JR九州、日韓航路から撤退
博多と釜山を結ぶ高速船の「クイーンビートル」。船首内部の浸水を把握していながらその事実を隠蔽し、3か月以上、運航を続けていました。
「クイーンビートル」は運休を続けていましたが、JR九州側は再発防止に取り組むとともに、船体の補強を行って、運航を再開させるつもりでした。しかし、船体の対策を施しても亀裂発生のリスクはあるようで、そのことを理由にして運航再開を断念することになりました。30年以上続いてきた日韓航路から撤退することになったのです。実は、昔使っていた「ビートル」もまだ1隻が売却されずに残っているのですが、保守や運航の人員がいないため、「ビートル」を使っての運航再開もできないのです。運航会社のJR九州高速船は、海上保安部による捜査への対応などが終了次第、清算する予定です。70人の従業員はJR九州グループ内で雇用する予定ですが、船をどうするかは未定です。ほかに譲渡するか廃船するかは未定です。
この「クイーンビートル」は、オーストラリアの造船会社がつくりました。大型化と高速運航を両立させるため、船体を軽量化することができるアルミ合金製の三胴船という構造が採用されましたが、それが徒になったとも言えます。アルミは溶接が難しく、船首がとがっているため、このタイプの船はほかでもトラブルを起こしているようです。ただ、1年の保証期間を過ぎているため、損害賠償を求めることはできず、約57億円かけた船はほとんど活躍できずに使えなくなってしまったのです。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241223/k10014676541000.html、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20241224-OYTNT50006/、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASSDR3DW6SDRULFA01HM.html)
| Permalink | 0
「船」カテゴリの記事
- 新日本海フェリーの舞鶴-小樽航路の定員大幅減(2025.02.16)
- ホーバークラフト、2月中には運航開始か?(2025.02.02)
- 松山-小倉間航路、2025年6月で廃止(2025.02.02)
- 津軽海峡フェリー室蘭-青森航路、2025年4月1日から毎日運航に(2025.01.12)
- JR九州、日韓航路から撤退(2024.12.31)
Comments