JR東日本、吾妻線の一部区間について協議を申し入れ
JR東日本高崎支社は21日、群馬県及び沿線自治体(長野原町、嬬恋村)に対して、吾妻線長野原草津口-大前間についての協議の申し入れを行いました。
吾妻線は上野からの特急も乗り入れている路線ですが、それも長野原草津口までで(2016年までは万座・鹿沢口までありました)、特に末端の万座・鹿沢口-大前間は普通列車が1日4.5往復しか走っていません。当初からのことで、さらに西に延びるという話はあったものの、万座・鹿沢口-大前間は何のためにできたのか分からないです。
当然利用者も少なく、長野原草津口-大前間の2022年度の輸送密度は263人。分割民営化時(1987年度)の791人から1/3程度に減っています。JRは当然として、第三セクターでも厳しい数字です。ちなみに、渋川-長野原草津口間の2022年度の輸送密度は2461人です。赤字も続いていて、このままでは鉄道の特性である大量輸送のメリットを発揮できないとして、輸送密度が2000人未満である長野原草津口-大前間について、群馬県などに申し入れを行いました。JR東日本がこのような申し入れをしたのは、2023年3月の久留里線久留里-上総亀山間に続いてのものです。
確かに数字を見ると、鉄道の特性を果たしていないことは明らかです。枝線の先のほうなので、広域的な問題もありません。赤字額の多さでいえば、上越線水上-越後湯沢間(19.2億円の赤字)が当てはまりますが、旅客はともかく貨物は重要線区なので、JR東日本も見直しはできません。一地域の路線ではなく、国家的な問題になります。一地域のローカル線で鉄道を残そうとするのなら、観光PRなどの曖昧なものではなく(吾妻線沿線へは、北陸新幹線で軽井沢まで行き、そこからバスで行く方法もあります)、少なくとも赤字額の負担(長野原草津口-大前間の赤字額は約4.6億円です)とか上下分離クラスのことをしないといけないでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASS3Q5KN9S3QUHNB001.html、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/pdf/rosen02.pdf)
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