これだけの問題が解決できているならとっくに「米原ルート」で決まっている(1)
北陸新幹線敦賀-新大阪間を「小浜-京都ルート」ではなく、「米原ルート」でつくるべきだと主張している人がいます。その人たちの中には、こうすれば「米原ルート」で建設することができる、という解決策を示す人がいます。どうすればよいでしょうか? いくつか項目ごとに説明していきます。
(1)線路容量について
「米原ルート」にした場合、ただでさえ多くの列車が走る東海道新幹線に、北陸新幹線からの乗り換え列車が加わることになります。そのため、東海道新幹線がパンクすると思われますが、一番厳しいのは車庫のある鳥飼車両基地と新大阪の間。ここの区間、約10キロのみを走る回送列車があるので、パンクするのです。と言うことは、この区間だけ複々線化すれば何とかなるのです。主要駅新大阪の近くなので、用地買収もその分難しいですが、つくらなければならない距離が短いのは有利な点です。回送列車だけ走れば良いので、時速285キロ運転できなくても問題ありません。在来線レベルの線路規格でも十分です。さらに言えば、東海道新幹線は京都も新大阪も全列車停まりますから、列車に速度の差はありません。それなら、鳥飼車両基地-新大阪間は多少スピードダウンするのを覚悟で、詰め込もうと思ったら詰め込めるのです。同じ複線でも、山手線のように各駅停車ばかりの路線なら、多くの列車を走らせることができます。
(2)信号等のシステムの違いについて
東海道新幹線と北陸新幹線とでは、信号等のシステムが異なるので、そのままでは直通できないという見解があります。それなら、速達列車も含めて米原に全て停車させて、その間に車両のほうでシステムを切り替えるのです。ただ、米原駅は2面5線しかありません。特に新大阪方面は拡張余地がありませんので、現実には米原に到着する前にいったん停車し、そこでシステムを東海道新幹線用に切り替えてからホームに入るものと思われます(反対の北陸方面行きは米原を出てしばらくしてからもう1回停まり、そこでシステムを北陸新幹線用に切り替えます)。北陸新幹線の遅れを東海道新幹線に持ち込みたくなかったら、米原の手前でシステム切り替えと称して数分停まれば良いのです。
(3)車両と脱線防止ガードの規格の違いについて
車両と脱線防止ガードの規格が違うことによって、東海道新幹線と北陸新幹線の直通が絶対にできないのならともかく、できるのであれば、それ専用の車両をつくるしかないでしょう。ふたつの新幹線を直通することのできる車両は、富山と新大阪の間を走ることができれば十分ですから、60ヘルツ専用でいいのです。東京からの北陸新幹線は敦賀止まりにして、そこで折り返せば良いのです。東京からの新幹線が遅れても東海道新幹線には波及させず、東海道新幹線が遅れても、今の「つるぎ」がそうであるように、新大阪からの直通列車のみが遅れ、そのほかの北陸新幹線や東北・上越新幹線には波及させません。
長くなりましたので、残りは明日書きます。
(参考:msnホームページ https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/北陸新幹線-敦賀乗り換え不要-は本当か-福井県-インチキ広告-の裏側を徹底検証-米原ルート-不利-試算の落とし穴-隠されたメリットとは/ar-AA1EYkyr?ocid=msedgdhp&pc=EDGEXST&cvid=f134ec8e34374729b6748e216daeef41&ei=29)
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