北陸新幹線金沢-敦賀間の特急料金
前の記事で予告したとおり、北陸新幹線の特急料金について書きます。
22日、JR西日本は国交相に対して、北陸新幹線金沢-敦賀間に関わる特急料金について、認可申請を行いました。この認可申請の内容及び実際に適用される運賃や特急料金について説明したいと思います。
北陸新幹線金沢-敦賀間は、並行する北陸線金沢-敦賀間が新幹線開業とともにJRから分離されるので、運賃や料金は建設キロを元に計算します。上越妙高-金沢間と考えかたは同じです。このため、小松-敦賀間のように、在来線なら100キロ以上なのに新幹線なら100キロ以下になるということもあります。金沢-敦賀間の指定席特急料金は3170円(以下、通常期の数字を書きます)です。自由席は基本的に指定席特急料金から530円引きですが、隣駅だけは880円になります。ところで、越前たけふ-敦賀間の指定席特急料金は1410円になっています。自由席より530円高いだけですが、何か理由はあるのでしょうか? この結果、東京-福井間(北陸新幹線経由)は、運賃が8580円、指定席特急料金が7230円の合計15810円となります。現在の指定席特急料金は7760円なので、新幹線で便利になったにもかかわらず、530円安くなります。
それでは、新幹線開業によって乗り換えの手間が増える関西、名古屋方面はどうでしょうか? さすがに乗継割引を廃止するだけでは酷なので、特例措置が用意されています。北陸新幹線富山-敦賀間と敦賀-大阪間の「サンダーバード」、敦賀-米原・名古屋間の「しらさぎ」を敦賀で改札を出ずに乗り継ぐ場合には、特急料金の割引措置があります。新幹線の自由席特急料金と在来線の自由席特急料金をそれぞれ1割引にし、指定席なら座席指定料金相当額として530円加算します。新幹線、在来線ともに指定席を利用する場合でも530円で構いません。このように計算した結果、本来なら5560円かかる金沢-大阪間の指定席特急料金が4570円になります。2割近い割引で、在来線特急が半額になる乗継割引より若干高くなる程度で済みます。なお、この制度の導入に伴い、「サンダーバード」及び「しらさぎ」の繁忙期等の区別が、北陸新幹線のものに統一されます。
運賃を加えるとどうなるのでしょうか? 現在、金沢-大阪間は7790円しますが、9410円になり、1620円の値上げになります。金沢-名古屋間は7460円から9080円と1620円の値上げになります。しかし、すでに新幹線が開業している新高岡、富山の値上げ幅は小さく、中には富山-京都間のように、北陸新幹線金沢-敦賀間の開業によって値下げになるケースもあります。ちなみに、東京-福井間を米原経由で行けば、16950円になります(運賃計算の営業キロは変わらないと仮定、東京-米原間は「ひかり」利用)。北陸新幹線経由よりかなり高くなります。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230922_00_press_hokurikushinkansennotokkyuu_1.pdf)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- JR北海道の2024年3月ダイヤ改正に関する続報(2)(2023.12.03)
「JR西日本」カテゴリの記事
- 昼間に保線工事をすれば、1か月分が1日で(2023.11.20)
Comments