神戸電鉄で「おもてなし」(2)
粟生はJR、神戸電鉄、北条鉄道の3社が乗り入れている。日中は3つとも1時間間隔だが、ダイヤは考慮されていて、どの方向でも10分以内の接続で乗り換えできる。理想的な接続パターンだ。粟生12:09発の北条町行きに乗る。セミクロスシートのディーゼルカーで第三セクターでよく見かけるようなタイプ。ボックスシートに座ることができたので、そこで買ってきたパンを食べる。北条鉄道は先ほども書いたように、日中は1時間間隔で同じ車両が行ったり来たりするだけ。日中ならそれで良いが、問題はラッシュ時。1時間間隔では使いづらい。そこで中間にある法華口に交換設備を設けた。駅から若干北条町寄りに、新しいホームがある。閉塞の仕組みはタブレットを使っているようだが、駅員がいなくてもいいよう、現代風にアレンジされている。ICカードがタブレットの代わりなのだ。本来、タブレットやスタフを使う場合は駅員がいないといけないが、ここ法華口では駅員がいなくてもできるのだ。終点の北条町に到着。運転士に運賃を払って出るが、すぐに折り返しに乗る。帰りはあらかじめ券売機で切符を買う。行きより乗っている人は多かった。粟生で再び神戸電鉄に乗り換え。今度は最新型の車両。粟生を出た時点では普通の車内であったが、短縮授業なのか、小野でたくさん乗ってくる。立っている人も出てくる。小野で乗った人はだんだん降りていったが、途中から乗る人もいて、とても廃止が問題になっている鉄道とは思えない。地元自治体がある程度赤字を負担して維持するのが望ましい方向性か?
先ほども書いた通り、「おもてなしきっぷ」には「おもてなしメニュー引換券」がついている。これを使って駅の外に出てみよう。「おもてなしきっぷ」にはどの店が対象になるか書いていないので、事前に調べておくか、その都度スマホで検索するしかない。事前に調べておいて、緑が丘で降りる。緑が丘は神戸市と三木市の境近くにある駅で、三木市に属している。三木は過ぎているので、30分間隔だ。駅はニュータウンの入口にあり、道路沿いに店が並んでいる。飲食店やスイーツの店が目立つ。歩いて8分ほどで、対象の店があった。ケーキ屋で、「おもてなしメニュー引換券」を渡し、「おもてなしきっぷ」を見せる。この店でもらえるのはスポンジのお菓子のレモンケーキ5個。920円もするものがもらえるのだ。切符の値段が1200円だから、差し引き乗車券部分はたったの280円。ちょっと乗っただけで元がとれる、恐ろしい切符だ。店を出て少し歩くとバス停がある。時刻表を見ると、日中でも三宮行きや西神中央行きが1時間に2本ある。平日朝の三宮行きに至っては最短6分間隔だ。バスは住宅地の奥からこまめに停まっていく。神戸電鉄にバスで乗っていくなら、ターミナルの三宮直通の高速バスや地下鉄駅に直通するバスに乗ったほうが良い。地下鉄なら本数が多いのに、神戸電鉄なら30分間隔だからだ。三宮ならともかく、西神中央なら車で行く人も多いだろう。かといって鉄道を廃止してバスで運び切れるか、といったらそうではない。利用者が少なすぎて「廃止」の一言で済むローカル線とは事情が異なる。緑が丘から乗った30分後の列車は2扉ロングシートの車両だった。
鈴蘭台で三田行きに乗る。地下鉄との接続駅である谷上で乗ってくる人が多い(ただし、すぐに降りる)。北神急行が地下鉄に編入され、大幅に運賃が安くなったのだ。人の流れも変わり、神戸電鉄としては乗る区間が短くなったので、収入が減ったのだろうか? 有馬口で有馬温泉行きに乗り換え。こちらも15分間隔でピストン運行をしている。神戸電鉄はワンマン運転をしているが、このピストン運行だけはなぜか車掌がいた。列車が有馬温泉に着くとすぐに反対側のホームから有馬口行きが発車する。改札を出る時間すらないので、1本落として次の有馬口行きに乗る。駅の近くを散歩したが、時間がもう少しあれば温泉にも入りたいところだ。再び駅に戻り、有馬口、横山を経由してウッディタウン中央へ。横山からの公園都市線は複線に対応できるようになっているが、単線。複線にするほどの需要はないようだ。終点のウッディタウン中央で外に出てみたが、接続するバスも見当たらず、寂しい駅前である。ウッディタウン中央からの列車は三田に直通するのでそのまま三田まで行き、一日で神戸電鉄全線に乗るという当初の予定を達成することができた。
三田からはJRに乗って帰る。丹波路快速で尼崎まで行き、そこから新快速へ。最初は立っていたが、次の大阪で座ることができた。後は米原で乗り換えるだけだ。
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