SLにバイオ燃料
SLは石炭を燃やして走るものですが、東武はこの1月31日から約1年間、その石炭の一部を、植物原料由来のバイオコークスに置き換えるという実証実験を行っています。SLにバイオ燃料を使うのは、国内では初めての取り組みです。
なぜそのような実証実験を行っているのでしょうか? SLというものは、動いているときだけでなく、完全に止まっているときも検査、修繕、工事を行うとき以外はボイラーに火を付けた状態を保っています。保火と言います。ボイラーの圧力を維持し、保護するためです。2023年度の場合、この保火のために東武が保有する3両で約160トンの石炭を使います。そこで東武は、その保火に使う石炭のうち約40%をバイオコークスに置き換え、燃焼効率、作業性、ボイラーへの影響について調べることにしました。バイオコークスは燃焼時の熱量が石炭の約半分なので、走行時には使えませんが、保火なら使えます。今回使うバイオコークスは、木くず、そば殻、樹皮、コーヒーかすなど植物由来の廃棄物を砕いて乾燥した後、圧力をかけて圧縮し、加熱した上で円筒状に成形した燃料です。このことにより、年間約150トンの二酸化炭素を削減することができます。一般家庭にすると約50世帯分です。
DLについても実証実験を行います。こちらは、燃料である軽油の約50%を、バイオディーゼル燃料を混ぜたものにします。東武には2両のDLがあり、2023年度は約40000リットルを使います。その2両のうち1両について、廃食油由来のバイオディーゼル燃料を5%混合したものに置き換え、燃焼効率や内燃機関への影響について調べることにしました。このことにより、年間約2.5トンの二酸化炭素を削減することができます。
東武はこの実証実験の結果を踏まえて、SLやDLにバイオ燃料を本格的に導入するかを検討します。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20240125112826RFwnonCSBRfPDCtmpwZlXQ.pdf、東京新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/306863)
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