JR北海道、単独で維持困難な8線区につき、事業の抜本的改善策を3年先送り
輸送密度が200人未満の路線については方向性が定まりましたが、これでJR北海道のローカル線問題が解決したわけではありません。まだまだ輸送密度の低い路線がたくさんあります。輸送密度200人以上2000人未満の8線区です。
この8線区について、JR北海道は、国交省から2019年度から2023年度までの5年間で、沿線自治体とともに利用促進やコスト削減に取り組むよう求められていました。最終年度の2023年度にはそれらの取り組みの検証を行い、事業の抜本的改善策を検討するよう命じられていました。
しかし、1月30日に、8線区の沿線自治体の首長らとともに国交省に提出した報告書には、事業の抜本的改善策についての回答がありませんでした。3年先送りすることになったのです。その原因は、新型コロナウイルス。新型コロナウイルスの影響でできなかったイベント等の利用促進策があるのです。多い線区では半分程度もできなかったのです。
これらについては早急に取り組みを行い、事業の抜本的改善策を見つける必要があるでしょう。一地域だけのローカル線とは言えない宗谷線、石北線、根室線釧路-根室間については特急(それに準ずる快速を含みます)、貨物に限り、一定程度の国の関与が求められるでしょう。後は一地域のローカル線なので、鉄路として維持するなら北海道や沿線自治体が主体となる必要があるでしょう。
なお、行った利用促進策の中には、評価の良かったものもあります。そのひとつが、観光列車での指定席導入や長時間停車などの試験運行。乗客の満足度が高く、値上げを容認する声もありました。また、JRとバスを組み合わせたときの割引についても、利用客増加の効果が見られました。こういう評価の良かった利用促進策をさらに進めていくことも重要でしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASS1Z766DS1ZULFA024.html)
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