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肥薩線、鉄路で復活か?

 2020年7月の豪雨で大きな被害を受けた肥薩線についてはこれまでも記事にしましたが、どうやら鉄路で復旧させるようです(ただ、正式に決まったわけではありません)。

 国、熊本県、JR九州の3者は3月下旬に検討会議を開く予定で、鉄路復旧の目標時期は2033年度ごろになるようです。復旧の際はJR九州が運行を行い、地元自治体が線路や施設の所有や管理を行う上下分離方式を採用する方針です。復旧の費用については約235億円と見積もられていますが、国交省が球磨川の河川整備事業などで実施する分もあり、鉄道そのものの費用は約76億円です。これをJR九州、国、地方がそれぞれ1/3ずつ負担するので、JR九州の負担は全体の1割程度になります。

 もちろん、鉄道を復旧させても、利用する人がいなければ意味がありません。すでに熊本県は2023年12月に、引退する「SL人吉」に代わる観光列車を導入することや新八代に直通する列車を走らせることなどを考えています。しかし、これは観光面での強化策であり、日常的な利用には結びつきません。鉄道を残すにはこれでは不十分と考えたJR九州は、日常利用の推進策も熊本県に求めました。熊本県や地元市町村は、自治体職員が公務で移動する場合は鉄道を積極的に利用することを考え、JR九州も一定の評価をしていますが、公務員も遅い鈍行に乗って出張したいとは思えません。地方では特急がマストです。地元の負担で、以前あった「九州横断特急」などのビジネス特急を復活させることが必須でしょう。はっきり言ってとっくに日常的な利用のない鉄道を復旧させることは無駄です。お金をかけたくないなら高速バスの増便を含めたバスへの転換、いいものをつくりたいなら新幹線レベルの高速鉄道の建設が解決策です。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/1191ba96c8aba5819850e124ef76cce0df12a2fb、https://news.yahoo.co.jp/articles/aba3a13e4316ff8ffea3ced49b09cf499d7f2a3b)

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Comments

熊本~人吉のビジネスの需要は欲しいところですね。どんな規格で線路が敷設されるのかは今後の見どころだと思います。

Posted by: Ayane | 2024.03.17 04:23 PM

 Ayaneさん、こんばんは。

* 熊本~人吉のビジネスの需要は欲しいところですね。

 2016年までは特急があったぐらいですから、県庁所在地の熊本とのビジネス需要は一定程度はあるでしょう。

 このように車でも行くことができる人を鉄道にシフトさせないと、鉄道の存在意義はないでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2024.03.17 07:00 PM

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