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京阪神都市圏での運賃見直しで、電車特定区間も一部区間で若干の値上げ

 JR西日本の運賃体系は、国鉄時代のものをそのまま継承しています。そのため、京阪神都市圏の運賃はほかの路線に比べて若干安くなっています。ところが、その路線の区分けは国鉄時代のものをそのまま引きずっていますので、現状に合っていません。国鉄時代の新快速は昼間だけの存在で、運転区間も今より短かったです。また、福知山線は1986年まで非電化で、ディーゼルカーや客車が走っていました。

 そこでJR西日本は、以前にも書きましたが、京阪神都市圏における運賃体系の見直しを行います。JR西日本発足後の輸送改善等による利用状況の変化を踏まえて、これまでの電車特定区間と同じレベルの輸送サービスを提供しているところについては、それに合わせることにしました。今回、新たに電車特定区間に加わることになったのは、湖西線堅田-山科間、琵琶湖線野洲-京都間、JR神戸線西明石-網干間、嵯峨野線京都-亀岡間、奈良線京都-城陽間、学研都市線松井山手-長尾間、JR宝塚線尼崎-新三田間、関西空港線日根野-関西空港間です。なお、大阪環状線等についてはさらに安い運賃となっていましたが、今回の改定で廃止され、電車特定区間に統合されます。新しい運賃は2025年4月1日発売分から適用されます。

 さて、肝心の運賃はどうなるのでしょうか? JR西日本全体としては今回の改定で、全体としては増収にならないように設定されていますが、大阪環状線内からは大幅な値上げ(11キロ超は30円の値上げ)、そして現行の電車特定区間からは若干の値上げ(値上げ幅は0~20円)となります。1.3%の改定率となります。幹線から今回新たに電車特定区間に加わったところは今回からバリアフリー料金の対象となるものの、それを含めても値下げとなるケースが出ます。また、京都-大阪間、大阪-三ノ宮間など、私鉄との競争が激しい区間については特定区間を残します。

 新しい運賃を見ると、電車特定区間と幹線の運賃差は意外と小さいです。幹線と言えども場所によっては鉄道としての存続自体が疑問視される区間もあります。そうでなくても、大半は特急を使うのが前提で、普通列車を使って移動する人はあまりいない、というところも結構あります。そういう意味では、本当に見直すべきなのは京阪神都市圏以外の運賃でしょう。鉄道ファンでない限り、何百キロも普通列車で行く人は少ないでしょうから、ある程度の距離は特急を使うことを前提に、運賃を引き上げます(ある程度使われる区間では、インターネット等による割引切符で対応します)。こうすることで複雑な片道切符を「みどりの窓口」で買うことが減り、インターネット等による割引切符中心の体系に移行することができます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240515_00_press_keihanshin_unchin.pdf)

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