「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅(4)
3日目の13日は、宇部線の始発に乗る。新山口5:55発の宇部線経由宇部行きだ。105系の2両編成で、3扉ロングシート。黄色一色に塗られている。新山口を出た段階では空いていたが、宇部の町に近づくにつれ、段々増えていく。6時台なのに宇部新川に着くころには座席は大体埋まってきた。ところで、この新山口5:55発の列車、ワンマンカーのはずなのに、駅では全ての扉が開く。「ICOCA」が導入されているわけではない。この時間帯では宇部新川ですら無人なのだから、切符のチェックは不可能だ。沿線には住宅が多く、廃止以外の解決策がないローカル線ではないのだから、短期的には「ICOCA」と分岐駅での中間改札の導入、長期的には経営形態の見直しを検討したほうが良いだろう。鉄道のままで良いが、JRのままで良いとは限らない。枝線なのだから、JRの枠組みに縛られることなく、使いやすい鉄道にすることが求められる。氷見線や城端線の事例が参考になるだろう。BRTにする必要はないが、その問題提起を簡単に葬り去ったのは良くなかった。
宇部新川からの小野田行き(宇部新川7:01発)も同じ105系2両編成。ただし、宇部新川まで乗ってきたのと違い、空いている。長門本山への乗り換え駅、雀田で乗り換え。雀田は1両分しかホームのかさ上げを行っていないため、扉が開くのは前の車両のみ。乗ることができるのは1か所しかないので、乗る客は多く見える。長門本山への列車(雀田7:22発)は123系の1両編成。分割民営化ごろに荷物電車を改造してつくった車両で、これは可部線にいたタイプ。朝から長門本山に行く人はなく、終点までひとりのみ。長門本山に着いた。列車が駅に着くと、ぽつぽつと列車に乗ってくる。朝2往復、夕1往復しかない線だが、学校に行くのはいつも同じ時間なので、これでもいいのだろうか? 雀田に戻り、小野田線で小野田に行く。雀田7:45発に乗ったが、こちらは123系でも羽衣線で使っていたバージョンだ。ただ羽衣線時代にはなかったトイレがついている(ほかの105系、123系にもトイレがある)。123系の中で一番荷物電車らしい外観をしている。車内は通学の高校生で混んでいる。途中で高校生が降りても、また代わりに乗ってくる。とても需要が極めて少ないローカル線とは思えない。宇部線と一緒にありかたを考える必要がある。新幹線や大都市圏の利用者に負担させる、という考えを捨てれば、まだ使える路線はある。
小野田から宇部経由で居能へ。これで宇部線、小野田線の乗車は達成。居能8:51発で宇部線を後にする。線内で完結する列車が多い宇部線だが、これは珍しい下関行きだ。105系の2両編成だが、黄色一色ではなく、白をベースに青と赤の帯を巻いている。分割民営化後、黄色一色になるまで使われていた塗装である。下関に行くにはいい時間なのか、だんだん増えてくる。下関からは9:53発小倉行きに乗り換え。九州は交流なので、交直流の415系が使われる。JR九州の車両で、ステンレスの4両編成だ。門司の直前で直流から交流に切り替わる。車内の蛍光灯が一部を残して消えたが、昼間なのでそんなに暗くはならなかった。小倉からは10:15発の新田原行き。座席を減らした813系。信号か何かの都合で、出発が2、3分遅れた。
2つ目の南小倉で降りる。ここでバスに乗り換えるのだが、バスは駅前には来ない。300メートルほど離れた国道上からバスは発車する。元々の計画でも乗り換え時間は5分しかないのに、JRが遅れた影響で乗り換え時間は3分ほど。走ったおかげで、時間調整で停まっていたバスに乗ることができた。バスは天神への高速バス、「いとうづ号」。小倉と天神とを結ぶ高速バスの一系統だ。途中で降りるので、前の席に座る。この「いとうづ号」、高速バスといいながら、なかなか高速道路に行かない。延々と一般道を走る。ようやく北九州都市高速に入り、トンネルをくぐったら、もう降りる停留所。高速道路上のバス停である。バス停の外に出て、急坂を少し登るとケーブルカー乗り場。帆柱ケーブルだ。券売機でケーブルカーとそれに続くスロープカーのセット券を買い、ケーブルカーに乗る。11:00発に間に合った。帆柱ケーブルのケーブルカーは、前後ともに大きなガラス1枚だけのため、見晴らしは抜群。急坂を登ると、八幡や若松の工業地帯が広がる。今回は昼間に登ったが、夜景もすばらしいものだろう。6分かけてケーブルカーで登った後は、スロープカーに乗り換え。スロープカーは1本のレールで坂を登る乗りもの。広く言えば鉄道の仲間だ。こちらの車両はもっとガラス張り。北九州の町を見ながら坂を登っていく。スロープカーが到着したところが皿倉山の頂上。しばらく景色を眺めてスロープカーとケーブルカーで坂を下りる。(続く)
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