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October 2023

黒部宇奈月キャニオンルートは1泊2日13万円

 2024年6月に一般開放される黒部宇奈月キャニオンルートですが、以前にも書いたとおり、その販売価格が発表されました。

 今回公表されたのは、朝に宇奈月を出て、黒部宇奈月キャニオンルートを通り、室堂のホテル立山に宿泊する1泊2日のプラン。宿泊料、運賃、3回の食事、ガイド代などが含まれています。これでいくらになるのかと言えば、13万円程度。今まで行くことができなかった黒部宇奈月キャニオンルートという希少価値、泊まるホテルも立山黒部アルペンルート内の有名ホテルなので高くつくのでしょう。なお、このツアーを直接個人が買うことはできず、旅行会社が往復の乗りものや観光、宿泊をセットにして販売しますから、さらに高くなります。

 黒部宇奈月キャニオンルートに行ってみたいと思っていたのですが、希少価値が分かっていてもこの値段では厳しいです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/b60fd5ee29271309acae1537a52cb568debfe675、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/kuroberoute202310/)

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北上線、100周年記念で無料乗車キャンペーン

 北上と横手を結ぶ北上線は、かつて特急も走っていた路線。秋田新幹線建設に伴い、田沢湖線の工事をしていたときは、特急「秋田リレー号」が走りました。しかし、今は単なるローカル線。2019年度の輸送密度は北上-ほっとゆだ間が435人、ほっとゆだ-横手間が132人です。2021年度の赤字額は約15億円にもなります。

 ところがこの北上線、来年2024年で全線開通から100年を迎えます。そこでJR東日本盛岡支社及び秋田支社は、11月9日から12日まで、無料乗車キャンペーンを行います。どうやって無料で乗るのかと言えば、事前に北上、ほっとゆだ、横手の改札などで「北上線無料乗車票」を手に入れます。乗車当日はそれを呈示すれば良いのです。「北上線無料乗車票」は2万枚用意され、キャンペーンが行われる11月9日から12日までの4日間は、全て2両編成で走ります。

 この「北上線無料乗車票」、10月26日から配布を始めましたが、求める人が多く、当初予定した枚数に達したため、すぐに配布の一時見合わせが行われました。

(追記)
 「北上線無料乗車票」ですが、11月5日に追加配布されることになりました。また、11月9日から12日の間、北上-ほっとゆだ間に臨時列車が1往復運転されます。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20231012/6040019454.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/128684、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/akita/20231026_a05.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2023/akita/20231102_a01.pdf、岩手日報ホームページ https://www.iwate-np.co.jp/article/2023/10/1/151013)

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ライトラインに一日乗車券

 ライトラインは11月3日9時から一日乗車券を発売します。

 一日乗車券は3種類あります。大人用の一日乗車券(1000円)、子供用の一日乗車券(500円)、そして宇都宮らしく餃子の引換券の付いた大人用の一日乗車券(1300円)です。来らっせ本店での飲食、お土産購入もしくは来らっせパセオ店でのお土産購入ができる300円分の金券がついています。また、一日乗車券を来らっせ本店(日替わり店舗)で呈示すると、ソフトドリンクのサービスがあります。

 一日乗車券は宇都宮駅東口定期券うりばで9時から19時の間、発売しています(平石の宇都宮ライトレール車両基地定期券うりばでも平日9時から17時半の間発売しています)。乗車日の3日前から当日まで購入することができます。一日乗車券は平日も休日も関係なく、使うことができます。

 一日乗車券は周りから分かるように首からかけて利用します。そのため、前扉以外でも乗降可能となっています。何の変哲もない紙の切符ですが、首にかけるというアイデアで、全ての扉での乗降を可能にしています。
(参考:宇都宮ライトレールホームページ https://www.miyarail.co.jp/pdf/info_20231027.pdf)

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北海道中央バス、郊外の路線の札幌中心部乗り入れを取りやめへ

 北海道中央バスは、12月1日にダイヤ改正を行います。

 今回のダイヤ改正では、郊外からの路線のうち12路線について、札幌中心部への乗り入れを止めて、地下鉄駅までの運行に短縮します。平日の約280便が該当します。

 具体例で言えば、北広島市や清田区と札幌駅前を結ぶものは東豊線の福住まで、豊平区西岡と札幌駅前を結ぶものは南北線の平岸や東豊線の美園まで、北区あいの里と札幌駅前を結ぶものは南北線の麻生までに短縮されます。

 このように路線の郊外の地下鉄駅までに短縮するのは、運転士が不足しているからです。地下鉄という代替手段があり、渋滞する中心部を避け、運行を効率化することによって、バスしかない郊外の路線を維持したいと北海道中央バスは考えています。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/2030c9c9472bf8f68881d94f6c8ea75564615f40)

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筑豊電鉄、全線20分間隔に

 筑豊電鉄は11月11日にダイヤ改正を行います。

 今回大きく変わるのは、平日、土曜の日中時間帯(10~15時)。現行は黒崎駅前-筑豊中間間が15分間隔、筑豊中間-筑豊直方間が30分間隔ですが、これが全線で20分間隔になります。日祝と同じようなパターンになるのです。

 全体としては若干走行キロが減る傾向にありますが、利用する人の多い平日の朝夕ラッシュ時については、現行並みのダイヤを維持します。
(参考:筑豊電鉄ホームページ www.chikutetsu.co.jp/data/topics/361_231020%20daiyakaisei.pdf)

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北海道新幹線、バス会社が代替バスの運行は困難と回答

 整備新幹線が開業すると並行在来線は第三セクター鉄道になるのが普通ですが、北海道新幹線の場合、長万部-小樽間は廃止されてバスになります。函館線と名前は立派なものの、幹線ルートから外れたので、実体はローカル線だからです。

 代替バスは地元のバス会社、北海道中央バスなどが走らせます。すでに北海道はダイヤ案を示していますが、これに対して北海道中央バスなど3社は、ダイヤ案に沿ったバスの運行は困難だとしています。運転士の確保ができないからです。このままではダイヤ案の通りに走らせることができないので、北海道としては、ほかのバス会社に協力を求め、利用者の少ない区間については、タクシーなどバス以外への交通機関への転換も検討します。

 そもそも、長万部-小樽間の全区間をバスに転換すること自体が誤りだったのではないでしょうか? 長万部のほうはともかく、余市-小樽間ぐらいは鉄道として十分存続できるレベルでしょう。余市-小樽間の第三セクターの採算見通しを厳しいものにして、全線バス転換への誘導を図ったというもあります。余市-小樽間を鉄道として維持することでバスの必要本数を減らし、それで残りの区間の運転士の確保を図ったほうが良いのではないでしょうか?
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/97d3696fb38c6946c8d7414a107fce805240a7bf)

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房総方面特急も全車指定席へ

 房総方面の特急は「成田エクスプレス」は運行開始当初から全車指定席ですが、それ以外の特急は自由席があります。

 ところが、房総方面の特急も、中央線や常磐線などと同じように、全車指定席になります。「しおさい」、「わかしお」、「さざなみ」のほか、臨時列車の「新宿わかしお」、「新宿さざなみ」も全車指定席になります。実施時期は2024年春ということなので、北陸新幹線敦賀開業に合わせたダイヤ改正のときに行うのでしょう。

 特急料金は中央線などと同じように、事前に「みどりの窓口」で買ったときに適用される事前料金と、車内で買ったときに適用される車内料金に分かれます。車内料金は事前料金より260円高いです。事前料金はこれまでの自由席よりは高いものの、指定席よりは安くなっています。乗る列車が決まっていないときは、乗車日と区間のみを指定した、座席未指定券というものもあります。値段は指定席と同額で、乗る列車が決まれば、「みどりの窓口」等で無料で指定券に変えることができます。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/20231027_ho02.pdf)

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大井川鐵道、秋から冬にかけても普通客車列車を運行

 6月から7月にかけて、大井川鐵道では一部の普通電車を客車で運行していました。かつての国鉄の鈍行の再現です。この客車普通列車が、10月から12月にかけて走ります。

 客車普通列車が走るのは、10月24~26日、11月8、9、15、28、30日、12月5~7、26、27日の合わせて13日間。前回は普通電車を客車に置き換えて運行していましたが、今回は普通の本数が減ったため、臨時列車として走ります。この臨時列車も各駅に停まるので、前回と同じように鈍行の雰囲気を味わうことができます。

 ダイヤは、51レが新金谷13:46発家山14:21着(金谷13:40発の臨時に乗れば間に合います)、52レが家山14:45発金谷15:45着、53レが金谷16:00発川根温泉笹間渡16:50着、54レが川根温泉笹間渡17:23発金谷18:19着、55レが金谷18:34発川根温泉笹間渡19:24着、56レが川根温泉笹間渡19:37発新金谷20:21着(金谷へは、新金谷20:42発の区間急行に乗ります)です。51レが折り返して52レとなるまでの間に家山で電気機関車の機回し作業を行い、52レは新金谷に停まっている20分の間に、機関車の入換と補機の連結を行い、プッシュプルにします。

 車内では車内販売もあります。お弁当、お茶、瓶ビールなどを販売します。栓抜きのある車両もありますので、瓶でも車内で飲むことができます。なお、電気機関車に蒸気発生装置がないため、車内に暖房はありません。客車列車に乗るときは、寒さ対策が必要です。
(参考:大井川鐵道ホームページ https://daitetsu.jp/archives/event/showa_local_2、https://daitetsu.jp/ft/timetable)

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北海道医療大学の駅名変更へ

 当別町にある北海道医療大学は、北広島市に移転します。

 こうなったら、北海道医療大学の利用者は大幅に減ってしまいます。駅の利用者の多くが学生や教職員だからです。しかも、北海道医療大学は終点の駅。ひとつ手前の当別との間の利用者も大幅に減ることになり、鉄道の存続自体が危うくなります。どうなるのでしょうか?

 JR北海道によれば、北海道医療大学の駅名は変更するようです。学校がないのに駅名が大学の名前なら、混乱してしまうからです。ただし、今のところは駅の廃止などは考えていないようです。当面は当別-北海道医療大学間は廃止されないようです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/232844e89b951aa098c44ad8d2ce52d21dc2777d)

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JR東日本、大晦日の終夜運転を復活

 このところ大幅に減らしていた大晦日の終夜運転。しかし、JR東日本は、2023年から2024年の年末年始にかけても、大晦日の終夜運転を行います。

 JR東日本は首都圏の7線区で、終夜運転を行います。終夜運転を行うのは、山手線、京浜東北・根岸線、中央・総武線各駅停車、中央線快速電車、横須賀線、青梅線、総武本線・成田線です。山手線は内回り、外回りともに、1:00から5:00ごろの間、約15分間隔で運転します。京浜東北・根岸線は桜木町-大宮間で、1:00から4:00ごろの間、約20~50分間隔で運転します。中央・総武線各駅停車は三鷹-千葉間で、0:30から5:00ごろの間、約10~80分間隔で運転します(津田沼-千葉間は最大140分間隔)。中央線快速電車は三鷹-高尾間で、0:30から4:30ごろの間、約30~60分間隔で運転します。横須賀線は横浜-逗子間で、1:00~5:00ごろの間、約80分間隔で運転します。青梅線は立川-御嶽間で2往復運転します。ただし、宮ノ平-沢井間は停車しません。総武本線・成田線は千葉-成田間で2往復運転します。ただし、東千葉には停車しません。

 この終夜運転自体は、1年前と変わりありません。しかし、終夜運転の発表の時期が1か月以上早いのです。何かあったのでしょうか?
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/20231020_ho02.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2022/tokyo/20221201_to01.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/128849)

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広電の新しい乗車券サービスは「MOBIRY DAYS」

 広島には、県内の路面電車、バス、フェリーなどで使うことのできる「PASPY」というICカードがあります。しかし、以前にも書いたとおり、2025年3月までに利用が終了します。

 「PASPY」がなくなったら、どうやって路面電車に乗るのでしょうか? スマホに表示されたQRコードや新たなICカードを認証媒体とするABT方式による新しい乗車券サービスが用意されています。この新しい乗車券サービスについて、名前が決まりました。

 その名前は「MOBIRY DAYS」ですが、どうやって使うのでしょうか? まず、スマホやパソコンで会員登録をします。会員登録をするときにはクレジットカードか銀行口座の登録が必要です(スマホ、パソコン、クレジットカード、銀行口座がなくても、MOBIRY DAYS取扱窓口で登録をすることができます)。実際に路面電車やバスを利用するときには、スマホにQRコードを表示させ、それを読取機にかざします。スマホがない人には、新たな専用ICカードを発行します。これまで定期券を買うときは窓口に行かないといけませんでしたが、これからはスマホや会員WEBサイトで買うことができます。オートチャージ機能の設定もできます。割引は基本的に今の「PASPY」の機能を引き継ぎますが、金額式定期券、特定日割引、バスの全扉乗降など、新しいサービスの導入を検討します。「MOBIRY DAYS」のサービス開始時期は2024年9月の予定です。

 広島に住んでいる人は「MOBIRY DAYS」を使えば良いでしょうが、たまにしか広島に行かないビジネス客や観光客はどうすればよいでしょうか? こういう人たちは、今まで通り「ICOCA」などの交通系ICカードを利用することができるようです。交通系ICカード用の読取機も用意され、それを使えばよいのです。ところで、広電等が「PASPY」を止めるのは、7~8年ごとに行われるシステムの更新にお金がかかるため。40億円ほどかかります。ところが新しいシステムでは、クライドで運賃を計算するため読取機1台当たりの価格が安くなります。交通系ICカードに対応する読取機を別途置いても、コスト負担が軽くなるようです。
(参考:広島電鉄ホームページ https://www.hiroden.co.jp/topics/2023/pdf/1023-newticketingsystem/newticketingsystem.pdf、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20231023/4000023975.html)

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東京メトロ東西線、2024年5月に2日間運休

 東京メトロは、東西線の一部区間を2024年5月11日から12日の間、終日運休します(悪天候などの理由で工事ができないときは、2024年5月25~26日に行います)。

 運休する区間は、東陽町-西葛西間。2日間は始発から最終まで、終日運休します。中野方面からの列車は東陽町で折り返し、西船橋方面からの列車は葛西で折り返します。西葛西-葛西間は折り返し運転します。運行計画や振替輸送等の詳細については、運休予定日の1か月前ぐらいに改めて案内があります。

 さて、東京メトロは2日間運休して、何をするのでしょうか? 東西線の輸送力の増強を図るため、南砂町の線路とホームを増設します。1面2線から2面3線の駅になります。現状では前の列車が発車しないと次の列車はホームに入ることができず、駅間に停まらざるを得ない事態が発生しますが、改良後は前の列車が停車中でも次の列車がホームに入り、交互発着することができます。線路の切替工事は全部で3回を予定していて、2024年5月のはその第1回目です。1回目の線路切替で2本目のホームをつくります。2回目の線路切替で西船橋方面の線路を2本のホームに挟まれた、真ん中の線路にします。3回目の線路切替で西船橋方面のホームを拡大し、完成します。
(参考:東京メトロホームページ https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews231019_66.pdf)

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「あいち醸造たんのうバス」、13日から運行開始していた

 ジェイアール東海バスは、この13日から、愛知県内の醸造場を巡る観光周遊バス、「あいち醸造たんのうバス」を走らせています。

 この「あいち醸造たんのうバス」、どこを巡るのかと言えば、蟹江町の甘強酒造とあま市の佐藤醸造。甘強酒造は本みりんの醸造で知られている醸造場、佐藤醸造は七宝味噌やたまり醤油を製造している醸造場です。どちらも工場見学、試食、買い物をすることができます。

 ダイヤは太平洋フェリーの利用者にも便利なように、フェリーふ頭発着となっています。フェリーふ頭を11:00に出て、名古屋駅新幹線口に寄り(11:40着、12:30発なので、フェリーふ頭乗車の人はここでお昼を食べます。ツアーの代金には含まれていません)、その後2箇所の醸造場を巡り(見学等の時間はそれぞれ80分です)、名古屋駅新幹線口(17:00着)、フェリーふ頭(17:50着)の順に戻っていきます。代金は大人5500円、子供2750円で、運行日は10月から12月にかけてのうち、14日間です。休日のみ運行、などということではなく、平日に走るときも休日に走るときもあります。
(参考:ジェイアール東海バスホームページ https://www.jrtbinm.co.jp/special/post_15.html)

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豊見城に次世代交通システム?

 豊見城市はベンチャー企業のジップ・インフラストラクチャー(本社:秦野市)と組んで、次世代交通システムを導入することを考えています。

 導入を考えている区間は、ゆいレールの赤嶺から瀬長島を経て、豊崎まで。豊見城市は瀬長島の観光拠点化を進めていますが、そこへのアクセスが問題になっています。渋滞が問題になっているのです。それを解決するための手段が次世代交通システムなのです。

 さて、次世代交通システムとはどういうものでしょうか? ロープの軌道の上を電気自動車が走り、その下に12人乗りのゴンドラみたいな車両がぶら下がります。上の車を除くとロープウェイのように見えますが、既存のロープウェイとは違って、カーブを自由に曲がることができます。建設費は既存のモノレールの1/5程度の1キロ当たり15億円です。モノレールとは違って、地上に近いところを走るようです。まだ実用化されていませんが、ジップ・インフラストラクチャーの実験施設ではすでに人を乗せた状態での実験走行に成功しています。

 何分初めての乗りものなので、国の許認可が必要になります。それも含めて2026~2027年度に開業させる予定のようですが、ほかにはない交通機関ですので、国の許認可も通常より難しくなるでしょうし、コストもかかります。開業しても早くほかのところに展開させないと(ジップ・インフラストラクチャーは東南アジアなど海外に展開することを考えているようです)、採算が取れないでしょう。スカイレールが記憶に新しいところです。リゾート客に採算を考慮した高い料金を請求するならともかく、公共交通ならそこまで無茶なことはできないでしょうから。
(参考:沖縄タイムスホームページ https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1238906)

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JR四国、特急の指定席拡大の方針

 このところ、特急の自由席をなくして、指定席だけにする動きが見られます。お隣のJR西日本でも、2022年に全車指定席になった列車があります。

 JR四国の特急には自由席があります。しかも短距離の利用を考えてか、自由席は多めです。そのJR四国ですが、9月26日の定例記者会見によれば、指定席を増やすことを考えているようです。どうやら、指定席を求める動きは強くなっているようです。

 高松など県庁所在地近郊を除いては、特急も日常の足です。私鉄は元々有料特急は指定席が原則ですし、短距離での料金について配慮があれば、全車指定席でも構わないでしょう。予約の問題も、今はパソコンやスマホで対応できます。切符は「みどりの窓口」で買うものという常識から早く脱却し、不正乗車防止の観点からも車内で特急券を買う客からは追加料金を徴収するようにするのがこれからの方向性でしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR9W747DR9VPTLC011.html)

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智頭急行、特急料金値上げ

 関西と鳥取とを高速で結ぶ智頭急行。急行の名に恥じない、高速の特急列車が自慢です。

 その智頭急行ですが、同業他社に比べて比較的安い特急料金でした。隣のJR西日本が1200円(51キロ以上の自由席)のところ、430円と安くなっていました。

 しかし、智頭急行は7つの理由を根拠に、2024年3月16日購入分から特急料金を値上げすることにしました。指定席は530円から830円に、自由席は430円から730円にそれぞれ300円ずつ値上げします。智頭急行だけを見るとかなりの値上げ幅ですが、大半の人はJRと合わせて使うのですから、トータルで考えるとそんなに大きな値上げではないとも言えます。なお、グリーン料金は変わりません。

 さて、智頭急行が挙げた7つの理由とは、次の通りです。(1)新型コロナウイルスの影響により、3期連続して赤字であること (2)新型コロナウイルスの影響により生活様式、ビジネスシーンが変化したこと (3)全国的な人口減少 (4)高速道路等が整備され、旅客運輸収入が減少したこと (5)設備の老朽化や原材料費の上昇傾向により修繕費が増加すること (6)安全対策費用の増加 (7)導入から30年が経過した特急列車車両の更新を進めないといけない状況 の7つです。
(参考:智頭急行ホームページ https://www.chizukyu.co.jp/user/filer_public/18/1f/181f65d1-41e0-4786-b123-839140132d2a/puresuzhi-tou-ji-xing-te-ji-liao-jin-gai-ding-nitsuite.pdf)

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東海道・山陽・九州新幹線、新幹線車内の喫煙ルーム廃止へ

 東海道・山陽・九州新幹線は、座席ではたばこは吸えないものの、喫煙コーナーが何か所か用意されています。16両編成は3号車、10号車、15号車に、8両編成は3号車、7号車にあります。

 しかし、昔とは違って、たばこを吸う人は減っています。たばこが有害であるという知識も広まっています。そこで、2024年春で、東海道・山陽・九州新幹線の喫煙ルームを全て廃止します。こうなると車内でたばこを吸えるのは「サンライズ瀬戸」、「サンライズ出雲」と近鉄特急ぐらいでしょうか? 廃止した後の喫煙ルームには、非常用の飲料水を配備します。災害などで駅以外の場所で長時間停車しないといけない状況になったとき、そこから水を配るのです。

 また、同じ2024年春からは、山陽新幹線の一部の駅の喫煙コーナーを廃止します。廃止する駅は新倉敷、新尾道、三原、東広島、新岩国、徳山、厚狭、新下関です。比較的小さな駅が多いです。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042990.pdf、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231017_00_press_shinkansen.pdf、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2023/10/17/20231017_kyushu_kitsuen.pdf)

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芸備線の備後庄原-三次間は廃止の対象外?

 2023年10月1日施行の改正地域公共交通活性化再生法に基づいて法定化された、再構築協議会。ローカル線のありかたについて、鉄道事業者と沿線自治体などが話し合います。この再構築協議会は鉄道事業者や地方自治体の要請に基づいて国が設置するものです。この再構築協議会ですが、JR西日本が国に要請して、設置されることになりました。

 その対象となる区間は、芸備線の備中神代-備後庄原間。いずれも2桁の輸送密度のところです。さすがにこの程度の輸送密度では鉄道を維持するのは無理で、地元が全額お金を出すとかいうことをしない限り、鉄道として存続させるのは無理でしょう。

 反対に、備後庄原-三次間は再構築協議会の対象には含まれていません。ということは、備中神代-備後庄原間とは違い、すぐには見直しがされることはないでしょう。2022年度の輸送密度は327なので、備中神代-備後庄原間よりかは数字がよいです。このクラスでも鉄道がその持っている能力を発揮できるかは大きな疑問ですが(地元が責任を持つ第三セクターならともかく、株式を上場しているJRや大手私鉄だと、この数字の数倍ないといけないでしょう)、少なくとも当面は廃止になることはないでしょう。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/geibisenbingoshobara/)

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ライトライン、23日にダイヤ改正

 8月26日に開業したライトライン。そのライトラインですが、10月23日にダイヤ改正を行います。

 ダイヤ改正の目的は、平日朝の通勤、通学時間帯のホームの混雑緩和を図るため。一部列車の宇都宮駅東口の停車時間を増やします。また、平日の19~20時台においては、芳賀・高見沢工業団地発平石行き1本を宇都宮駅東口まで延長し、宇都宮駅東口発平石行き1本を増発します。

 さて、開業してから1か月間のライトラインの利用状況ですが、好調なようです。平日は当初需要予測と同じ程度の1日1.2~1.3万人ですが、休日は当初需要予測の4倍程度の1日1.5~1.6万人の利用があります。鉄道ファンなどの試乗需要はあるでしょうが、元々沿線の工場勤務者や通学の生徒以外の需要は見込んでいなかったのでしょう。沿線の人が使えば、その分数字は良くなります。
(参考:宇都宮ライトレールホームページ https://www.miyarail.co.jp/info_20231018.html、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20231018-2796029/)

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中国地方のローカル線に乗る2023(3)

 三次5:27発の始発に乗って広島に行く。キハ40の2両編成で、ワンマンではない。駅を出てしばらくは夜明け前で真っ暗だったが、だんだん明るくなってきた。最初はガラガラだった車内も徐々に増えていく。特に下深川を過ぎると客はさらに増えた。利用者のいる路線なら、227系のディーゼルカーバージョンが欲しいところだ。

 広島から山陽線で瀬野に行き、2024年4月に廃止されるスカイレールに乗る。ロープウェーのゴンドラみたいなものに乗るスカイレールは鉄道の一種だが、ここにしかないもの。急カーブや急勾配にも強いのが特徴だが、ほかの路線に広がらず、結果として採算が取れなくなったのだろう。スカイレールは交通系ICカードは使えず、券売機で切符を買う。切符にはQRコードが載っていて、それを改札機に読み取らせる。5分ほどで終点のみどり中央に到着。均一運賃のため、出口に改札はなく、切符回収用の箱があるだけ。駅を出ても住宅街しかないので、すぐに戻る。次の山陽線は白市行きなので、途中新たにできた寺家でいったん降り、後続の糸崎行きに乗る。

 糸崎で相生行きに乗り換え。広島から糸崎まで乗った列車は全て227系だったが、ここからは黄色の115系になる。福山で福塩線に乗り換えて、昨日乗っていなかった、神辺までの区間に乗る。神辺で待っても当分列車が来ないので、時刻表を見て、上戸手まで行く。すれ違うのは上戸手のひとつ先の新市なので、ここまで行っても同じ列車なのだ。福山で再び山陽線に乗り換え、岡山へ。

 ちょうど12時を過ぎたところなので、弁当(「桃太郎の祭ずし」)を買って赤穂線に乗る。岡山12:24発の播州赤穂行きだ。しばらく経って車内が空いてきたら食べようと思っていたが、なかなか空かない。弁当は途中で食べたが、伊部で「備前焼まつり」があり、それに行く人が乗っていたのだ。

 今日はずっと乗ってばかりなので、途中下車することにしよう。播州赤穂で降りて、お城を目指す。赤穂城は最初から天守閣はなく、天守台という展望台みたいなものしかなかったようだ。城には天守閣が必ずあるものかと思っていたので、意外な発見だ。赤穂と言えば忠臣蔵。忠臣蔵ゆかりのお寺や神社、博物館も回って、駅で見た小さなチラシの通り、2時間半で駅に戻る。

 予定より少し早く赤穂観光を終えたので、和田岬線に乗りに行くことにする。和田岬線の分岐駅、兵庫には新快速は停まらないので、明石で快速に乗り換える。そうして兵庫まで来たのだが、雨が降っていて、17時半の時点ですでに真っ暗。また明るいときに乗り直す必要があるが、せっかくここまで来たのだから一往復することにする。和田岬線はひと駅だけの支線なので和田岬には改札がなく、兵庫に和田岬の改札がある。その改札を通って、和田岬線に乗る。夕方の暗い時間に和田岬に行く人はまずいない。和田岬線専用の207系6両編成はガラガラで、ポスターの類は全くない。結構不気味だ。4分で和田岬に到着。ただ帰りは違う。土曜でも動いている工場があるようで、確実に座ることはできるが、ある程度の客は乗っている。和田岬線のダイヤは平日、土曜、日祝の3種類あって、土曜は平日よりは少ないものの、日祝のような2往復だけという極端なものではないのだ。和田岬線に乗るときには参考にされたい。

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中国地方のローカル線に乗る2023(2)

 総社で井原鉄道に乗り換え。12:45発の井原行きに乗る。次の清音まではJRと全く同じ線路を走る。しかし、井原鉄道に乗ったら井原鉄道の切符が必要で、「秋の乗り放題パス」は使えない。清音までは人の流れと合っていないのでガラガラだったが、清音で岡山方面からの乗り換え客が乗ってきた。特別支援学校の児童が乗っていた一部の区間を除いて、十数人といったところか? 井原鉄道は平成になってできた新しい鉄道なので、原則として高架(意外とトンネルが多かった)で踏切はない。車にとってはありがたいが、困るのは駅の利用者。駅が高いところにあり、階段での乗り降りがいるのだ。全くバリアフリーになっていない。しかし、エレベータをつけるほどの利用者はいない。歩くことができない人は車で運んでもらったほうが楽だろうが、現状だと歩く体力がある人しか使えない。 

 総社発は井原止まりなので、井原で乗り換え。井原鉄道は大体1時間に1本程度はあるが、車庫が井原のひとつ隣の早雲の里荏原にあるので、井原や早雲の里荏原発着のものも結構ある。有人駅のため運賃は駅で精算とのことだったので、駅の窓口で総社から神辺までの運賃を払う。次の列車は約30分後。列車が来るまで駅の売店などを見る。次の列車(井原13:53発)も1両だったが、こちらは水戸岡氏デザインの車両。乗っているのは井原までと同じく十数人。 

 神辺で福塩線に乗り換え。神辺14:27発の府中行きに乗る。105系の2両編成。105系は和歌山線などでよく見かけたが、あちらは103系改造の4扉車で、3扉のオリジナルはあまり乗ったことはない。福塩線のはオリジナルだ。神辺で小学生の団体が降りて満員状態ではなくなったが、それでもロングシートは大体埋まっている。福塩線は元私鉄のため駅が短い間隔である。駅もコンパクトで、交換できないホーム1本の駅なら、駅の外にすぐに出ることができる。こういう駅のほうがはるかにバリアフリーだ。駅前には自転車置き場があり、駅からの移動手段は自転車。各駅で降りていき、かなり減った状態で府中に到着。 

 府中から先は非電化のため、乗り換えが必要。府中15:00発はキハ120の1両編成。キハ120の1両編成は利用者の極めて少ない路線の証と言える。福塩線の府中以北もそのひとつで、昼間に走る臨時列車(学校のカリキュラムの都合で走るかどうか決まるらしい)を除いては、1日5往復しかない。乗った日(10月13日)は臨時列車の走る日だったが、それがなければ7時の次が15時だ。 

 十数人の客を乗せて府中を出発。今までの都市近郊から景色が変わる。利用者の少ない路線らしく草刈りも充分にやっていないようで、時々時速25キロ制限にかかり、枝にぶつかりながら進む。全くの鉄道が役目を終えたローカル線だ。話が変わるのは、三次にかなり近くなった、吉舎。ここで高校生が30人ほど乗ってくる。芸備線と合流する塩町ではさらに多く、40人以上の高校生が乗ってくる。下校ラッシュのようだ。今のところは具体的な廃止の動きはないが、バスになってもここのフォローは必要だろう。 

 今日の宿は三次。芸備線のすぐそばだ。廃止された三江線の跡はすぐ真下か? ホテルには食事処もあったので、そこで晩にした。(続く)

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中国地方のローカル線に乗る2023(1)

 名古屋5:37発の始発に乗って、西を目指す。大垣で乗り換え、米原でもまた乗り換える。米原から乗った新快速は最初は空いていたが、ラッシュ時のため、各駅でどんどん乗ってくる。先頭車両に乗っていたが、能登川でほぼ席が埋まる。

  大阪や神戸でラッシュは終わり、空席がある状態で姫路に到着。次の播州赤穂行きは約30分後の10:09発。これから先、お昼を食べるには短い時間しかないので、かなり早いが、ここでお昼を食べる。姫路の名物は「えきそば」。戦後すぐに立ち食いうどんを出そうとしたところ、すぐに悪くなってしまうので、日持ちをよくするためにかんすいを入れたのが始まりである。出汁は和風なのに、麺は中華麺というのが姫路の「えきそば」である。

  播州赤穂行きは相生で乗り換え。223系から黄色の115系に変わったので、車両の面では一足先に中国地方になる。播州赤穂行きは4分ほど遅れて走っていたため、その接続を受けた岡山行きも4分遅れて発車。そのまま岡山まで走っていくと思ったら、上郡で動かない。上郡と三石の間で火災が起き、その確認のため列車の運行ができなくなっているのだ。10分程度で運行を再開したが、これで14分ほどの遅れとなる。列車は若干遅れを取り戻したものの、大きくは遅れを取り戻せず、岡山で予定していた11:41発の総社行きに乗ることができなかった。

  駅で時刻表を見て検討したところ、幸い直後の「やくも11号」(岡山12:05発)がある。数少ない総社に停まる便だ。「秋の乗り放題パス」を使っているので特急料金のほかに運賃もかかるが、これなら総社からの予定を変えなくても済む。運賃は「ICOCA」で払えばよいので、自由席特急券だけ買って、「やくも11号」に乗る。「やくも11号」は4両編成。一番後ろの4号車だけが自由席だ。「やくも11号」は「スーパーいなば4号」からの遅れを待って3分ほど遅れて発車。自由席は一人で2席を占領できるほどの混み具合。ちょうどお昼なので、弁当を食べている人が多い。遅れるのがわかっていたなら、姫路か岡山で弁当を買ったのに。時間もちょうどよい。「やくも11号」は置き換えが迫っている381系。振り子の車両である。総社までなので振り子の性能を発揮する場面は少なかったが、おそらく最後となる381系の走りを味わうことができた。(続く)

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中国地方のローカル線に乗る2023(0)

 10月13日と14日の2日間、中国地方のローカル線に乗ってきました。

 明日から何回かに分けて、そのときの様子を書いていきます。

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伊予鉄道、11月から「坊っちゃん列車」運休

 伊予鉄道は11月1日にダイヤ改正を行います。

 しかしこのダイヤ改正、ありがたいものではありません。電車、バスともに深刻な運転士不足のため、減便だらけのダイヤ改正となります。

 まず郊外電車は、郡中線(松山市-郡中港間)が減ります。休日は概ね9時から20時の間が20分間隔、それ以降は30分間隔となります。市内電車の松山市駅線(松山市-道後温泉間)は、平日、休日ともに、概ね9時から21時の間が12分間隔となります。それ以外の時間帯は、運行本数の変更がありません。平日しか走らない(休日は全便運休)、市内電車本町線ですが、13時台で最終になります。朝から昼過ぎまでしか走りません。明治時代に走っていたものを再現した「坊っちゃん列車」については、当面の間全便運休します。

 バスについては、リムジンバスや特急バスを中心に減ります。松山観光港リムジンバスは、道後温泉行きが11便から3便に減ります。松山観光港行は全便運休となります。新居浜特急線は12往復から8往復に減ります。そのうち伊予鉄が担当する便は4往復から1往復に減ります。八幡浜・三崎特急便は、一部の便で区間運休します。市内を走る路線バスも休日の電車に接続するバスを中心に減るものがあります。

(追記)
 2023年11月から運休している「坊っちゃん列車」ですが、運行に必要な乗務員の確保に目途が付きつつあるため、2024年3月20日から運行を再開します。年末年始を除く休日に運行します。
(参考:伊予鉄道ホームページ https://www.iyotetsu.co.jp/topics/press/2023/1013_rbdk.pdf、https://www.iyotetsu.co.jp/topics/press/2024/0201_rbtc.pdf)

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美祢線、河川の改修を行わないと復旧はできない

 6月末の大雨で美祢線(厚狭-長門市間)と山陰線(長門市-小串間)は大きな被害を受け、運休しています。美祢線は80か所で橋梁、路盤、バラストの流出がありました。山陰線の被災箇所は69か所です。

 どちらもすぐには復旧できないようですが、より深刻なのは、美祢線。美祢線は2010年にも同様の被害が起きています。今回と同じように川の水位上昇や氾濫が原因なのです。単純に復旧させるだけでは、同じような災害が起きたときに、また被害を受けます。

 そこでJR西日本は、行政サイドで厚狭川の河川改修などといった根本的な対策を行い、それをしてからでないと運転の再開をすることはできないというのです。ある意味当然の話とも言え、「廃止する」と明言されていないだけ、地元にとってはまだ良い、と言えるところでしょう。

 当然ながら、河川の改修をするなら、それは行政がやることになり、すぐにはできません。復旧にはかなりの時間を要すると思われますが、需要の少ない路線なので、バスで対応すれば良いでしょう。特急や貨物列車がなく、2022年度の輸送密度が377人という路線なので、そもそも民間企業たるJRが運営しなければならないという路線ではなく、地元の積極的な姿勢がない限り、廃止になってもやむを得ないでしょう。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/128309、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20231001-OYTNT50035/)

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函館に乗り入れる新幹線は3両編成?

 以前も記事にした、北海道新幹線の函館乗り入れの。どのような姿になるのでしょうか? 業務を委託するコンサルタント会社から、企画提案の内容が明らかになりました。

 函館には、東京からの便も札幌からの便も乗り入れます。函館-新函館北斗間にはトンネルがないので、フル規格新幹線でも問題はないようです。そして、函館に行くのは10両編成中、3両。残りの7両はそのまま札幌まで行きます。函館-札幌間の新幹線は、途中で分割併合することなく、そのまま直通します。

 コンサルタント会社の話によれば、それでも三線軌条化の工事は難しく、簡単にはいかないようですが、そもそも新幹線車両を7両と3両に分けてまで、函館に直通する必要があるのでしょうか? 函館に乗り入れる車両だけではなく、そのほかのE5系(もしくはその後継車両)も全て分割できる構造にしないといけません。先頭車が増える分定員が減りますので、その収入減も考慮しないといけません。そういうことを考えると、直通運転が必要なのは函館-札幌間で、東京からの新幹線は新函館北斗で乗り換えになっても仕方がないでしょう。新函館北斗でスムーズな乗り換えができればそれで十分です。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/128282)

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「やまぐち号」のSLの現状

 国鉄時代から走る山口線のSL、「やまぐち号」。今は肝心の機関車が修理中のため、DLが代わりを務めています。今となってはDLに牽引される客車は、SL以上に貴重なものです。

 DLでの運行は2022年に引き続いてのことです。しかし、それももうそろそろ終わりかもしれません。と言うのも、この8月から9月にかけて、SLの試運転を行ったからです。今は試運転時のデータを解析しているところであり、この10月末に再び梅小路で検査を行います。

 SLが走るのはその検査の状況によるでしょうが、果たしてSLは復活できるのでしょうか?
(参考:山陰中央新報デジタルホームページ https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/463041)

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北越急行がミニ新幹線に?

 新潟県には上越新幹線、北陸新幹線の2つの新幹線があります。東京との間の行き来は便利ですが、新潟県内の行き来は不便です。新潟県の調査によれば、新潟や長岡から上越に行く場合、マイカーで行く人が95%を占め、鉄道は3%もありません。鉄道は車よりも遅くて、使い物にならないのです。

 この事態を解消するため、信越線を高速化し、新潟県内の行き来を便利にするというが時々出てきますが、またその話が出てきました。

 今回は以前からある2案のほか、新たに2案を加えて、合計4案が出されています。以前からある2案は、(1)信越線のミニ新幹線化と、(2)信越線の大幅な改良。そして新たに出た2案は、(3)長岡-糸魚川間のミニ新幹線化と、(4)北越急行のミニ新幹線化です。それでは細かく見ていきましょう。

 まず(1)は長岡-直江津-上越妙高間を三線軌条に改造するものです。新潟から長岡まで上越新幹線を走ってきた車両は、長岡から上越妙高まで在来線を走ります。当然ながら長岡での乗り換えは要りません。(2)は長岡-直江津-上越妙高間は狭軌のままですが、カーブの多い長岡-柿崎間はトンネルなどでまっすぐ走ります。線路が改良される分、所要時間を短縮するのです。(3)はミニ新幹線の区間を長岡-上越妙高-糸魚川間とします。糸魚川で北陸新幹線に入ると、新潟-金沢間を直通することができます。ただし、上越市の中心地、高田は通りません。

 これに対して(4)は、上越新幹線を浦佐まで走ります。浦佐から先の上越線を三線軌条にし、六日町付近で北越急行に入ります。さらにうらがわら付近からは新規に線路を敷き、上越妙高に直結します。北越急行は元々高速走行用に整備された区間ですので、ミニ新幹線と言えども速く走ることができると考えられています。

 もっともここまでやるのなら、長岡-上越妙高間にフル規格新幹線をつくったほうが結果として安上がりかもしれません。羽越新幹線の部分開業とも言えます。ただし、長岡-直江津間は並行在来線となり、その維持を考えないといけません。
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20231009-niigatajoetsu/)

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821系、製造を終了していた

 JR九州の新しい通勤型車両、821系。415系を置き換えるため、2018年から導入しています。3扉ロングシートの通勤型車両ですが、トイレがあります。鹿児島線門司港-八代間などで使われています。

 この821系、2025年度まで製造される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響などのため、予算が140億円から54億円に大幅に減り、2022年度で製造打ち切りとなってしまいました。とは言っても、新型コロナウイルスの影響で利用者は減ったとは言え、減便が相次ぎ、列車は混んでいます。これに対する不満は大きいです。必要以上に新車の予算を減らしすぎたとも言えます。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/128023)

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18歳以下なら「ドニチエコきっぷ」でガイドウェイバスも乗車可能

 「ドニチエコきっぷ」は、休日と毎月8日に限り、名古屋市交通局の地下鉄とバスが1日乗り放題になるお得な切符。大人620円、子供310円なので、地下鉄に3回乗ると元が取れます。

 ただし、この「ドニチエコきっぷ」、名古屋の北東部を高架で走る、ガイドウェイバスには乗ることができませんでした(地上を走る小幡緑地以遠は乗ることができます)。しかし、期間限定で高校生以下の子供に限り、ガイドウェイバスに乗ることができるようになります。

 乗ることができるのは、10月21日から2024年3月31日までの「ドニチエコきっぷ」が使える日。対象となるのは、2023年3月31日時点で18歳未満の人なので、高校生までが対象となります。なお、ガイドウェイバスで「ドニチエコきっぷ」を使う場合は、年齢の確認をすることがありますので、年齢が確認できるもの(保険証、マイナンバーカード、学生証?)を持参する必要があります。
(参考:名古屋市交通局ホームページ https://www.kotsu.city.nagoya.jp/jp/pc/TICKET/TRP0004859/チラシ.pdf)

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阪急バス、4路線を11月5日で廃止

 阪急バスは11月5日で4路線を廃止します。

 廃止する4路線は、空港宝塚線(宝塚駅-大阪国際空港間)、阪北線(阪急園田-梅田間)、三宮有馬線(三宮駅前-有馬温泉間)、豊中西宮線(阪急石橋-西宮北口、阪急豊中駅-西宮北口間)。いずれもそれなりの距離がある路線です。これにより、梅田など33のバス停が廃止されます。高速バスを除けば、梅田に乗り入れる阪急バスはなくなるのです。

 バス廃止の理由はいずれも運転士不足のため。4路線はいずれも阪急など、並行して走る鉄道路線で代替できます。そういう路線は鉄道に委ね、バスの運転士をほかの路線に回すのでしょう。阪急バスのホームページでの廃止の告知が出たのが10月6日。結構慌ただしいです。

 ちなみに、三宮有馬線については、神姫バス担当便は11月6日以降も走ります。しかし、神姫バスも2024年3月31日で運行を終了します。路線の再編をするようです。
(参考:阪急バスホームページ https://www.hankyubus.co.jp、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/c848e1ad32b947de0822fbb75c685a990bc8bef7、神姫バスホームページ https://www.shinkibus.co.jp/sys/frames/view/1860)

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赤池-公園西間にスクールバス活用の路線バス

 名鉄バスは、10月1日から2024年3月31日までの日曜、祝日を中心に、赤池-名古屋商科大学-公園西間にバスを走らせます。

 この区間にバスが走るのは、先ほども書いたように10月1日から2024年3月31日までの日曜、祝日ですが、一部土曜日も走ります。逆に、年末年始や大学のスクールバスの運行のある日は走りません。ジブリパークが休園となる2024年2月13日から3月15日までの間も走りません。例えば10月の場合、21日も走りますが、9日と15日は運休します。

 スクールバスが走る日に運休するのは、名古屋商科大学のスクールバスを活用した便だからです。もともと日進市と名古屋商科大学は2022年11月に協定を結んでいて、赤池から日進市役所を経て名古屋商科大学まで、学生の利用が少ない時間帯だけですが、一般市民が有料で使えるようになっています。これを拡充したのが、今回の公園西までのバスなのでしょう。公園西まで行けば、話題のジブリパークはすぐ近くです。

 バスは1日5往復で、赤池-公園西間の所要時間は37分、運賃は670円です。短区間だけの乗車もできます。
(参考:日進市ホームページ https://www.city.nisshin.lg.jp/department/seikatu/ido/1/new_mobility/15028.html、名鉄バスホームページ www.meitetsu-bus.co.jp/info/detail/1003、中部経済新聞ホームページ https://nordot.app/1080642058624204802?c=648454265403114593)

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阪堺、南海バス等乗継割引終了

 阪堺、南海バスは、交通系ICカードもしくは磁気カードで阪堺、南海バス(南海ウイングバス、南海りんかんバスを含む)に乗り継ぎ、2時間以内に精算した場合に、大人50円、子供20円を割り引く、乗継割引を行ってきました。

 しかし、新型コロナウイルスの影響によって利用者は減り、逆に燃料費などの価格が上がったので、経営は苦しくなりました。そこで10月31日で乗継割引を終了することにしました。11月1日からはバス等を乗り継いでも割引はなく、通常の運賃がかかることになります。
(参考:阪堺ホームページ https://www.hankai.co.jp/_wp/wp-content/uploads/2023/09/nankaibus_noritugiwaribikisyuryo.pdf、南海バスホームページ https://www.nankaibus.jp/info/65255/)

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福井鉄道、2駅のみ停車の臨時急行を運転

 福井鉄道は10月14日に、ダイヤ改正を行います。

 このダイヤ改正では昼間に走っていた急行がなくなり、利便性が低下するものになりますが、この利便性の低下を小さいものにするため、10月14日から11月30日までの間(一部の日を除きます。運行するかどうかは事前にホームページで確認する必要があります)、臨時急行を走らせます。冬になる前なので、運行に支障がないからです。

 急行は1日2往復。福井11:24発、14:24発と、たけふ新10:07発、13:05発です。途中、神明と福井城址大名町のみに停まります。所要時間は43~45分です。停車駅は特急と言ってもいいほど異様に少ないですが、スピードは急行と同じぐらいです。

 急行の本数が少ないのはともかく、この時間帯に運転するのは何か意味があるのでしょうか? また、運行日がわからないというのもマイナスポイントです。どうやら、運転士が確保できなかったら運休するようです。数日前には運行するかどうか分かるようです。地元の人はともかく、遠方の人はあまり期待しないほうが良いかもしれません。
(参考:福井鉄道ホームページ https://fukutetsu.jp/cms/uploads/__002.pdf、中日新聞ホームページ https://www.chunichi.co.jp/article/781375)

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関西線に211系復活

 315系に置き換えられて引退する予定だった211系。その211系ですが、関西線で一時的に復活しています。

 なぜ復活したかと言えば、沿線開発が進み、並行して走る近鉄から利用者が移っているため。関西線は国鉄末期まで非電化だったため、使う人は少なかったのですが、電化以降、関西線は使える路線になり、利用者は増えています。近年でも、八田や蟹江などで宅地開発が進んでいます。4月から7月までの利用者数は前年同期に比べて15%増えています。この数字は、新型コロナウイルスが始まる前の2018年度に比べて2%増えた数字となっています。ほかの名古屋近郊路線では、2018年度に比べて10%ほど減っていますので、関西線が好調であることが伺えます。

 もうひとつの原因は、近鉄の値上げ。近鉄は4月に値上げしました。名古屋からの運賃で比較したところ、八田は210円から240円になりました。弥富は360円から430円になりました。桑名は450円から530円になりました。JRの運賃はそれぞれ190円、330円、350円ですので、JRとの価格差が広がっています。名古屋-桑名間で1か月の通勤定期で比較すると、JRは10170円ですが、近鉄は20000円です。ほぼ倍です。いくら近鉄のほうが本数が多くても、これではJRに流れる人が出てくるのは当然と言えるでしょう。会社もJRでしか定期代を払わないと言うでしょう。

 転換クロスシートの313系だとその構造上、座れなかった客はドア付近に集まってしまいます。新型の315系はロングシートなので、その危険性は若干減ります。そこで315系の投入が進むまでの間、具体的にはこの冬まで、ロングシートの211系を使うことにしました。朝夕のラッシュ時に使います。
(参考:中日新聞9月29日朝刊 12版)

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北海道新幹線の札幌延伸時期、延期へ

 「北海道には飛行機でしか行くことができない」という常識を変え、JR北海道の経営状態を改善するかもしれない北海道新幹線の札幌延伸。延伸は2031年春ごろの予定でしたが、これが延びるようになるようです。

 以前にも記事にしたように、北海道新幹線の工事は遅れていました。トンネル掘削中に巨岩が見つかって工事が中断し、地質が悪いところで追加工事を行ったことから、工事が最長4年遅れています。2024年からは建設業界の残業規制が強化され、残業を連発して遅れを取り戻すという手法も使えなくなります。

 このように2031年春の開業は元々難しかったのですが、2030年に札幌で冬季オリンピックを開く話がありましたから、何とかしてオリンピックの前に新幹線開業をさせたかったところでした。ところが、その肝心のオリンピックについて、札幌市は2030年の招致を見送ることにしました。工事のピッチを上げて間に合わせる必要がなくなったのです。そこで北海道新幹線についても開業時期の延期を表立って検討することができるようになったのです。新たな開業時期は国交省やJR北海道がこれから決めていきます。
(参考:Yahoo!ホームページ https://news.yahoo.co.jp/articles/63d528196188c2317e654824bfd56ccc5df51a08)

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阪急、座席指定サービス対応の車両を導入

 阪急は2024年に、京都線において、座席指定サービスを始めます。そして阪急は、その座席指定サービスに対応した車両を導入することにしました。

 2013年以来11年ぶりとなるこの新型車両は、2300系と言います。2024年夏から順次運用を開始します。これまでの阪急の車両と同じく、マルーンの車体、木目調の化粧板、ゴールデンオリーブ色の座席など、イメージを継承したものとなっています。座席は転換クロスシートです。大阪方から4両目には、阪急初の座席指定サービスを導入します。座席指定サービスの詳細は後日発表されますが、定員は立席がないため40人となります。

 ただ、座席指定サービスがあるのは2300系だけなので、2300系はそれなりの本数がつくられると思われます。そうなると既存の特急用車両である9300系はどうするのでしょうか? 特急用車両は余るので、ロングシートに改造して、通勤用として使うのでしょうか?

 新車が投入されるのは、京都線だけではありません。神戸・宝塚線にも新型車両は投入されます。神戸・宝塚線のほうはロングシートで、2000系になります。

(追記)
 2000系、2300系は2024年度にそれぞれ1編成ずつ導入し、徐々に増やしていきます。となると、2024年度に座席指定サービスを行うのは一部の特急だけなのでしょうか?
(参考:阪急ホームページ https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/ff140cb722dfcbc0d5f8628afd6fb8e24e4ae61a.pdf、タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hankyu2300/、ひょうご経済プラスホームページ https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/202310/0016890388.shtml)

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宇都宮のLRTの愛称、ライトラインに統一へ

 8月26日に開業した宇都宮のLRT、みなさんはどのように呼んでいるのでしょうか? 宇都宮ライトレール(運行会社)、宇都宮芳賀ライトレール線(路線名)、ライトライン(車両の愛称)、芳賀・宇都宮LRTなどと呼ばれているようです。確かに統一が取れていません。

 そこで宇都宮市は、愛称を統一することにしました。9月14日の宇都宮市議会で明らかになったのですが、ライトラインに統一することにしたのです。2021年に住民アンケートで決まったもので、芳賀町と協議の上、これを愛称として使いたいとのことです。
(参考:下野新聞ホームページ https://nordot.app/1074998717395026540?c=648454265403114593)

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「ラピート」、毎時2本運転に戻る

 南海は10月21日にダイヤ改正を行います。

 今回のダイヤ改正の目的は、空港線の輸送力増強。2022年10月に新型コロナウイルスの水際対策が緩和されてから、外国人観光客などで空港線の需要が徐々に回復しています。そしてその動きは今後も変わらないことから、空港線の輸送力を新型コロナウイルスの影響がなかったころの2019年の状態に戻します。1時間に1本しか走らない時間帯もあった「ラピート」ですが、6往復増え、毎時2本体制に戻ります。空港急行も8両編成のものが増えます。今は平日が半分程度、休日が1/4程度ですが、平日、休日ともに3/4程度に増えます。

 しかし、厳しいところもあります。岬町を走る支線の多奈川線の本数が大幅に減るのです。今は平日46往復、休日37往復走っていますが、それが平日は26往復、休日は23往復に減ります。始発が繰り下げられ(5時台が6時台になります)、最終が繰り上がります(多奈川発は23時台が22時台になります)。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/230915.pdf)

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JR北海道、ボールパーク新駅計画見直し

 少し前に予告していた、新駅についてのです。

 北海道日本ハムの本拠地、北海道ボールパークFビレッジの最寄り駅は、千歳線の北広島。鉄道が近くを走っているものの駅がないので、北広島からバスに乗るか歩かないといけません。

 線路が近くにあることから、元々北海道ボールパークFビレッジの近くに駅をつくるというはありました。ところが、その駅建設費が大幅に上がったのです。北広島市から再検討の依頼を受けたJR北海道は、工事費の圧縮、工期の短縮を図った見直しを行いました。

 どのように変わったのでしょうか? 当初は上下線の間に待避線を置き、間に島式ホームを置きます。東海道新幹線の三島みたいな配線です。千歳寄りには引上げ線を設け、折り返ししやすくするものでした。これを上下線はそのままに(移設工事が不要となります)、外側に上下それぞれの待避線を置きます。ホームは上下別々に置きます。東海道新幹線の「こだま」停車駅みたいなホーム構造となります。ホームは本線から離れたところにあるので、列車が走る昼間でも工事ができます。駅の位置は約200メートル北広島側に移動させ、球場までの距離は400メートルから300メートルに短縮されます。新駅には引上げ線を設けず、次の北広島で折り返すことになります。

 これにより工事費は115~125億円から85~90億円に圧縮することができました。元の数字に戻ったのです。また工期も7年から5年に短縮することができました。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20230913_KO_Kitahirosima.pdf、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR9F6636R9FIIPE00M.html)

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年末年始の「のぞみ」は全車指定席に

 東海道・山陽新幹線の主役は「のぞみ」。指定席が主体で、自由席は16両編成中、3両のみです。ゴールデンウィーク、お盆、年末年始といった3大ピーク時には、指定席は早々と売り切れ、始発駅の自由席の前には行列ができます。多くの人が数少ない自由席に乗ろうとするので、乗り降りに時間がかかり、列車が遅れることもあります。また、途中駅からは座ることができません。

 そこでJR東海及びJR西日本は、3大ピーク時において、全ての「のぞみ」を全車指定席にすることにしました。最初に全車指定席になるのは年末年始で、12月28日から2024年1月4日までです。全車指定席となることによって、指定席の数が1列車当たり約2割増え、指定席が取りやすくなります。自由席がなくなるので、自由席を求めて並ぶ必要はありませんし、列車の定時運行にも資することになります。

 それでは、指定席を取らない人はどうすれば良いのでしょうか? 「ひかり」、「こだま」、「みずほ」、「さくら」には3大ピーク時でも自由席がありますから、これに乗っていくことはできます。「のぞみ」でも、普通車のデッキ等で立っていくのなら、乗ることができます。と言うことは、指定席のデッキも、立席の人で混むということになります。デッキだけとはいえ、せっかくの指定席なのに立っている人がいて快適な旅ができないという問題があります。デッキに立つ人の数によっては、乗り降りに時間がかかり、定時運行が維持できないということもあります。

 結局のところ、混雑状況に応じて(インターネットでの)運賃、料金を変えないと3大ピーク時の混雑緩和は難しいのでしょう。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042944.pdf)

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北陸新幹線敦賀-新大阪間は難工事の連続

 北陸新幹線が敦賀まで延びると、残る区間は敦賀-新大阪間。ここまでつくったら、何としても残りの区間を完成させたいところですが、かなりの難工事となるようです。

 実際の建設工事で何が難しいのかと言えば、新大阪付近の工事。東海道・山陽新幹線、在来線、Osaka Metro、幹線道路、ビルがある中を工事しなければなりません。また、地層が複雑で地下水対策が難しいので、施行方法の検討が必要なようです。

 また、敦賀-新大阪間は全体の8割がトンネルです。トンネルを掘ると土が出ますが、その土の一部に自然由来の重金属が含まれることがあるようです。それについて、詳細な地質の調査が必要なようです。

 課題はたくさんありますが、以前から何度も書いているように、北陸新幹線を全線フル規格でつくり、北陸と新大阪の間を直通列車が走ることが必要です。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/127970)

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「ぷらっとこだま」、11100円に値上げ

 「ぷらっとこだま」は東海道新幹線の「こだま」に格安で乗ることのできるお得な旅行商品。この「ぷらっとこだま」ですが、10月1日出発分から値上げをしていました。

 10月1日以降の値段(全て普通車指定席の通常期)は、東京・品川-名古屋間が8800円、東京・品川-京都間が10900円、東京・品川-新大阪間が11100円です。いずれも100~200円の値上げです。なお、グリーン車を使うものと子供用は値上げしません。

 参考にした記事によれば、この値上げの背景には、「エクスプレス予約」等の値上げがあるようです。それにしても、「ぷらっとこだま」も結構値段が高くなっています。価格の面でアピールするため、閑散期限定とか、「エクスプレス予約」限定とか、多少の制約はあってもいいので、東京-新大阪間を1万円以下で行くことができるプランが欲しいところです。
(参考:TRAICY https://www.traicy.com/posts/20231001279987/)

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大阪バス、大阪駅-神戸空港間にリムジンバス

 大阪バスは、9月15日、新たなリムジンバスの路線を開設しました。

 どことどこを結ぶ路線なのかと言えば、大阪駅と神戸空港を結ぶ路線。大阪府内と神戸空港を結ぶ路線バスはこれが初めてです。1日4往復し、運賃は1000円です。大阪駅と神戸空港との間の所要時間は70~80分です。

 ところで、近くに伊丹があり、関空がある大阪から神戸空港へのバスを走らせる意義はどこにあるのでしょうか?
(参考:大阪バスホームページ www.osakabus.jp/wp-content/uploads/2023/09/20230908110602538.pdf)

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福島県、鉄道のための技術職を採用へ

 福島県は鉄道の維持管理を行う技術職を募集しています。

 募集するのはレールや枕木の点検などの点検を行う工務と、踏切などの電気関係を維持管理する信号通信。それぞれ1人ずつを採用する方針です。高校や大学の専門分野を専攻しているかもしくは実務経験があることを求めています。試験は10月19日に行い、2024年4月1日に採用する予定です。

 ところで、福島県はなぜこのような職種で募集しているのでしょうか? 他の都道府県で鉄道の技術職があるのは東京都のみ。都営地下鉄があるからです。福島県にはそのような鉄道がないように見えますが、実は、福島県が運営している鉄道があるのです。只見線会津川口-只見間は上下分離方式なので、線路などの施設は福島県が保有しているのです。今のところはJR東日本から職員の派遣を受けて対応していますが、その派遣期間は工務が2027年10月末、電気は2024年11月末です。将来的には福島県が自らしないといけません。

 なお、JR東日本からは土木に関しても派遣を受けていますが、土木については現在の技術職で賄う方針です。
(参考:福島民報ホームページ https://nordot.app/1075575640467080023?c=648454265403114593)

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2026年度以降の道南いさりび鉄道は?

 道南いさりび鉄道は、北海道新幹線新函館北斗開業に伴いつくられた第三セクター。五稜郭-木古内間を運行しています。

 この道南いさりび鉄道ですが、2025年度までは現在の経営計画に従い、運行します。しかし、開業から10年を過ぎた2026年度以降については未定のようです。2026年度以降については2023年度中に判断するとのことです。

 道南いさりび鉄道の2022年度の純損益は約2.1億円の赤字。赤字分は北海道などからの補助金で穴埋めをしています。実は道南いさりび鉄道が誕生するときにも旅客の営業を取りやめ、貨物だけにするというはありました。さすがにそのときはごくわずかの区間の話だったので、その話は消えましたが、北海道新幹線が札幌まで延びると、並行在来線で旅客営業を行わない区間がほとんどを占めます。貨物専業の鉄道になったり、バスになったりする区間がかなり増えるのです。

 こうなると、並行在来線会社は引き続き旅客運送を行わないといけないという縛りは消えます。それを踏まえて、道南いさりび鉄道も一部分もしくは全部の旅客営業を止めようと考えているのでしょうか?
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/9c23e3cabc64da3faefefbb05f9e307595fe5d8d)

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