「米原ルート」は簡単そうだが、実はそうではない
北陸新幹線敦賀-新大阪間は「小浜-京都ルート」でつくることが決まっていますが、「米原ルート」に変えることを求める声は根強くあります。当事者の中で「米原ルート」を推している人はいませんが、外野が支持しているのです。
「米原ルート」の最大の売りは建設コストが安いこと、そしてつくるだけなら大きな問題が見当たらないこと。それなら、「米原ルート」でつくればいいのですが、そう簡単にはいかない事情があるのです。
簡単に思いつくデメリットと言えば、米原での乗り換えが発生することと(しかも敦賀のときのように接続を考慮したダイヤを組んでくれるわけではありません。東海道新幹線に合わせて北陸新幹線のダイヤを組む必要があります)、2社に跨ることから料金が上がることがありますが、それだけではありません。国交省によれば、東海道新幹線はひっ迫しており、脱線逸脱防止対策の方法も違います。東海道・山陽・九州新幹線の運行システム「COMTRAC」は、東北・上越・北陸新幹線の運行管理システム「COSMOS」と違って、路線分岐に対応していないようです(北陸新幹線と山陽新幹線の直通はできなくても大きな問題にはならないですが、西九州新幹線がフル規格になったとき、どうするのでしょうか? システムそのものや車両の改修で対応できるのでしょうか?)。
もちろん、これらの問題は解決できるかもしれません。ただ、技術やお金の問題ではなく、国、沿線府県、JR東海、JR西日本の間で合意を取り付ける必要があります。「小浜-京都ルート」とどちらが難しいかは、簡単には判断がつかないです。ともかく、新大阪まで全線フル規格で直通できれば、どちらでも構いません。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/133355)
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Comments
>そしてつくるだけなら大きな問題が見当たらないこと。
いや、そんなことないです。
滋賀県が同意しません。
建設費地元負担と、北陸線・湖西線の経営分離がのしかかってくるからです。
以前に、関西広域連合で米原が採択されたのは、滋賀県の負担を大阪府などが肩代わりできるなら、検討できるといったまでで、現実には、今の建設スキームを改正しないと不可能です。
否、それができるなら、西九州新幹線も、佐賀県の負担を長崎県が一部肩代わりで決着です。
大阪の前知事も、米原案否決とともに、費用を肩代わりという話も「あれはなかったことに」なんて言っている状態です。
米原はダメだから小浜だ、小浜がダメだから米原と言ったって、はい、両方できません、永久に敦賀止ですということになりかねません。
Posted by: かにうさぎ | 2024.07.01 12:22 AM
かにうさぎさん、こんばんは。返事が遅くなりました。
* いや、そんなことないです。
着工するまでにかかる、各関係者との調整については考えていません。着工してからの話です。大阪や京都のような大都市はなく、トンネルもそれほど長くはないので、工事そのものは難しくないでしょう。
* 米原はダメだから小浜だ、小浜がダメだから米原と
お互い足の引っ張り合いをしていてはいけません。その間に関西は衰退します。
極論を言えば、小浜経由でも米原経由でも、フル規格新幹線で新大阪まで直通できれば、どちらでもいいというのが正直なところです。
Posted by: たべちゃん | 2024.07.02 11:32 PM