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丹後の海に遊ぶ(3)

 ケーブルカーで山を降りた後、元伊勢籠神社(「籠」は「この」という)に参拝し、天橋立元伊勢籠神社11:23発のバスで伊根に向かう。宮津と伊根を結ぶバスは運賃が200円か400円に抑えられ、本数も1時間に1本程度ある。ローカルバスとは思えないほどの充実したサービスだ。普通なら値段は倍、本数は半分になってもおかしくない。とても民間バス会社だけではできず、地元自治体が補助しているのだろう。おかげで伊根は公共交通機関で充分行くことができる場所になっている。伊根町に入ってすぐが遊覧船乗り場の伊根湾めぐり・日出。12:00発の船に乗る。遊覧船は2階建てで、2階は屋根がない。幸い雨は止んでいるので伊根の舟屋を見るには2階のほうがよいのだが、えさ(「かっぱえびせん」)を狙う海鳥がいっぱい。鳥なので、当然落としものもある(被害に遭った人もいた)。海が荒れ、かばんが重くてバランスが取りづらいので、下の屋根のある席にする。オープンデッキなので、眺望も悪くはない。ところで、舟屋とは船のガレージみたいなもの。道路が整備されていなかった昔は、船が一番便利な乗りものだったのだろう。マイカーならぬマイ船だ。

 遊覧船は25分で港に戻ってきた。宮津方面のバスまで時間があるので、伊根までバスに乗ることにする。伊根までフリー切符で行くことができるのだ。10分近く遅れて来たバスは、細い道を通って伊根に向かう。海からではなく、陸からでも伊根を目指すのだ。伊根の舟屋を間近に見た後、バスで宮津方面に戻るのだが、長い行列ができている。これから伊根湾めぐり・日出に行くのに、伊根の時点で座れない人が出たのだ。幸い、伊根湾めぐり・日出からバスに乗った人はそれほど多くはなかった。その後は、天橋立元伊勢籠神社や天橋立ケーブル下を除いて乗り降りは少なく、1時間ほどで天橋立駅に着いた。ふと駅を見ると、見慣れない列車がいる。近づいて見てみたら、この10月にデビューしたばかりのJR西日本の観光列車、「はなあかり」だ。キハ189系を改造してつくった観光列車だが、3両ともグリーン車になっている。次の列車まで1時間以上あるので、ここでようやくお昼。あさり丼にする。どういうものかと思っていたら、あさりの卵とじが載ったものだった。駅前にある文殊菩薩を参拝し、お土産を買う。

 天橋立15:22発の西舞鶴行きに乗る。1両編成の転換クロスシートだが、ラッピングがしてある。中ほどに温泉に入っている絵が描かれているが、何のラッピングかはよくわからない。この列車で西舞鶴に行くが、途中雨が激しく降って景色が見づらかったところもあるので、引き返すことにする。すぐ時刻表を見て、計画を組み直す。宮津のひとつ手前の駅、栗田で折り返せばよい。西舞鶴16:37発は先ほどとは違って、「コミューター車両」。ただしトイレがあるので、朝豊岡から乗った車両とは違う。栗田からの折り返しは、水色のオリジナルの車両だった。

 西舞鶴に戻り、「秋の乗り放題パス」で名古屋に戻ることにする。最初に乗ったのは、西舞鶴17:55発の福知山行き。緑一色の113系2両編成だ。この113系、2両とも電動車なのでパワーはあるが、よく揺れる。車端部のボックスシートに座ったが、かなりの揺れだった。新型車両に慣れた身にとってはこたえる。綾部で乗り換え。山陰線の列車は向かいに停まっていた。223系の2両編成である。この綾部18:18発園部行き、途中までは順調に走っていたが、下山で停まる。ここですれ違うはずの列車が来ないのだ。なぜかと言えば、途中で鹿をはねたとのこと。鹿をはねたところで徐行するという条件で15分遅れで出発。しかも、対向列車が鹿をはねたところで後片付けをしたため、遅れはさらに拡大。園部で予定していた列車に接続しなくなった。園部では19:44発の京都行きに乗る。221系の4両編成。京都に近づく前に、天橋立で買ったばらずしを食べる。このばらずし、丹後地方に伝わる郷土料理で、鯖のそぼろが特徴である。予想通り、京都に近づくにつれ乗ってくる。亀岡で増え、嵯峨嵐山からは各駅で乗ってくる。時間が時間だけにインバウンド客は少ない。それ以外の日常の利用も根付いているのだ。国鉄時代の非電化のままでは使われなかっただろう。特急の待避駅が変更になったため、3分遅れで京都に到着。

 ダイヤが乱れていたのは山陰線だけではなかった。湖西線も強風で「サンダーバード」が迂回運転、普通も一部区間で間もなく本日の運転を取り止めるようだ。ただ、乗る琵琶湖線の列車には大きな影響はなく、米原で乗り換えることができた。米原からは313系、これを見れば名古屋に近づいてきたことを感じる。時間が遅いので米原で乗り継いだ客は少なかったが、大垣や岐阜で乗ってくる。お酒を飲んだのか、かなり大声で話しているのもいて、正直言ってうるさかった。

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