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伊勢鉄道が三重県議会で話題となる

 河原田と津を結ぶ伊勢鉄道は元々、国鉄の路線、伊勢線でした。1973年に開業し、当時から特急が名古屋と南紀との間を結んでいましたが、近鉄が並行しているために利用者が少なく、赤字ローカル線としてJRに残ることができず、第三セクターとして分離されることになりました。このため、分割民営化後に走り始めた快速「みえ」で伊勢鉄道を通過すると、「青春18きっぷ」は使えず、追加料金を払わないといけないのです。

 伊勢鉄道は快速「みえ」の登場により利用者が増え、新型コロナウイルスの前には輸送密度が4000人を超えることもありました。JRの幹線でもこれより少ないところはたくさんあります。それなのに、国鉄時代の経営が下手だったためか、第三セクターとして分離されてしまいました。その伊勢鉄道ですが、2023年11月に三重県議会でも話題になりました。利用者が多いのに、なぜ第三セクターというかたちで公的に関与しないといけないのか、というのです。これに対して三重県側は、伊勢鉄道は日本鉄道建設公団によって高規格につくられているので減価償却費が高く、JR東海が経営を引き継ぐのは難しいだろうと回答しています。

 本来は伊勢線が幹線鉄道網の一環としてJR東海の一路線として残り、枝線のローカル線に過ぎない名松線が第三セクターのために分離されるのが自然な姿とも言えるでしょう。今なら、関西線亀山以西もJRとして残ることが難しいかもしれません。ただそうなった場合、伊勢線はいいでしょうが、名松線は存続できなかったでしょう。災害を理由に少なくとも一部区間は廃止されてしまったことでしょう。名称線が今も残っていて、今も廃止の話がないのは、東海道新幹線で儲かっているからと、利用者の極めて少ないローカル線が名松線ぐらいしかないからです。JR東日本やJR西日本のように鉄道としての使命を失ったローカル線がたくさんあるわけではなく名松線ぐらいなので、1本の路線の廃止にエネルギーを使うぐらいなら、東海道新幹線の利益で現状維持して恩を売っておいたほうがよいという判断なのです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/129707)

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