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April 2025

JR北海道、2025年度中に特急全車指定席へ

 2024年3月のダイヤ改正で、「北斗」、「すずらん」、「おおぞら」、「とかち」が全車指定席になりました。自由席があるのは札幌-旭川間の「ライラック」、「カムイ」、札幌-網走間の「オホーツク」、札幌・旭川-稚内間の「宗谷」、「サロベツ」ですが、これらも全車指定席になります。

 なぜでしょうか? 「北斗」等の全車指定席化について非難する声もありましたが、実は増収になっていたのです。需要に応じて価格を変動させ、収益を最大化させようとしています。このときに障害となるのが、自由席の存在。どの列車でも乗ることができる自由席はいつでも同じ値段ですので、イールドマネジメントシステムにはなじみません。2025年度中に「ライラック」など自由席がある特急も全車指定席となるようです。
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20250401-3170963/)

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大分経由で由布院に行く割引切符

 由布院に行く列車として有名なのは、「ゆふいんの森」。しかし、「ゆふいんの森」は人気で、席が取れないこともあります。

 そこでJR九州は、「ソニック」を使って由布院に行くことができる、「こっちでも行けるよ!ゆふいんきっぷ」を発売します。博多-由布院間を小倉、大分経由で行くことができるのです(由布院行き、博多行きどちらも設定があります)。発売期間は4月1日から2026年3月31日まで、利用期間は4月26日から2026年3月31日までです。「JR九州インターネット列車予約」でのみ発売し、大人3700円、子供1850円です。「九州ネットきっぷ」でまっすぐ由布院に行くよりも安いのです(「九州ネットきっぷ」で行く場合、「ゆふいんの森」は5600円、「ゆふ」は5100円です)。片道タイプの切符なので、片道は大分経由、もう片道はまっすぐ由布院という使いかたもできます。

 さて、「こっちでも行けるよ!ゆふいんきっぷ」ですが、当然ながら山陽新幹線は利用できません。博多-大分間は「36ぷらす3」以外の特急普通車指定席に乗ることができます。大分-由布院間は普通列車になります。そのあたりは良いのですが、問題は途中下車ができないこと。乗換駅の大分や、著名な温泉のある別府ぐらいは当日限りでもいいですから途中下車できたほうが良いのでは、と思います。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2025/03/27/20250327_kochidemoikeruyo_yuhuin_ticket.pdf)

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加古川線に万博期間限定のお得なフリー切符

 以前、記事にしましたが、万博期間中、加古川線西脇市-谷川間の増発をしています。

 そして、お得な切符も発売しています。4月13日から10月13日までの間(利用日の1か月前から発売)、加古川線全線(加古川-谷川間)が1日乗り放題になるお得なデジタルパス、「ぶらり加古川線 tabiwa 1Dayパス」を発売します。有効期間は1日、大人のみで値段は1200円です。駅では発売せず、スマホのアプリでのみ発売します。

 また、4月13日から6月13日までの間、加古川線沿線の駅、観光スポット等を回って、抽選で沿線の特産品などがもらえる、「ぶらり加古川線 WESTER スタンプラリー」が行われています。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250403_00_press_Kakogawaline_WESTERstamprally.pdf)

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貨物列車で長さ150メートルの北海道新幹線用のレールを運ぶ

 これまで整備新幹線で使うレールは、いったん製鉄所でつくられた長さ150メートルのレールを25メートルごとに切断して、船やトレーラーで運び、軌道建設基地で溶接して再び長さ150メートルのレールとしていました。いったん切って、また元に戻すのです。

 ところが、今回、北海道新幹線のレールの敷設において、150メートルレールのまま貨物列車で運ぶことにしたのです。150メートルレールを切らずに貨物列車に積載して輸送する方法が確立し(実はレールは左右には曲がりやすいので、カーブでもレールは線路に沿って曲がることができます)、また目的地の長万部は在来線と新幹線の工事現場が隣接しているので、150メートルのレールを取り卸ろすことができます。黒崎から長万部まで、山陽線、東海道線、東北線などを経由して4日間かけて約2100キロを貨物列車で運ぶのです。150メートルレールをそのまま使うので溶接作業が少なくなります。工程も短縮します。溶接部分はレールが弱くなりますので、品質の向上にもなります。製鉄所から工事現場まで積み替えなく貨物列車で運ぶことができますので、モーダルシフトにも寄与します。整備新幹線で使うレールを長さ150メートルのまま貨物列車で運ぶこと、そして青函トンネルを通過して北海道まで150メートルレールを貨物列車で運ぶことはこれが初めてです。

 ちなみに、この貨物列車の出発セレモニーは、4月18日、北九州市八幡東区の貨物ヤード内で行われました。そのときに起用されたのが、EF81形303号機。定期運用を終えたばかりのステンレスの電気機関車です。このような話題の機関車で新しい貨物輸送が始まったのです。今後、2027年度までに10~15回ほどこのような輸送を行い、長万部付近の上下合わせて15キロ程度に敷設されます。
(参考:鉄道・運輸機構ホームページ https://www.jrtt.go.jp/corporate/public_relations/pdf/5ba6e8998437f2a2ff3b70f0f79868e1.pdf、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20250401-3170997/、https://news.mynavi.jp/article/20250426-3242867/、函館新聞ホームページ https://digital.hakoshin.jp/business/tourism/130014)

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ライトラインと東武宇都宮線、乗り入れ検討へ

 宇都宮のLRT、ライトラインは駅の東側と工業団地を結ぶだけで、駅の西側は走っていません。しかし、将来的には駅の西側にも延びます。2030年が目標です。

 ライトラインが駅の西側に延びると、東武宇都宮線の近くを通ります。そうなると出てくるのが、ライトラインとの連携。東武宇都宮線は支線なので、ライトラインと連携することによって利便性を増すことができると考えられています。

 どのようになるのでしょうか? 福田栃木県知事によれば、5つの案があるようです。(1)東武宇都宮線そのものをLRTにする (2)東武宇都宮線にライトラインが乗り入れる (3)ライトラインに東武宇都宮までまでの支線をつくり、東武宇都宮でライトラインと東武宇都宮線の乗り換えをする (4)東武宇都宮とライトラインの間を動く歩道でつなぐ (5)何もしない(東武宇都宮とライトラインの間は歩く) 数字が小さい方が実現困難性は高まります。ちなみに、軌間はライトラインも東武宇都宮線も狭軌ですが、電圧はライトラインが750ボルト、東武宇都宮線が1500ボルトと異なります。また、LRTは低床ですが、東武宇都宮線はプラットホームから乗り降りします。(1)や(2)のように直通させるためには、東武宇都宮線の改良工事が必要です。

 もちろん、直通すれば、東武宇都宮線沿線から宇都宮の中心部まで乗り換えなしで行くことができ、利便性が向上します。東武宇都宮線がLRTになれば、駅の設備を簡素化することができ、それで浮いたコストで増発を図ることもできます。ただ、それなりの初期投資は必要で、どれぐらいお金が要るか、また採算がとれるかという計算はされていません。それと延伸の時期が早いので、東武宇都宮線へ直通させることが決まったとしても、東武宇都宮線の改良工事は間に合いません。ライトラインの西側延伸と同時に東武宇都宮線に乗り入れるのは難しいようです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/AST3T34QTT3TUUHB004M.html)

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2025年度は「箱館ハイカラ號」の定期運行を行わず

 函館市企業局交通部の「箱館ハイカラ號」は、1910年生まれの車両。元々は成田(成田と宗吾霊堂を結ぶ成宗電気軌道、太平洋戦争中に不要不急路線として廃止)で走っていましたが、1918年に函館にやって来ました。1937年からは除雪車に改造され、今の「箱館ハイカラ號」となったのは1993年のことです。

 この「箱館ハイカラ號」ですが、例年、4月中旬から10月にかけての休日に走ってきました。しかし、今年2025年度は休日の定期運行を取り止めることにしました。

 その理由は、部品の不足。あまりにも古い車両なので、「箱館ハイカラ號」に使用する一部の部品の入手に時間がかかっています。そのような事情から、10月までの運行シーズンの間に部品が不足する危険性があり、2025年度は定期運行を取り止め、貸切運行だけとすることにしました。

 なお、部品が不足すれば、貸切運行も取り止めます。
(参考:函館市ホームページ https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014032300135/)

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八木西口-畝傍御陵前間の新駅は2030年度開業

 以前から記事にしていましたが、近鉄橿原線八木西口-畝傍御陵前間に新駅をつくるというがあります。仮称を医大新駅と言いますが、この新駅の話が前に進みました。開業時期が明らかになったのです。

 開業するのは2030年度。奈良県、橿原市、近鉄の3者が合意し、費用分担等に関する基本協定を結びました。新駅の近くには、奈良県立医科大学の新外来棟のほか、奈良県が2030年度中に建設を予定している新アリーナがあります。新駅の費用は約30億円を見込んでいますが、約半分を奈良県が負担し、橿原市と近鉄はそれぞれ1割強を負担します。残りは国の負担です。設計や施工は近鉄が行います。2025年度に基本設計を行い、2028年度に着工します。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF283E20Y5A320C2000000/)

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「WESTERポイント超特典チケットレス」ならほぼ1/5

 貯まった「WESTERポイント」でお得に出かけることのできる、「WESTERポイント超特典チケットレス」。大阪から各地への在来線特急が安くなります。

 「WESTERポイント超特典チケットレス」の発売期間は4月2日から10月13日まで、利用期間は4月11日から10月13日まで、万博で大阪に来た人がついでに周辺の観光地を訪れることを想定していると思われます(ただし、万博のチケットがなくても利用できます)。設定区間は「まほろば」の大阪・新大阪-法隆寺・奈良間、「こうのとり」の新大阪・大阪-篠山口・福知山・城崎温泉間、「はまかぜ」の大阪-竹田・城崎温泉・香住・浜坂間、「くろしお」の新大阪・大阪-紀伊田辺・白浜・紀伊勝浦・新宮間、「スーパーはくと」の新大阪・大阪-鳥取・倉吉間です。

 この切符を買うには所定の「WESTERポイント」が必要ですが、どれだけ必要なのでしょうか? 「まほろば」の大阪-奈良間だと340ポイントです(通常期の場合、以下同じ)。通常期の指定席料金が1730円なので、ほぼ1/5の値段で特急に乗ることができるのです。智頭急行が絡む「スーパーはくと」を除いて、ほかの特急も大体1/5程度で乗ることができます。「e5489」限定、席数限定、WESTER会員の登録必要、乗車券別途必要などいろいろな条件がありますが、特急料金が1/5になるのは結構お得です。短距離過ぎて「大和路快速」で十分な奈良だけの話ではなく、遠くて普通列車で行くのが難しい城崎温泉や白浜に行ってもたったの540ポイントです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250401_00_press_WESTERpointTyotokutentickeress.pdf)

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札幌市営地下鉄南北線さっぽろの新ホームは2028年度中に

 札幌市営地下鉄南北線さっぽろの一日平均乗車人員は5.7万人(2018年度)で、札幌市営地下鉄では一番多い駅となっています。しかしホームは島式ホーム1面のみで狭く、 JRの駅につながる北側の階段はいつも混んでいます。エスカレータもありません。しかも、北海道新幹線の開業や駅付近の再開発により、駅の利用者はさらに増えるとみられています。新型コロナ前の2018年に比べて4割も増えるとみています。

 そこで札幌市交通局は南北線さっぽろのホームを増設することにしました。現在のホームを麻生方面の専用ホームにし、東に真駒内方面の専用ホームをつくります。長さ120メートル、幅6メートルです。課題となっていた北側のエスカレータも整備します。

 北海道新幹線の延伸はかなり遅れますが、地下鉄の新ホームは2028年度中にできます。2028年に完成予定の札幌西武跡地の再開発ビルと直結します。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/48f097cc8f0961cdc40e41f9642ba698e617dda2、南北線さっぽろ駅ホーム増設土木工事ホームページ https://www.nanbokuline-platform.jp/overview/)

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名鉄バス、名古屋市内に有効な「758きっぷ」を発売

 名古屋市内の路線バスは名古屋市交通局が運行するものが大半ですが、名鉄バスが運行する路線もあります。その名鉄バスですが、令和7年5月8日が「なごや」と読めることから、この期間に使うことのできるフリー切符、「758きっぷ」を発売します。

 「758きっぷ」の発売期間は4月26日から5月11日まで。利用可能期間は5月3日から11日までの1日のみです。利用可能区間は名鉄バスセンター・栄-大治西条間、名鉄バスセンター-新家間、名鉄バスセンター-三軒家間です。名古屋市交通局のバスのほか、「ささしまウェルカムバス」、鳴海地区では利用できません。名鉄バスセンターでのみ発売し、値段は1000円です。この切符、端材、間伐材、廃材などの再利用資源から製造されるエコ素材で、直径9センチのコースター型になっています。レーザー彫刻でバス停風のデザインになっていますので、バスに乗った後でも使えます。なお、使用の際にはあらかじめ利用日を油性サインペンなどではっきりと書いておく必要があります。
(参考:名鉄バスホームページ https://www.meitetsu-bus.co.jp/info/detail/1257)

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大井川鐵道は2029年全線復旧へ

 大井川鐵道は2022年の台風で大きな被害を受け、2年以上経った今でも、川根温泉笹間渡-千頭間が運休したままとなっています。

 この大井川鐵道ですが、ようやく復旧することになりました。2025年から4年かけて工事を行い、工事が終わったところから順次運行を初め、2029年に全線復旧します。

 ここで問題になるのは復旧費用。大井川鐵道は台風による物理的な被害のほか、新型コロナウイルスの影響により観光需要が大きく落ち込み、苦しい経営が続いています。とても自力で復旧させることができません。そこで国、静岡県や沿線自治体の島田市、川根本町から資金の補助や貸し付けを受け、それで復旧工事を行います。

 復旧工事にかかる費用は約21億円。このうち災害復旧費用は約4.8億円で、残りの約16.2億円は老朽化したトンネルの補修にかかる機能回復事業です。開業して90年以上経つ大井川鐵道では、トンネル内壁の剥離、ひび割れ、歪みが起きています。この機会に補助金で補修しようというのです。まず、災害復旧は鉄道事業者が1/2、国と沿線自治体が1/4ずつ負担します。沿線自治体の負担額1.2億円は、島田市が0.1億円、川根本町が1.1億円の負担です。不通区間のほとんどが川根本町のため、川根本町の負担額が大きくなっています。大井川鐵道は本来なら2.4億円の負担なのですが、これについては静岡県が1.2億円、島田市が0.1億円、川根本町が1.1億円を補助するため、大井川鐵道の実質的な負担額は0円となります。機能回復事業は国と地方が1/3ずつ補助し、残りの1/3を鉄道事業者が負担します。国、静岡県、大井川鐵道が5.4億円ずつお金を出します。この大井川鐵道の負担についても、半分の2.7億円は静岡県が貸し付け、島田市も0.9億円を貸し付けます。これに対して川根本町は1.8億円を補助します。つまり、大井川鐵道は後で3.6億円を静岡県と島田市に返す必要があるのです。

 なぜ川根本町は貸し付けでなく、全額補助にしたのでしょうか? 大井川鐵道が全線復旧することによって生まれる経済効果は川根本町のほうが大きいのです。2018年と2023年の経済効果を比較すると、島田市は約2.0億円であるのに対して、川根本町は約5.3億円です。JR線沿いが中心部の島田市と、奥のほうの川根本町とは事情が異なるのです。運休を続けることによって、川根本町は約5.3億円の損失を被るのです。つまり、お金がなくて大井川鐵道が運休を続けるぐらいなら、3億円近くを出しても価値があるのです。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC287750Y5A320C2000000/、マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20250413-daitetsu/)

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広電の新駅ビル乗り入れは8月3日

 現在、広島駅から路線電車に乗ると、いったん中心部とは逆の東の方向に向かいます。時間のロスです。

 そういうこともあって広電は、駅前大橋線をつくり、広島駅と中心部との所要時間を短縮させることにしました。また、広島駅では駅ビルの2階に乗り入れ、雨に濡れることなく路面電車に乗ることができます。JRの改札口と路面電車乗り場との移動時間は約70秒です。

 その新駅ビル乗り入れですが、開業日が決まりました。8月3日です。以前にも記事にしたように、原爆の日よりも若干早くなっています。開業するのは広島駅-比治山下間の1.1キロで、途中、稲荷町、松川町の2停留所が設けられます(全くの新規の停留所は松川町のみ)。稲荷町からは八丁堀、紙屋町方面につながり、稲荷町-比治山下間は広島港に行く5号線のみが走ります。新線の開通により、広島駅-八丁堀・紙屋町方面の所要時間は約4分、広島駅-比治山下間の所要時間は約4.5分短縮されます。

 広島駅の乗り場は2つから4つに増えるので、乗り場も系統ごとに分けられます。Aホームは5号線比治山下経由広島港行き、Bホームは2号線広電宮島口行き、奥のほうにあるCホームは6号線江波行き、Dホームは1号線紙屋町経由広島港行きです。

 今回の開業により、廃止になる停留所があります。広島駅の隣の猿猴橋町です。的場町と段原一丁目は循環ルート整備のため、2026年春ごろまでいったん休止します。2026年春完成予定の循環ルートは、広電本社前-市役所前-紙屋町東-八丁堀-稲荷町-的場町-段原一丁目-比治山下-皆実町六丁目-広電本社前というルートで走ります。広島の中心部を一周するルートです。
(参考:広島電鉄ホームページ https://www.hiroden-hiroshima-st.jp)

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高師浜線の自動運転は2027年度から

 今後、生産年齢人口は減っていきます。こうなると、乗務員の確保が難しくなります。このような状況の中でも、列車本数を維持し、鉄道事業を持続可能なものにするため、南海は自動運転を行うことを考えています。2022年から自動運転の実証運転の準備を始め、和歌山港線において7200キロもの走行運転を行ってきました。

 南海の考えている自動運転では、GoA2.5。運転士の資格を持たない係員が運転席に乗務します。すでにJR九州の香椎線で実用化されており、緊急停止操作や避難誘導等を行います。運転士が係員に置き換わるためなので人数そのものは減りませんが、運転士の養成にかかるコストを削減できます。このたび、有識者からなるGoA2.5自動運転検討委員会で安全性等についての評価を受け、ついに2027年度から高師浜線でGoA2.5による自動運転を行うこととなりました。高師浜線は全長1.4キロの短い路線で、1編成の列車が行ったり来たりしています。しかも、全線高架で、踏切はありません。ほかの線に比べて、自動運転はやりやすいとも言えます。なお、車両は8300系を使います。

 今後のスケジュールは次の通りです。2025年度中に、GoA2.5自動運転に必要な地上設備と車両改造のための詳細設計、そして機器類等の製造を始めます。2026年度は地上設備の施工と車両改造を終え、走行試験を行います。そして2027年度にはGoA2.5係員の養成を行い、GoA2.5自動運転を始めます。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/250326_2.pdf)

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本長篠を1面1線に

 本長篠は特急も停まる飯田線の主要駅で、ここで折り返す列車も多数あります。

 しかし、この本長篠、駅に隣接して川が流れていて、以前から雨等の影響で地盤が変化し、線路設備等の変形が起きていました。しかも最近は異常気象の影響で、本長篠の被災が増える傾向にあります。そこで将来にわたって駅を安全に使っていくため、抜本的な対策を行うことにしました。

 どういうことかと言えば、過去の大雨で被害が生じた既設ホームや上り本線を撤去し、新たに駅舎側にホームをつくります。駅舎の改築も行います。これまで1面2線の島式ホームだったのが、1面1線の駅になります。駅舎は小ぶりになるようです。1面1線ということは、駅での交換ができないということになりますので、ダイヤの見直しも必要になります。工事期間は4月から2028年3月の予定で、工事が完了次第、順次使用を開始する予定です。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000044198.pdf)

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夜行「ひのとり」、大阪発も登場

 「ひのとり」を使った夜行が走るということは以前に記事にしましたが、その夜行は名古屋から大阪に向かうものでした。しかし、今回、大阪から名古屋に行くものが設定されることになったのです。

 「ミッドナイトひのとり」という名前のこのツアーは、6月15日、7月20日、9月14日の3日間催行されます。いずれも日曜日ですが、出発が深夜なので、実質的には土曜日の夜に出発します。大阪難波0:01発で、大阪上本町や鶴橋からも乗車できます。途中の名張で約4時間停まり(乗り降りはできません)、明朝は津、白子、近鉄四日市、桑名に停車し(降車可能です)、終点近鉄名古屋には7:02に到着します。片道だけのツアーで、近鉄名古屋発のように帰りの切符の用意はありません。大阪・関西万博やテーマパーク、ライブなどからの帰りを想定しているようです。

 このツアーの募集人員は156人(最少催行人員は60人)、1人または2人1組で参加します。このうち、「プレミアムシート」は36人で、単独席が12席、ペア席が24席あります。「レギュラーシート」は120席です。値段は「プレミアムシート」が1人9700円、「レギュラーシート」は1人の場合8000円、2人の場合6000円です。いずれも、近鉄名古屋着の場合の大人の値段で、子供の場合や、桑名までで降りた場合は安くなります。1人の場合高くなるのは2席を占領することができるからです。ちなみに、通常の「ひのとり」の「レギュラーシート」の値段は4990円ですので、1000円ほど高くなっていると言えます。申し込みは22日から受け付けています。近鉄各駅営業所もしくはインターネットで受け付けています。
(参考:近鉄ホームページ https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/e5fc88cfeabf40048b8f8f693563ae8b/20250421rw.pdf)

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「3・3・SUNフリーきっぷ」で南海へ

 今回、大阪・関西万博に行ったとき(そのときの旅行記はこちら)、復活した「3・3・SUNフリーきっぷ」を使ってきました。

 

(1)QRコード対応の改札はどこ?
 通常、近鉄で関西方面に行くときは、事前に金券ショップで株優を買っておくが、今回はデジタルというかたちで復活した「3・3・SUNフリーきっぷ」を使ってみることにした。スマホで購入してから30日間有効で、使う日になってから「Eチケットを利用」というボタンを押して使う仕組みとなっている。駅での乗り降りは自動改札を使うのだが、QRコードに対応している自動改札は少なく、駅員に聞くことになる。磁気の切符がなくなり、駅の券売機で買う切符がQRコードが記載されている切符になるまでは、このような状態が続くのだろう。

(2)無所属の和泉こうみ
 翌日の19日は南海になった和泉中央からスタート。駅に入る前に、バスターミナルから見ていく。3月末で和泉市山間部のバスが廃止され、大きく変わったからだ。朝夕は小型ながらもバスが走るが、昼はタクシー会社のジャンボタクシー。昼の乗る場所もバスターミナルではなく、自家用車やタクシーが停まる側から乗ることになる。これまで大型のバスが走っていたところでも、ジャンボタクシーで間に合うぐらいの需要しかなかったのが現状だったのか?

 駅には「鉄道むすめ」のイラストが描かれている。泉北の和泉こうみのほか、何人もの「鉄道むすめ」が描かれているが、彼女たちには「◯◯鉄道株式会社運転士」などと所属が書かれている。しかし、和泉こうみはイラストは残っているものの、所属はひとつは白紙、もうひとつは「運転士」という職種のみになっている。彼女は無事に南海に採用されるのだろうか?

(3)やはり7100系には緑がよく似合う
 「3・3・SUNフリーきっぷ」を使って南海に乗る。車両は元泉北の車両。ロゴは南海になっているが、塗装は泉北時代のまま。こちらもいずれ南海と同じようになるのだろうか? 予定では中百舌鳥で河内長野方面に乗り換えるはずだったが、入ってきた難波行きの各駅停車を見るとデビュー当時の姿に復元された6000系。帯の色が消され、無塗装になっている。予定を変更して堺東まで乗ることにする。フリー切符のいいところだ。

 用事を終え、南海本線に乗りに行く。ワンマン列車に乗るのが目的なので天下茶屋から「サザン」に乗ったが、自由席は緑の濃淡の7100系。一発で当てるのは運が良い。当然これに乗って泉佐野まで行く。欲を言えば座席のモケットも赤にして欲しかったが。

(4)南海本線のワンマン列車
 泉佐野で普通に乗り換える。普通は岸和田で追い越したので、10分ぐらい待つ。来たのは8300系の4両編成なので、ここ泉佐野からワンマンになる。確かに車掌はいない。本線でワンマンとは違和感があるが、普通限定で駅には自動改札があるから問題は少ないのであろう。2駅目の吉見ノ里で降りる。吉見ノ里から難波に戻るが、次に乗った難波行きも8300系で、ワンマンであった。泉佐野では車掌が乗ってきて、これまで通りのツーマンになる。

(5)最後は近鉄の8A系
 大阪難波から近鉄に乗る。とりあえず鶴橋から大阪線の急行に乗ったが、接続がよくないので、どこかで時間調整をしようと考えていたところ、布施を過ぎたところで奈良線で新型車両、8A系を見かける。急行なのですぐに降りることはできず、大和八木で少しのチャンスに賭けてみることにする。普通で次の八木西口に行き、地下道を通ると反対側のホームに8A系の急行が入ってきた。大和八木までの非常に短い区間だが、近鉄久しぶりの一般車の新車に乗ることができた。

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大阪・関西万博に行ってきました

 18日のことですが、開幕したばかりの大阪・関西万博に行ってきました。いくつか気になったことを項目ごとに書いていきたいと思います。

 

(1)メインアクセスについて
 万博のメインアクセスは万博のメインアクセスはOsaka Metro中央線。バスで行く方法もあるが、完全に予約なしで乗ることができるのは地下鉄ぐらいだ。しかも、シャトルバスは桜島からのものを除いて結構高い。ただ、地下鉄は一本しかないので、混雑が予想される。本町からだと乗れないと思い、鶴橋で降り、千日前線と谷町線に乗って、谷町四丁目で中央線に乗り換えることにした。中央線のホームに着くと、すぐに列車がやって来た。近鉄の車両だ(帰りもOsaka Metroの車両だったが、新型ではなかった。新型に乗るのは万博が終わって空いてからか?)。さて、肝心の混み具合だが、頻繁に運転されていることもあって、それほど混んでいない。千日前線や谷町線のほうが混んでいる。話を中央線に戻す。コスモスクエアからは新規に開業した区間。先頭に乗ることができたので、運転席越しに前方を見る。運転士の真後ろではないので、カーテンは降ろされない。しっかりと新規開業区間を見ることができた。もっとも、この区間は全て地下なので、真っ暗なのだが。 

(2)入場について
 夢洲で地上に出ると、そこは万博会場。かなり無駄に歩かされるが、混雑したときに備えてのためだろう。ゲートに並び、荷物検査を受ける。空港での検査みたいなものだ。セキュリティチェックの後は、係員に入場券を見せる。入場券は紙ではなく、スマホに入っている。2025年の万博には、「紙の入場券」という概念はないのだ。入口付近ではみんなが一斉にスマホを操作するため、電波が届きにくいと聞いていたので、プリントアウトした紙を機械にかざして入る。列に並んでから5分余りで入ることができた。思ったよりもスムーズだ。

 会場は始まったばかりの平日ということもあって、混んではいない。快適に回ることができる。そこそこ来ているので、賑やかさもある。遠足の児童、生徒も多いが、彼らは一部を除いて早目に引き上げる。

(3)2025年の万博はスマホが使えるのが前提
 万博に行くことを思い付いたのが、行く5日前のことだったので、パビリオンの予約は3日前の先着順のものしかできなかった。3日前の早朝にひとつだけパビリオンを予約したが、入場して10分経つと、さらにひとつパビリオンを予約することができる。スマホを操作して、さらにもうひとつ予約することができた。ここ万博ではスマホを使いこなすのが話の前提であり、スマホが使えないと来場日を決めることすらできない。入場券も紙ではなく、スマホだ。一緒に行く人のうち、誰かひとりはスマホが使える必要がある。会場でもスマホはよく使うので、充電はしっかりしておくとともに、モバイルバッテリーも持って行くほうがよい。

(4)熱中症対策
 熱中症対策として、帽子は必需品。大屋根リングの下は陰になっているところもあり、歩きやすい(反対に大屋根リングは、日光を遮るものは何もないが、見晴らしが良い。昼間だけでなく、夜景も見ておきたいものである)。しかし、その万博会場も海のすぐ側にあるため、風が吹く。夕方や夜は意外に寒くなることもあるので、その対策も必要。

(5)会場内はひたすら歩く
 今回の万博では、会場内には興味のある乗り物はない(会場の外では新規開業区間はあるし、西九条で貨物線を通過する「エキスポライナー」は乗ってみたい)。愛知万博のように万博会場内に期間限定の鉄道ができるわけではない。万博会場はひたすら歩く。EVバスはあるが、会場の外周を走り、停留所も少ないので、あまり使えない。東西の端を急いで移動したいときに使う乗り物だ。会場内を気軽に使うことのできる乗り物が欲しかったところだ。

(6)万博の物価について
 万博の物価は高い。大体街中の物価の1.5倍か2倍ぐらいの感覚。どうしても国内のものと比較すると高く、腹立たしく思えるので、思い切って外国のものを食べるのはどうか? 外国に行くことを思えば安いはずだ。外国のパビリオンの中にはレストランのあるものもある。弁当やパンの持ち込みもできるので、お腹が空いたときのためにおにぎりやパンを持っていったほうが良い。また、熱中症対策には適切に水分を摂ることが重要である。水筒は必需品だが、会場の中でもペットボトルは売っている。値段も街中の自販機と変わらず、良心的だ。ちなみに私は、会場で買ったのは大豆ミートのチキンカツだけ。食感は普通の鶏と変わらなかったので、言われないと大豆とはわからない。結局、外国の食べ物は買わなかったので、次行く機会があれば、食べてみたい。

(7)トイレで気になること
 トイレに関しては、混んでいたのは夢洲の駅ぐらいで、会場は混んでいるようには見えなかった。ただ、ところどころに「オールジェンダートイレ」というものがあるが、あれは誰が使うのを想定しているのだろうか? ある意味、痴漢の温床になりそうな気がするし、せっかくのトイレなのに使いづらい。今のトイレが使いにくい人には身障者用のトイレがあるのだから、それを増やして対応したほうが無用なトラブルを回避できそうな気もする。

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肥薩おれんじ鉄道、定期外客を11年で1.5倍に増やす計画

 肥薩おれんじ鉄道は熊本、鹿児島2県に跨がる第三セクター。九州新幹線新八代-鹿児島中央間の開業によって、JR九州から分離されました。

 ただ、この肥薩おれんじ鉄道、県境の人口の少ないところを通るため、経営状況は苦しいです。

 そこで、肥薩おれんじ鉄道の沿線自治体は、国の補助を受けようとしています。そしてそのためには、地域公共交通計画というのをつくらないといけません。3月26日に法定協議会があり、その素案が了承されました。

 ところで、今回了承された素案とはどういうものでしょうか? 地域公共交通計画は2025年度から2035年度までの11年間にわたるものですが、頼りにしているのは定期外利用者。2023年度に24.2万人だったのですが、2035年度には1.5倍近い35.9万人に増やす計画です。そのほか、全ての車両もしくは駅にキャッシュレス決済を導入し、運転士は2028年度までに6人増やします

 沿線は人口減少が進む過疎地帯。日常的な利用者が見込めないことは容易に理解できますが、そんな状況で定期外利用者を1.5倍にするには、どうすればよいのでしょうか? 肥薩おれんじ鉄道があるのは貨物輸送のためでしょうが、そもそも末端区間なので貨物をトラックで運べば解決します。赤字でも支える覚悟があるのなら沿線自治体が負担すればいいですが、そうでなければそういう極論も考えないといけません。
(参考:南日本新聞ホームページ https://nordot.app/1277939617479557151?c=648454265403114593)

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蒲郡線はみなし上下分離に

 名鉄の中で利用者が少なく、存廃が話題になっているのは、名鉄西尾・蒲郡線西尾-蒲郡間と名鉄広見線新可児-御嵩間です。そのうち、名鉄西尾・蒲郡線のほうで、動きがありました。

 これまで西尾、蒲郡両市は、2010年度から毎年2.5億円の財政支援をしています。その支援の仕組みは2026年度まで続きますが、2027年度からは新たな仕組みで支援します。国の交付金を活用し、名鉄西尾・蒲郡線のうち、さらに利用者が少ない蒲郡線について、みなし上下分離方式で存続させることにしました。地方自治体は鉄道施設などの資産を保有しませんが、保有経費相当分を地方自治体が負担し、実質的に上下分離をしたのと同じような効果になるのです。

 存続期間は2027年4月からの15年間、この区間の維持管理や設備投資には年間4~4.5億円がかかりますが、これを両市で負担します。今は2.5億円ですから、倍近く負担が増えることになりますが、これで鉄道が維持できるのならそう高くはないでしょう。
(参考:東愛知新聞ホームページ https://higashiaichi.jp/news/detail.php?id=24449、東日新聞ホームページ https://www.tonichi.net/news/index.php?id=114556)

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嵯峨野観光鉄道に新しいトロッコ列車

 嵯峨野観光鉄道は山陰線の改良により不要となって区間を活かしてつくった観光鉄道。トンネルだらけの新線区間とは違い、昔からの線路なので、川沿いに走ります。

 この嵯峨野観光鉄道に、新たなトロッコ列車が走ることになりました。JR西日本グループの株式会社JR西日本テクノスが製作し、2027年春にデビューさせます。現行の車両は2026年で引退します。

 それでは、その新しいトロッコ列車、どういうものでしょうか? 新しいトロッコ列車は牽引車と客車からなります。機関車ではなく、牽引車としているのは何か意図があるのでしょうか? そして、客車は座席間隔や通路幅が拡大し、天井や側面はガラス張りになります。外国人対応のためでしょうか、日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語に対応した車内表示器が設置されます。グループで使うことのできる特別室もできるようです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250321_00_press_NewTorokko2027debut.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/531936)

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東京メトロ有楽町線延伸区間と東武伊勢崎線、直通運転へ

 有楽町線の豊洲から分岐して、住吉まで行く有楽町線延伸区間。この有楽町線延伸区間ですが、半蔵門線もある住吉で伊勢崎線方面への相互直通運転を行います。有楽町線延伸区間(豊洲-住吉間)から半蔵門線(住吉-押上間)を通って、東武の伊勢崎線や日光線と相互直通運転をするのです。有楽町線延伸区間が開業する2030年代半ばに行う予定です。

 相互直通運転は10両編成の車両で行います。相互直通運転を行う区間や相互直通運転の運行計画はこれから検討するとのことです。ただ、この相互直通運転によって、豊洲から押上までの所要時間が現行より8分短縮の約14分、豊洲から春日部も8分短縮して約53分になります。どちらも2回ずつあった乗り換え回数はともに0回になります。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/202504171312081Q_nuLFJEbkEP4oomDSi2A.pdf)

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肥薩線は3駅廃止

 3月31日のことですが、熊本県とJR九州は肥薩線八代-人吉間の復旧について最終合意を行いました。JR九州は2025年度から復旧に向けた設計などを行い、2033年度ごろに復旧させます。

 ただ、全ての駅が残るわけではありません。肥薩線八代-人吉間には両端の八代、人吉を含めて15の駅がありますが、そのうち利用者の少ない3駅を復活させず、廃止することにしました。廃止するのは、瀬戸石、海路、那良口の3駅。いずれも1日平均の利用者が0~1人のところです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20250401-OYTNT50019/)

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小湊鐵道と久留里線を結ぶバスツアー

 千葉県のローカル鉄道の小湊鐵道と久留里線ですが、ふたつをまとめて乗るのは難しいです。終点の上総中野と上総亀山を結ぶ交通機関がないので、まとめて乗ろうと思ったら、五井や木更津まで戻らないといけません。

 その小湊鐵道と久留里線ですが、ゴールデンウィークに養老渓谷(上総中野のひとつ手前の駅)と上総亀山とを結ぶバスツアーが運行されます。運行するのは、4月26日、5月3~5日の4日間。4日間とも、養老渓谷発上総亀山着、上総亀山発養老渓谷着の両方が用意されています。バス(参加人数によってはタクシー)の所要時間は30分ほどで、代金(4800円)には小湊鐵道の1日フリー乗車券もついていますので(JRの切符はありません)、それを使って小湊鐵道を楽しむことができます。

 本来、上総中野と上総亀山の間は、国鉄が走る予定でした。木更津と大原の間が鉄道で結ばれる予定でした。両端は鉄道ができましたが(東のほうはいすみ鉄道です)、真ん中の部分は鉄道ができないまま今に至っています。そのできなかった区間をカバーするのが、今回のバスツアーです。
(参考:ローソントラベルホームページ https://tour.l-tike.com/package_tour/domestic/detail.php?id=1222963)

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「ノロッコ号」、2026年度も運行

 「くしろ湿原ノロッコ号」、「富良野・美瑛ノロッコ号」といった「ノロッコ号」車両は、2025年度で運行を終える予定でした。

 ところが、この「ノロッコ号」、2026年度も走り続けるのです。なぜかと言えば、後継の「赤い星」、「青い星」の運行開始時期が遅れるからです。なぜ遅れるのかと言えば、「赤い星」、「青い星」の改造に時間がかかっているからなのです。

 「赤い星」、「青い星」の元々の車両はキハ143形。つくられてから40年以上が経過しています。改造に伴い、通常の定期検査では取り外さない内装材の内側を確認したところ、想定以上の腐食や歪みがあることがわかりました。「赤い星」、「青い星」は豪華で上質な観光列車として走らせます。そういうこともあって、通常の修繕より手をかけることにしたのです。

 先ほども述べたように、「赤い星」、「青い星」の運行開始時期の遅れをカバーするため、「ノロッコ号」は2026年度も走り続けることとなりました。しかし、「ノロッコ号」も古いです。牽引する機関車は経年が45年以上、客車は40年以上で老朽化が進んでいます。補修したくても部品の製造が中止されているものがありますので、使い続けることは困難です。ですから、「ノロッコ号」も2026年度までしか運行できません。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20250319_KO_startrain_zikihenkou.pdf)

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富山地鉄、このままでは維持できるのは富山近郊のみ

 明日、富山地方鉄道はダイヤ改正を行います。ダイヤ改正後の時刻表を見ましたが、昼間の上市-新魚津間は2時間間隔になり、冬季の岩峅寺-立山間は昼間運休となります。厳しい経営状況を反映したダイヤ改正です。

 さて、富山地方鉄道としては、鉄道を維持するには、運行委託の形態を採りたいと考えているようです。資産は地元自治体が保有し、富山地方鉄道は運行に専念します。鉄道事業の赤字は6~7億円(売上は15~20億円)、富山県や市町村からの支援がないと、一部区間の廃止を検討しないといけないようです。ダイヤ改正で減便にしても、赤字を減らすことは難しく(仮に本数を半分にしても、赤字は数千万円しか縮小しません)、地元の支援がないとやっていけないのです。

 さて、富山地方鉄道で黒字の区間はどこでしょうか? それは、富山から上市、五百石、月岡までの範囲だそうです。ただ、富山地方鉄道の場合、終点の宇奈月温泉や立山が著名な観光地で、端のほうを廃止するわけにはいかない、というのが難しいところです。
(参考:FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/-/848645)

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週末の「くろしお」はチケットレスでお得

 JR西日本は、4月9日から7月27日までの期間限定で、週末の一部の「くろしお」が安くなる、「WEB早特7チケットレス特急券」をキャンペーン価格で発売します。

 発売期間は4月9日から7月27日まで、利用日の1か月前から7日前までの発売です。「e5489」でのみ発売し、支払いはクレジットカードのみです。また、割引切符のため、予約できる座席数には限りがあります。利用期間は5月9日から8月3日までの金、土、日曜日です。7月21日は祝日ですが、月曜日なので、対象外です。対象となる「くろしお」は、「くろしお3号」、「くろしお5号」、「くろしお25号」、「くろしお27号」、「くろしお4号」、「くろしお10号」、「くろしお14号」、「くろしお28号」、「くろしお30号」の上下合わせて9本です。なぜ、これら9本が対象なのかは、よくわかりません。

 さて、主な区間の値段は次の通りです(運賃は別途支払う必要があります)。通常の指定席特急料金が1730円、通常の「WEB早特7チケットレス特急券」が1120円の新大阪-和歌山間は、600円。通常の指定席特急料金が2730円、通常の「WEB早特7チケットレス特急券」が1770円の新大阪-白浜間は、950円。通常の指定席特急料金が2950円、通常の「WEB早特7チケットレス特急券」が1910円の新大阪-新宮間は、1030円です。和歌山はともかく、白浜や新宮はかなりの安い切符です。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250321_00_press_Kuroshio_WEB7hayatokuticketless_1.pdf)

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高山でも「TOICA」?

 JR東海のインターネット予約、「エクスプレス予約」は、新幹線に特化しているため(そのため操作が簡単になり、使いやすくなるというメリットがあります)、どうしても在来線には弱くなります。在来線まで対応するとどうしても操作が複雑になるので、単純に在来線にも対応させるのが良い、とはなりません。

 そのJR東海ですが、名古屋と飛騨とを結ぶ特急「ひだ」について、チケットレス化を進める方針です。おそらくJR西日本のインターネット予約、「e5489」を使うものと思われます。

 そして、高山線では美濃太田以北では「TOICA」が使えませんでしたが、下呂、高山、飛騨古川の3駅については、「ひだ」利用時に「TOICA」を利用することができるようになります。名古屋などからこれら3駅に「ひだ」で行くときはもちろん、高山線の主要駅に自動改札機を置くのなら、不正乗車を防ぐ効果もあるでしょう。主要駅だけでも自動改札なら、そこである程度はチェックが利きます。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/79fd59422d0a95443b65f537fc93cabf7f9751ba)

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名鉄バスに国産バッテリーEV大型バス

 名鉄バスは、3月10日から名鉄バスセンターから瀬戸方面に向かって走る基幹バスで、国産初のバッテリーEV大型バス「エルガEV」1台と燃料電池バス「SORA」1台の運行を始めました。

 このうち、「エルガ」はいすゞ自動車が製造する国産初のバッテリーEV大型バスです。車内混雑の緩和と段差でのつまずきによる転倒防止のため、最後部までフルフラット化を行っています。トヨタ自動車の「SORA」はノンストップのエリア(後ろのほうには段差があります)に未使用時には自動的に格納されるシートを採用しています。ベビーカーや車椅子を使っている人がいるときはその人たちのスペースに充て、そういう人がいないときは座れば良いのです。

 さて、「エルガ」には3月中に乗る機会がありました。確かにフルフラット化されていますが、座席を置くことができないデッドスペースが多く、座ることができませんでした。最後部は座席数を増やすため後ろ向きの座席をつくっていますが(向かい合わせのボックスシートになっていますので、半個室みたいな雰囲気です)、それでも座席定員はたったの19席、現行のノンステップバスに比べてもかなり座席数が減っています。そして、EVなのでエンジン音はなく、走行音は静かです。

 これまで、EVの最大の欠点は国産の適切な車両がないこと。普通のエンジンの車両なら国産のいい車両がたくさんあるのに、EVにこだわるとどうしても外国産になってしまいます。これに関しては、国産のバスを推進することによりある程度は解決できるでしょう。ただ、EVとは関係ありませんが、フルフラット化はあまり賛成できません。すでに入口から出口までのフルフラットは達成できていて、座席が減るデメリットを受け入れてまで最後部までの完全フルフラット化はしなくても良いと思われます。フルフラット部分は優先席やタイヤ部分を除いては立席を増やし、動線から外れる後ろの部分は座席をできるだけ増やすというのもひとつの考えです。
(参考:名鉄バスホームページ https://www.meitetsu-bus.co.jp/image/upload/3a5aeb60673e30a8ccf9700770b89f44.pdf)

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阿部長野県知事、不採算路線を廃止したい路線バス会社に代替手段確保させる

 バスは運転士がいないと走らせることができません。将来は無人のバスが走るかもしれませんが、今は運転士がいないとどうにもなりません。

 長野にも廃止を考えているバスがあります。アルピコ交通と長電バスは、深刻な運転士不足などを理由に、9月末にバス路線6路線を廃止する方針です。この方針に対して、阿部長野県知事は、バス会社に代替手段を確保するように求めています。

 はっきり言って、代替手段を考えるのは行政の仕事でしょう。補助金を投入してバスを維持するか、地元民だけしか使わないことを前提にしたコミュニティバスにするか、タクシーの補助券みたいなものにするかはともかくとして、バス会社が主体的に考えなければならないことではありません。

 鉄道でもそうですが、会社に押しつけて終わりでは、何の解決にもなりません。地域の交通は、地元自治体が主体となって考えないといけないのです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/5cdbb499c471776c6be77229fb0f45bc2ac0f1bc、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC105OF0Q5A410C2000000/?msockid=14a30a4a6e7662f310461f4b6ffd6323)

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奈良-夢洲間直通はIR開業前に

 今日開幕する大阪・関西万博。メインのアクセスはOsaka Metro中央線です。普通列車だけです。ところが、この地下鉄に有料特急を走らせるというがあります。

 この話ですが、大阪・関西万博には間に合いませんでしたが、2030年秋と見込まれているIRの開業前に奈良方面からの直通列車を走らせる方針です。

 当然ながら、近鉄奈良線とOsaka Metro中央線を直通させるためには、集電方式が異なるので、双方に対応することのできる車両が必要です。今までの日本にはなかった車両ですが、それなりに目途が立っているのでしょう。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20250325-DZGAY3M7UJO2VMZYWK4BHWWAPI/)

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JR西日本にも阪急にも乗ることができるフリー切符

 これまで、JR西日本と関西大手私鉄の両方に乗ることができるフリー切符はないわけではなかったのですが、あまり例がありませんでした。

 ところが、JR西日本、関西大手私鉄5社、Osaka Metroの7社からなる関西MaaS協議会が設立されています。その協議会からは、QRコードでのフリー切符を売り出しています。そしてこの4月1日から、JR西日本と阪急が乗り放題のフリー切符を発売しました。

 このフリー切符の名前は、「阪急・JR西日本 京都2wayパス」。「KANSAI MaaS」のチケット画面から乗車券のQRコードを表示させ、QRコード対応の自動改札機にかざして乗車します。JR京都線、阪急京都線などが1日間乗り放題です(特急や指定席に乗る場合は、特急券や指定席券を別途購入する必要があります)。JR西日本にも阪急にも乗ることができるのです。発売期間は4月1日から10月31日までで、利用日の1か月前から当日まで購入することができます。有効期間は1日限りで、0時を過ぎても最終列車まで利用できます。値段は1300円で、大人のみの設定です。「KANSAI MaaS」で発売するので、駅の「みどりの窓口」や券売機での購入はできません。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250317_00_press_hankyu_kyoto2waypass.pdf)

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JR西日本とJR四国が24240円で2日間乗り放題

 JRの旅客輸送は6社に分割され、フリー切符の類は自社で完結するものが多くなっています。しかし、JR西日本とJR四国は、同じインターネット予約「e5489」を使っているため、共同での割引切符もあります。

 そのJR西日本、JR四国が今回つくった切符が、「西日本・四国乗り放題パス」。「J-WESTカード」会員限定で、「e5489」でのみ発売します。「みどりの窓口」での発売はしません。JR西日本、JR四国の新幹線、特急の普通車自由席が乗り放題で、6回までなら追加料金なしで普通車指定席にも乗ることができます(ただし、「サンライズ出雲」、「サンライズ瀬戸」、「WEST EXPRESS 銀河」、「はなあかり」(ほかの車両に併結して走る場合を含みます)は乗ることができません)。

 「西日本・四国乗り放題パス」の発売期間は3月28日から5月30日まで、乗車日の1か月前から当日まで発売します。利用期間は4月14日から5月31日までで、2日間有効です。値段は大人24240円、子供12120円です。なお、この期間で購入できるのは1回限りです。何回も変えるわけではありません。
(参考:JRおでかけネット https://tickets.jr-odekake.net/shohindb/view/consumer/tokutoku/detail.html?shnId=125000139)

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北陸新幹線金沢-敦賀間、在来線時代に比べて25%増

 北陸新幹線が敦賀まで延伸して1年が経ちましたが、どれぐらい利用されたのでしょうか? 運営するJR西日本から発表がありました。

 まず、延伸された区間から見ていきましょう。金沢-福井間の1年間(2024年3月16日~2025年3月15日)の利用者数は816.1万人、前年の在来線特急(「サンダーバード」、「しらさぎ」等)と比較すると25%(うるう年の影響を調整すると26%)増えています。

 それでは、既存の区間はどうだったのでしょう? 上越妙高-糸魚川間の1年間(2024年3月16日~2025年3月15日)の利用者数は990.1万人、前年のと比較すると24%(うるう年の影響を調整すると25%)増えています。新規延伸区間だけでなく、既存の開業区間にもプラスの影響を及ぼしているのです。もっとも、JR西日本としてはもっと利用者が増えると考えていました。JR西日本としては2024年の正月の能登半島地震の影響としていますが、敦賀の乗り換えの面倒さがマイナス要因になっていることは否めないでしょう。北陸新幹線の全線開業が唯一の解決策ですが、すぐにできるわけではないので、まずは乗り換えを簡単にすることから始めないといけません。少なくとも、2階の中間改札は要りません。

 敦賀止まりになった「サンダーバード」、「しらさぎ」の1年間の実績はわかりませんが、2024年のゴールデンウィークの実績を見た限りは、「サンダーバード」は若干の減少、そして「しらさぎ」は大幅な減少です。延伸で便利になった東京からの利用者は増え、途中乗り換えで不便になった関西は若干減りますが、乗り換えが面倒でもライバルがいないことから競争力があるので、値上げしてもやっていけるのでしょう。問題は名古屋。これまで東海道新幹線経由で東京と北陸を行き来していた人が減り、名古屋と北陸の間も乗り換えが不便なことからバスなどほかの交通機関に変えたのでしょう。車で直接行く人も増えたと思われます。果たしてこの推測は合っているのでしょうか?

 新規開業区間の1日あたりの乗車人員も発表されています。期間は2024年3月16日~2025年3月15日、自動改札機を通過した人数から算出されたデータです。それによると、小松は900人、加賀温泉は600人、芦原温泉は500人、福井は3600人、越前たけふは500人、敦賀は「サンダーバード」等に乗り換える人も自動改札機を通るので7700人になりました。途中駅では福井だけが突出しています。「かがやき」などの速達列車が福井のみに停まるのはこのデータからも妥当と言えます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250317_00_press_hokurikushinkansen_goriyoujyoukyou.pdf、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/2f34017ef2f8401403579fa8cf17668c75fac5d5)

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JR東日本に新幹線特化の予約サービス

 JR東日本のインターネット予約サービスと言えば、「えきねっと」。新幹線だけでなく、在来線特急なども予約できます。

 ただ、いろいろな列車が予約できるということは、逆に言えば、その分だけ複雑になるということです。世の中には鉄道ファンのように路線図が頭の中に入っている人ばかりではありません。地理が苦手な人も多いはずですが、そういう人にもインターネット予約をしてもらわないといけません。

 そこでJR東日本が導入を考えてるのが、新幹線の予約に特化した予約サービス。JR東海等の「エクスプレス予約」の東日本版、と言ったところでしょうか? 2026年春に始めます。現在、「えきねっと」では、北海道・東北・北陸新幹線などの予約ができますが、この新しい予約サービスでは、どこを予約することができるかまだ決まっていません。また、「エクスプレス予約」等、他社のサービスとの連携も検討しているようです。

 「エクスプレス予約」の特徴は、新幹線に特化したところ。在来線は無視して、新幹線だけに絞っているので、操作はその分、単純になります。全ての路線に対応するのを諦め、新幹線など主要な路線のみにライバル交通機関に対抗できるだけの格安の切符を用意し、支線へは自動券売機のある乗換駅で買ってもらう。なるべく「みどりの窓口」を使わせないようにするなら、そのように割り切るのもひとつの方法でしょう。全ての路線に対応しようとすると、どうしても複雑になるのです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/DA3S16190195.html)

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ひたちなか海浜鉄道の延伸が高校入試で取り上げられる

 以前にも記事にした通り、ひたちなか海浜鉄道は2期に分けて延伸工事を行います。第1期の公園南口までは2030年に延伸予定です。そのひたちなか海浜鉄道の延伸ですが、この春の高校入試で取り上げられました。

 どこの入試かと言えば、都立高校の入試。社会の問題で出ました。国営ひたち海浜公園まで延伸された後の那珂湊おさかな市場と国営ひたち海浜公園との間の交通の利便性の変化についての記述問題です。鉄道が延伸されると、那珂湊おさかな市場から国営ひたち海浜公園まで鉄道で行くことができるので、利便性が高まるというのが模範解答のようです。

 第1期の延伸が実現するのは今から5年後、高校入試を解いた生徒が大学生になっているころです。延伸した後に、便利になったひたちなか海浜鉄道に乗ってみたいです。
(参考:ひたちなか海浜鉄道ホームページ www.hitachinaka-rail.co.jp/journal/2025/02/27/都立高校入試に延伸出題/)

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西武新宿線の特急はライナー型車両に

 西武は2026年3月に値上げをすることを考えています。改定率は10.7%、増収率は8.4%で、初乗り運賃は157円から169円に上がります(ICカード利用時、以下同じ)。ただ、観光需要創出や秩父地方活性化のため、遠距離の値上げ幅は抑制していて、池袋-西武秩父間は796円から800円に4円上がるだけです。また、通勤定期は普通運賃の値上げに応じて上がりますが、通学定期は家計負担に配慮し、据え置きます。今回の値上げは、消費税率の変更を除くと、2002年以来、24年ぶりの値上げです。なお、鉄道駅バリアフリー料金の加算は、今回の運賃改定に合わせて廃止となります。

 今後の西武鉄道はどうなるのでしょうか? 大きく変わるのは新宿線です。中井-野方間、井荻-西武柳沢間、東村山付近の3か所で高架化あるいは地下化の工事が行われています。そして、10000系「ニューレッドアロー」で走っている特急については、2026年度にライナー型車両に置き換えます。停車駅など、運行形態も変わります。「小江戸」みたいな本格的な特急ではなく、「拝島ライナー」みたいなのが昼間も走るのでしょうか?
(参考:西武ホームページ https://www.seiburailway.jp/file.jsp?newsroom/news/file/20250314_unchinkaitei.pdf)

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留萌線全線廃止後の交通体系

 深川と増毛を結んでいた留萌線ですが、留萌石狩沼田とだんだん短くなっていき、1年後の2026年4月1日に全線廃止されます。そして全線が廃止された後、留萌線沿線の交通はどうなるのでしょうか? 3月11日、JR北海道からその概要が発表されました。

 現在、深川-石狩沼田間にはJRが上下合わせて14本(休日も同じ)、深川西高校に行く明日萌観光バスが上下合わせて2本(休日は0本)、そして深川市立病院に行く空知中央バスの路線バスが上下合わせて10本(休日は6本)走っています。これが2026年の留萌線廃止後は、道北バスが上下合わせて8本(一部は深川西高校まで行きます。休日は7本)、明日萌観光バスが上下合わせて1本(休日は0本)、そして深川市立病院に行く空知中央バスの路線バスが上下合わせて10本(休日は6本)走ります。バスはきめ細かく、停留所が31か所もありますが、道北バスについては停まる停留所を5か所ぐらいに絞って、速達化を図ります。なお、旭川と留萌を結ぶ路線バス(沿岸バス、道北バス)は10本のまま変わりません。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20250311_KO_rumoisen_bus.pdf)

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「おれんじ食堂」運休の代替企画

 肥薩おれんじ鉄道の観光列車、「おれんじ食堂」ですが、運休しています。運転士が不足しているためで、4月1日から6月30日まで運休します。7月以降も、運転を再開するかは未定です。

 そこで、肥薩おれんじ鉄道は「おれんじ食堂」の代替企画を用意しています。出水のホームに「おれんじ食堂」を停めて、コース料理の提供を行います。「ステーションプラン」です。

 「ステーションプラン」は、4月12日から6月29日までの土日、11時ごろから13時半ごろにかけて営業します。食事はフレンチと和食を週替わりで出します。値段はフリードリンク(コーヒー、紅茶、ほうじ茶、オレンジジュース)、一日乗車券がセットで、大人9800円、子供4900円です。定員は30人、最少催行人員は12人です。食事日の10日前までに催行するかどうかの判断を行います。

 また、4月5、6日には「おれんじ食堂」の検査が終わったのを記念しての「ただいまプラン」、5月5、6日には子供向けの体験イベント、「こどもレストラン列車」を行います。「こどもレストラン列車」ではクルー体験や寿司職人体験ができます。
(参考:肥薩おれんじ鉄道ホームページ https://www.hs-orange.com/page1025.html、https://www.hs-orange.com/kankou/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=3&type=top&id=1022)

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羽田空港アクセス線に加算運賃設定か?

 都心と羽田空港とを結ぶ、羽田空港アクセス線。完成すれば、羽田空港から東京、新宿、新木場などに直通列車が走ります。東京-羽田空港間の距離は約17キロになります。

 さて、羽田空港アクセス線の運賃はいくらになるのでしょうか? 東京-羽田空港間について言えば、2026年の値上げ後の額は350円です。ライバルの京急やモノレールに比べて安いです。

 そこで、羽田空港アクセス線に加算運賃を課して、建設費に充てるという考えが出てきます。加算運賃を課しても、価格競争力があるのです。東京都も、羽田空港アクセス線に加算運賃を課す方針のようです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/haneda-access202502/)

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交通系ICカードの機器更新も補助の対象へ

 日ごろ、鉄道を利用するときに一番便利なカードは交通系ICカードでしょう。圧倒的な処理速度の速さで、東京など大都市圏の通勤通学ラッシュにも対応しています。

 しかし、交通系ICカードの難点は導入コストが高いこと。まだ新規導入のときは補助金があるのでいいのですが、問題は更新のとき。更新のときには補助金がなく、事業者自らお金を出さないといけないのです。これがネックになって、せっかく交通系ICカードを導入した事業者で交通系ICカードが使えなくなる事態が出ています。熊本市交通局や熊本の鉄道、バス会社がそれで、すでに市電を除いて交通系ICカードは使えません。

 ところが、国は方針を変え、2025年度から交通系ICカードの機器更新の場合でも補助金を出すことにしました。まだ熊本の場合、市電は交通系ICカードが使えますから、今のうちに市電だけでも交通系ICカードが使えるようにしたほうが良いでしょう。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://nordot.app/1270564851713213229?c=648454265403114593)

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元211系、三岐鉄道では5000系

 以前にも記事にしましたが、三岐鉄道はJR東海から211系を譲受しました。この元JR東海の211系ですが、改造を施し、三岐鉄道では5000系として走らせます。富田方からクモハ5100形、モハ5200形、クハ5300形です。なぜ5000系というのかと言えば、JR東海から譲受した車両が211系5000代だからです。なお、車体の帯の色は三岐線らしく、黄色とオレンジです。

 5000系は3両編成8本、合計24両を投入する予定です。JR東海から譲受したのは30両ですが、残りの6両は予備用でしょう。乗務員教習を終えた後、5月中から順次三岐線近鉄富田-西藤原間を走る予定です。5000系で既存の車両を全て取り替え、既存の車両は順次廃車になりますが、いつ置き換えを完了するかは未定です。

 それでは、5000系はどのようになっているのでしょうか? 車両の扉上部3か所には、停車駅や乗り換え案内などを表示するディスプレイが設置されます。通話型の非常通報装置が各車両に1か所設置されます。藤原方の車両にある車椅子スペースにも設置します。座席や床面は一新され、LED化されます。日本語のほか、英語による自動放送が行われます。始発発車後と終点到着前に、柳田淳紀氏(東京音楽大学の大学院生です)作曲の車内メロディが流れます。上り(富田方面)は伊勢湾の海、風、光を表現した、「きらめきの海風」、下り(藤原方面)は鈴鹿山脈の温かみを表現した、「山のおくりもの」です。
(参考:三岐鉄道ホームページ https://sangirail.co.jp/files/5000keidonyu.pdf、柳田淳紀インスタグラム https://www.instagram.com/junki_yanagita_22/)

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JR東日本の新幹線荷物輸送は、大口輸送なら平日は毎日取り扱い

 JR東日本は新幹線を使って荷物を運ぶ取り組みを進めています。象徴的なのが、この秋から東京-盛岡間で運行を始める荷物輸送専用車両です。E3系1編成をまるごと床面をフラット化して(座席はありません)、荷物輸送用にします。平日にE5系「やまびこ」と連結して走りますが、正午前に盛岡新幹線車両センターを出て、午後に東京新幹線車両センターに到着します。時間に制約のある駅での積み下ろしは行わず、車両基地で行います。東京行きの片道だけで、盛岡行きはありません。最大で1000箱程度の輸送を行うことができます。

 また、4月18日からは毎週金曜日に臨時列車の「はやぶさ50号」(新青森8:29発、東京11:44着)を使って、新幹線荷物輸送の大口定期運行を行います。E5系10両編成ですが、1号車と2号車に荷物を載せます。3号車から10号車は普段通りの営業です。こちらは最大200箱程度の輸送を行うことができます。将来的には、上越新幹線などほかの新幹線にも展開していきます。

 これらは大口の輸送ですが、荷物1箱単位でも送ることができるようになります。「はこビュンQuick」がそれで、事前予約も不要で、駅のカウンターに持ち込めば良いのです。一番小さいサイズの1号(3辺合計60センチ以下、3キロ以下)だと、1010円で運ぶことができます。新幹線のみならず、在来線特急や普通列車も駆使して、荷物を運ぶのです。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/20250304_ho02.pdf)

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万博期間中は最大1時間24本

 Osaka Metroは今日、4月2日からダイヤ改正を行います。大阪・関西万博が閉幕する10月13日までの期間限定のダイヤです。

 今回のダイヤ改正で変わるのは、中央線とニュートラム。中央線は、開幕が迫っている大阪・関西万博に対応するため、本数を増やします。現在は一番多い時間帯でも1時間に17本(平日8時台、本数は上りが弁天町から朝潮橋間、下りが朝潮橋から弁天町間の本数、以下同じ)ですが、それが最大1時間24本に増えます。8~11時台、16~21時台が該当します(下りは22時台も)。1日トータルで見ると、平日が358本(上下合わせての数字、以下同じ)、休日が306本から、755本に増えます。休日は2.5倍近くに増えるのです。なお、ダイヤ改正以降、万博終了までの間は、平日、休日ともに同じダイヤで運行します。

 4月中旬から7月中旬の平日には、学校の遠足などに対応するため、「子ども列車」を走らせます。実際に運行する本数は遠足などに参加する児童、生徒の数によって変わりますが、9時台には最大3本、10時台は最大12本の枠が用意されています。「子ども列車」が走らないときは、通常の各駅停車として走ります。

 ニュートラムについては、4月9日から10月13日の間、万博来場者等の需要に応えるため、2分30秒間隔で運行する時間帯を拡大した3種類の特別ダイヤを用意します。現在は平日は2パターン、休日は3パターンですが、ダイヤ改正後は平日は5パターン、休日は6パターンになります。これらのパターンの中から毎月25日までに翌月のダイヤを決めます。ダイヤはOsaka Metroのホームページで公表されます。
(参考:Osaka Metroホームページ https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20250314_r4_dia_kaisei.php?_gl=1*ie162*_ga*ODU3MjQ5NzY0LjE3MzM2NDk1NjM.*_ga_LT5TV95QB9*MTc0MTk1ODQ0MC4xNC4wLjE3NDE5NTg0NDAuNjAuMC4w&_ga=2.180319844.1592584131.1741958441-857249764.1733649563、https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20250314_NT_zouhatsu_dia.php?_gl=1*ie162*_ga*ODU3MjQ5NzY0LjE3MzM2NDk1NjM.*_ga_LT5TV95QB9*MTc0MTk1ODQ0MC4xNC4wLjE3NDE5NTg0NDAuNjAuMC4w&_ga=2.180319844.1592584131.1741958441-857249764.1733649563)

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「3・3・SUNフリーきっぷ」がデジタルに

 近鉄、南海、名鉄が3日間乗り放題となる「3・3・SUNフリーきっぷ」は人気の切符でした。その「3・3・SUNフリーきっぷ」がデジタルで復活します。19年ぶりの復活です。

 以前の「3・3・SUNフリーきっぷ」は紙の切符で、自動改札も通ることができなかったのですが、今回復活するのは、デジタル切符です。駅窓口ではなく、専用サイトで発売します。また、デジタルに対応していないからでしょうか、利用できる駅に制約があります。近鉄はロープウェイを除く全駅で使えますが(ケーブルカーにも乗ることができます)、南海は汐見橋線、多奈川線、高野線下古沢-極楽橋間の各駅では利用できません。ただ、ケーブルカーは使えますので、高野山には行くことができます。制約が厳しいのは名鉄。中部国際空港、名鉄名古屋、金山、東岡崎、神宮前、国府宮、名鉄一宮、新木曽川、笠松、名鉄岐阜、犬山、知多半田、西尾の13駅しか乗り降りできません。

 「3・3・SUNフリーきっぷ」の発売期間は4月7日5時から2026年3月31日まで、利用期間は4月7日5時から2026年4月29日までです。購入日から30日間有効です。連続3日間有効のタイプと連続2日間有効の2タイプがあり、値段はそれぞれ8200円、6200円です。子供の設定はありません。以前の「3・3・SUNフリーきっぷ」に比べて値段は上がっていますが、元が取れるプランをつくって使ってみたいものです。
(参考:近鉄ホームページ https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/a6c6907004b14c4c804b24dea2f36b4f/20250331rw.pdf)

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