« 九州ほぼ一周の旅(1) | Main | 九州ほぼ一周の旅(3) »

九州ほぼ一周の旅(2)

 暘谷で乗り換えて、次に乗るのは大分空港へのバス。「エアライナー」という。歩いて10分ほどのバス停の名前は日出、鉄道では隣の駅名だが、実は暘谷のあたりが町の中心である。暘谷は国鉄末期にできた、比較的新しい駅なのだ。「エアライナー」の日出発は12:54。少し時間があるので待合室で待つ。しかし発車時刻を5分過ぎてもバスは来ない。バスの時刻表にQRコードが載っていたので検索したところ、10分ほど遅れているようだ。大分から国道を走っているので、これぐらい遅れることは結構あるようだ。結局、14分遅れで出発した。バスはしばらくして高速道路(無料)に入る。高速道路は大分の市内と空港を結ぶものであり、先に日出と空港近くの間が開通したので、日出まで国道を走る便が残っているものと思われる。結局、遅れを引きずったまま空港に到着。空港なのでターミナルビルにはレストランもある。そこでお昼にしようと思ったが、時間がなくて断念。ただ、一角に足湯を見つけ、ちょっと入る。お湯の中にかぼすが入っていた。

 空港に来たのは、航空機に乗るためではない。全国にここだけしかない乗り物に乗るために来たのだ。それはホーバークラフト。海上を空気の力で浮いて走る船だ。これに乗るためにやって来たのだ。ターミナルは空港のターミナルとは別にあるが、屋根はあるので、雨に濡れることはない。デザイン性のある建物だが入口がわかりにくく、どこから入ればよいか迷っている人が何人もいた。デザインに凝ると実用的でなくなる。さて、ホーバークラフトの待合室には何もない。売店どころか自販機もなく、トイレがあるだけ。空港のレストランで食べる時間がなかったので、ここで昨日の朝、名古屋で買ったパンを食べる。万博で何も食べられないときに備えて買っておいたものだ。もっとも、長い間リュックに入っていたので、押しつぶされている。改札の時間になり、スマホの画面を見せて入る。事前に「LINE」で予約し、決済まで済ませていたのだ。ホーバークラフトは陸上も走ることができるので、船は陸上にある。座席は指定されていないので、窓側の席に座る。最初ターミナルに来たときは少ないと思ったが20人は乗っているようだ。席に座ってしばらくするとコンプレッサーが動いてホーバークラフトの周りが膨らみ始める。その後にゆっくりと動き始める。陸上を走る区間は思ったよりも長く、時間をロスしているように思われる。ただ、海に入ると速い。行きのバスが日出から乗ったので実感はないが、バスだと遠回りする。しかしホーバークラフトは別府湾を突っ切って走る。「さんふらわあ」が見えると大分の港。大分の港のほうは海に面していて、格納庫に突っ込んだかたちで停まる。コンプレッサーも動きを止めたようで、気がついたらしぼんでいた。大分のターミナルもスタイリッシュな建物だが、こちらはホーバークラフトの紹介コーナーがあり、上には展望台もある。ホーバークラフトの港は駅から離れたところにあるので、無料の連絡バスが出ている。大分交通の路線バスで、ホーバークラフトの到着してから10分後に出る。

 再び鉄道の旅に戻る。大分15:25発の佐伯行きに乗る。813系の3両編成だが、ロングシートのバージョンになっている。大分で交通系ICカードが使えるのは幸崎まで。しかし、幸崎を過ぎても全ての扉が開いて乗り降りできる。無人駅同士の利用で徴収漏れになるケースはそれほどないと割り切っているものと思われる。今日の宿は佐伯のホテル。結婚式場や宴会場を備えているので、シティホテルになる。部屋に荷物を置いて、再び駅に向かう。次に乗るのは佐伯17:29発の重岡行き。佐伯と延岡の間は特急は2時間に1本あるが、普通は1.5往復しかない。さすがにこれでは通学にも使えないので、夕方に佐伯と重岡の間を区間運転する便が1.5往復ある。最初に出るのが17:29発。815系2両編成に乗る。高校生の帰宅用に使われると思ったが、乗ったのは私を含めて4人。次の上岡で1人降りて意外なことに2人乗った以外は動きなし。ちなみに上岡のあたりは家が結構あり、とても列車が1日3往復しかないと思えるような状況ではない。駅前にはビジネスホテルもあるが、列車でやってきた(または次のところに向かう)人はまずいないだろう。結局、重岡まで乗ったのは5人だった。そのうち3人は迎えの車に乗り込んでその場を去っていった。折り返しに乗る。乗ったのは私1人だけ。そして次の駅までの間に、列車は停まる。行きのときは気づかなかったが、信号場だったのだ。晩はホテルの和食処でりゅうきゅうというものを食べる。刺身をたれで漬け込んだ料理で、琉球から伝わったともごまを好んだ千利休に因んだとも言われている。(続く)

| |

« 九州ほぼ一周の旅(1) | Main | 九州ほぼ一周の旅(3) »

鉄道」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

JR九州」カテゴリの記事

バス」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 九州ほぼ一周の旅(1) | Main | 九州ほぼ一周の旅(3) »