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July 2024

JR北海道、特急全車指定席化で増収に

 「すずらん」の苦境については以前に記事にしましたが、果たして特急の全車指定席化は失敗だったのでしょうか?

 確かに「すずらん」は不調です。「すずらん」に関しては、切符の販売政策が悪かったのでしょう。ただ、JR北海道として悪くはないようです。

 どういうことでしょうか? JR北海道が発表した2024年度の第一四半期の利用状況と収入概況によれば、主に特急列車の収入を示す、中長距離収入が前年度から6.9%増えています。主要3線区(石勝線特急南千歳-トマム間、函館線特急札幌-岩見沢間、室蘭線特急東室蘭-苫小牧間)の利用者数の平均は前年度から2.6%増えています。

 また、利用者数に比べて収入が増えているということは、うまく値上げできているということでしょう。全車指定席化で定価を引き上げますが、割引切符の制度を改定して、安さを求める人にはインターネットで割引切符を提供しています。駅では割引切符を売らず、しかもインターネットの割引切符は需要に応じて価格が変動する、イールドマネジメントを導入しています。「みどりの窓口」で売る切符は割引のない正規の切符のみ、割引切符が欲しければインターネットで買う、というのはある意味望ましい方向と言えます。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/jrh202406/)

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南海7100系が緑の旧塗装に

 南海本線の車両はグレーをベースに、ブルーとオレンジのラインを巻いていますが、かつてはグリーンの濃淡のツートンカラーでした。

 1969年に登場した7100系も当初はグリーンの濃淡のツートンカラーで走っていました。今はグレーをベースに、ブルーとオレンジのラインを巻いた塗装となっていますが、やはり南海の車両には、グリーンの濃淡のツートンカラーが似合っています。グリーンの濃淡のツートンカラーの復元塗装は10年ほど前、7000系で行いましたが、7100系でも行うことになったのです。高野線の6000系で、ステンレス無塗装にしているものがありますが、それが好評であることにも触発されたのでしょう。

 グリーンの濃淡のツートンカラーになる7100系は、4両編成1本です。8月21日から難波-和歌山港間、難波-関西空港間で走り始める予定です。またこれに先立ち、8月17日には千代田工場で撮影会を行います。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/240718.pdf)

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加古川線西脇市以北、万博終了後に見直しか?

 加古川線は全線電化していますが、北側に行けば行くほど利用者が減っていきます。特に少ないのは西脇市-谷川間。2023年度の輸送密度は275人、分割民営化した1987年度の約1/5です。ちなみに、2023年度の加古川線全体の輸送密度は2556人(1987年度は3301人)、そのうち加古川-厄神間が6767人、厄神-西脇市間が2904人です。西脇市以北が極端に少ないことがわかります。

 この西脇市-谷川間ですが、沿線の西脇市と丹波市は、2025年の大阪・関西万博後の時点で利用促進策の効果が乏しい場合、地域公共交通としての今後のありかたについて議論を始めることについて、JR西日本と合意しました。

 西脇市以南は現状でも鉄道でやっていける数字ですが、西脇市以北は厳しい数字です。たとえ第三セクターでも、鉄道としてやっていくのは厳しい数字です。それならば、西脇市以北は諦めてでも、西脇市以南の増発などで使える鉄道にすることが重要でしょう。加古川-厄神間で1時間に1本しかないのは厳しいです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20240717-OYO1T50001/、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASS643TFSS64PTIL00HM.html、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2023_08.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240802_00_press_yusomitudo2023.pdf)

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肥薩線、指宿枕崎線が1日乗り放題で1000円

 JR九州は、トヨタファイナンシャルサービスが提供するアプリ「my route」上で、「肥薩線~指宿枕崎線1日乗り放題きっぷ」を発売します(駅での発売はありません)。

 「肥薩線~指宿枕崎線1日乗り放題きっぷ」の発売期間及び利用期間は8月1日~11月30日、吉松-隼人-鹿児島中央-枕崎間の快速、普通列車が1日乗り放題です(特急に乗る場合は、別途特急料金が必要です)。値段は大人1000円、子供500円なので、鹿児島中央から吉松や枕崎に片道行くだけでも十分元が取れます。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/07/18/0718.pdf)

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東海交通事業、社名を変更

 JR東海グループの株式会社東海交通事業は、1988年に設立され、在来線の駅の窓口業務、お客様サポートサービスの業務、各種お問い合わせや遺失物の対応を行うテレフォンセンターの業務をJR東海から受託しています。また、枇杷島と勝川を結ぶ城北線を運営しています。

 その東海交通事業ですが、10月1日に社名を変更することになりました。新しい社名は、株式会社JR東海交通事業です。「JR」が頭に付きます。JR東海グループの一員であることを明確にするため、社名を変更することにしたのです。
(参考:東海交通事業ホームページ https://tkj-i.co.jp/content/wp-content/uploads/2024/07/20240712-Announcement.pdf)

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若桜鉄道、期間限定で一日乗車券半額に

 若桜鉄道の一日乗車券(「1日フリー切符」)は760円。郡家-若桜間の片道運賃は440円ですので、往復すると元が取れます。

 その若桜鉄道ですが、夏休みの間、期間限定で半額の380円になるキャンペーンを行います。

 半額キャンペーンの期間は、7月13日から8月25日の間。500枚限りですので、販売状況によっては途中でキャンペーンが終了することがあります。なお、一日乗車券の発売箇所は、若桜と、郡家の駅にある八頭町観光協会です。

(追記)
 この半額キャンペーンですが、予定していた枚数を完売したため、7月28日16時で終了しました。
(参考:若桜鉄道ホームページ https://wakatetsu.co.jp/archives/news/若桜鉄道-1日フリー切符半額キャンペーンのお知ら、https://wakatetsu.co.jp/archives/news/半額1日フリー切符【完売】のお知らせ、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20240712/4040018171.html)

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「マリンライナー」のグリーン車、指定席料金を値上げ

 岡山と高松の間を瀬戸大橋経由で結ぶ、快速「マリンライナー」。一部を除いて、グリーン車や普通車指定席を連結しています。その「マリンライナー」ですが、10月1日乗車分からグリーン料金と普通車指定席料金を値上げします。

 値上げ後の料金はいくらになるのでしょうか? まず正規の料金から言いますと、50キロまで780円、100キロまで1000円のグリーン料金は、それぞれ1010円、1260円になります。閑散期は330円、それ以外は530円の普通車指定席料金は年間を通じて同額の840円になります。

 割引切符はどうでしょうか? 「e5489」専用の「チケットレス特急券」は、グリーン料金が現在と同額の50キロまでが780円、100キロまでが1000円、普通車指定席料金が330円から530円に値上げになります。「J-WESTカード」会員限定の「eきっぷ」は、グリーン料金が470円が650円に、普通車指定席料金が210円が450円になります。「J-WESTカード」会員限定の「eチケットレス特急券」は、グリーン料金が470円が630円に、普通車指定席料金が210円が420円になります。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240716_02_press_Kaisokumarinelinerminaoshi_1.pdf)

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中央西線の石油輸送について

 2年ほど前の資料ですが、中央西線の石油輸送についてのものがありましたので、紹介します。

 島国の日本では、石油輸送も沿岸部では船で行います。そのため、鉄道の国内石油需要に占める比率は6.7%に留まりますが、船が使えない内陸の長野、群馬、栃木は比率が上がり、県内需要の約80%を鉄道で賄っています。

 その内陸への輸送で今、問題になっているのが、四日市から松本への輸送です。機関車の老朽化で代替の車両が求められていますが、機関車更新費用をどうするかで交渉が難航しています。関西線は単線で線路容量が厳しいため(?)、中央西線は急勾配のため、ディーゼル機関車も電気機関車も機関車が2両要ることもネックになっているようです。新しい電気機関車(EH200)なら1両で牽引できますが、値段が高いようです。

 ただ、石油輸送の拠点となる製油所は、当然ながら海側にあります。四日市や塩浜を除いては、千葉や神奈川に集中しており、長野県には、首都圏と四日市の両方から運び込んでいます。このうち、中央西線からの輸送がなくなれば、首都圏から中央東線経由で運ぶことになりますが、首都圏からの輸送が途絶えたら、長野県に石油が入ってこないということになります。
(参考:国交省ホームページ https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001485832.pdf)

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JR九州、2025年4月に値上げ

 JR北海道は2025年4月に値上げを行いますが、JR九州も2025年4月1日に値上げを行います。消費税率の引き上げに伴うものを除いては、1996年1月以来、29年ぶりの値上げになります。

 運賃は平均14.6%の値上げです。定期に関しては、通勤定期は平均30.3%、通学定期は平均16.0%の値上げです。本来の運賃が上がったことに加え、通勤定期については割引率の見直しも行うからです。特急料金は九州新幹線のみ値上げを行います(隣接駅間等で自由席を利用する場合の特急料金は870円のままです)。西九州新幹線については値上げは行いません。値上げをしても勝負できる九州新幹線とそうではない西九州新幹線の差でしょうか? なお、在来線特急料金、グリーン料金、座席指定料金は値上げを行わず、割引切符は運賃等の値上げに応じて、値上げをする予定です。

 値上げによって、運賃や料金はどうなるのでしょうか? 初乗りは170円から200円になります。博多から主要駅については、小倉(特急自由席)が1910円から2110円に、佐賀(特急普通車指定席、通常期)が2660円から2830円に、長崎(新幹線普通車指定席、通常期)が6050円から6490円に、大分(特急普通車指定席、通常期)が6470円から6910円に、熊本(新幹線普通車指定席、通常期)が5230円から5840円に、鹿児島中央(新幹線普通車指定席、通常期)が10640円から11950円になります。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/07/19/240719_fare_revision.pdf)

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500系、2027年に引退へ

 かつて最高速度時速300キロで走り、流線型のかっこいい車体で人気のあった500系。かつては「のぞみ」専用でしたが、N700系の導入により「こだま」用となり、山陽新幹線を走っています。

 先日、JR西日本からN700Sを増備して、それで捻出されたN700を8両編成に短縮して500系を置き換えるという内容の発表がありました。現在、500系は6編成ありますが、2編成に減ります。

 そしてその500系ですが、さらに減ることになりました。JR西日本がN700Sを追加投入するからです。2026年度から2028年度にかけて、10編成を追加投入します。JR東海のと同じく、飛来物検知装置を追加し、車両データ伝送機能を強化し、バッテリによる空調稼働機能を追加します。また、個室を導入し、自動座席回転装置を備えます。このN700Sの追加投入により余ったN700系については、2026年度から2029年度にかけて、10編成を対象に8両編成化工事を行います。車椅子スペースを4席設置します。

 500系は2027年を目途に営業運転を終了する予定です。

(追記)
 N700Sの追加投入により、「こだま」用として走らせている700系も8編成が引退します。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240724_00_kaiken.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240724_02_press_SanyoShinkansenN700Saddition500closing_2.pdf、産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20240724-XZKKYS73B5IZRERT5JI7G36LLE/)

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「えきねっとQチケ」は10月1日から

 JR東日本がQRコードを使った新たな乗車サービス、「えきねっとQチケ」を始めることは以前にも記事にしましたが、そのサービス開始時期等が決まりました。

 そのサービス開始時期は10月1日乗車分から。乗車券のほか、新幹線及び在来線の特急券を購入することができます(特急券のみの購入はできません)。「在来線チケットレス特急券」、「在来線チケットレス特急券(トク割)」にも対応しています。申し込んだ人と一緒なら、本人を含めて6人まで利用することができます。同行者の乗車用QRコードは、申し込んだ本人から同行者に配布する必要があります。サービス開始エリアはJR東日本の東北エリアの新幹線、在来線で、磐越東線、磐越西線郡山-喜多方間、米坂線今泉以東、羽越線鶴岡以北が範囲です。なお、JR東日本BRT、気仙沼線前谷地-柳津間は除きます。「Suica」エリア外を利用する人、新幹線、在来線に跨がって利用する人、近くに「みどりの窓口」がなく、切符を受け取るために遠くの駅に行かないといけない人におすすめのようです。

 今後は、2025年度下期に東京都区内と東北新幹線東京-郡山間が追加、2026年度下期に上信越エリアと上越・北陸新幹線(上越妙高以東)が追加、そして2026年度末にJR東日本エリア全域に拡大します。JR他社との連携をどうするかが課題となります。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240711_ho02.pdf)

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京阪、2024年度中にQRコードの乗車券発売へ

 2029年度までに磁気乗車券を廃止する京阪。2024年度中に代わりの切符が発売されることになりました。

 どのような切符になるのでしょう? まず、オンラインのクレジットカード決済で乗車券を購入します。そうすると、スマホにQRコードが提供され、改札にかざして通行します。つまり、スマホとクレジットカードがあることが話の前提で、今の磁気乗車券を完全に代替するものではありません。ただ今回目新しいことは、京阪線(京阪本線、中之島線、交野線、宇治線、鴨東線)全60駅の任意の駅間の乗車券を買うことができること。大手私鉄の主要路線の全駅で、任意の駅間に対応する乗車券を発売するのは、京阪が初めてのようです。

 今後については、2025年度に、各駅に目的地のQRコードを示した案内板を設置します。そのQRコードをスマホで読み込めば、出発駅を入力しなくても乗車券を購入することができます。また、磁気乗車券を廃止するときには、スマホに不慣れな人やクレジットカードのない人でも買えるように、QRコードが記載された紙の乗車券を用意します。駅の券売機で、現金で買うことができます。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20240711-QADI4HZAXBPETLCYCAYKKFDKPI/)

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北陸新幹線の京都駅は桂川?

 北陸新幹線の建設費が高いのは、京都に寄るからです。亀岡あたりに駅をつくって新大阪に直行すれば、建設費は下げられるはずです。

 ただ、京都に寄ることによって、北陸新幹線の利用者が増えるとも考えられます。その京都の駅ですが、どこにできるのでしょうか?

 案は3つあります。(1)現在の京都駅の大深度地下に東西方向に設置 (2)京都駅南側の地下に南北方向に設置 (3)JR京都線の桂川付近の地下に設置 です。(1)、(2)はこれまで言われていたですが、(3)のように既存の新幹線駅から離れたところにつくるというのはこれまでになかった話です。

 桂川に新幹線の駅を置くメリットは建設コストが下がり、地下水の問題を避けることができることでしょう。大阪への連絡は東海道新幹線が使えないので(そのためJR西日本にとっては東海道新幹線に客が流出して減収になるとのリスクがなくなります)、「はるか」などの既存の特急を使うか、新たにリレー特急を走らせるのでしょう。JR京都線の桂川には外側線にホームがないのですが、それぐらいは何とかするでしょう。反対にデメリットは京都の中心部に行きにくいことですが、桂川は阪急京都線の洛西口に近いので、それに乗れば良いとも考えられます。

 京都の郊外に新幹線駅を置くことによって、敦賀-京都間の採算が取れ、そこだけはつくることができるようになるかもしれません。ただし、その場合は京都-新大阪間が残り、永久に完成しないというリスクもあります。また、地方のこれからできる新幹線であれば、採算性の良いところだけつくって、そうでないところは諦めるという選択肢もありますが、地方開発の意味合いが薄い敦賀-新大阪間でその論理を持ち出すのがそもそも適切なのか、とも考えられます。非常時用に東海道新幹線をある程度代替する区間として国家的な見地から考えないといけないところです。高崎-金沢間で稼いだのだから、その利益でつくっても良いのです。

 なお、「小浜-京都ルート」の詳細の発表は8月上旬になるようです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20240718-OYT1T50084/、KNB NEWS https://www.knb.ne.jp/news/8162/)

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弘前市、高校生を対象に市内の鉄道やバス等定額乗り放題に

 弘前市は市内に住む高校生などを対象に、弘南鉄道や弘南バス、市内の乗合タクシーに定額で乗り放題になる取り組みを行います。2025年1月から約2か月間、行います。

 なぜそのようなことを行うのでしょうか? 冬場は徒歩や自転車での通学が厳しくなります。そうなると保護者は子供を車で送迎します。保護者にとっては負担ですし、渋滞を招きます。それを防ぐために定額乗り放題のシステムを導入しようとしているのです。
(参考:NHKホームページ www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20240701/6080022992.html、東奥日報ホームページ https://www.toonippo.co.jp/articles/-/1806823)

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岡山電気軌道、7月20日ダイヤ改正で東山線増発

 岡山電気軌道は7月20日にダイヤ改正を行いました。

 今回のダイヤ改正で、東山線の日中の時間帯(9~18時)において、増発を行います。8分間隔から6分間隔に短縮します。清輝橋線については、夜間(18時以降)の時刻を見直します。

 それにしても東山線の日中は6分間隔なのに、清輝橋線の日中は15分間隔。結構大きい差ですが、そんなに利用者に差があるのでしょうか?
(参考:岡山電気軌道ホームページ https://okayama-kido.co.jp/tram/information/post-1591/)

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那覇空港、恩納村から北谷町に直行シャトルバス

 東京バスは沖縄県観光2次交通利用促進事業として、7月25日から9月23日までの間、那覇空港、恩納村から北谷町に直行するシャトルバスの実証運行を行います。沖縄県は美浜アメリカンビレッジに近い、北谷町美浜駐車場を活用して観光2次交通結節点をつくっていて、そこと那覇空港や恩納村とを結ぶのです。観光客は北谷町で乗り換えて、さらに別の観光地に向かうようです。

 さて、直行シャトルバスはA系統(空港線)、B系統(恩納線)の2系統あります。A系統は那覇空港、国際通り入口と北谷町とを結ぶもの。1日9往復(11:00~19:00の間、始発の停留所を毎時0分に出発します)、所要時間は55分です(国際通り入口からは40分)。運賃は1000円です(那覇空港-国際通り入口間のみの利用は不可)。B系統は恩納村のリゾートホテル(6か所)と北谷町を結ぶもの。1日8往復します(運行間隔は60~85分)、所要時間は35~75分です(利用するホテルによって変わります)。運賃は1500円です。A系統、B系統ともに予約は不要で、先着順に乗ることができます。

 これらの直行シャトルバスについては、現金のほか、「ICOCA」等の交通系ICカードが使えます(ほかの東京バスの路線でも、「ICOCA」等の交通系ICカードが使えるところがあります)。JR西日本テクシアが開発した、簡易型IC端末で対応します。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240705_00_press_tokyobus.pdf)

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Osaka Metroと北大阪急行、乗継割引を拡大

 北大阪急行はOsaka Metro御堂筋線と相互直通運転をしています。御堂筋線が大阪市を飛び出たため別会社にしたもので、北大阪急行の利用者はそのままOsaka Metroに乗るのが大半と思われます。

 どうしても2社にまたがって乗ると、運賃が割高になります。初乗り運賃が2回かかるからです。それを緩和するため乗り継ぎ割引がありますが、割引になるのはどちらも初乗り運賃の新大阪-桃山台間の利用に限られ、割引額も20円に留まっています。

 そのOsaka Metroと北大阪急行の乗り継ぎ割引ですが、Osaka Metroコスモスクエア-夢洲間が延伸されるときから、拡大されることになりました。Osaka Metro側は新大阪、東三国の2駅で変わらないですが、北大阪急行は箕面萱野までの全駅に拡大されます。割引額も40円に増えます。

 北大阪急行沿線の人が新幹線に乗るには、ありがたい割引と言えます。
(参考:北大阪急行ホームページ https://www.kita-kyu.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/07/228.pdf)

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芸備線に特急が走った

 鉄道が利用されるには、車に勝つだけのスピードが不可欠です。新幹線も大都市圏の通勤列車も、車より速いから使われるのです。

 さて、一部区間が悲惨なほどにしか使われていない芸備線。その芸備線も、かつて特急用車両を使って高速化しようとしたことがありました。1991年のことですが、地元の沿線7市町でつくる芸備線対策協議会がJR四国の2000系を借り、広島-東城間を走らせたのです。この2000系を使えば、広島-三次間は59分。当時走っていた急行より11分短縮されます。ただ、このアイデアは実現せず、芸備線に特急が走らないままとなっています。

 はっきり言って、輸送密度が2桁台の区間は、どうやっても維持することができません。いち早く諦めて、実情に合った交通機関にするだけです。それよりももっと大事なのは、都市間輸送が期待できる三次以西を何とかすることです。看板列車としての特急は欲しいところですが、車両だけでなく、線路の改良も必要です。どうしようもない状況になる前に広島県が主体となって改良工事を行わないと、芸備線は広島近郊を除いて使えない鉄道になることでしょう。
(参考:中国新聞2015年5月29日)

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北陸新幹線の建設費、2倍近くに

 3月に敦賀まで延伸した北陸新幹線。残るは敦賀-新大阪間です。

 この敦賀-新大阪間は、「小浜-京都ルート」でつくることが決まっています。小浜市、京都市を経由して新大阪に向かうルートです。建設費は約2.1兆円と見込まれています。

 ところがこの「小浜-京都ルート」、建設費がかなりかかるようです。資材が高騰し、難工事が予想されるからです。最新の試算では約3.9兆円になるとも言われています。そのため費用対効果も下がり、1.1から0.5になるとも言われています。同じフル規格新幹線でありながら、米原での面倒な乗り換えが発生しますが、安上がりの「米原ルート」があります。米原で東海道新幹線に乗り換えるものです。こちらも建設費が増え、約0.6兆円から約1兆円になります。費用対効果は2.2から1程度になると言われています。想定工期も「小浜-京都ルート」が15年に対して「米原ルート」は10年と短いですが、「米原ルート」については関係者の調整は全くしていないので、そこから始めないといけません。よって、工期の短さは有利な要素とは言えません。

 もし北陸新幹線がこれからつくるものであれば、全くつくらないか、つくっても米原から分岐させるのが正解でしょう。しかし、北陸新幹線は東京側はすでに敦賀まで完成し、残りはあとわずかです。東京方面は便利になりましたが、大阪方面は敦賀での面倒な乗り換えが発生しています。現実に起きている問題なのです。整備新幹線嫌いのマスコミ(ただし、開業すれば使う)の考えをそのまま鵜呑みにすれば、大阪方面は永久に不便なままで留まり、東京一極集中はさらに加速します。何とかして全区間をつくらないといけないのです。さっさとつくらなかったツケが来ているのです。また、日本の大動脈と言えば東海道新幹線ですが、何らかの事情で動かなくなったときに使えるのが、北陸新幹線です。リニアも将来的にはできるでしょうが、リニアよりも北陸新幹線のほうがさらに東海道新幹線から離れたところを走るので、非常時のバックアップ手段としては優れています。距離が短い分、リニアよりも安上がりにできます。敦賀までは沿線の県のためのもの、という側面がありますが、敦賀から先は違います。もっと広い視野で考えないといけません。

 もちろん、整備新幹線をつくるためには、費用対効果が1を超えないといけません。ただ、費用対効果はいろいろ変数が多く、それをどう考えるかによって変動します。大体、社会的割引率が4%と現在の経済状況を考えると異様に高く、そこを是正するだけで費用対効果の話は解決するとの見解もあります。このように知恵を使わないといけないのですが、ただつくるのを止めるだけでは解決しないのが北陸新幹線敦賀-新大阪間です。

(追記)
 北陸新幹線の工期については、25年になるとの話もあります。
(参考:朝日新聞7月18日朝刊 中部14版、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240719-OYT1T50031/)

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直方に山陽新幹線の駅追加か?

 整備新幹線の場合は「なぜこんなところに駅をつくるのか?」と思うようなところにも駅ができますが、国鉄時代の新幹線は、駅と駅の間隔がかなり開いているところもあります。

 それがはっきりわかるのが福岡県。山陽新幹線は国鉄時代につくられたので、隣の駅は約67キロ(営業キロベース)離れた、小倉。これに対して九州新幹線は整備新幹線なので、駅はたくさんあります。小倉とほぼ同じ距離にあるのは新大牟田(約69キロ)ですが、新大牟田は博多から4つ目の駅です。山陽新幹線は駅が少なすぎ、九州新幹線は駅が多すぎです。

 その駅が少なすぎの山陽新幹線、小倉-博多間に駅をつくる話があるようです。駅ができるのは直方。元々このあたりに駅をつくる構想があったのですが、それが再び出てきたのです。

 具体的にどのあたりにできるのかと言えば、山陽新幹線と福北ゆたか線が交わるところ。福北ゆたか線の筑前植木のあたりです。このあたりは高速道もあります。山陽新幹線と九州道が並行していて、近くには鞍手インターチェンジもあります。車も便利なところです。
(参考:市報のおがた https://www.city.nogata.fukuoka.jp/library/data/machinowadai/image/2024/06/060601_shiho_web_02-03.pdf)

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熊野大花火大会で名古屋まで臨時快速

 お盆の時期に熊野市で行われる熊野大花火大会は、有名な花火大会です。そして、その花火大会の観客輸送のため、JR東海は臨時列車を走らせます。

 臨時列車は熊野市近辺だけでなく、名古屋まで走ります。熊野市へ行く特急「熊野大花火」が3本、名古屋に行く特急「熊野大花火」が4本です。名古屋行きは熊野市を21時台から23時台に出るので、名古屋に到着するのは、0時台から3時台です。2024年は上下ともに8月17日に走ります(夜行となる上りは始発駅基準)。熊野市で泊まって翌日に帰る人向けに、翌日の18日に臨時特急、「南紀98号」が走ります。熊野市始発の名古屋行きです。

 臨時列車は特急だけではありません。快速や普通も走ります。一番遠いもので、快速は津から、普通は多気から走ります。帰りは普段列車が走らない深夜の時間帯なので、さらに範囲は広く、普通は亀山まで行きます。参宮線にも臨時列車は走り、伊勢市まで行きます(多気で乗り換え)。

 快速で一番遠くまで行くのは、名古屋。熊野市18日0:09発名古屋3:56着です。名古屋からの交通機関は当然ながらありませんが、1時間半ほど待てば、始発が動き出します。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043650.pdf)

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「WEST EXPRESS 銀河」、山陽コースで夜行運行へ

 117系を改造してつくったJR西日本の観光列車、「WEST EXPRESS 銀河」。10月から2025年3月までは山陽方面に行きます。山陽方面に走ったことはこれまでに2回ありますが、そのときは昼行で、夜行は今回が初めてです。

 山陽方面(京都-下関間)に「WEST EXPRESS 銀河」が走るのは、始発駅基準で10月4日から2025年3月12日まで(年末年始など走らない期間があります)。下りが月曜日、金曜日で、上りが水曜日、土曜日です。上下いずれも夜行です。

 ただし、今回明らかになった情報はここまでです。詳細はまだ決まっていないので、決まり次第発表されるとのことです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240704_00_press_westexpressginga.pdf)

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ディズニーリゾートラインを貸切にできる

 東京ディズニーリゾートの周りをぐるぐる回る、ディズニーリゾートライン。このディズニーリゾートラインを1両単位で貸し切りにできるのです。ディズニーリゾートラインは6両編成ですが、1組で1両を占領することができるのです。

 どうすればこのようなことができるのでしょうか? 事前に申し込む必要があります。7月10日から28日までの間、3期にわけて事前抽選の予約を受け付けます。抽選の結果は、7月15日から順次、申込時に登録したメールアドレスに通知されます。空きがあれば、8月1日以降に先着順で申し込むことができます。乗車できるのは、7月27日から8月31日の間の指定された列車で、2周します。値段は1組当たり42000円です(最大6人まで乗車可能です)。貸切列車にはキャストが乗り込み、案内をします。小学生以下の子供には、記念撮影用にキャストと同じデザインの帽子を貸し出しします。

 夏休みの思い出づくりに使えそうです。
(参考:ディズニーリゾートラインホームページ https://www.mrc.olc.co.jp/news/pdf/news_20240710.pdf)

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ガイドウェイバス、沿線人口増えて混雑

 大曽根と高蔵寺を結ぶガイドウェイバス。途中の小幡緑地までは高架の軌道、そこから先は普通の道路を走ります。

 そのガイドウェイバス、混んでいるのです。ガイドウェイバスが経由する志段味地区の人口が増えているのです。ガイドウェイバスが開業した2001年の志段味地区の人口は1.6万人でしたが、今は4万人近くに増えています。これだけ人口が増えたので、朝の通勤通学のラッシュ時のときは、所有する車両を駆使しても混雑しています。

 それなら、車両を増やせば良いのでは、とも思われますが、そう単純にはいかないのです。ガイドウェイバスの車両は軌道区間と道路の両方を走るため、特殊な構造となっています。全国でここだけのものなので、その特殊な構造に対応した車両をつくることがコスト面で難しいようです。

 この混雑の問題を解決するために考えられているのが、自動運転の技術。道路の部分はともかく、高架の部分は専用のバスしか走らないので、その部分だけの自動運転は比較的やりやすいでしょう。自動運転の部分では、運転士も要らなくなり、運転士不足の解消に繋がります。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/958ec9405e0673cddec42d9d9a4fa46dfdd01410)

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特急の車内でタクシーの手配

 公共交通機関を使うときに問題になるのが、駅からのアクセス。地方なら、バスも当てにならないことが多々あります。タクシーすら駅前に停まっていないこともあります。

 そこで、JR四国と株式会社電脳交通は、特急の車内からタクシーを手配することができるサービスの実証実験を行います。実証実験を行うのは6月24日から11月30日の間。予讃線の停車駅のうち、宇多津、丸亀、多度津、川之江、伊予三島、今治の6駅で実証実験を行います。

 どうやって使うのでしょうか? JR四国の特急列車(8600系、8000系)の二次元コードからタクシー手配フォームを読み込みます。そのタクシー手配フォームに、氏名、電話番号、利用日、列車名、降車駅を入力して、到着15分前までに送信します。配車できるかどうかは乗客のスマホにショートメールで通知されます。なお、運賃や迎車料金などのその他料金は、各タクシー会社の定めに準じます。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2024%2006%2019%2005.pdf、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASS6P4W46S6PPLXB00KM.html)

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新八代のフリーゲージトレインの設備、10月に撤去か?

 新幹線と在来線とでは、軌間が異なるので、このままでは直通することができません。山形新幹線や秋田新幹線は直通することができますが、それは改軌したからです。ただ、改軌にはかなりの手間がかかり、そう簡単にはできるものではありません。

 そこで出てきたのが、新幹線と在来線を直通する特殊な車両をつくって対応する技術。フリーゲージトレインです。西九州新幹線に導入することを目指して、新八代に試験設備を設け、実験を重ねてきましたが、コストの問題などで実用化できませんでした

 必要性がなくなったフリーゲージトレインの設備は、10月から撤去を始めます。2025年度中に撤去工事は終わる予定です。フリーゲージトレインの設備の跡地には九州新幹線のレール交換のための施設をつくります。
(参考:共同通信ホームページ https://nordot.app/1185127993034490378?c=39550187727945729)

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JR東日本、JR西日本、車両の装置、部品の共通化を検討へ

 国鉄時代は当然ながら全国で共通の車両を使っていましたが、分割民営化で分かれると各社で独自の車両をつくるようになりました。しかし、会社ごとに車両をつくると、非効率になってしまいます。大量に車両をつくったほうが、安いコストでできるのです。

 そこでJR東日本とJR西日本は、在来線車両における装置、部品の共通化を目指すことにしました。旅客輸送量や労働生産人口が減っても、将来にわたって鉄道事業を維持発展させ、安定的な輸送サービスを提供するためです。すでに新幹線では北陸新幹線でE7系、W7系の共同設計、相互直通運転を行っていて、それを在来線にも拡大しようとしているのです。

 それでは、どのように共通化していくのでしょうか? まずは、装置・部品の共通化の検討から行います。モーター、オイルダンパー、行先表示器、パンタグラフなどから共通化の検討を行います。その後、事業者の独自性と効率化のバランスを見ながら共通化の対象となる部品を拡大していきます。なお、ドアの位置や枚数、車体幅や長さ、前頭部のデザインといった鉄道事業者で独自の仕様となるものについては今後の検討事項となります。中距離電車でも4扉の通勤型が走るJR東日本と、3扉の転換クロスシートが主体のJR西日本では、求められる車両も異なるでしょう。

 ただ、JR東日本とJR西日本が装置、部品の共通化を目指すことによって、車両メーカー等に対する発言力が高まります。車両の基本パターンを統一しておけば、規模の小さい鉄道会社でもそれに従えば比較的安いコストで新車を導入することができるようになるかもしれません。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240705_ho02.pdf)

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加算運賃の制度が柔軟に

 通常の運賃のほかに、加算運賃がかかる鉄道があります。新しくできた路線にかけることができるもので、これで新線建設にかかった費用を回収することができます。しかし、鉄道が開業しないと、加算運賃をかけることができません。新規開業区間でしか徴収することができないからです。

 既開業区間でも加算運賃を徴収することができる方法があります。特定都市鉄道整備積立金制度です。工事期間中から10年間、加算運賃を徴収することができ、この制度によって平成の東京の私鉄の複々線化が進んだのですが、これにも欠点があります。対象となる事業が事業者の年間旅客運送収入額以上のものに限られるので、簡単に使えるものではありません。どうしても、将来の人口減少を悲観して、鉄道事業者が積極的な投資をやりにくくなります。

 ところが、6月19日に国交省が公表した、今後の都市鉄道整備の促進策のあり方に関する検討会の報告書によれば、加算運賃の制度が柔軟になるようです。まず、加算運賃の対象となる事業が拡大します。輸送力増強、大規模な駅改良、新線整備など、利用者の利便性向上につながるのならいいのです。事業規模は問いません。これまで事実上不可能であった、JRが加算運賃を収受することも可能になります。また、加算運賃を設定することができる区間は整備区間以外でも良くなります。受益が認められれば良いのです。加算運賃ができる期間も拡大します。工事を開始してから費用の回収が完了するまでです。工事中でも設定することができ、期間も10年間に留まりません。

 このような加算運賃によって、バスでも十分なローカル線ではなく、都市鉄道の整備が進むのなら、それはそれで望ましいことと言えます。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/chuosen-fukufuku/)

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余市町、並行在来線のバス転換を撤回か?

 北海道新幹線が全線開業すると、函館線函館-小樽間は並行在来線となり、JRから分離されます。このうち、特急列車や貨物列車がなく、完全にローカル輸送になる長万部-小樽間については、鉄道が廃止され、バスになります。

 長万部-小樽間と一口に言っても、状況は大きく異なります。路線バスでも過大なところから鉄道で十分やって行けそうなところまであり、代替バスの計画もデマンドバスから高速バスまで様々なバスを駆使します。余市-小樽間のように需要の多い区間でも対応できるようにしているようです。しかし、バス会社は運転士不足を理由に全区間のバス転換に厳しい態度を示しています。整備新幹線がなければ文句なしに鉄道が存続する余市-小樽間を無事バスに転換できるか怪しいところです。

 そんな中、一旦はバス転換を受け入れた余市町ですが、バスでは十分に運ぶことができないことを危惧した余市町は、その合意を撤回する考えのようです。6月の定例町議会で斉藤余市町長がその考えを示しました。

 確かに世の中には、バスでも過大で、鉄道はどうやっても維持することが無理、というところもあります。そういうところは鉄道を廃止し、需要に合った交通手段に変えるのが望ましく、そうしなければならないでしょう。しかし、鉄道を残すのが望ましいところは、残さないといけないでしょう。
(参考:北海道新聞ホームページ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1029092/、https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1031333/)

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ひたちなか海浜鉄道、キハ100を導入

 ひたちなか海浜鉄道の主力車両のひとつがキハ11。JR東海、東海交通事業から来ました。

 そのひたちなか海浜鉄道ですが、新たに中古車両を導入することにしました。今回導入するのは、JR東日本のキハ100、3両を導入します。それぞれ役割も決まっていて、キハ100-39がミキ300-103の代替車両、キハ100-41がキハ205の代替車両、そしてキハ100-40が観光列車用です。導入時期は未定ですが、譲受後に所定の整備を行ってから営業運用に就くことになります。また、観光列車等のデザインについては、決まり次第発表されます。

 なお、ひたちなか海浜鉄道には延伸のがあります。延伸すればその分だけ必要とする車両が増えます。今後も車両を増やす予定だそうです。
(参考:ひたちなか海浜鉄道ホームページ https://acrobat.adobe.com/id/urn:aaid:sc:AP:90c1375e-6acc-4727-bc60-6d9047d509f7、茨城新聞ホームページ https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=17200133419274)

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三岐鉄道は211系で全車両を置き換え

 三岐鉄道にJR東海の211系が入るという記事は以前にも書きましたが、三岐鉄道の211系は5編成15両に留まらなかったのです。

 三岐鉄道に入るのは、3両編成30両。うち営業用に使うのが24両です。残りの6両は部品取り用なのでしょう。この30両で三岐線で使っている21両を全て置き換えるのです。三岐線の旅客列車は全て211系になるのです。

 JR東海から来た211系は、三岐線での運用に必要な改造工事を行ってから、順次投入していく予定です。具体的な日程は決まり次第の発表となります。
(参考:三岐鉄道ホームページ https://sangirail.co.jp/files/211kei.pdf)

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静岡にもお客様サポートサービス

 JR東海は名古屋地区で、お客様サポートサービスというものを行っています。そのお客様サポートサービスですが、静岡地区に拡大することになりました。

 今回拡大するのは、東海道線の片浜、原、東田子の浦、吉原、富士川、新蒲原、蒲原、由比の各駅です。これらの駅には近距離券売機の近くにモニタ付きのインターホン、券面確認台を新設して案内センターとつなぎます。セキュリティカメラ、スピーカー等も新設します。改札内インターホンには「ご案内タッチパネル」を新設し、タッチパネル上で精算等の案内を行います。また、これまでは早朝、夜間等の駅係員不在時は切符の購入、ICカードへのチャージ、乗り越し精算等ができなかったのですが、お客様サポートサービス導入によって、始発から最終まで、どの時間でも対応することができます。基本的には案内センターのオペレーターが対応しますが、現地での係員対応が必要なときは、原、富士川にいる係員が対応します。片浜、原、吉原にはサポートつき指定席券売機を設置します。新幹線、在来線の指定席特急券などのほか、オペレーターが応対することで、学割など証明書が必要な割引切符の購入もできます。

 静岡地区のお客様サポートサービスは2025年6月ごろから始めます。工事費は約6億円です。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043639.pdf)

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JR九州にもくじで行き先が決まる切符

 JR西日本に、サイコロで行き先を決める切符がありますが、JR九州でも同様の切符をつくりました。「九州アプリ くじきっぷ」です。5000円で、博多から鹿児島中央、熊本、浦上・長崎、別府・大分のどこかに行くことができるのです(往復指定席です)。

 発売数は先着10000組(1組2人まで。2人の場合、同一行程での利用となります)。行き先の確率は、鹿児島中央が500組、熊本が2500組、浦上・長崎が2500組、別府・大分が4200組、そして大当たりのJR九州線3日間乗り放題が300組です。インターネットの割引切符でも博多-別府・大分間の往復が5100円ですので、損はしないことになります。

 この「九州アプリ くじきっぷ」の利用開始日は、7月1日から9月28日までですが、7月13~15日、8月9~18日、9月14~16日、9月21~23日は利用できません。有効期間は3日間ですが、往復指定席の切符は列車ごとに利用できる席数に限りがありますので、早めの予約が必要です。

 ここで肝心なことを書き忘れていました。この「九州アプリ くじきっぷ」、9月26日までの発売予定でしたが、すでに完売していたのです。これから申し込むことはできないのです。あっという間に売り切れたので、そのうち第二弾ができることでしょう。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/06/27/20240627_kyushu_aplli_kuji_tiket__update_campaign_2nd_edion_1.pdf)

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伊予鉄バス、松山-新尾道・福山線の経路変更

 松山と福山をしまなみ海道経由で結ぶ高速バス、「キララエクスプレス」。8月1日から経路を変更します。

 経路は、松山側、福山側の両方で変わります。松山側では、これまで国道196号線を経由していましたが、松山道経由に変わります。松山インター口、川内インターにバス停を新設し、JR松山駅、北条を廃止します。福山側では、これまで山陽道を経由していましたが、国道2号線経由に変わります。福山本郷、千田BS、広尾、新橋の各バス停を廃止します。新尾道はこれまで通り、寄ります。

 この経路変更により、松山市駅-福山駅前間の所要時間は20分短縮し、最速2時間40分となります。
(参考:伊予鉄道ホームページ https://www.iyotetsu.co.jp/topics/press/2024/0620_bhmh.pdf?)

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社長と話ができる、秋田内陸縦貫鉄道

 秋田内陸縦貫鉄道は、鷹巣と角館を結ぶ、94.2キロの鉄道。県庁所在地の秋田を無視して走っているため、利用者は少ないです。ただ、このようなローカル鉄道だからこそのメリットもあります。仕事に余裕があれば、乗客が社長と話をすることができるのです。

 どうすれば話ができるのかと言えば、本社最寄り駅の阿仁合の窓口で申し出れば良いのです(駅には、社長が今、忙しいかどうかわかるボードがあります)。本社は駅から数分のところにあり、社長が来てくれるのです(忙しいときや出張中は、ほかの人が対応します)。

 この社長と話ができるサービスは、社員の発案で1月から始まりました。これまで10~70代の男女10人ほどが利用し、おすすめの風景やお土産、車両の特徴について話をしたそうです。
(参考:共同通信ホームページ https://nordot.app/1177398311053771057)

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新山口-センザキッチン間に乗合タクシー

 冨士第一交通有限会社という長門市に本社を置くタクシー会社が、新山口-センザキッチン間に乗合タクシーを走らせています。

 この乗合タクシー、新山口とセンザキッチンの間を1日4往復しています。新山口-センザキッチン間の所要時間は1時間30分、センザキッチン側では、長門湯本温泉、冨士第一交通湯本営業所前、長門市役所前、長門市駅にも停まります。ジャンボタクシーを使い、運賃は大人2000円、子供1000円です。支払は車内で行うか(現金のほか、クレジットカードやPayPayも使えます)、事前に「tabiwa by WESTER」で支払います。予約は各便始発の30分前まですることができます。電話やインターネットのほか、「tabiwa by WESTER」でも行うことができます。

 この乗合タクシーにJR西日本の「tabiwa by WESTER」が使えるようになったということは、乗合タクシーを美祢線の代替手段として考えているということでしょう。美祢線の起点は新幹線停車駅の厚狭ですが、「こだま」しか停まりません。それに比べて新山口は、一部ですが「のぞみ」も停まる主要駅です。広域で観光客を呼ぶなら、厚狭よりも新山口のほうが明らかに便利です。乗合タクシー自体、赤字かもしれませんが、美祢線につぎ込むお金に比べたら少ない額で済むでしょう。

 こうなったら、美祢線の復旧は更に遠のきます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240628_06_press_ShinyamaguchiandNagatodirect.pdf)

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「小浜-京都ルート」、美山町の問題は解決か?

 北陸新幹線「小浜-京都ルート」には、京都市内の水問題のほか、南丹市美山町でも問題があります。

 美山町はかやぶきの里として知られているところで、工事による景観の破壊と水の問題から新幹線に反対しているのです。環境アセスメントの実施を拒否しているところもあります。環境アセスメントができないと、新幹線の着工ができないからです。しかし、この問題も解決に向かいつつあります。近隣の地域で環境アセスメントが行われていて、多少のルート変更で何とかなりそうなのです。

 多少の計画の変更で「小浜-京都ルート」ができるのなら、それに越したことはありません。「米原ルート」はつくるのが簡単なように見えますが、そうではありません。早いには着工してからことであって、それまでに関係者の同意を取り付ける必要があります。「小浜-京都ルート」でやってきた話をもう一度する必要があります。「小浜-京都ルート」に致命的な問題があり、着工できないのならともかく、そうでない限りは「小浜-京都ルート」で話を進めていくほうが賢明でしょう。
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20240706-hokurikushinkansen/)

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京阪も2029年度までに磁気乗車券廃止

 京阪も6月17日にQRコードの切符を導入しました。

 その京阪ですが、2029年度までに磁気乗車券を廃止する方針です。首都圏の私鉄ではすでに磁気乗車券の廃止を打ち出しているところがありますが、関西ではこれが初めてと思われます。

 話は変わりますが、京阪はJR西日本との間で連絡普通券を発売していますが(京橋、東福寺、河内森を経由することが条件)、9月30日でその発売を終了します。この連絡普通券の発売終了とともにJR西日本との乗継割引も終了します。なお、通勤、通学ともに連絡定期券は継続して発売します。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF065V70W4A600C2000000/、京阪ホームページ https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/240628_keihan-railway.pdf)

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中央線の支線は15分間隔で線内折り返し

 Osaka Metroには、大阪・関西万博が終わっても、新たな路線の計画があります。中央線の森ノ宮と森之宮検車場を結ぶ路線を営業化するのです。森之宮検車場のあたりには大阪公立大学の新キャンパスができます。そのアクセスとして地下鉄の新路線ができるのです。2028年4月に開業する予定です。この新路線ですが、Osaka Metroは3月27日に国交相に対して軌道事業の特許を申請していましたが、6月28日に特許を取得しました。

 新路線は中央線森ノ宮と森之宮新駅(仮称)を結ぶ1.1キロ。森之宮新駅ができます。森之宮新駅とは紛らわしい名前ですが、新駅の場所が大阪市城東区森之宮一丁目にあるので、仮称として名付けられたのでしょう(ちなみに、森ノ宮は大阪市中央区森ノ宮中央一丁目にあります)。実際には、大阪公立大学前など、わかりやすい地名になると思われます。

 事業費は約50億円で、事業主体のOsaka Metroが全額自己負担します。すでに検車場への路線として使っているものを転用するので、コストがあまりかからないのでしょう。運賃はOsaka Metroの運賃体系をそのまま使い、加算運賃はありません。ダイヤは森ノ宮-森之宮新駅間での折り返し列車が15分間隔で走り、本町方面には直通しません。なお、アリーナ(大阪城ホール?)での大規模イベント開催時等には臨時列車を走らせることを検討しています。
(参考:Osaka Metroホームページ https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20240628_morinomiya_kidoujigyou_tokkyo.php、マイナビニュース news.mynavi.jp/article/20240628-2975384/)

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北陸新幹線、京都市内は南北に走る?

 北陸新幹線は京都に寄ります。その北陸新幹線ですが、京都市内のどのあたりを通るのでしょうか?

 鉄道・運輸機構によれば、京都市内で地下水は北から南に流れます。京都盆地の北縁部(京都市営地下鉄烏丸線の北端あたりです)から京都の中心部を通って、酒づくりが盛んな伏見のほうに流れていくのです。この地下水の流れを考慮して、新幹線のトンネルは南北方向につくられるようです。東西方向に比べて、地下水の流れを阻害しにくいからです。ただ、新幹線のルートは伏見の酒づくりが盛んなエリアは外すようなので、その手前で南西の新大阪方面に向きを変えるようです。

 もちろん、京都の都心を避ければ、地下水の問題は解決します。ただ、鉄道・運輸機構が公表した資料では、京都の都心を避けるという選択肢はないようです。いろいろ考えがあるとは思いますが、北陸新幹線の駅も京都に併設するのが話の前提にあるようです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hokurikuchosa2024/)

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大鰐線はバス運転士不足のため存続へ

 弘南鉄道の大鰐線については、存廃の話が出ています。2023年には大鰐線で脱線事故があり、4か月にわたって長期運休をしていました。2023年度の決算は弘南線が約0.97億円の赤字、大鰐線が約1.31億円の赤字でした。どちらも収支見通しよりも悪い数字です。

 そんな中、6月25日に大鰐線の沿線の弘前市長と大鰐町長が、会談を行いました。その会談で弘前市は大鰐線を存続させる方針であることを明らかにしました。大鰐町も弘前市の方針に従う方針です。

 大鰐線の2021年度の輸送密度は400人(同時期の弘南線は1897人)、弘南線ぐらいの輸送密度があれば鉄道を存続させるのが望ましいですが、たった400人の大鰐線を存続させるのは意外です。存続させるということは、お金の負担もあるのですから。それなのに、なぜ大鰐線の存続を決めたのかと言えば、代替交通機関のバスの運転士が確保できる見通しが立たないからです。また、鉄道にしろ、バスにしろ、運行するためにはお金が必要です。鉄道を存続するのにもお金が要りますが、バスでも要ります。弘前市の試算では大鰐線を廃止してスクールバスを運行した場合、約1.37億円かかります。鉄道だからと言って極端に大きな金額が必要になるわけではないと考えているのです。

 JRに甘えるだけのJR赤字ローカル線と違い、大鰐線の場合は地元の負担で鉄道を存続させます。その心意気は買いたいです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/konan-owani202406/)

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豊肥線は東京より混んでいる?

 JR九州で一番混んでいる路線はどこでしょうか?

 国交省が2023年に公表した調査によれば、2022年度、JR九州で一番混んでいた路線は豊肥線(肥後大津-熊本間)でした。8~9時の混雑率は135%で、東京圏の平均の混雑率、123%を上回っています。TSMCの進出や住宅の開発で利用者が増えています。

 このうち、乗車人員が1年で1.5倍に増えた原水については(2022年度の1日当たりの乗車人員は1089人でしたが、2023年度は約1.5倍に増えています)、2024年度中に駅のホームの幅を広げる工事を行います。現在の約2メートルから、さらに1メートルほど広げます。ただ、それだけでは足りません。通勤、通学時間帯の輸送力の増強を図る必要があります。複線化が一番効果的でしょうが、費用がかかります。JR九州は車両の増結などで対応することを考えているようです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/b40bfef2f6d6f3331d592827d1bb20dc933331dd、https://news.yahoo.co.jp/articles/81b232110f02024ab681c273871bccaef5b959f0)

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JR北海道の値上げ、初乗りは210円

 以前にも記事にしましたが、JR北海道は2025年4月1日以降発売する分から、値上げを行います。JR東日本などと一緒に行う「グランクラス」の値上げを除いて料金の値上げはなく、運賃だけの値上がりです。運賃は平均6.6%の値上げですが、定期券は割引率の見直しもあるため、平均で18.9%の値上げとなります。結構な値上げになります。

 この値上げによって、初乗りは200円から210円に上がります。札幌近郊の運賃で比較すると、小樽が750円から800円に、新千歳空港が1150円から1230円になります。特急を使う長距離(普通車指定席)では、函館が9440円から9770円、釧路が9990円から10320円、旭川が5220円から5440円になります。割引切符も運賃の値上げに応じて、値上げする予定です。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/fare/、https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20240628_KO_unchinkaitei.pdf)

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