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山陽新幹線「こだま」にN700系投入で500系は2編成だけに

 山陽新幹線の「こだま」用車両は、700系(かつて「ひかりレールスター」として使われた車両です)のほか、500系も使われています。500系は元々、時速300キロを誇るJR西日本の看板車両だったのですが、N700系の投入により「こだま」用となり、山陽新幹線での需要に合わせて、8両編成になりました。500系は8編成が「こだま」用として改造され、今はそのうち6編成が残っています。ところが、その6編成のうち、4編成が2026年度末までに廃車になります。残るのは2編成だけになります。

 それでは、代わりはどうなるのでしょうか? 東海道・山陽新幹線で「のぞみ」などとして使っているN700系16両編成4本を8両編成に短縮するのです。500系や700系の後継には、九州新幹線直通用のN700系を転用するものだと思っていたので、意外な答えです。「のぞみ」用には2024年度から2026年度の間に新たにN700Sを4編成投入します。新たに「こだま」用となるN700系は、500系や700系よりも新しい車両であるため、その分機能が向上しています。ATCとブレーキシステムの改良により地震時のブレーキ距離が短くなり、大容量のデータ通信ができることから、500系や700系よりも車両の状態を監視する機能が強化されています。安全性や安定性の強化につながります。また、車椅子スペースも4席設置されます。

 新たに「こだま」になるN700系は、16両のものを8両に短縮します。8両とも普通車ですが、500系のときと同じく、中にはグリーン車を格下げしたものも含まれますので、そこに座ることができたらラッキーです。外観は従来通りの白地に青い帯ですので、500系や700系のような独自のカラーではなく、東海道・山陽新幹線の伝統的なカラーが維持されるということになります。また、九州新幹線直通用のN700系とは違い、こちらは山陽新幹線専用で、九州新幹線には乗り入れません。この16両から8両への短縮は500系のときと同様、簡単にはいかず、かなり手を加えることになるようですが、それでも新たに8両編成のものをつくるよりは安上がりになるようです。50億円以上のコスト削減効果があるようです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240209_00_press_shinkansen.pdf、鉄道コム https://www.tetsudo.com/column/778/、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20240214-2883398/)

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Comments

車齢の高い車両にそこまで費用を掛けるのも余り得策でないような気がします。

N700Sなら、6両等の短い編成でも運行可能だし、西九州新幹線でも6両編成で運行している。

山陽区間の「こだま」は、8両編成でも本当は過剰で、6両編成でもいいくらいなので、N700S6両編成を投入した方がいいのですがね。

Posted by: かにうさぎ | 2024.02.25 11:37 AM

 かにうさぎさん、こんばんは。

* 車齢の高い車両にそこまで費用を掛けるのも

 既存の車両を転用するなら九州新幹線直通用のN700系を使えばそれほどの手間はかからないのでしょうが、わざわざ16両編成のN700Sを投入するというのは、別の意図があるのでしょう。

 JR東海との絡みでN700Sを投入せざるを得なくなり、その関係で「こだま」を置き換えることにしたのでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2024.02.25 07:07 PM

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