「サンダーバード」の利用者1割減、「しらさぎ」は半減
北陸新幹線が敦賀まで延びて初めて迎えるゴールデンウィーク。北陸新幹線や北陸線特急の利用者数に変動はあったのでしょうか? JR各社から発表されたデータを元にみていきましょう。なお、JR各社の発表では、ゴールデンウィークの期間は4月26日から5月6日までとされています。
まずは北陸新幹線のほうから。肝心の延伸区間の利用者数は発表されていません。北陸新幹線で発表されているのは、高崎-軽井沢間と上越妙高-糸魚川間のみです。高崎-軽井沢間は長野に向かう客も入っていますので、北陸に用事がある人が利用する上越妙高-糸魚川間でみていきます。上越妙高-糸魚川間の利用者数は35.6万人で、対前年比114%。富山や金沢で降りる人もいますが、延伸区間まで乗る人もそれなりにいるでしょう。
これに対して、在来線の利用者数は減っています。「サンダーバード」の京都-敦賀間は19.8万人で、対前年比90%。「しらさぎ」の米原-敦賀間は4.3万人で、対前年比51%です。「サンダーバード」は1割減、「しらさぎ」に至っては半減です。北陸に新幹線ができたら、観光需要で増えるはずなのですが、なぜこのように減ったのでしょうか?
「サンダーバード」については、全車指定席化によって、今までのように自由席に詰め込むことができなくなったという面もあるようです。全車指定席の列車で指定席が取れなかったら、新快速などほかの列車で移動しなければなりません。そして、「しらさぎ」については、北陸新幹線の延伸によって、東京と福井の間の行き来が東海道新幹線経由から北陸新幹線経由に移行したのが大きいでしょう。今は1時間に1本走っている「しらさぎ」ですが、いずれは米原発着が廃止され、2時間に1本程度になるのかもしれません。もっとも、「しらさぎ」は大きく利用者を減らしましたが、東海道新幹線自体は利用者が増えています。新横浜-静岡間でみた場合、対前年比102%です。このように北陸新幹線延伸に対する影響がないので、JR東海にとって北陸新幹線の延伸はどうでも良い話なのです。たとえ「米原ルート」になったとしても。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/2024gw-shinkansen/、https://tabiris.com/archives/jrlte2024-gw/)
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Comments
サンダーバードは全車指定席と言えども、昨年と比較すると満席の列車が少なかったようですので、純粋に乗客が減ったのでしょう。
しらさぎの乗客が減るのは分かり切っていたので、驚くことはありませんが、サンダーバードの乗客が減った(JR西日本の他の在来線特急列車の中で一番の減少幅)ことについては、JR西日本に危機感を持って欲しいですね。
北陸新幹線新大阪延伸は強力な政治判断が無ければ、もはや八方塞がりなので、いかに乗り継ぎの負担を減らすかが重要です。
リニア中央新幹線が東海道新幹線の料金にプラス1000円程度と想定されていることからすると、北陸新幹線敦賀延伸開業後の値上げ幅が大きすぎます。
杓子定規に料金を設定するのではなく、柔軟に料金を設定すべきでした。
(敦賀・越前たけふ間のみ何故か割安です。)
Posted by: RICOH | 2024.05.13 08:05 PM
>「サンダーバード」については、全車指定席化によって、今までのように自由席に詰め込むことができなくなったという面もあるようです。
私もGW初日に「サンダーバード」「つるぎ」を利用しましたが、見た感じの乗車率は2-3割くらいのガラガラ状態でした。まあ、臨時列車も多数運転されていたのもあるだろうけど、「こんなんで大丈夫?」という状態でした。
GWの他の日は知らないけど、とても指定制が満席で乗車を断るといった状況には見えませんでした。
巷で言われているように、関西からは、敦賀乗換の煩わしさや運賃料金の大幅値上げの割に、時短効果が少ないこと、あるいは、能登地震の影響で北陸方面が敬遠されていることがあるのかと思われます。(ちなみに、金沢の21世紀美術館等はGW中も主要な展示場は閉鎖中でした)
東京方面からの旅客は増えているけど、比較的地震の影響の少ない福井行きが大幅に増えている影響と考えられます。
Posted by: かにうさぎ | 2024.05.14 09:45 PM
RICOH さん、こんばんは。
* サンダーバードの乗客が減った(JR西日本の
「しらさぎ」はともかく、「サンダーバード」も減ったのは危機的状況です。
* 北陸新幹線新大阪延伸は強力な政治判断が無ければ、
北陸新幹線の全線開業が望ましいのは当然ですが、どのルートにしてもすぐにはできないので、乗り換えの負担軽減策が必要です。まずは中間改札の撤去から始めるのがいいでしょう。
* 杓子定規に料金を設定するのではなく、柔軟に
フル規格の目途が立たないので、あらゆる面で不満がたまってしまいます。
Posted by: たべちゃん | 2024.05.14 11:32 PM
かにうさぎさん、こんばんは。
* 私もGW初日に「サンダーバード」「つるぎ」を利用しましたが、
そんなに少なかったとしたら、ある意味問題です。
* 巷で言われているように、関西からは、敦賀乗換の煩わしさや運賃料金の大幅値上げの割に、
新幹線開業のデメリットが注目されている現状では、行く気が失せてしまいます。
Posted by: たべちゃん | 2024.05.15 08:50 PM
中京・北陸間とは異なり、関西・北陸間は高速道路が遠回り(米原経由)かつ1ルート(名神・北陸道)しかない上、名神は全区間を通して混雑しているため、鉄道の優位性は揺るがないとJR西日本は胡座をかいているのかも知れません。
確かに、鉄道が高速バスに脅かされることはないでしょうが、このままでは鉄道需要は徐々に減っていくでしょう。
関西から福井なら自家用車、金沢・富山なら行かないとなってもおかしくありません。
乗り換え改札については、JR東日本やJR北海道の新幹線に無賃乗車を持ち込まないことを目的としているのでしょうが、開業当日を始め、遅延発生時は頻繁に改札が開放されているので、そこまで厳格化する必要はあったのかと思います。
仮に、最初から乗り換え改札を考慮に入れなければ、新幹線のりばと在来線特急のりばを直接結ぶエスカレーターやエレベーターを設置出来た上、新幹線1号車や在来線特急12号車のようにとてつもなく長い移動距離も発生しませんでした。
ダイヤについては、現状維持かつ列車本数を抑えたコスト削減が垣間見えます。
本来であれば、関西・信越間の旅客需要を喚起すべきでしたが、スムーズに乗り換えができるのは富山までで、黒部宇奈月温泉以遠は基本的に乗り換えが追加で必要となっています。
敦賀・金沢・富山間についても、遠近分離がうまく出来ておらず、金沢や富山へ行くのに各駅停車に乗るという時短効果の低い列車が散見されます。
金沢ゆきは各駅停車、しらさぎと接続するものを除く富山ゆきは速達便、朝夕は富山ゆきを長野ゆきに延長するなど、敦賀延伸の効果を最大限発揮して欲しかったのですが。
現状、料金制度、乗り換えの構造、乗り継ぎダイヤ、いずれも利用者の心を惹き付けるものとは言い難いように感じます。
Posted by: RICOH | 2024.05.16 10:39 AM
RICOHさん、おはようございます。
* 中京・北陸間とは異なり、関西・北陸間は
関西からは鉄道の優位は揺るがないでしょう。短期的には問題が無いでしょうが、中長期的には北陸を目的地として選択しないという危険性があります。
* 乗り換え改札については、JR東日本やJR北海道の新幹線に
敦賀の乗換改札は不要です(敦賀で乗り降りする人だけ新幹線、特急用の改札を設けます)。乗換改札がなければ、新幹線ホームと特急ホームを直結するエスカレータやエレベータを設けることができます。
* ダイヤについては、現状維持かつ
ダイヤについてはうまくできているでしょう。
東京方面に遅れを引きずらないように、わざと関西・名古屋方面との接続を「つるぎ」オンリーにしています。遅れた場合は、「つるぎ」のみを遅らせたらいいのです。
また、「しらさぎ」との接続があるのは各駅停車、「サンダーバード」のみは速達便と、法則性もあります。
Posted by: たべちゃん | 2024.05.18 09:55 AM