石川県、「米原ルート」を主張して足を引っ張るだけか?
12日のことですが、東京都内で北陸新幹線建設促進大会が開かれました。北陸新幹線で残った区間である敦賀-新大阪間の早期開業を求め、沿線の知事らが集まる毎年恒例の行事ですが、今年は違いました。石川県が独自の要求をしたのです。
何かと言えば、石川県は10年前に敦賀以西の建設ルートとして取り上げられたこともある「米原ルート」の検討を求め、ついには大会決議の段階で退席したのです。「小浜-京都ルート」で問題を抱えている京都府ですらそのようなことをしていません。
現在、敦賀以西の建設ルートとして決まっているのは、政府・与党が2017年に決めた「小浜-京都ルート」。これで関係者の同意を得たはずでしたが、その後、そのうちのひとつの京都府で蒸し返す話が出ています。本来なら京都に加えて松井山手もできる京都府自身が解決すべき課題ですが、現時点では「小浜-京都ルート」を大きく損ねない範囲で問題を解決していくしかないでしょう。そういう意味では、石川県の行動は理解不能で、関係する府県やJRとの調整に汗をかくなどのことをしない限り(本来はこれこそが国交相としての仕事でしょうが)、足を引っ張るだけと受け取られても仕方がありません。
「米原ルート」は建設する距離が短い分、建設費があまりかかりません。そういうメリットがありますが、一番の問題点は、当事者で支持するのが誰もいないということ。滋賀県知事も今は「米原ルート」を支持していません。単に外野が騒いでいるだけなのです。言いたいことはいろいろあるでしょうが、ともかく最重要なのは新大阪まで乗り換えなしに新幹線が走ることです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/AST5D34VXT5DULFA008M.html)
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Comments
こんな大会、単なるセレモニーにすぎないのに内部分裂、大阪・京都の知事は不参加。
もう、小浜・京都ルートは完全に破綻していることを奇しくも曝け出した感じです。
>これで関係者の同意を得たはずでしたが
京都府は、この案に対し、「京都の負担が大阪の2倍にもなるのはおかしい」として、負担の減額・大阪府による一部肩代わりを申し出たが、当時の大阪府・松井知事は「(関西広域連合で負担するといった)あの話はなかったことに」などとシャーシャーと言ってのけたわけである。
松井山手駅を作ったくらいで、京都にとっては、巨額の負担に見合う利益はありません。
旧民主系が強い滋賀県はややこしそうだが、京都なら負担を押し付けても受けてくれる「だろう」などという安易な希望的観測に加え、京都を通過することに伴う環境面などリスク検証も全くしていない。
ほとんど議論らしい議論もないままルートを決めたのは、当時の委員会のミスです。
>「小浜-京都ルート」を大きく損ねない範囲で問題を解決していくしかないでしょう。
残念乍ら、限りなく無理と思えます。
京都の山里や地下水へ影響を最小限に留めるため、ルート(南北案)を大きく迂回したり、市内区間は急カーブが多数でき、予定より所要時間は15分位伸びそうです。
さりとて、京都郊外を通過するルートは、JR西が反対、京都府も負担だけ負わされる格好になる。
いずれにしても、何のための新幹線かということになります。
京都府の負担を軽減するという話もあるけど、国の態度は「京都だけを特別扱いできない」というものです。関西広域で負担するというのも、前述の大阪府の態度では無理。
>一番の問題点は、当事者で支持するのが誰もいないということ。滋賀県知事も今は「米原ルート」を支持していません。
滋賀知事が過去に米原案受け入れたのは、負担を関西広域で負担することが前提でした。
「あの話はなかったことに」というのでは受け容れられる訳ありません。
Posted by: かにうさぎ | 2025.05.15 11:10 PM
かにうさぎさん、おはようございます。
* 滋賀知事が過去に米原案受け入れたのは、
滋賀県は県内に新駅ができないのに対して、京都府は京都、松井山手の2駅ができます。他府県が負担を受け入れる大義名分がないのです。
結局不満はあっても「小浜-京都ルート」で合意した以上は、京都府自らが責任を持たないといけません。
もっとも、このような京都府の態度は、本来の進取の気性に富んだ姿ではありません。京都はその時々の優れたものを外部から取り込んだからこそ、都として栄えたと認識しています。
* ほとんど議論らしい議論もないままルートを決めたのは、
北陸新幹線に関しては、ミスだらけです。このままでは関西全体が衰退という緩慢な死を迎えます。それは何としても防がないといけません。
若狭地方への対応策さえあれば「小浜-京都ルート」に固執する必要はありません。大阪(新大阪)まで北陸新幹線が直通すればそれで構わないので、敦賀での乗り換え障壁の軽減などの短期的な対策と組み合わせて、その最終的な目標を進めていかないといけません。
Posted by: たべちゃん | 2025.05.17 08:56 AM