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JR九州、日豊線特急を別府または大分で乗り継ぐときの特例を廃止へ

 特急料金は1列車ごとに支払うのが原則なのですが、博多-宮崎空港間を走る特急については、途中の別府または大分で途中下車せずに乗り継ぐ場合、通しの料金で計算する特例があります。元々日豊線の特急は博多-宮崎間を通しで走るものであり、それをJRの都合で分割したため、そのような特例ができたのです。ところが、2025年4月1日の値上げに合わせて、この特例が廃止されることになりました。博多や小倉から日豊線特急で延岡や宮崎に行く場合は、2枚の特急券が必要になります。

 このこと自体は大きな問題ではありません。どうしても特例が多いと制度は複雑になってしまいます。シンプルにするというのは、ひとつの方向です。ただし、これには条件があります。使いやすい割引切符を用意することです。特に宮崎よりも大分県南部の佐伯あたりへの配慮は必要です。

 ところがJR九州はその割引切符の値上げを行います。値上げを行う切符は多種多様に及び、紙の切符もネットの切符も値上げされます。例えば、博多-鹿児島中央間の「九州ネットきっぷ」は、10110円から11420円になります(普通車指定席、通常期)。在来線も博多-小倉間は1470円から1550円、博多-佐賀間は1150円から1300円、博多-大分間は3150円から3500円になります(いずれも普通車指定席)。「かもめネットきっぷ」も博多-浦上・長崎間は4200円から4500円になります(普通車指定席)。

 バスなどほかの交通機関との競争、また「みどりの窓口」からの移行の促進を考えたら、正規の運賃を高くして、状況に応じて割引切符をつくるほうが望ましいです。それを妨げる要因のひとつに、国交省の時代錯誤な運賃規制もあります。博多から佐賀に行くときでさえ特急を使うのに、運賃を規制しても意味はありません。特急料金とのトータルで判断します。整備新幹線で並行在来線が切り離されるのも、運賃が安すぎるからです。そこそこ運賃が取れるのならば、並行在来線(それなりに需要があることが前提ですが)はJRのまま維持でき、しかも、競争力のある新幹線の利用客から高目の運賃をもらうことができます。昔のように窓口で正規切符を買う人ばかりではありません。知っている人は、ネットでできるだけ買おうとします。割引切符の充実している航空機などは、ネットで買うのが当たり前で、正規料金は有名無実です。さらに言えば、強力なライバル、車があります。規制を行うとしても鉄道しか交通手段のなかった時代の遺物を廃し、今の時代に合った規制が必要でしょう。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/12/11/241211_waribiki_kippu_kakaku_minaoshi.pdf)

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