« July 2024 | Main | September 2024 »

August 2024

大井川鐵道は3年で復旧&「きかんしゃトーマス」は冷房化

 大井川鐵道は2022年秋の台風で被害を受け、一部区間で運休を続けています。

 この大井川鐵道ですが、鳥塚社長によれば、3年以内に全線復旧するのが目標だということです。すでに災害から2年経っているので、その期間を含めて5年以内にしたいというのが考えのようです。5年も運休の期間が続くと、ないのが当たり前ということになってしまうからです。当然ながら、復旧にはお金がかかります。約22.1億円が見込まれ、公的負担もありますが、それでも8.4億円以上が大井川鐵道の負担となります。鳥塚社長としては、親会社のエクリプス日高に相談するとともに、復旧費用を何とかして抑えることを考えています。大井川鐵道が地元の足として機能しているとは言いがたいので、観光の面から公的資金を引き出すことを期待しているようです。

 また、子供に人気の「きかんしゃトーマス」については、客車を冷房化することを考えています。「きかんしゃトーマス」の客車は昭和20年代につくられたものなので、当然ながら冷房はありません。扇風機だけで、車内は暑いです。鉄道ファンなら旧型客車ということで冷房がなくても問題ではありませんが(逆に古い客車ということで評価してくれる)、そうでない人にとっては冷房がないというのは想定外で、非常識です。次の夏までに冷房化する予定です。

 そのほか、いすみ鉄道やえちごトキめき鉄道での経験を踏まえ、高価格帯の観光グルメ列車を走らせます。完全予約制で、食品ロスが出ないようにします。地元の海の幸を売り物にし、値段は1.5~1.6万円を考えています。この冬にも走らせる考えです。先ほども述べたように大井川鐵道は地元の人のための交通機関ではなく、観光施設です。付加価値を付けてお金を払っても乗りたい人向けに走らせるのは良い考えでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASS8N4RG2S8NUTPB002M.html)

| | | Comments (0)

3000ポイントで北陸新幹線3日間乗り放題

 「WESTERポイント」9000ポイントでJR西日本3日間乗り放題、というお得な切符をつくったJR西日本。そのJR西日本ですが、新たな切符をつくりました。

 それは、「WESTERポイント北陸新幹線フリーパス」。「WESTERポイント」を全部あるいは一部使って買うと、北陸新幹線糸魚川-敦賀間の普通車自由席が3日間乗り放題です。普通車指定席も6回まで乗ることができます。発売期間は9月1日から12月24日まで、利用開始日当日でも購入することができます。利用期間は10月1日から12月26日までで(12月24日利用開始分まで発売)、有効期間は3日間です。

 値段は「WESTERポイント」のみを使って買うものが、大人3000ポイント、子供1500ポイントで、子供のみの発売や利用はできません(大人1人のみの利用はできます)。「WESTERポイント」とお金を併用するものが、大人300ポイント+9000円、子供300ポイント+4500円で、子供のみの発売や利用はできません(大人1人のみの利用はできます)。

 今回の「WESTERポイント北陸新幹線フリーパス」は、「WESTERポイント全線フリーきっぷ」と違って、北陸エリアだけしか乗ることができません。大阪などほかの地域から行く場合は、北陸までの切符を別途用意する必要があります。ただ、これにも「WESTERポイント」が使えます。「WESTERポイント超特典きっぷ」です。山陽新幹線で一時発売していた切符ですが、北陸新幹線で発売することになりました。発売期間は9月1日から12月26日まで、利用開始日当日でも購入することができます。利用期間は10月1日から12月26日までです。値段は通常期の場合、大阪・新大阪-越前たけふ間が1510ポイントなので(大阪・新大阪-敦賀間の設定はなし)、正規の値段の1/4程度で乗ることができます。
(参考:JRおでかけネット https://www.jr-odekake.net/goyoyaku/campaign/hokurikufree/)

| | | Comments (0)

「WEST EXPRESS 銀河」山陽コースのダイヤ

 10月から運行を始める、「WEST EXPRESS 銀河」山陽コース。このダイヤ等が発表されました。

 下りの京都発下関行きは、京都を21:15に出ます。途中、新大阪、大阪、三ノ宮、神戸、西明石、姫路、広島、宮島口、岩国、柳井、徳山、防府、新山口、宇部、新下関に停まり、終点下関には10:50に着きます。どの停車駅からも乗ることができますが(8分しか乗りませんが、新下関から乗ることも可能です)、降車は広島以遠の各停車駅に限ります。上りの下関発京都行きは、下関を19:43に出ます。途中、新下関、宇部、新山口、防府、徳山、柳井、岩国、広島、神戸、三ノ宮、大阪、新大阪に停まり、終点京都には6:43に着きます。乗車できるのは広島までの各停車駅、降車できるのは神戸以遠の各停車駅です。ただし、普通車指定席(リクライニングシート)利用の場合に限り、新下関-広島間の各停車駅でも降りることができます。

 「WEST EXPRESS 銀河」ではイベントも行われます。岩国-下関間では山口県内の自治体が車内イベントを実施する日があります。4号車のフリースペースなどでは、山口県内の自治体による工芸品の展示などが行われます。下りでは、停車時間の長い柳井(8:13着、8:31発)において、昭和の売り子スタイルでの軽食(鯛めし、特産品を使ったおにぎり等)を販売する日があります。また、金曜日出発の下りは、姫路で「えきそば」を食べることができます(月曜日発は姫路での停車時間が2分しかないので、食べることができません)。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240822_00_press_WESTEXPRESSGingaSanyo.pdf)

| | | Comments (0)

銚子電鉄、南海2200系をもう1編成譲受

 銚子電鉄は南海2200系を譲受し、3月から走らせています。

 そして、8月16日に銚子電鉄は南海2200系をもう1編成譲受しました。これで南海2200系は合わせて2編成ということになります。すでに走り始めている第1編成と同じく、銚子電鉄を走ることができるように改造を施します。銚子電鉄は600ボルトなので、それに対応する工事などを行います。そのような改造工事が終わってから、第2編成は銚子を走ります。
(参考:銚子電鉄ホームページ https://www.choshi-dentetsu.jp/news/6677/)

| | | Comments (0)

大井川鐵道、EL急行料金を倍の1000円に

 大井川鐵道の観光列車と言えば、SL。しかし、SL、ELともに5月29日から9月18日までの間、整備のため運休しています(「きかんしゃトーマス」は運行を続けています)。

 その大井川鐵道ですが、ELの運行を再開する9月19日から、EL急行料金を改定します。現在は大人500円、子供250円ですが、倍の大人1000円、子供500円になります。SL急行料金と同額になるのです。5年ほど前まではEL急行料金というものはなかったのですが、観光列車として通の鉄道ファンには使えるということがわかり、お金を取るようになったのです。ある意味、ELが牽く列車は、SLよりも貴重な存在ですから。
(参考:大井川鐵道ホームページ https://daitetsu.jp/sl)

| | | Comments (0)

「サンキュー♥ちばフリーパス」等、京成等にも乗車可能に

 千葉県内のJRや一部の私鉄、バス、フェリーが乗り放題の「サンキュー♥ちばフリーパス」、それに加えて都区内各駅からの往復もセットになった「サンキュー♥ちばフリー乗車券」。2024年秋と2025年早春にも発売します。秋の発売期間は9月1日~10月30日、利用期間は9月1日~10月31日、早春の発売期間は2025年1月4日~2月27日、利用期間は2025年1月4日~2月28日です。値段は「サンキュー♥ちばフリーパス」が大人3970円、子供1980円、「サンキュー♥ちばフリー乗車券」が大人4790円、子供2390円です。

 この「サンキュー♥ちばフリーパス」、「サンキュー♥ちばフリー乗車券」ですが、今回から3社が新たに加わることになりました。京成、新京成、芝山鉄道です(北総鉄道は2023年度から利用可)。千葉県内部分のみ使えます。すでに系列の北総鉄道で使えるようになっていたとはいえ、大手私鉄の京成が使えるようになるとは意外でした。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/chiba/20240822_c01.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/127801)

| | | Comments (0)

「(おためし)WESTERポイントチケットレス」

 以前の記事で「WESTERポイントチケットレス」について取り上げましたが、期間限定でさらにお得な「WESTERポイントチケットレス」というものを発売します。「(おためし)WESTERポイントチケットレス」です。

 どういうものでしょうか? 発売期間は8月26日から11月30日までの間。乗車日の前日及び当日(出発時刻の2分前まで)のみ発売します(8月26日利用分は当日のみの発売)。設定区間は京都-新大阪・大阪間のみ。所定の特急料金は1290円(通常期の指定席の場合、列車によっては760円の自由席もあります)ですが、この「(おためし)WESTERポイントチケットレス」なら250円+WESTERポイント200ポイントです。ちなみに、「WESTERポイントチケットレス」は450円+WESTERポイント200ポイントでした。

 なお、支払はクレジットカードのみです。WESTERポイントでの支払いも要ります。また、「(おためし)WESTERポイントチケットレス」は特急券のみなので、別途乗車券が必要です。

(追記)
 この「(おためし)WESTERポイントチケットレス」は2023年12月から2024年1月にかけても発売していました。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240823_00_press_westerpoint_ticketless.pdf、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20231127-2826238/)

| | | Comments (0)

散髪のできる鉄道車両

 世の中には、散髪ができる車両というものがあります。

 どこの鉄道にそのような車両があるのかといえば、赤沢森林鉄道。赤沢森林鉄道はかつて木曽に張り巡らされた森林鉄道の一部で、観光用として残っています。そこに散髪ができる車両、理髪車が残っています。なぜ理髪車があるのかと言えば、伐採作業や材木の運搬などに従事する作業員は、山の中で何週間も泊まり続けます。町の理髪店に出かけようとしたら、少なくとも2時間かかってしまいます。そういう背景から、理髪車が誕生したようです。理髪車は走りながら散髪するのではなく、駅や作業場を定期的に巡回して、そこに停まって散髪をしていました。ちなみに散髪は、営林署の職員が行っていました。

 その理髪車ですが、今でも不定期ながら散髪をすることができます。3000円払えば、散髪ができます。散髪をするのはプロの理容師で、東京からやってくるようです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/134271)

| | | Comments (0)

新駅の名前はだるま?

 信越線北高崎-群馬八幡間、北高崎から西に2.6キロ、群馬八幡から東に1.4キロのところに新駅(ホームの長さ125メートル、無人駅)ができるという話は以前に書きましたが、その続報です。

 高崎市はこの新駅の名称について3つの候補を選び、JR東日本高崎支社に示しました。高崎市としては、この3つの中から選んでほしいとしています。

 それでは、新駅の名称の候補はどうやって選んだのでしょうか? 高崎市は6~7月に、全市民を対象にアンケートを行いました。高崎市は新駅の駅名について4つの案(西高崎、豊岡新、豊岡だるま、高崎豊岡)を出し、このうちのどれが良いか選んでもらったのです(4案以外でも可)。その結果、1~3位の豊岡だるま(57.5%)、高崎豊岡(13.7%)、高崎経済大学前(自由記述で選ばれたもの。駅から約1キロのところにあります。6.8%)を駅名候補として選んだのです。

 いくら高崎はだるまで有名とは言え、過半数の豊岡だるまは妙な駅名です。新駅の近くには高崎だるまミュージアム(仮称)ができるので、それに合わせた駅名とも言えます。
(参考:上毛新聞ホームページ https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/503298)

| | | Comments (0)

北海道新幹線、開業は6年遅れか?

 北海道新幹線の札幌延伸は2031年春ごろの予定でしたが、遅れます。それでは、どれぐらい遅れるのでしょうか?

 正式には発表はありませんが、どうやら6年遅れるとのことです。2036年度の開業になるようです。12年ほど先の話になります。

 もともと北海道新幹線の着工が決まったときは、2035年度末の開業予定でした。一時は2031年春の開業予定とされていましたが(もし札幌で冬季オリンピックが開かれることが決まっていたら、それに間に合わせたことでしょう)、結局は元に戻ったところか、さらにそれよりも遅くなることになったのです。

 延伸時期が延びるのは残念ですが、できるだけ早く延伸してほしいものです。新幹線は今までの常識を覆します。
(参考:財界さっぽろホームページ https://www.zaikaisapporo.co.jp/sawari/article.php?id=19043)

| | | Comments (0)

日本最東端の東根室、廃止か?

 日本最東端の駅は東根室。ところが、その東根室に廃止の話があるのです。

 東根室の利用者が少ないからでしょうか? そういうわけではありません。1日平均の乗車人員は10.8人(2018~2022年の平均)で、根室線釧路-根室間ではむしろ多いほうです。釧路-根室間には両端の釧路、根室を含めて18駅ありますが、乗車人員10人以上は東根室を含めて7駅のみなのです。JR北海道では駅の廃止にならない水準(3人以上)です。

 それなのになぜ駅の廃止の話が出るのでしょうか? 東根室から東に1.5キロのところに根室高校がありますが、そのへのバスが改善されたのです。2023年4月に厚床からのバスが根室市内で根室高校へのバスと接続するようになり、学校の前までバスで行くことができるようになりました。また、厚床方面のバスは根室線とは別のところを走っていましたが、同じ2023年4月からは根室線に沿って走るバスも走り始めています。このバスは1日1往復(水曜日は1.5往復)しかありませんが、通学に便利な時間に走ります。ダイヤが良いので、落石方面からの利用が多いです。

 ただ、参考にしたJR北海道のホームページを見れば、高校生の通学に根室線が使われていたとはとても思えません。バスが充実する2022年度のデータですが、東根室発着の通学定期券は月たったの0.3枚、根室発着を加えても月10枚未満です。通学に便利そうな根室8:00着の列車もガラガラです。どうやらバスが充実する前でも、根室線は使われていなかったようです(2018年度の時点でも、使っていたのは541人の全校生徒の中でたったの25人)。それでは、根室高校の生徒はどうやって高校に通っていたのでしょうか? そして、東根室はどういう人たちが使っているのでしょうか?
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/higashinemuroeki/、JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/8senku/8_02_2022.pdf、北海道教育大学ホームページ https://www.hokkyodai.ac.jp/files/00006400/00006447/20191001143112.pdf)

| | | Comments (0)

JR神戸線などに「快速 うれしート」拡大&秋の連休に臨時「Aシート」

 2023年10月に大和路線で走り始めた、「快速 うれしート」。朝の通勤時間帯などに最後部車両の半分をのれんで区切って、有料エリアとします。座席は転換クロスシートのままですが(席によっては反対向きのところもあります)、座席は確保されているののがメリットです。

 この「快速 うれしート」ですが、10月5日からほかの路線でも走ることになりました。実験的な取り扱いと思っていたのですが、ほかの路線にも拡大するのです。新たに走るようになる路線はJR神戸線、奈良線、山陽線です。また、JR難波、大阪行きしかなかった大和路線、おおさか東線では、反対の奈良行きも走るようになります。いずれも大和路線と同じく、「快速 うれしート」は最後尾の車両の後ろ半分が有料エリアとなります。「快速 うれしート」の指定席料金は、通常期530円、閑散期330円です。「チケットレス指定席券」なら、300円です。それでは、各線ごとに見ていきましょう。

 JR神戸線では、平日朝通勤時間帯の網干、姫路発大阪行きの快速4本に設定されます。いずれも舞子、垂水、須磨を通過する快速です。奈良線は平日朝通勤時間帯の奈良発京都行き区間快速2本、快速1本に設定されます。山陽線は、平日は岩国6:48発広島行きの快速「通勤ライナー」1本(設定があるのは五日市まで。五日市からは全車自由席となりますが、そのまま座っていくことができます)、休日は岩国15:39発と16:39発の快速「シティーライナー」2本に設定されます。こちらは宮島あたりでの観光帰りに便利な時間で、広島まで「快速 うれしート」の設定があります。

 大和路線では、平日夕方のJR難波発奈良行きの快速5本に設定されます。おおさか東線は、平日は大阪発奈良行きを夕方の4本、休日は大阪発奈良行きを午前と夕方に2本ずつ設定します。休日は奈良への観光にも使えるダイヤとなっています(帰りの大阪行きは3月のダイヤ改正で設定されています)。

 さて、リクライニングシートも備えた「Aシート」は、通常、1日6往復運転していますが、10月、11月の3連休等に臨時で1往復を追加します(定期列車に「Aシート」を増結します)。臨時運転する日は10月12~14日、11月2~4日、23日、24日の8日間。ダイヤは「新快速90号」が姫路10:42発野洲12:43着、「新快速91号」が野洲13:45発姫路15:47着です。今後も行楽シーズンには、このような臨時運転を行う予定です。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240822_00_paidseat.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240822_00_press_ureseat.pdf)

| | | Comments (0)

長崎線江北-諫早間の輸送密度は激減

 JR九州から2023年度の輸送密度が発表されました。

 西九州新幹線は2022年9月に開業したので、2023年度は西九州新幹線の影響が完全に反映された数字となります。肝心の西九州新幹線ですが、2023年度の輸送密度は6239人、数字は低いですが、2022年度の5882人よりは上がっています。

 「リレーかもめ」が走る路線も数字は良くなっています。長崎線鳥栖-佐賀間の輸送密度は27881人(2022年度は24046人)、佐賀-江北間の輸送密度は17891人(2022年度は15478人)、佐世保線江北-佐世保間の輸送密度は7313人(2022年度は5582人)と増えています。

 逆に特急が走らなくなった路線は輸送密度が減っています。諫早-長崎間の輸送密度は9601人(2022年度は11128人)です。特に減りかたが激しいのは、江北-諫早間。3078人(2022年度)から908人(2023年度)に大幅に減っています。長崎近郊の諫早-長崎間とは違ってこの区間の需要は少ないです。特急があったからこそ成り立っていた区間だったので、新幹線ができて普通列車だけになったら厳しい数字になってしまいました。肥前鹿島-諫早間だけの数字が分かれば、さらに厳しいものになるでしょう。
(参考:長崎新聞ホームページ https://www.nagasaki-np.co.jp/kijis/?kijiid=dd2263d5087045cdbf34c481bec2bf39)

| | | Comments (0)

船の世界にもリニア?

 広島と松山の間を行き来するには、しまなみ海道を通るという方法もありますが、かなり遠回りです。まっすぐに結ぶ船のほうが速いのです。瀬戸内海汽船が広島・呉-松山間を結んでいて、「スーパージェット」という名前の高速船も走っています。

 この広島・呉-松山航路ですが、現行の「スーパージェット」に代えて、新たな高速船を走らせることにしました。仮称を「リニアジェット」と言います。もちろん、鉄道車両のリニアとは違って、磁気で走るわけではありません。

 この「リニアジェット」はドイツの推進器メーカー、フォイト社の「フォイト・リニアジェット」を採用します。「フォイト・リニアジェット」と建造先の瀬戸内クラフト(本社:尾道市)の推進性に優れた船型を組み合わせることによって、高速性と燃費の良さを両立させています。また、デザインは広島・呉-松山航路に2019年に就航したクルーズフェリー、「シーパセオ」でも実績がある、GKデザイン総研広島が行います。

 「リニアジェット」の旅客定員は約100人で、2026年4月に就航する予定です。
(参考:瀬戸内海汽船ホームページ https://setonaikaikisen.co.jp/wp-content/uploads/2024/08/20240801_newhighspeedship.pdf)

| | | Comments (0)

山陽線安芸中野-海田市間に新駅?

 広島県海田町内に新駅の構想があります。

 新駅ができるのは、安芸中野-海田市間。新駅から半径2キロの範囲に約1.5万人が住み、近くには生徒数約1500人の私立中高一貫校があります。海田町の調査によれば、2023年8月に実施したアンケートの結果、新駅周辺の人口、周辺駅の利用者数などから考えて、1日当たりの乗降客数は約6800人となるようです。この中には、海田市など既存の駅の利用者が移ってくるのも含まれますが、新規に鉄道を使ってくれる人が1日約4000人に上るようです。

 海田町によれば、駅舎やホーム、駅前広場などの整備費用は約38億円以上になると見込んでいます(用地買収や補償費用を除きます)。おそらくこれらの費用は海田町の負担になるでしょうが、JRと協議を行い、2024年度中にどうするか結論を出す予定です。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/5263dada699fc26af95ec6a5924247dbc48196a4)

| | | Comments (0)

ドイツの旧型車両が他国へ

 日本で使われていた車両が古くなって、外国に持って行く例はありますが、ほかの国でもそのような例があるようです。

 その国はドイツ。2016年から約8年かけてIC4が約1500両(7~13両編成が合わせて137本)が導入され、これまで特急に使われてきた客車が余ることになりました。

 そこで余った客車を他国に譲渡することにしました。ドイツの中古車も状態が良いため、人気が高いようです。3月にはブルガリア鉄道との間で76両の中古車を売却する契約が成立しました。夏までに全車がブルガリアに送られ、これまでブルガリアで使われてきた、老朽化した客車を置き換えていきます。主要都市を結ぶ路線で使われるようです。

 また、オーストリア鉄道は、ドイツ鉄道から30両を借りています。オーストリア鉄道は2023年末の寒波の影響で車両に不具合が生じ、今なお列車の運休、編成短縮、使用列車の変更が生じています。それを解消するために一時的にドイツ鉄道で余っている客車を借りているのです。こちらも幹線で使われるようです。
(参考:「鉄道ジャーナル」2024年7月号 鉄道ジャーナル社

| | | Comments (0)

黒部峡谷鉄道で日ごろ降りることができない駅に降りることができるツアー

 黒部峡谷鉄道は、正月の令和6年能登半島地震で大きな被害を受けたため、2024年中の全線復旧はありません。宇奈月-猫又間の折り返し運行です。しかも、下車できるのは黒薙のみです(それ以外の駅では下車できません。また、終点の猫又では下車できず、そのまま折り返します)。

 その黒部峡谷鉄道ですが、黒薙だけでなく、普段降りることができない駅で降りることができるツアーを開催します。乗る列車はツアー専用列車の凸型機関車(普段乗ることができません)とハ型客車(窓のないオープンタイプの客車)のほか、前後の列車(旅客列車のほか、工事用列車もあります)にも乗ることができます。うまく列車を選べば、通常ダイヤで下車することができる黒薙を除く、宇奈月-猫又間全ての駅に降りることができます。

 値段は大人15000円、子供13000円。お土産代や保険代を含みますが、昼食は含まれません。8月25日、9月7日、9月8日の3回催行しますが、3日間とも定員に達したため受付は終了しています。
(参考:黒部峡谷鉄道ホームページ https://www.kurotetu.co.jp/news-detail/?post=470)

| | | Comments (0)

新幹線、路面電車になる

 四国には新幹線はありません。しかし、愛媛県と高知県を結ぶ予土線には0系風の「鉄道ホビートレイン」があります。

 そして、その高知県に新たな0系車両が走ることになりました。もちろん、本物ではありません。とさでん交通の路面電車(600形617号車)に0系風のラッピングをして、走らせているのです。8月10日から走っています。

 もちろん、路面電車ですので、「鉄道ホビートレイン」以上にスピードは出ません。
(参考:railf.jp https://railf.jp/news/2024/08/11/073000.html)

| | | Comments (0)

大阪と三田とを結ぶ高速バス

 国鉄時代の末期まで、福知山線は電化されていなかったので、三田でさえ列車での旅が味わえるところでした。今はハイキングコースになっているところを、ディーゼル機関車に牽かれた旧型客車が走っていたのです。今なら特別料金が取れるような列車が、ごく普通に走っていました。

 しかし、1986年に福知山線が全線電化され、三田も大阪や神戸のベッドタウンとして開発されるようになりました。いきなり通勤型の車両が走るようになったのですが、ニュータウンは福知山線の駅から外れたところにできたので、都心とを直結する高速バス(特急バス)の需要が生まれたのです。

 まず最初にできたのは、神戸と三田とを結ぶバス。神戸と三田の間には神戸電鉄もありますが、途中乗り換えが必要で、阪神高速北神戸線の開通により、1999年に運行を開始しました。現在、上下合わせて約120本のバスが走っています。

 これに対して、大阪と三田を結ぶバスができたのは最近です。大阪と三田を車で移動するなら中国道を通りますが、中国道は渋滞することで有名で、時間が読めなかったのです。ところが、新名神の開通でそちらも使えるようになったため、2018年に運行を開始しました。当初は1往復だけだったのですが、急成長を遂げ、今では上下合わせて約100本のバスが走っています。

 なぜこれらのバスは本数が多いのでしょうか? 普通、ニュータウンとのバスは、朝の上り、夕方から夜の下りは通勤客などで混み合います。しかし、反対方向や昼間は空いていて、効率が良くありません。ところが、この高速バスは、ニュータウンに大学があります。関学です。この大学の需要があるので、反対方向も乗ってくれるのです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/134239)

| | | Comments (0)

JR東海、リニアのピクトグラムを商標出願

 多くの人が使う施設では、文字だけでなく、絵文字(ピクトグラム)による案内も使われます。絵ならばイメージとしてわかりやすいからです。JR東海もそのひとつ。駅の案内などにピクトグラムを使っています。

 そのJR東海ですが、このたび、新たなピクトグラムの図案を特許庁に商標出願しました。その図案とは、リニア。L0系の改良版(?)がガイドウェイから浮いているように見えます。

 リニアの開業はまだ先ですが、直前になって「このデザインが使えない」と言って慌てるのも問題なので、事前にできるところはやっておくのが望ましいでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/3e88ddc86fec9c1f3f88dd402a7e905dfe8eb017)

| | | Comments (0)

ゆいレール、普天間方面に延伸か?

 現在、沖縄唯一の鉄道であるゆいレール。那覇空港とてだこ浦西の間を結んでいます。

 このゆいレールですが、沖縄県は宜野湾市普天間方面へ延伸することを検討しています。終点のてだこ浦西からのほか、古島から延ばすことも考えています。古島からなら、国道330号線沿いに延ばすのでしょうか? 沖縄県はこの2つのルートについて、大まかな事業費や利用者数、収益などを計算して、2025年度に公表したいと考えています。

 沖縄本島の中南部は狭い場所に密集していますが、ゆいレールを除いて鉄道がありません。バスは走っていますが、渋滞が発生します。かつて沖縄市から那覇まで国道330号線などを走るバスに乗ったことがありましたが、そのときも渋滞でバスは遅れました。公共交通のサービスレベルが需要に見合っていないのです。

 ただ、沖縄には南北を縦貫する沖縄鉄軌道という話があります。この沖縄鉄軌道も普天間のあたりを通りますから、それと需要を食い合う危険性があります。ゆいレールを延伸する場合、そことの調整は欠かせないでしょう。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20240814/5090028974.html)

| | | Comments (0)

お盆明けなら上越新幹線、子供1000円

 新幹線の特急料金と言えば、半額の子供でもそれなりにします。しかし、お盆明けの平日なら、子供は格安で上越新幹線に乗ることができるのです。「夏旅こども絵日記きっぷ」です。

 対象となるのは、8月19~23日、26~30日。上下ともに東京(都区内)と上毛高原以遠の各駅との間の利用が安くなります。通常、5110円(東京(都区内)-新潟間、自由席利用)かかるところが、たったの1000円で行くことができるのです。運賃込みです。

 発売期間は7月19日から8月27日の間。利用日の1か月前から3日前までの発売となります。安くなるのは子供の自由席だけで、指定席の場合は運賃、料金の支払が必要です。「えきねっと」で購入し、JR東日本の首都圏及び新潟エリアの指定席券売機で引き換えます。

 宿題が終わったよい子は、「新幹線で新潟に行きたい」と親に頼んでみるのもいいでしょう。夏休みの思い出づくりになるでしょう。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/natsutabi/)

| | | Comments (0)

岡山県、鉄道を利用しない人にアンケート

 鉄道路線の廃止の話が出るたびに地元自治体等は、地元の人が使っているとして廃止に反対しますが、実際は鉄道を使わないのが多数派です。岡山県が2022年度に約7万世帯を対象に行ったパーソントリップ調査によれば、車が主な交通手段と回答した人が平日、休日ともに7割を占めていました。

 そこで岡山県はこのたび、そのような鉄道を使わない人を対象に、芸備線等のローカル線についてのアンケートを行うことにしました。アンケートは年内に行います。細かい質問項目はまだ決まっていませんが、なぜ鉄道を使わないのか、どうすれば積極的に使うようになるのかなどを聞く予定です。2024年度中に結果を分析し、早ければそれを元に2025年度に新たな利用促進策を始めます。

 さて、日ごろ鉄道を使わない人は、どのような回答をするのでしょうか?
(参考:山陽新聞digital https://www.sanyonews.jp/article/1593014)

| | | Comments (0)

石川線は新車で6編成を更新

 北陸鉄道石川線の車両は元東急の車両が主体で、製造から約60年を経過しています。かなり古いので、置き換えのが出ています。

 その石川線ですが、新車で6編成を更新します。現在と同じように、18メートル級車両2両1編成で、直流600ボルトです。2025年度から発注手続きを行いますが、実際に車両が導入されるのは、メーカーの供給能力などの問題から、2028~2030年度になるようです。

 もっとも、石川線には不確定要素もあります。新西金沢でIRいしかわ鉄道に乗り入れる話、あるいは野町から香林坊方面に延伸する話です。どちらの場合も、新車の規格では対応できません。前者だと交流対応、後者だと路面電車規格にしないといけません。その場合は、今回導入する新車を石川線ではなく、浅野川線に持っていきます。浅野川線の車両も製造から約30年が経過しているので、いずれは置き換えを考えないといけないのです。ただ、浅野川線は同じ直流でも1500ボルトですので、新車は600ボルト、1500ボルトどちらでも対応できるようにするようです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hokutetsu-saikochiku/)

| | | Comments (0)

381系「やくも」、お盆に運行

 6月で定期運行を終えた381系の「やくも」ですが、お盆の9~18日、復活運行します。

 復活するのは、ホワイトグレーと赤が基調の「ゆったりやくも」色のもので、9~18日の間、1日2往復します。

 新車の273系が4両編成11本というギリギリの数でつくられたからでしょうか、繁忙期は数が足らないものと思われます(繁忙期は4両編成2本をくっつけて8両編成として走らせるため)。ダイヤ上は381系でも問題なく走ることができますから、当面はこのように381系を使ってしのぎ、繁忙期に備えて増備するかどうかを考えるのでしょう。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20240808-OYO1T50015/)

| | | Comments (0)

「沼田町夜高あんどん祭り」で留萌線に臨時列車

 8月23日と24日に沼田町で行われる「沼田町夜高あんどん祭り」に合わせて、JR北海道は臨時列車を走らせます。

 臨時列車は両日ともに2往復。1両編成です。旭川19:06発石狩沼田19:48着、深川21:22発石狩沼田21:38着、石狩沼田20:00発深川20:17着、石狩沼田22:00発旭川22:45着です。途中停車駅は、深川と秩父別のみです。

 ちなみに、「沼田町夜高あんどん祭り」は北海道の三大あんどん祭りのひとつで、「喧嘩あんどん」は道内唯一です。20時過ぎから石狩沼田駅前と本通三丁目で始まるぶつけあいは、高さ7メートル、長さ12メートル、重さ5トンの大型のあんどん同士がぶつかるものです。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20240809_AS_Numatatyou%20Andonmaturi.pdf)

| | | Comments (0)

長野電鉄、運転士不足で一部の特急を運休

 長野電鉄も運転士が不足しています。中途採用や新人の養成を行いながら対応していましたが、現在の運行本数を維持することができなくなりました。

 そこで9月11日から12月10日までの間、1日20本ある特急のうち、半分の10本を運休させます(本数は区間運転のものを含みます)。運休期間は秋の行楽シーズンで、外国人観光客も増えていますが、運転士がいないため、運休することにしたのです。平日は「スノーモンキー」、休日は「ゆけむり」のみが走ることになります。この期間は、「スノーモンキー」の個室を除いては、全車自由席で走ります。

 このようなことが続くのなら、一時あったように、信州中野以遠は特急を各駅に停車させて、ローカル輸送も兼任させることも考えたほうが良いのかもしれません。
(参考:長野電鉄ホームページ https://www.nagaden-net.co.jp/hubfs/express-unkyu20240809.pdf、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASS894RXLS89UOOB00JM.html)

| | | Comments (0)

明光バス、南海の子会社に

 白浜を拠点に路線バスを運行する明光バスは、このあたりでは珍しい近鉄グループのバス会社です。世界遺産の熊野古道もエリアに入っています。

 ところが南海は明光バスを子会社にします。近鉄グループホールディングスの子会社から10月1日付で株式を取得し、出資比率を17.6%から72.9%に引き上げます。子会社化した後は役員の派遣を検討しています。

 南紀方面のバス会社は、熊野交通と御坊南海バスが合併し、熊野御坊南海バスとなりました。明光バスはこの熊野御坊南海バスに挟まれたかたちになっています。いずれは明光バスも熊野御坊南海バスと合併し、一体化されるのでしょうか?
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF097WX0Z00C24A8000000/)

| | | Comments (0)

北陸新幹線敦賀-新大阪間の3ルートを比較する

 北陸新幹線敦賀-新大阪間のルートについての記事の続きです。3案を比較していきます。

(1)北陸新幹線京都駅の場所
 東西案の場合は、現京都駅の南側にできます。地下鉄烏丸線などの既設地下構造物を避けるため、地下約50メートルのところにつくられます。東海道新幹線の基礎が近いなどの理由で難工事になり、長期にわたり八条通の交通規制が必要となります。工期は約28年、京都駅在来線との乗換時間は約11分です。敦賀-新大阪間の総延長は約146キロです。

 南北案の場合は、現京都駅の南西にできます。駅が地下約20メートルと他の案に比べて浅いので、用地買収の必要があります。ただ、工事そのものは難しいものではないようで、工期は約20年、京都駅在来線との乗換時間は約13分です。敦賀-新大阪間の総延長は約144キロです。

 桂川案の場合は、JR京都線桂川の西にできます。JR京都線をアンダーパスする府道などの既設地下構造物を避けるため、地下約50メートルのところにつくられます。JR京都線が近接していることから難工事になり、工期は約26年、京都駅在来線との乗換時間は桂川から京都への移動時間を含めて約19分です。敦賀-新大阪間の総延長は約139キロと一番短くなっています。なお、JR西日本としては乗客の利便性を考え、現京都駅の近辺に新幹線駅をつくるのが望ましいとしています。

(2)工期
 元々「小浜-京都ルート」は着工してから15年で完成することになっていましたが、3案ともに共通する長大山岳トンネル(東小浜-京都間のこと?)では、働き方改革のため、5年ほど延びることになりました。これは北陸新幹線「小浜-京都ルート」固有の話ではなく、「米原ルート」やリニア中央新幹線でも同じようなことになるのです。いろいろ複雑な調整ができて「米原ルート」になったとしても、ある程度工期は延びるのです。新大阪付近でも、働き方改革のほか、用地交渉手続き、工事の困難さなどを考慮して、工期は約10年延び、約25年になります。

 そのため、全体の工期を左右するのは、京都付近の工事です。東西案、桂川案の場合は京都付近の工事が完了しないと開業できません。それに対して南北案の場合、京都までなら約20年で開業できます。京都暫定開業ということもできるのです。京都まで開業すれば、そこが目的地という人は結構いますし、大阪方面には「はるか」かリレー特急でつなげば良いのです。もっとも、一番早い南北案の京都暫定開業でも着工から約20年かかります。まだかなり先の話なので、敦賀での乗り換えを簡単にする措置が求められます。新幹線ホームへの引き込み線をつくるか、あるいは在来線特急ホームと新幹線ホームを中間改札なしで直通するエレベータかエスカレータを整備することが要るでしょう。

(3)概算事業費
 2016年度の段階では2.1兆円だった概算事業費ですが、2016年度からの物価上昇や各種検討を踏まえた結果、東西案では約3.7兆円、南北案は約3.9兆円、桂川案は約3.4兆円になりました。将来の物価上昇を見込むと、東西案は約5.3兆円、南北案は約5.2兆円、桂川案は約4.8兆円になります。もっとも、2016年時点での話ですが、概算事業費が約4兆円なら費用対効果は1以上になるとも言われ、単純に概算事業費が倍になったからといって、費用対効果が半減するわけではないようです。物価が上がれば運賃や料金も上げることができますし、工事業者にお金が渡った分、その工事業者は何かに使って経済を回していくのですから。

 「小浜-京都ルート」の場合、京都-新大阪間で松井山手を経由し、しかもトンネルが連続するので、どうしても概算事業費がかかります。整備計画上通らないといけない東小浜(小浜市付近を経由しない場合、何らかのかたちで補償が必要になるでしょう)、コストはかかるものの利便性向上に資する京都と違い、松井山手に駅を置かないといけない必然性はありません。北陸に行く以外使い道のない松井山手の利用者は少なそうです。何よりも大事なのは北陸新幹線の全線開業です。京都への高速バスや学研都市線&おおさか東線で代替できる松井山手は省略して、コスト削減を図るのも一案なのかもしれません。
(参考:鉄道・運輸機構ホームページ https://www.jrtt.go.jp/project/turuhannrennrakukaigi6%20.pdf、KNB NEWS https://www.knb.ne.jp/news/8282/、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20240808-OYO1T50000/

| | | Comments (0)

津軽鉄道、「ストーブ列車」を値上げ、倍の1000円に

 津軽鉄道の冬の名物、「ストーブ列車」。旧型客車の中ほどに石炭ストーブがあり、汽車旅を楽しむことができます。

 この「ストーブ列車」ですが、運行に必要な軽油やストーブの燃料の石炭の値上がり(石炭には国内家庭用石炭の採掘が終了したという事情もあります)、車両の維持に必要な修繕材料等の値上がり、人件費の増加によって、このままでは運行が困難となります。

 そこで2024年の運行開始となる12月1日から、「ストーブ列車」の値上げをすることにしました。現在500円(寄付金付は700円)のところ、1000円(寄付金付は1200円)になります。運賃の値上げはありません。500円から1000円に倍の値上げですが、「ストーブ列車」は石炭ストーブで暖を取るという珍しい観光列車ですので、それなりの料金を取るのは理解できます。値上げを嫌ってサービス内容を落とすぐらいなら、それ相応のお金をもらってサービスの向上を図るほうが望ましいのです。
(参考:津軽鉄道ホームページ https://tsutetsu.com/archives/5027)

| | | Comments (0)

「トムとジェリー」で阪急はバスも含めて一日乗り放題

 阪急は「トムとジェリー」とコラボします。8月23日から2025年3月27日まで、ラッピング列車、「トムとジェリー号」を走らせます。神戸線、宝塚線、京都線で1編成ずつ走らせます。能勢電鉄にはオリジナルヘッドマークをつけた車両が走り、阪急バスもラッピングバスを走らせます。

 今回、阪急沿線ではスタンプラリーも行われますが、それに合わせてオリジナルデザインの一日乗車券を発売します。発売期間及び有効期間は9月4日~11月25日で、阪急全線(神戸高速鉄道は除きます)と阪急バス全線(深夜バス、コミュニティバス等は除きます)が乗り放題で、大人1400円、子供700円です。これに加えて能勢電鉄全線も乗り放題になるバージョンがあり、こちらは大人1700円、子供850円です。なお、これらの一日乗車券は、鉄道の利用前にバスに乗ることができません。バスに乗りたいのなら、あらかじめどこかで鉄道に乗っておく必要があります。
(参考:阪急ホームページ https://www.hankyu.co.jp/area_info/TOMandJERRY_HANKYU2024/index.html)

| | | Comments (0)

一畑電車の新車、1両4億円以上

 一畑電車は、老朽化した車両を更新するため、新型車両を導入します。2016年度から2017年度にかけて導入したデハ7000系と同タイプのものを導入します。これで老朽化した2100系及び5000系、4編成8両を置き換えるのです。両数は半減していますが、2019年4月に行った乗車人員調査によれば、北松江線で平日朝ラッシュ時に使われる6運用中4運用で単行に置き換えても定員程度の乗車に留まることから、問題はないと考えています(大社線は平日朝ラッシュ時でも単行)。

 2021年時点の当初の計画では、島根県、松江市、出雲市で構成する一畑電車沿線地域対策協議会は、国の分担額を含めて約10.2億円を一畑電車に支援し、2024年度と2025年度に各2両ずつ導入することになっていました。しかし一畑電車によれば、ロシアのウクライナ侵攻などによる物価高騰で、製造費用が当初の見込みから大幅に上がるようです。支援額は約6.5億円増えて約16.7億円になります。新車の導入時期も2024年度に1両、2025年度に2両、2026年度に1両となります。

 この約16.7億円で4両をつくります。ということは、1両あたりにすると4億円余り。デハ7000系と比べるとほぼ倍。新幹線もびっくりの値段です。数が少ないということもあるようですが、中古なら単行のものはなく(改造によってつくることもできないようです)、2両編成の中古もなかったので(中間車を改造して先頭車にしないといけない)、新車のほうが安いようです。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC303ZB0Q3A130C2000000/、出雲市役所ホームページ https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1615176989022/files/houkoku3-3.pdf)

| | | Comments (0)

東急、8500系を4両編成の動態保存車に

 8500系は新玉川線(現:田園都市線)と営団地下鉄(現:東京メトロ)の相互直通運転に備えてつくられた車両。1975年にデビューしました。全部で40編成400両がつくられ、田園都市線のほか、東横線や大井町線でも使用されましたが、後継車両が導入されたため、2023年1月25日で引退しました。

 ところが、この8500系、デビュー当時の4両編成に戻って復活します。鉄道ファン等から引退を残念がる声があったことに加えて、8500系が東急最後の直流モーター車であり、職員の技術伝承に活用することができるという側面もあるようです。

 復活するのは、8500系の中でも最後まで活躍した8637編成。正面と側面(南側)に巻かれている帯は、8637編成のオリジナルである青帯ですが、長津田側の車両、8537の正面は8500系の多くで採用され、東急のコーポレートカラーにもなっている赤になっています。

 8637編成の運行開始時期は、2024年秋ごろ。大井町線大井町-溝の口間、田園都市線二子玉川-長津田間、こどもの国線を走ります。多客期やイベント時の臨時列車や団体列車として走ります。
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/image/information/pdf/20240802-8500-d.pdf)

| | | Comments (0)

松山の高架化は9月29日

 以前にも書きましたが、この秋、松山が高架化されます。9月29日です。前日の28日22:40ごろから29日6:00ごろにかけて、高架切替工事を行うため、特急は伊予北条-松山-伊予市間、普通は堀江-松山-北伊予間で運休し、バスやジャンボタクシーによる代行輸送を行います(悪天候などの理由で工事ができない場合は、10月5~6日に行います)。高架になった駅からの初列車は、松山6:13発の「しおかぜ6号」、「いしづち6号」です。

 新しい駅には、「しこくスマートえきちゃん」で表示されるQRコードをかざして通過することのできる自動改札機や、ウォークイン改札をJR四国で始めて導入します。また、2面4線あるホームのうち、岡山、高松方面の「しおかぜ」、「いしづち」等は1番乗り場からの発着に統一、宇和島方面の「宇和海」は概ね2番乗り場(一部1番乗り場)からの発着に統一されます。階段の上り下りなく、向かいの列車に乗れば良いのです。普通列車は3番乗り場、4番乗り場を基本的に使います。また、これまで松山寄りにあった「宇和海」の指定席ですが、高架化後は宇和島寄りに変わります。

 また、今回の改正では人手不足ということもあり、利用状況を踏まえ、一部列車の運転取りやめや最終の繰り上げを行います。一部区間の運転取りやめを含めて、22本が減ります。それに伴い、特急や快速の中には、停車駅が増えるものもあります。2両から4両に増結するものもあります。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2024%2008%2002%2005.pdf、https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2024%2008%2002%2003.pdf、https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2024%2008%2002%2004.pdf、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/f69e74e254faf3d28595b8d8316204afb4e41023)

| | | Comments (0)

北陸新幹線敦賀-新大阪間のルートは京都付近の経路によって変わる

 北陸新幹線敦賀-新大阪間の建設費が2倍近くになるという話が以前にありましたが、どれぐらいになるのでしょうか?

 それは、京都付近の経路をどうするかによって変わります。小浜(舞鶴若狭道小浜インターチェンジ近くなので、これまで新幹線駅ができると言われていた東小浜よりもさらに中心部に近いところになります)や松井山手の位置はどの案も同じなのですが、京都付近の経路によって東西案、南北案、桂川案の3パターンに分かれるのです。

 どのルートでも京都へは嵯峨嵐山の北から入ってきます。京都駅に併設される東西案、南北案は北西のほうから市街地に入ってくるのです。とは言っても、一番京都の中心部に入ると思われる南北案でも、二条のあたりから入ってくるのであって、京都の中心部を新幹線が突き抜けるというわけではないようです。東西案は西から京都に入るので、京都を出るといったん東に向かいます。東海道新幹線から東から京都に入るので、混乱しそうです。山科区のあたりまで行きます。南北案の場合は京都を出ると南西に向かいます。酒どころの伏見エリアは回避するようです。桂川案はそのまま南に行き、JR京都線の桂川あたりに駅をつくります。その後、3案ともに久御山町にできる車両基地を通り過ぎ、ちょっとだけ外に出てから、松井山手の手前から再び新大阪まで続く長いトンネルに入ります。なお、京都市内と松井山手-新大阪間はシールドトンネルです。京都市内の地下水が問題になっていますが、シールドトンネルは基本的に水を通さない構造で、また帯水層に対してシールドトンネルは小さいため、地下水への影響は発生しないと考えられています。

 話が長くなりそうなので、いったんここで切ります。3案の比較などは、後日行います。
(参考:鉄道・運輸機構ホームページ https://www.jrtt.go.jp/project/turuhannrennrakukaigi6%20.pdf、福井新聞ホームページ https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2094090)

| | | Comments (0)

「京王ライナー」等を1両貸切に

 京王の座席指定列車、「京王ライナー」。運賃に少しのお金を追加するだけで、快適に移動することができます。

 その「京王ライナー」等ですが、8月17日乗車分から、1両をまるごと貸切にすることができるサービスを始めます。「京王ライナー個室プラン ~走る実験室~」です。

 対象となるのは休日の「京王ライナー」、「Mt.TAKAO号」の一部列車。上下合わせて19本あります。1両40000円で貸切にすることができ(貸切になるのは先頭車両、上りは10号車、下りは1号車です)、1~39人の間で利用することができます(着席可能座席数は39です)。お金さえ払えば、1人で貸切にすることもできます。なお、運賃は別途支払が必要で、貸切料金は当日現金で支払ます。

 どうやって利用するのでしょうか? まず、乗車日2か月前から3週間前までの間に、京王鉄道営業部営業管理所(団体受付担当)にメールで申し込みます。希望日、希望列車、乗車予定人数、企画内容を記入し、担当者と調整します。オプションで鉄道係員の制服の貸し出しなどもできます。乗車日の2週間前までに日程等を調整し、「個室プラン座席指定券証明書」を利用者代表に送付します。「個室プラン座席指定券証明書」は当日、持参することになります。

 ところで、どういう人の利用を想定しているのでしょうか? 京王としては、学校行事での団体移動や家族での貸切を想定しているようです。
(参考:京王ホームページ https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2024/pdf/nr20240723_keioliner.pdf)

| | | Comments (0)

リニアの駅がコンサートホールに?

 リニアの開業時期が2027年度から大幅に遅れます。中には順調に進んでいるところもあり、そういうところは長い間使われないことになります。

 相模原市内の橋本につくられる神奈川県駅(仮称)もそのひとつ。ここは工事が順調に進んでいるのですが、リニアが開業しない限り、使われないままになってしまいます。

 そこで、開業するまでの暫定的な使い道として浮上しているのが、コンサートホールとしての使用。2024年度末で横浜市にある県民ホールが老朽化のため休館します。その代替的な施設として駅を使うのです。神奈川県駅は橋本から近く、コンサートホールがリニアのPRになり、横浜からかなり離れてはいますが、県民ホールのスタッフを引き続き雇用することができます。

 実はこの神奈川県駅、コンサートホールとして使われた実績があります。2023年10月のことですが、地元高校の吹奏楽部などが演奏するコンサートが開かれ、約5時間のイベントで延べ1900人が訪れました。駅の部分には椅子を並べることができ、音響も良いようです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASS7P3VX6S7PULOB006M.html)

| | | Comments (0)

「WEST EXPRESS 銀河」、関空開港30周年で関西空港に乗り入れ

 117系を改造した、「WEST EXPRESS 銀河」。かつてのB寝台を思わせる、「クシェット」も備えています。普段は京阪神から山陰や南紀に行きますが、今回は思いっきり近いところが目的地です。

 どこに行くのかと言えば、関西空港。関空開港30周年記念企画として、関空、JR西日本、日本旅行の3社が共同で企画したものです。

 行程は次の通りです。9月28日の夜、京都(22:37ごろ発)もしくは大阪(うめきたエリア、23:34ごろ発)から乗車し、関西空港に0:41ごろに到着します。関空の第1ターミナルに行き、夜間特別開放が行われる関空展望ホールからの展望を楽しみます(約60分)。その後、バスに乗って制限区域内のツアーを楽しみます。車窓からの見学で、約90分です。制限区域内のツアーが終わった後は第1ターミナルでの約80分のフリータイムです。早めに「WEST EXPRESS 銀河」に戻ることもできます。帰りの「WEST EXPRESS 銀河」は関西空港4:48ごろ発。帰りは車内でグッズ販売会もあります。大阪(うめきたエリア)は5:59ごろ着、京都は6:43ごろ着です。

 値段は大人(中学生以上)が29800円、子供(小学生、親権者の同伴必要)が26800円です。リクライニングシート以外の座席を利用する場合は、5000~20000円の追加料金が必要となります。

(追記)
 8月10日現在、申込多数のため、完売となっています。
(参考:日本旅行ホームページ https://www.nta.co.jp/jrodekakenet/train/kixginga/)

| | | Comments (0)

宮津・天橋立-伊根・日出間に臨時航路

 丹後海陸交通は、7月20日から9月29日までの休日に、宮津・天橋立-伊根・日出間に1日2往復の臨時航路を設定します。公共交通機関がバスしかない伊根まで直行するのです。

 宮津-日出間の所要時間は1時間20分、運賃は2500円です。

 伊根と言えば、舟屋が有名ですが、それは海に面しているので、見ようと思ったら遊覧船に乗る必要があります。しかし、この臨時航路なら遊覧船に乗らなくても、伊根の舟屋を見ることができます。
(参考:丹後海陸交通ホームページ https://www.tankai.jp/2024/07/16/伊根航路「宮津・天橋立~伊根」を運航します!/)

| | | Comments (0)

函館空港-江差間に乗合タクシー

 江差町などに公共交通機関で行くには、函館バスの函館江差線(新函館北斗も経由します。平日は1日5往復、日祝は1日3往復)がありますが、函館の空の玄関口、函館空港からの直行便はありません。

 そこで、函館タクシーは、檜山3町(厚沢部町、江差町、上ノ国町)、北海道檜山振興局、北海道エアポートと連携して、多客期にジャンボタクシーによる乗合タクシーの実証運行をすることにしました。

 実証運行は、観光シーズンの7月19日から9月30日までと年末年始の12月28日から2025年1月6日まで。週末を中心とした、56日間行います。函館空港から乗り換えなしで檜山3町とを結ぶ事前予約型の乗合タクシー、「かもめ号」を1日3.5往復走らせます。檜山3町では合わせて6か所に停まり、函館空港-上ノ国間の所要時間は1時間50分です。これまで3時間以上かかっていたようですので、1時間以上の短縮になります。値段は1人の場合4000円、一度に2人以上を申し込んだ場合は3600円です。
(参考:北海道エアポートホームページ https://www.hokkaido-airports.co.jp/uploads/2024/07/240716_Release_HAP.pdf、江差町ホームページ https://esashi.town/common/img/content/content_20240326_113639.pdf)

| | | Comments (0)

「高徳エクスプレス」、大塚国際美術館に乗り入れ

 大川バスなどが運行する「高徳エクスプレス」ですが、8月1日にダイヤ改正を行いました。

 今回の改正で、1日1往復だけですが、大塚国際美術館、アオアヲナルトリゾート前に乗り入れることになりました。大塚国際美術館の開館日のみ乗り入れます。大塚国際美術館、アオアヲナルトリゾート前に停まるのは、高松駅高速バスターミナル9:40発、徳島駅15:50発のみです。

 大塚国際美術館、アオアヲナルトリゾート前への運賃は、徳島駅などと同じく、大人2300円です(「高徳エクスプレス」では、香川県内、徳島県内のみの利用はできません)。高松から大塚国際美術館への往復乗車券と大塚国際美術館の入館券がセットになったものもあり、大人7000円です。通常料金より500円お得で、四国高速バス窓口(本社窓口除く)、大川バス本社窓口で取り扱っています。
(参考:大川バスホームページ https://www.okawabus.com/info/view/58)

| | | Comments (0)

JR西日本はどうやってN700系を8両編成にするのか?

 JR西日本はN700Sを新たに投入し、余ったN700系を8両編成に短縮して、500系や700系を置き換えていく方針です。N700Sは14編成投入されるので、8両編成になるN700系は同数の14編成です。この14編成のN700系で、500系6編成と700系8編成を置き換えます。500系は全廃され、700系も数を減らします。

 さて、N700系をどうやって8両編成にするのでしょうか? N700Sは搭載機器が小型化され、路線の状況に応じて6両編成や8両編成などに短縮することが容易になっています。これに対してN700系は16両編成から短縮して使うことは想定されていません。大掛かりな改造工事が必要となるのです。

 16両編成のN700系のうち、8両編成に短縮するときに使うのは、1~3号車、8~11号車、16号車です。8~10号車は16両編成のとき、グリーン車として使っている座席でしたが、8両編成になっても4列席として残ります。グリーン車並みの座席が、普通車指定席として使えるのです。お得な座席です。500系や700系でも4~6号車は4列シートですが(500系の6号車は元グリーン車)、その伝統は引き継がれることになります。なお、外観は8両編成になっても変わらないようです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/133960)

| | | Comments (0)

小倉総合車両センター、移転へ

 JR九州の全ての在来線車両の解体検査、更新及び改造工事などを行う、小倉総合車両センター。北九州市小倉北区にあり、1981年の開設から約130年が経過しています。施設や設備が老朽化しています。

 そこで、JR九州はJR貨物から用地を購入して(2024年度末の取得を目指しています)、新しい車両基地をつくることにしました。新しい車両基地は、東小倉につくられます。東小倉は元々貨物駅だったのですが、今はその機能を北九州貨物ターミナルに移しています。そのため、東小倉は遊休化していました。そこにJR九州の新しい車両基地ができるのです。

 東小倉は約7.8ヘクタールで、今の小倉総合車両センターの約半分の面積です。新技術を導入し、効率的な検査ラインを構築することにより、コンパクトな車両基地とします。車両検査は検査日数を短縮し、省人化を図ることによって効率化します。太陽光エネルギーを活用することにより、地球環境にも貢献します。

 投資額は約480億円、新しい車両基地の竣工時期は2031年度末の予定です。なお、現在の小倉総合車両センターの跡地をどうするかについては、未定です。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/07/24/20240724_kokura_sougousyaryousenta_iten.pdf)

| | | Comments (0)

羽田空港アクセス線、「臨海部ルート」も2031年度開業へ

 都心と羽田空港とを結ぶ、羽田空港アクセス線。東京、新宿、新木場の3か所から羽田空港を目指します。それぞれ、「東山手ルート」、「西山手ルート」、「臨海部ルート」と名付けられています。このうち、東京と羽田空港とを結ぶ「東山手ルート」は2031年度の開業を目指して工事が進んでいます。

 この羽田空港アクセス線ですが、残る2つのルートのうち、「臨海部ルート」についても開業目標を決めました。「東山手ルート」と同じ2031年度です。「臨海部ルート」が開業すれば、これまでモノレールに乗り換えて約40分かかっていた新木場と羽田空港の間は、乗り換えなしで約20分で結ばれ、所要時間は大幅に短縮されます。ただ、(JR東日本で完結せず)りんかい線を通ることから、京葉線まで直通できるかは未定です。

 なお、残る「西山手ルート」については、トンネルの施工方法などまだ決まっていないものがあるため、開業目標は決まっていません。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240724/k10014521871000.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/133965/2、産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20240724-ECT7F64IF5PMFEICDFIHZWZSUQ/)

| | | Comments (0)

山田線、秋に1か月運休

 例年、10月から11月にかけて、山田線は落葉等を原因とする空転により、列車の大幅な遅れが見られます。

 特に空転の発生が多いのは、上米内-川内間。かつて、山田線の始発を上米内止まりにして、盛岡近郊への遅れの波及を止めるという方策を行ってきましたが、今回、それを上回ることをします。10月15日から11月15日までの32日間、上米内-川内間を終日運休させて、盛岡-上米内間、川内-宮古間のみを走らせることにします。これにより、通勤、通学の利用が多い盛岡近郊、宮古近郊の安定輸送の提供を図るのです。

 どのようなダイヤになるのでしょうか? 盛岡-上米内間は折り返し運転を行います。一部の列車は時刻の変更があります。上米内-川内間は終日運転を休止します。ただし、回送列車は走ります。川内-宮古間は一部列車が運休し、朝夕に限り川内-宮古間もしくは茂市-宮古間での折り返し運転となります。

 代行輸送はありませんが、並行して岩手県北バスの「106特急」、「106急行」があります。このバスが振替輸送を行います。振替輸送を利用するときは、乗車券類を駅係員に呈示してから乗ることになります。ある意味1か月鉄道を運休にすることができるということは、鉄道の存在意義がないということでもあります。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/morioka/20240724_mr03.pdf)

| | | Comments (0)

« July 2024 | Main | September 2024 »