神戸に高架市電構想があった?
神戸もほかの主要都市と同じように市電がありました。車の増えすぎで路面電車が走ることができなくなり、1971年に廃止になりましたが、最盛期には東は石屋川、西は須磨まで約36キロの路線がありました。
その神戸で廃止前にこういう構想がありました。路面電車を高架にするというのです。道路上に幅6メートル、高さ7.5メートルの高架線をつくり、停留所の距離は地上を走る路面電車の倍、700メートルにします。電車は2両編成で走り、最高速度は60キロです。三宮から東に延びる石屋川線、神戸市営地下鉄山手線のルートに近い山手・上沢線、神戸市営地下鉄海岸線に近い海岸線の3ルートが計画されました。
ところがこの高架市電、いろいろな問題が起こりました。国鉄や阪急との立体交差、騒音、都市美観などです。最終的には1968年に国から、高架を走る市電ではなく地下鉄にするように勧告が出され、この高架市電構想は幻となってしまいました。
その後、神戸では地下鉄ができましたし、新交通システムもできました。しかし、高架市電のほうがコストが下がったのかもしれません。高架市電は全線高架にする必要がありません。海と山に挟まれた細長い平地の神戸では難しかったでしょうが、場所によっては都心だけ高架にして、郊外は地上を走っても良かったのでしょう。完全に没にするには惜しいアイデアだったのかもしれません。
(参考:まいどなニュース https://maidonanews.jp/article/15097663)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
「関西私鉄」カテゴリの記事
- 交通系ICカードを導入するだけで売上増、「鉄道ジャーナル」休刊(2025.01.22)
- 激安フリー切符で近江鉄道旅(2)(2025.01.21)
- 激安フリー切符で近江鉄道旅(1)(2025.01.20)
「路面電車」カテゴリの記事
- 広電の駅ビル乗り入れは8月6日より前?(2025.01.26)
- 広電の高架は発泡スチロール製(2025.01.14)
- ライトライン、休日もスピードアップ(2025.01.03)
Comments
高架市電の建設コストは、恐らく新交通システム並となるので、LRTよりはるかに高額になります。
まあ、高架市電でもよかったと思えるのは、せいぜい海岸線くらいでしょう。
西神・山手線は西神中央までは距離が長いし、輸送力面でも通常鉄道が必要なレベルです。
ポートライナーも、空港の開港や、大学の移転等で、新交通でも輸送力が逼迫している状態です。
Posted by: かにうさぎ | 2024.01.28 08:27 PM
かにうさぎさん、おはようございます。
* 高架市電の建設コストは、恐らく新交通システム並となるので、
全線高架でつくるのなら、当然コストは上がります。都心の一部分だけ高架にする程度のところに適したシステムです。
* 西神・山手線は西神中央までは距離が長いし、
神戸で実際に建設したら、どこがいいかは難しい問題でしょう。
Posted by: たべちゃん | 2024.01.30 06:07 AM
>神戸で実際に建設したら、どこがいいかは難しい問題でしょう。
神戸の場合、旧市街は東西に細長く、私鉄やJRが近くにあるため、高架市電が必要な場所は少ない。
敢えて作るとすれば,郊外駅同士を結ぶ路線、例えばかつて地下鉄延伸構想のあった学園都市-舞子といった路線でしょう。
明石大橋開通後、垂水JCT付近から学園都市までの道路は渋滞が酷いため、バスの運行は遅れ勝ちです。このあたりは、海沿いを走るJR・山陽電鉄の駅からも遠く、バスに依存しています。
神戸でも垂水区は坂が多く、アップダウンが頻繁にある地形を利用し、谷の部分のみ高架にして道路をオーバークロス、他の部分は地平の道路を走るといった形も取れます。
Posted by: かにうさぎ | 2024.01.30 10:36 PM
かにうさぎさん、おはようございます。
* 神戸の場合、旧市街は東西に細長く、
確かに神戸の中心部の場合は、東西に細長く、北にはすぐ山が迫っていますので、うまく高架市電をつくることは難しいです。
Posted by: たべちゃん | 2024.01.31 06:47 AM