉄道ジャーナル社、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/221005_00_yusoumitudo.pdf

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高速バスの空席を使って快適な通勤

 長電バスが運行する高速バス長野-池袋線。始発は柳原というところで、須坂駅、長野駅などを経て池袋に向かいます。現在、1日3往復を運行しています。高速バスなので、長野県内のみの利用はできません。

 この長電バスですが、明日9月4日から須坂から長野まで、短距離での利用ができます。「朝特急」です。利用できるのは須坂駅6:40発、7:40発、9:40発の3本で、乗車できるのは須坂駅のみ、下車できるのは権堂と長野駅です。運賃は子供も障害者も関係なく、1000円均一です。予約は不要で、高速バスの空席に座ります。運賃は前払いで、現金のみ対応しています。長野駅までの所要時間は50分です。

 池袋行きの高速バスはWi-Fi付きの独立3列シート。鉄道より時間がかかり、高いですが、快適なシートで通勤、通学できます。ただ、長野駅まで座ってきたシートに長野駅からの客が乗ることがありますので、降りるときには座席のリクライニングとカーテンを元に戻し、ゴミを持ち帰ることが必要です。

 なお、初日の9月4日には、冷たい飲み物のプレゼントがあります。
(参考:長電バスホームページ https://www.nagadenbus.co.jp/news/2023/08/post-225.php)

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流鉄、7月1日に減便していた

 流鉄は7月1日にダイヤ改正を行っていました。

 このダイヤ改正は現在の利用状況を踏まえたもので、平日は8往復減って64往復に、休日は5往復減って59往復になります。早朝から朝のラッシュ時にかけてと、夕方のラッシュが始まるまでの時間(高校生の帰宅時間?)が主に減ります。始発や最終の繰り上げも行われ、始発は2分の繰り上げ、最終は最大10分の繰り上げとなります。

 また、流鉄の列車は遅れる傾向にあったので、各駅の停車時間を延ばして終着駅にできるだけ定時に着くようにしました。馬橋-流山間の所要時間は11分から12分に増えます。
(参考:流鉄ホームページ www.ryutetsu.jp/info/new/2023年7月1日-ダイヤ改正の実施について/、「鉄道ジャーナル」2023年7月号 鉄道ジャーナル社

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根室交通中標津線、9月30日で廃止

 鉄道が廃止されたら、代わりに走るのはバス。国鉄末期にローカル線が廃止されたときも、代わりにバスが走りました。

 標津線もそのひとつ。厚床-中標津間は根室交通のバスが走りました。今は平日に5往復、休日に2往復しています。ところがこの厚床-中標津間のバス、9月30日で廃止されてしまいます。

 別海-中標津間については10月1日から阿寒バスが代わりに運行を始めます。また、根室と中標津空港とを結ぶ中標津空港線は10月1日以降も運行を続けます。中標津空港線は空港に行かない、短距離の利用もできます。
(参考:根室交通ホームページ https://www.nemurokotsu.com/topics/路線バス中標津線廃止のお知らせ/)

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福井鉄道、ダイヤ改正で30分間隔に

 福井鉄道は10月14日にダイヤ改正を行います。

 福井鉄道では昼間時間帯、急行と普通の両方が走っていますが、9時ごろから15時ごろまでの急行の運転を取りやめ、普通のみの運転とします。利用状況が良くなく、運転士が足らないからです。現行のダイヤでは運行に必要な人数から6人少ないのです。普通は30分間隔の運転とし、えちぜん鉄道との昼間時間帯の相互直通列車は、福井駅経由の普通で対応します。朝のラッシュ時の福井駅と田原町とを結ぶシャトル便も廃止します。1日の運行本数が平日は105本から80本に、休日は98本から76本に2割以上減ります。また、線路保守作業時間を確保するため、始発を10分ほど繰り下げ、最終を40分ほど繰り上げます。

 なお、たけふ新と福井駅の間に神明と福井城址大名町のみに停まる急行を新たに運行するとのことですが、季節列車であるため、運行日や時刻等については不明です。
(参考:福井鉄道ホームページ https://fukutetsu.jp/newsDetail.php?num=392、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20230815/3050015489.html、中日新聞ホームページ https://www.chunichi.co.jp/article/749804)

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宗谷線の比布、剣淵に特急停車

 宗谷線には旭川市、稚内市を含めて12の市町村がありますが、このうち比布町、剣淵町には町内の駅に特急が停まりません。そこで、宗谷線沿線12市町村、JR北海道、北海道運輸局からなる宗谷本線調査・実証事業協議会は、期間限定で比布と剣淵に特急を停めるという実証実験を行います。

 この両駅に特急が停まるのは、8月21日から9月3日まで。停まるのは、下りが「宗谷」(比布9:15発、剣淵9:35発)、上りが「宗谷」(剣淵20:54発、比布21:15発)です。

 期間限定で特急を停めることにより利用ニーズの把握や検証を行うとのことですが、果たして使いやすいダイヤかどうかは疑問です。町民にとっては朝の「サロベツ2号」(旭川10:19着)や「サロベツ3号」(旭川20:06発)のほうが便利でしょう。比布町や剣淵町への日帰りにしても、21時ぐらいでは遅すぎます。
(参考:名寄市ホームページ www.city.nayoro.lg.jp/section/chiikikadai/prkeql000003aic0.html)

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JR四国にもワンマン特急?

 地方の鉄道を中心に車掌のいないワンマン運転の列車はよく見られますが、基本的には運賃以外の料金が要らない普通列車です。しかし、JR四国は特急料金の必要な特急列車でワンマン運転を行うことを考えています。

 JR四国が導入を考え、すでに組合に提案しているのは、予讃線松山-宇和島間の「宇和海」。4両編成以下の特急で、八幡浜-宇和島間でのみ導入します(松山-八幡浜間は車掌が乗っています)。ドアの開閉は運転士が行い、車内には防犯カメラを設置します。

 この八幡浜-宇和島間では、特急は卯之町と伊予吉田に停まりますが、どちらも無人駅です。切符をどうやって回収するかが問題となりますが、松山方面は車掌が乗っているので、大きな問題ではないとしているのでしょう。JR四国ではスマホが切符となる「スマートえきちゃん」の導入を進めていますが、このような無人駅対策にもなることでしょう。わざわざ事前に「みどりの窓口」に行かなくても済み、無賃乗車の防止につながります。

 実は、ワンマン運転の特急はJR九州が導入しています。宮崎県などを走る列車の一部で導入しています。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20230818-OYO1T50005/)

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9月9日ダイヤ改正で私市と生駒を結ぶバス、廃止

 京阪バスは9月9日に、ダイヤ改正を行います。

 交野営業所管内では、18号経路が廃止されます。18号経路は、京阪交野市駅と田原台一丁目を結ぶもので、京阪交野市駅や京阪私市では京阪交野線に、田原台一丁目では生駒とを結ぶ奈良交通のバスに接続しています。鉄道の構想があったものの建設されずに残っている、私市と生駒の間をつなぐことができるバスです。現在は休日のみ1日2往復しているのですが、廃止になります。私市と生駒をバスでつなぐことができなくなります。

 このバスですが、1月に乗りました(そのときの旅行記はこちら)。休日にしか走らず、しかも9月9日で廃止されるので、このバスに乗ろうと思ったら、今日か明日の2日間しかありません。
(参考:京阪バスホームページ https://www.keihanbus.jp/pdf/unyb/dia/20230909/local_20230909_katano.pdf)

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名古屋駅の1番線に「世界の山ちゃん」

 名古屋駅の1番線は、リニアの建設に伴い使用を停止しています。

 この1番線を使って、名古屋ステーション開発は、店舗をつくることにしました。その第一号が、「世界の山ちゃん 名古屋駅1番線店」。9月、10月の2か月間のみの店です。

 「世界の山ちゃん 名古屋駅1番線店」は、9月1日から10月31日までの毎日営業します。営業時間は16時から22時までで、最終入場は21時、ラストオーダーは21時半です。「世界の山ちゃん」としては初めてのビアガーデン型の店舗で、看板商品の「幻の手羽先」(1人前5本、600円。テイクアウトもあり)などを食べることができます。食べ放題(「幻の手羽先」は除きます)、飲み放題のコースもあります。ちなみにビールは1番線に因んでか、キリンの「一番搾り」です。清須市にあるキリンビール名古屋工場でつくられています。

 なお、「世界の山ちゃん 名古屋駅1番線店」は駅構内にある店舗のため、入店には入場券または乗車券が必要です。「TOICA」は、入場券として使用することはできません。また、入場券で入場できるのは、発売時刻から2時間までですので、2時間を超えた場合には、さらに入場券を買わないといけません。
(参考:名古屋ステーション開発ホームページ https://nsk-eki.pictona.jp/scc-admin/asset/nskeki/000005/000005/c2a6fc19.pdf)

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