湖西線の風を予測して、「サンダーバード」の迂回運転を減少
昨日の記事で予告した、強風による遅れの減少策について述べます。
以前にも記事にしたように、JR西日本は大阪ガスと共同で、強風予測に関する研究を行ってきました。2022年から湖西線で強風予測システムの試験研究を行い、その試験結果が好調だったことから、この2月からこのシステムの本格導入を始めます。
そもそも、なぜ強風予測システムを導入しようとしたのでしょうか? ほかの鉄道会社もそうですが、JR西日本も長時間の強風が見込まれる場合は、急な運転見合わせや駅間での停車を防ぐため、事前に運転を見合わせたり、徐行運転したりすることがあります。特に湖西線は強風が吹きやすいエリアを走行しているため、気象予測に基づき、「サンダーバード」を琵琶湖線経由で走らせたり、普通の運転を見合わせたりしています。ただ、これをすると「サンダーバード」が30分遅れるため、北陸や関西に遅れが波及し、代行輸送の問題も出てきます。強風が吹くと予測したのに実際には風が吹かず、空振りに終わることもあります。そこでJR西日本のデータサイエンスと大阪ガスの気象予測技術を組み合わせて、湖西線沿線の強風を高精度で予測するシステムの共同開発を行うこととなりました。
強風予測システムの予測エリアは湖西線の大津京-近江塩津付近の間です。予測エリアにある風速計(14か所)の風速や風向きを予測します。大阪ガスが行う高解像度の気象予測データを、JR西日本が開発したAIモデルで解析し、24時間先までの風速や風向きの予測結果を出します。この強風予測システムを導入したらどうなるのでしょうか? 予測精度が向上するため、空振りの発生割合が現在よりも約4割減ります。また、強風予測区間が細かく分割されるため、これまで強風が予測されるときは一律で近江舞子で折り返していたのを予測に合わせて近江今津まで延長させることができるようになります。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250115_00_press_Koseisenkyofuyosoku.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250115_00_kaiken.pdf)
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