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October 2025

山口にも新車

 JR西日本の中国地方の電車は、古い国鉄型車両だけが走っていたのですが、次第に変わりつつあります。広島は完全に置き換えられ、岡山でも置き換えつつあります。

 そして、残る山口にも新車が入ることになりました。45年ぶりの新車です。岡山等で活躍している227系をベースにしたもので、2026年度以降、山陽線へ順次導入する予定です。今回投入されるのは、2両編成3本と3両編成6本の合計24両。既存の車両を置き換えるとのことですが、2扉転換クロスシートの115系あたりが置き換えられるのでしょうか? 車両の愛称名は広島が「Red Wing」、岡山が「Urara」ですが、山口は「Kizashi」、古い言葉で山口は物事の始まりや前兆を意味しているようです。またデザインコンセプトは、明治維新で活躍した人が多く出たということからか、「維新の陽光」です。愛称の「Kizashi」ともつながりがありそうです。

 参考にしたプレスリリースによれば、座席配置は転換クロスシートと思われます。出入口付近のスペースが拡大されているので、岡山地区の227系のように、扉と扉の間の座席数は少なくなっています。扉の左右で立席スペースの広さが異なっているのは、岡山地区の227系と同じです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/251030_00_press_yamaguchiarea_train_2.pdf)

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リニアの建設費、4兆円増えて11兆円に

 品川と名古屋の間を7兆円かけてつくるリニア中央新幹線。この工事費が増えることになりました。4兆円増えて11兆円になります。リニアの建設費は4年前にも1.5兆円増えましたが、今回の増加額はそれ以上です。2回の見直しで工事費が5.5兆円から11兆円に倍増したのです。リニアは基本的には国等に頼らず、JR東海が自前でつくるものですが、倍に増えても大丈夫なのでしょうか? これについてJR東海は、今の水準の売上が続くなら、借り入れの金額を増やすことによって対応できるとのことです。配当もちゃんと出せるとのことです。

 増加額の主な内訳は、物価高騰の影響で2.3兆円、難工事への対応で1.2兆円です。また、今回の工事費の算定において、品川-名古屋間は2035年に開業するとしていますが、これはそのような見込みが立ったわけではありません。工事費の試算のための前提で、今後さらに遅れる可能性もあります。まだ静岡県内の着工ができていないのですから。

 そして、工事費が増えたからでしょうか、リニアの料金について、値上げの話もあります。これまでJR東海は、品川-名古屋間のリニアの料金を「のぞみ」の700円増しとしてきました。これについても変わるかもしれません。圧倒的なスピードとサービスを考慮に入れて、料金を設定するとのことです。具体的な金額はわかりませんが、リニアの料金はこれまでの想定より高くなることもあると考えておいたほうが良いでしょう。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASTBY1VP4TBYOXIE01JM.html)

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中央線のグリーン車1階で楽器の生演奏

 11月の休日の昼下がり、電車内で楽器の生演奏を行います。

 どこで行うのかと言えば、中央線快速のグリーン車。11月1日から30日までの休日(12日間)、豊田13:41発東京14:40着の快速東京行きの立川から新宿までの間と、東京14:42発豊田15:42着の快速豊田行きの新宿から立川までの間です。行き帰りともに5号車の1階で生演奏を行います。事前の予約、特別な切符は必要なく、ただ単にグリーン券を買って5号車の1階に座れば、生演奏を聴くことができます。

 演奏はプロが行います。楽器は日によって変わり、初日の1日はフルートとギターです。サックスだけの9日以外は、2種類の楽器での生演奏で行われます。フルートやギターの出番が多いようです。

 演奏者は5号車の1階の中ほどに座ります。演奏者1人につき4席を使います。グリーン車は自由席なので、演奏者は始発の豊田(もしくは車庫)からずっと座り続けるのでしょう。演奏を聴きたい人は1階のほかの座席に座ります。平屋や2階にいても演奏が聞こえてくる可能性がありますので、演奏を聴きたくない場合は4号車に座る必要があります。また、演奏中でも車内放送は行われます。場合によっては演奏で車内放送が聞き取れないこともあります。演奏に聴き惚れて降りる駅を忘れてしまうリスクもありますから、御注意ください。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2025/20251022_ho02.pdf)

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和歌山電鐵、今のままなら赤字、公設民営化すれば黒字

 和歌山電鐵貴志川線は元々南海の路線でしたが、利用者が減り、廃線の危機に陥りました。その貴志川線を引き継いだのが両備グループ。2006年から和歌山電鐵として営業しています。

 和歌山電鐵は終点の駅にいたを駅長にするなどで集客を図ってきましたが、厳しい状況には変わりありません。そのため、2016年からは設備改修などに対して地元自治体等が財政支援を行うというかたちで経営を行ってきましたが、その期間は10年間なので、2026年3月末で期限が切れてしまいます。そろそろ2026年以降のありかたについて考えていかないといけません。

 今の設備投資等に対して補助をするのは準公設民営というかたちになります。この形態だと、今後も赤字が続くことになります。赤字の額は2016年度から2019年度までは8200万円から1.1億円の範囲でしたが、新型コロナの影響や設備の修繕の増加があった2020年度から2023年度までは1.76億円から2.98億円の範囲に膨れ上がっています。行政側も補助の額を当初の予定より5億円以上も増やして対応しました。この形態を今後も続けると、和歌山県や和歌山市、紀の川市、地元関係者などでつくる協議会によれば、今後10年間で2.8億円の最終赤字が見込まれます。

 これに対して、行政が線路などを保有し、和歌山電鐵は運行のみを行う公設民営に移行すれば、今後10年間で4.7億円の最終黒字が見込まれます。もっとも、赤字から黒字になるような魔法はなく、地元自治体などの負担が増えるのみです。

 地元としては鉄道にこだわらず、バス、BRT、LRVの導入も考えているようですが、一定の通勤、通学需要があることを考えると、安易に廃止することはできません。地元自治体に負担をする覚悟があるかどうか、ということでしょう。もっとも、バスや道路を整備する費用に比べれば、安上がりということもあります。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/wakayama/news/20251002-OYTNT50036/)

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名松線にキハ75

 松阪と伊勢奥津を結ぶ名松線はこの12月5日で開業90周年を迎えます。名松線は利用者の少ない路線ですが(特に家城以遠)、JR東海でこのように利用者の少ない路線は名松線ぐらいなので、今のところ廃止の話は出ていません。莫大な新幹線の利益でやっていけています。

 その名松線ですが、JR東海は開業90周年キャンペーンを行います。企画はいくつか行われますが、12月7日には名古屋から伊勢奥津へのツアー列車が走ります。当日は名古屋を8:15ごろに出て、名松線で走るキハ11形の検査を行う名古屋車両区に寄った後、松阪から名松線で伊勢奥津に行きます。伊勢奥津12:57着です。

 このツアー列車ですが、キハ75形の2両編成です。営業列車としてキハ75が名松線を走るのは、これが初めてです。また、名松線内はツアー列車を入れる余裕がないため、定期列車のダイヤで走行します。2両のうち1両がツアーのための車両、そしてもう1両が一般の利用者のための車両です。

 このツアー列車の申し込み方法は、クラブツーリズム鉄道部の公式Xを見てください。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000044708.pdf)

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スカイマーク、航空会社に割引セールの制限を求める

 航空機は正規の料金は異様に高く、反対に割引は充実しています。頻繁に割引セールを行っているからです。

 この状況に対して、割引セールの制限を訴えている航空会社があります。国交省の有識者会議でそのように訴えたのはスカイマーク。JAL、ANAの2社が継続的に割引セールを行っているため大手より安い運賃というメリットが薄れ、自らはできる範囲での運賃上昇や機材の稼働率向上などの収益増加策に取り組んでいますが、円安や原油高などのコスト増をカバーできていません。スカイマークは大手より安い運賃を高い搭乗率でカバーすることにより経営していたのですが、それが成り立たなくなっているのです。

 ローカル線中心の航空会社なら、地元自治体からの補助金ももらえるでしょう。しかし、スカイマークは収益性の高い羽田の発着枠が37枠もあり、大手よりも多いです。スカイマークの就航路線の約半分は羽田発着です。国内線では一番儲かる路線なので、そこで苦境に陥っているのは、単なる経営の失敗と言えます。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/skymark-interview/)

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休日の深夜に新横浜からの快速

 新横浜から湘南台まで行く横浜市交通局ブルーラインの最終は、平日が23:58であるのに対して、休日は23:28とかなり早くなっています(その後、上永谷止まりがあります)。

 そこで少しでも最終列車を遅くするため、横浜市交通局は、11月1日から休日の23時台に快速を走らせることにしました。新横浜発上永谷行きの快速で、新横浜23:38発です。終点の上永谷では、湘南台行きの最終列車に乗ることができますので、実質的に最終列車が10分繰り下がったのと同じ効果があります。

 これにより、大阪や名古屋などで少し遅くまでいることができます。
(参考:横浜市交通局ホームページ https://www.city.yokohama.lg.jp/kotsu/sub/oshirase/midnight-relay-rapid.html)

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大師前に改札が復活

 東武大師線大師前は駅に券売機も改札機もありません。そのまま乗って、隣の西新井で切符を買い、改札を通るのです。改札は大師線利用者専用の改札で、この改札を通れば大師前の利用者ということになります。大師線がひと駅だけの支線だからこそできる、合理的なシステムです。

 しかし、東武はこの合理的と思えるシステムを廃止し、大師前に券売機、精算機、改札を置こうとしています。2026年2月下旬に供用を開始する予定です。代わりに西新井の大師線改札や券売機は撤去されます。大師前からさらに延びるわけでもないのに、どうしてでしょうか?

 東武によれば、大師前は正月などに多くの参拝者が訪れます。大師前に券売機や改札がなく、手前の西新井で全てをやるのは珍しいパターンでしょう。ただそれなら、混雑時等に主要駅の西新井で案内すれば良いだけです。機器類や人員を西新井に集約できるメリットもあります。意図が読めないです。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/news/20251002093944k9pnqwgGFBL76DF06w8Dsg.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/599283)

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東京メトロ銀座線、11月の休日から3分20秒間隔に

 東京メトロは11月1日からの休日、銀座線の増発を行います。9~18時の列車本数を上下合わせて58本増発し、運転間隔を4分間隔から3分20秒間隔に短縮します。

 元々、銀座線は3分間隔で走っていましたが、新型コロナで需要が落ち込んだため、一時は5分間隔まで減らされていました。その後4分間隔まで戻していますが、まだまだです。今回のダイヤ改正で休日だけですが、元の状態に近くなっています。
(参考:東京メトロホームページ https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews251002_84.pdf)

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大阪の乗客は北陸新幹線に何を望むのか?

 北陸新幹線が敦賀まで延びた現状において、期待されるのは新大阪までの全線開業。それなのに現状は、敦賀での上下移動を伴う面倒な乗り換えがあり、せっかくの新幹線の効果を損なってしまいます。これが残る区間の建設中であれば、一時の辛抱として納得できますが、沿線で内輪もめをしている段階では、それも期待できません。

 「小浜・京都ルート」での全線開業を望んでいる福井県は、9月6、7日に大阪で機運醸成のためのキャンペーンを行いました。その中で来場者にアンケートを行いました。早期全線開業を望むのは強弱の差はありますが9割いました。また福井県側が用意した新大阪への延伸で重視するポイントから優先順位をつけてもらったところ、乗り換えがないこと、速いこと、安いことを優先した人が多く、すぐ開業できることや建設費が安いことを優先した人は少なかったです。

 キャンペーンに参加して、アンケートに答えるのは、北陸新幹線に何らかの関心がある人ですから、統計としては正しいものではありません。ただ、新幹線に興味がある人にとっては、北陸新幹線を「小浜・京都ルート」ベースで完成させるのが望ましいでしょう。
(参考:福井新聞ホームページ https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2420617)

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阪急、なにわ筋・新大阪連絡線の建設を取り止めか?

 現在、なにわ筋線の建設が進んでいますが、阪急もそれに接続するかたちで大阪-十三-新大阪間に新線をつくる計画があります。

 この阪急のなにわ筋・新大阪連絡線ですが、なにわ筋線と同じ2031年に開業する予定と言われていました。しかし、嶋田阪急阪神ホールディングス社長によれば、なにわ筋線との同時開業どころか、建設自体がトーンダウンしたようです。その理由として、北陸新幹線の新大阪延伸の状況が不透明であることを挙げています。

 もっとも、すでに着工しているなにわ筋線に対して、阪急のなにわ筋・新大阪連絡線はまだ着工されていませんから、そもそも同時開業は難しいです。ある意味嶋田社長の発言はそのことを確認したに過ぎません。

 それならなぜ、嶋田社長は北陸新幹線を理由に挙げたのでしょうか? 北陸新幹線ができたからと言って、なにわ筋・新大阪連絡線の利用者が大幅に増えるとは思えません。やはり一番多いのは東海道新幹線です。北陸新幹線の駅がどこにできるか決まらないと、阪急の計画も決まらないからなのでしょうか?
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hankyu-shinosaka2025/)

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リニアの座席はリクライニングせず

 品川と名古屋の間を最速40分で結ぶリニア中央新幹線。その座席はどのようになるのでしょうか?

 これまでの試験車両は、ほかの特急用車両と同様に、リクライニング機能をつけていました。しかし、最新の試験車両であるM10には、座席にリクライニング機能をつけていません。あらかじめ背もたれは15度倒れた状態になっていて、そのまま動かないのです。JR東海としては、リニア中央新幹線は品川と名古屋を40分で結ぶので、リクライニングがなくても問題ないと判断したようです。

 リクライニング機能をなくすと座席の構造が簡単になり、背もたれも薄くできます。そのことにより、乗客が座席の前にスーツケースなど大きな荷物を置くことができます(荷物棚が少ないので、座席の前に置かないといけないのです)。座席そのものは現在の東海道新幹線車両より柔らかく、15度倒すことにより、背中から座席にかかる体重が均等に分散され、快適に過ごすことができます。

 とは言っても、リクライニング機能があったほうが快適なはず。それはJR東海もわかっているはずですが、それでも座席からリクライニング機能をなくすのは、座席が軽くなり、超高速で走らせる上で有利になるからでしょうか?
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20250930-SGW27FXBR5NE5KL7D6NTWPZ3BQ/、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/e56a0512f0290ebbc9616b9c7ba6f0848641e794)

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山形新幹線用E3系、2025年中に運行終了

 山形新幹線でも主力として活躍したE3系ですが、E8系への置き換えが進んでいます。

 このE8系ですが、当初は2026年春までに置き換えが完了すると言われていました。ところが置き換えは順調に進んでいるようで、2025年中に置き換えが完了します。E3系の運行が終了するのです。どうやら、E8系車両の不具合は解決したようです。

 ただ、E3系が完全に消えるわけではありません。1編成が荷物専用に改造され、今度は荷物を運ぶのです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/591370、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/yamagata/news/20251002-OYTNT50312/)

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JR九州、国交省に佐賀県の負担軽減を要請へ

 昨日の記事で書いた、地元負担軽減策について書きます。

 西九州新幹線でもうひとつネックになっているのが、地元負担の問題。県庁所在地の佐賀市なら福岡市まで近いので、在来線特急で十分です。視点が佐賀県の立場ではなく、(福岡のベッドタウンとしての)佐賀市の立場になっているという指摘はともかく、佐賀県は新幹線建設に伴う地元負担を渋っています。正論から言えば、佐賀にも新幹線の駅ができるので、メリットがないとは言えません。地元が負担すべきと言えばそれまでですが、それで話がまとまらなければ、意味がありません。

 そこでJR九州は、古宮社長自らが水嶋国交省事務次官に面会し、佐賀県の地元負担の軽減を要請することにしました。JR九州が佐賀県の負担軽減を要請するのは異例のことです。現状のままでは途中の武雄温泉で乗り換えを迫られる、中途半端な新幹線になってしまいます。武雄温泉と長崎の間だけでは、何のためのフル規格新幹線かわかりません。

 結果どうなるかはわかりませんが、JR九州としては、何とかして全線フル規格にしたいのでしょう。現在の西九州新幹線が中途半端であることは事実ですから、フル規格新幹線で整備されることは望ましいことです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/7ead51d262e41d076bf745a6c1a5194560509873)

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西九州新幹線、新幹線と在来線特急の両立はできる?

 在来線特急がたくさん通るところに新幹線はできますが、新幹線ができたら在来線特急は消えてしまいます。開業からしばらくの間は残ったとしても利用されず、消えてしまうのです。九州新幹線のときも通勤特急として「有明」が走っていましたが、消えてしまいました

 西九州新幹線の場合はどうでしょうか? 常識的に考えると完全に新幹線と並行する「リレーかもめ」や「みどり」は消えます。「かささぎ」は通勤特急としてしばらくは残るでしょうが、佐賀の利用客も新幹線に移り、しばらくすると消えるでしょう。JR九州もそのような見解でした。

 ところが、その見解は変わったようです。たとえフル規格で佐賀駅を通るルートを通ったとしても、在来線特急は残るとの見解を示しています。完全に新幹線と並行する「みどり」についても、ある程度は残るようです。

 もちろん、地元にとっては懸念している並行在来線の利便性が低下しないようになればありがたい話でしょうが、それでもJR九州としては採算がとれる話なのでしょうか? そして、地元負担軽減策については、別記事で書きます。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20250927-OYTNT50006/)

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西武2000系は「ドクターガチャコン」に

 近江鉄道は西武鉄道の2000系(2両編成2本)を譲受し、改造して、200形としてデビューすることにしました。10月28日に八日市で出発式を行います。

 200形の特徴は、営業運転をしながら、車両前面に設置されたカメラで、線路の歪みや部品の状態を把握することができること。映像をAIで解析して、異常を早期に発見することができます。車両は元西武のため黄色に塗られているので、「ドクターイエロー」に因んで、「ドクターガチャコン」と命名されました。これまでは社員が歩いて線路を点検し、検査機器の導入に年間数百万円かかりますが、将来の人員不足を予想して導入することにしました。

 200形は、近江鉄道全線での運行を予定しています。
(参考:近江鉄道ホームページ https://www.ohmitetudo.co.jp/file.jsp?id=16887、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20250914-OYO1T50044/)

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「きそバス」、10月1日から運行開始していた

 この10月1日から、木曽地域のバスが再編されました。「きそバス」と言います。

 「きそバス」は、4つの幹線などから成り立っています。北部幹線では木曽福島から薮原まで行くことができ、南部幹線では木曽福島から県境を越えて中津川市の坂下まで行くことができます。本数は少ないですが(薮原までは平日4往復、休日3往復、坂下までは平日3往復、休日2往復)、路線バスだけで木曽路を通り抜けることができるのです。

 運賃もわかりやすくなっています。3つのゾーンに分けられ、200円、400円、600円の3段階となっています。木曽福島から薮原までが200円、坂下までは600円です。なお、木曽郡内の小中学生は無料です。
(参考:木曽広域連合ホームページ https://www.kisoji.com/chiikishinko/kiso-bus/timetable.html)

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3850円の「えきそば」で万博に出展したまねき食品の収支結果

 姫路で駅弁や「えきそば」(中華そばに和風だしをかけています)を販売している、まねき食品。大阪・関西万博に出店していました。

 その大阪・関西万博では、目玉商品として、3850円もする「えきそば」を売っていました。通常だと500円のところ、7倍以上の値段がします。営業期間が短い万博なので相場より高いのは仕方がないのですが、高すぎます。そのため、開幕当初は非難を浴びましたが、その後どうなったのでしょうか?

 まねき食品自身、赤字になると予想していましたが、収支はほぼトントンだったようです。最初は万博に否定的な意見が多く、それにつられて「えきそば」も評判が悪かったのですが、万博自体の評価が上がるにつれ、「えきそば」の批判も消えました。当初は1日100杯程度と予想していたのですが、どんなものか食べてみたいという人も現れたのです。夏場は暑いので「えきそば」の売れ行きも落ちましたが、代わりに夏場向けに開発されたメニューが売れ、混んでいたときは弁当が売れました。多くの国賓や来賓のために弁当を提供することもありました。

 そもそも、本来500円の「えきそば」を3850円で売ったわけではありません。特別バージョンなのです。通常の「えきそば」はかん水を使った中華麺ですが、3850円のはオリジナルの生麺を使っています。だしはホタテやハマグリなどでとっています。具は神戸牛の肩ロース肉100グラム、肉屋でも3000円ぐらいするものです。器は輪島塗の漆器です。「えきそば」に3850円を出すかはともかく、原価はかなりかかっているのです。原価から考えると、もっと高くなるはずです。

 まねき食品は、ほかの駅弁業者とコラボして、新たなタイアップ駅弁を開発しています。崎陽軒とタイアップした「関西シウマイ弁当」のほか、荻野屋とは「関西峠の釜めし」をつくりました。広島に行ったときに食べたものです。海外進出も積極的に行います。2026年1月にパリに常設店を開き、2030年のサウジアラビアで開かれる万博でも出展することを検討しています。
(参考:プレジデントオンライン https://president.jp/articles/-/103659)

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万博で地下鉄全体の利用者数、15%増加

 13日に閉幕した大阪・関西万博のメインアクセスは、Osaka Metroの中央線。4月13日から10月13日までの開催期間中、どれぐらいの人が利用したのでしょうか?

 Osaka Metroによれば、夢洲の乗降客数は4000万人もいました。1日平均にすると約21.7万人です。スタッフを含めた万博の来場者数は2900万人なので、来場者が往復ともに地下鉄を使ったとして、7割ぐらいはOsaka Metroで来場したと言えます。公共交通機関が発達していて、車でなく鉄道で行くのに抵抗感はありませんし(東京や京阪神だけの事情で、ほかのところでは当てはまりません)、地下鉄は2.5分間隔、バスに乗ろうと思ったら使うかどうかわからないアプリを入れないといけないでは、鉄道が使われるのが当たり前です。

 そして、万博開催期間中の地下鉄とニュートラム全駅(134駅)の乗降客数も増えました。前年同期比15%増の4.65億人です。ある意味当然と言えばそうですが、ほかの駅にも波及効果があるのです。地下鉄全体にプラスの効果を及ぼしたのです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASTBG1359TBGOXIE00MM.html)

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万博最終日の臨時列車

 10月13日に閉幕した大阪・関西万博。今日はそれに関連する記事を書いていきたいと思います。

 最終日の13日は、22時の閉場時間を過ぎても、多くの人が名残惜しく残っていました。本来ならスタッフの人を含めて、夢洲0:20発の森ノ宮行きまでに乗らないといけなかったのですが、どうやら乗れない人がいたようです。

 そこでOsaka Metroは、本来の夢洲0:20発の終電後に、臨時列車を3本運転しました。いずれも夢洲発森ノ宮行きで、夢洲0:28発、0:35発、0:45発です。

 また、JR西日本も臨時列車を走らせました。大阪環状線内回りが弁天町0:40発と1:24発、大阪環状線外回りが弁天町0:42発と1:27発です。大阪環状線の1周が約45分なので、1周目の車両がそのまま2周目に入ったということでしょうか?
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/251014_00_press_Osakakansaibanpaku_rinjiunten_1.pdf)

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新金貨物線沿いにBRT

 新小岩と金町の間には、貨物線が走っています。新金貨物線です。

 葛飾区は、東西を結ぶ鉄道は充実していますが、南北を結ぶ鉄道はなく、バスに頼らざるを得ません。そこで区内を南北に走るこの貨物線を使って、旅客列車を走らせることを考えていましたが、鉄道沿いにBRTを走らせることにしました。鉄道よりもBRTのほうが早期に開業できると考えたからです。

 BRTは線路沿いにバス専用道をつくり、そこを走りますが、国道6号と交差するところなどは一般道を走ります。現在、新金貨物線は国道6号線と平面交差しています。貨物列車が通るときは踏切が鳴り、車は通れません。今は貨物列車の本数が少ないので大きな問題がないのですが、新金貨物線に旅客列車が走れば、踏切が閉まる回数が増え、車への影響が大きくなります。これを解決させるなら高架化しないといけないのですが、それにはかなりの時間がかかります。それもあって、BRTで対応することにしたのです。駅は10ほど設け、ピーク時には1時間に10本ほど走らせます。土地や施設は葛飾区が取得、整備し、運行は民間や第三セクターが行います。事業費は320~560億円を見込んでいます。
(参考:東京新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/438175、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/tokyo23/news/20250924-OYTNT50268/)

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鹿島鉄道の代替バスも一部廃止

 石岡と鉾田の間には、鹿島鉄道という私鉄がありました。2007年に廃止された後、しばらくして石岡寄りの一部区間が廃線跡を活用して、BRTになっています。関東鉄道がバスを走らせています。

 しかし、関東鉄道は2026年3月で一部路線を廃止することにしました。鹿島鉄道の代替となる石岡・鉾田線(「かしてつバス」)も玉造中学校前-鉾田駅間(13.5キロ)も廃止されます。そのほか廃止されるのも鉾田市に関する区間が多く(鉾田駅と水戸を結ぶ路線も鉾田市内の区間が廃止されます)、今回廃止される82の停留所中、49か所が鉾田市内の停留所です。鉾田を発着するバスが大きく減ることになります。

 なお、「かしてつバス」については、茨城空港を拠点とした運行に再編されるようです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/592047)

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甘木鉄道が電気式ディーゼルカー導入

 甘木鉄道は基山と甘木を結ぶ第三セクター鉄道。国鉄時代は消極的な経営で利用者が少なかったのですが、第三セクターになってからは大都市福岡に近いことから積極的な経営を行い、使える鉄道となっています。運転間隔は不均等ですが、朝夕のラッシュ時は1時間に4本、昼間でも一部を除いて1時間に2本あります。

 その甘木鉄道ですが、電気式ディーゼルカーを導入することにしました。ARe500形といい、年1両のペースで8年かけて置き換えていきます。従来からある8両全て8年間で置き換えます。

 最初の1両は2026年3月14日に運行を始める予定です。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/591691)

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船で万博へ&新しい広電に乗る(4)

 駅ビルでお土産を買い、JRの旅に戻る。後はひたすら東に戻るだけ。ただし、呉線を経由する。広島13:30発の「安芸路ライナー」に乗る。呉線は珍しく、普通よりも快速のほうが多い路線。日中普通は1時間に1本しかないが、快速は30分間隔だ。終点の広で三原行きに乗り換え。同じ227系だが、3両編成から2両編成になる。こちらもワンマンだが、「ICOCA」が使えるので、全ての扉が開く。呉線は広以東が利用者の少ない区間だが、それでも列車が1〜1.5時間間隔であり、そんなに不便ではない。利用者もそれなりにいて、ガラガラではない。

 三原で乗り換え。いったん改札を出て、次の列車にする。改札の目の前に駅弁の店があるが、店じまいが早く、すでに閉店している。しかし、自販機があって、そこで駅弁を売っている。「元祖珍辨たこめし」にした。ホームに戻り、次の16:05発糸崎行きに乗る。車内は混んでいる。次の糸崎で向かいに停まっている岡山行きに乗り換え。227系だった。岡山地区の227系はこれが初めて。車内に入る。広島の227系に比べて座席が少ない。扉と扉の間に転換クロスシートが4列しかないのだ。立席のスペースを増やすためで、立つ人はどうしても扉の近くで立つから、扉の近くはスペースは広く、中ほどは快適なシートというのもひとつの方法だろう。改造車でもないのに扉の左右で立席スペースの広さが異なるのでバランスが悪いが、元の窓の配置が扉と扉の間に5列シートを置く前提でつくっているので、バランスを取るなら設計の根本から買えないといけないのだろう。そういう意味では手抜きだ。糸崎まで乗ってきた人は、そのまま岡山行きに乗る。3両編成に短くなるので、かなりの混雑。どうやら西条で「酒まつり」があり、その影響で混んでいるのだ。

 岡山からは18:03発の姫路行きに乗る。115系の4両編成で、真っ黄色の転換クロスシート。岡山を出た時点では座ることができなかったが、各駅で降りていき、瀬戸で座ることができた。しかし、それ以上は減らず、三原で買った駅弁を食べることができる雰囲気ではない。姫路を過ぎると大都市圏なので、なおさら食べにくい。ただ、新快速ならともかく、快速なら場合によっては大丈夫だ。1分の接続で快速が出るので、それに賭けてみる。快速は12両編成なので、端のほうなら空いているだろう。その通りで、ガラガラの端の車内で、混まないうちに三原で買った駅弁を食べる。蛸が驚くほど柔らかかった。快速は加古川で新快速に抜かれるので、それまでに食べ終え、新快速に乗り換える。加古川19:52発の新快速も快速よりは乗っているとはいえ、空いている。この状況は三ノ宮を過ぎても変わらなかったが、大阪で一変する。外国人を含めて多くの人が乗り込んできたのであった。京都でかなり降り、乗る人もいるが野洲止まりということもあってそうは混まない。米原行きのときとは違う。野洲で快速に乗り換え、次の新快速よりも先に米原に着く。米原からは最終ランナーの豊橋行き快速に乗って、今回の旅を終えることにした。

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船で万博へ&新しい広電に乗る(3)

 昨日は到着が遅かったので、今日は遅めに出発。岩国7:52発の糸崎行きに乗る。宮島口で降り、広電に乗り換え。8:19発に乗り込む。路面電車にステップがある。宮島線を走る2系統は全て低床車になったかと思っていたが、そうではないようだ。とは言っても、乗ったのは1989年製の車両だから、全国の路面電車と比較すればまだ新しいほうだ。切符は事前にインターネットで購入している。「MOBIRY TRAVEL」で売っている、「広電電車乗車券」だ。スマホが切符になる路面電車のフリー切符だ。全線が乗り放題となる。8時間と24時間の2タイプあるが、8時間を選択。24時間より100円安い、600円である。ちなみに24時間のほうは使用開始から24時間以内なら翌日でも使えるので、1泊2日のときは便利だ。スマホならではの切符だ。ただ、この「広電電車乗車券」、QRコードの記載がなく、降りるときに運転士や車掌(連節車だと乗っていることもある)にスマホの画面を見せないといけない。QRコードがあれば、どこの扉からでも降りることができるが、これでは紙と同じだ。むしろ、ギガを使って画面を表示する手間がある分、紙より不便だ。スマホの操作に不慣れなため、降りるときにスマホの画面を表示するのに時間がかかってしまう。

 せっかくフリー切符を持っているのだから、いろいろなところに乗りに行こう。まずは土橋で乗り換え、江波へ。こちらは連節車。江波で折り返し(江波までと同じ車両だった)、今度は横川駅へ。横川駅からは7系統に乗って広電本社前に行く。終点の広電本社前からは前に停まっていた、カープのラッピング車両に乗る。カープの選手が次の停留所の案内をしていた。少し車内を観察。「MOBIRY DAYS」を使っている人はそこそこいるが、スマホではなく専用のICカードを使っいる人が多いようだ。また、「MOBIRY DAYS」ならどこの扉からでも降りることができるはずだが、今までの習慣か、運転士のいる前で支払いの手続きをする人が多い。降りる人が少ないならともかく、多いときには遅延の原因になる。「MOBIRY DAYS」の導入により、「ICOCA」など交通系ICカードの信用降車ができなくなったので、どうしても降車には時間がかかる。本来なら「MOBIRY DAYS」が交通系ICカードに対応できるようになるのを待つのが良かったのだが、現実には広島港でやっていたように、スペースに余裕のある停留所では後ろ扉の近くに係員が立って、交通系ICカードの処理を行うのがベターなやりかたか? 広島港は船のターミナルと直結していて、松山のほか近場にも結構船便が出ている。食堂や売店もある。広島港からは5系統に乗る。比治山下からが新規に開業した区間だ。まだ完成していないようで、併用軌道のはずなのに枕木が見えている。途中新規に開業した松川町のすぐ先が稲荷町の停留所。八丁堀に行きたかったので、ここで乗り換え。6系統の江波行きに乗り換えたが、始発から2つ目の停留所なのに5分も遅れていた。遅れたうえに単車なので、車内は乗れないほどの混雑。何があったのか?

 「あなごめし」は宮島口の駅弁として有名。宮島口から連絡船乗り場までの間に店があるが、三越にも支店がある。そこでお昼にする。ホームぺージに記載がないので迷ったが、店は地下1階にある。弁当の販売が主体で、カウンターが10席だけの小さな店だ。路面電車に乗るのに時間がかかり、お昼ちょうどになってしまったため、しばらく待たされる。ただ5分ほどでカウンターに座ることができた。メニューは「あなごめし」のみ。サイズの選択ができるが、それだけだ。ビールすら置いていない。潔い。そのため回転は早く、すぐに食べて出ていく。注文すると5分ほどで出てきた。2700円と駅弁としても異例の高さで(イートインだと赤だしがついて2800円)、なかなか食べることができないものだが、一度は食べてみたいものである。店を出て、胡町から乗って広島駅へ。路面電車なのに高架の線路になり、そのまま駅ビルの2階に突っ込んだ。広電宮島口を出てから昼食込みでここまで約4時間半。これで広電の白島線と八丁堀-紙屋町西・本通間を除いた全ての区間に乗った。そして、未乗区間もなくなった。2026年には工事中の循環ルートができるのでまた広島へ乗りに行く。今回はここまでにしよう。(続く)

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船で万博へ&新しい広電に乗る(2)

 桜島から再び普通列車の旅。しかし、接続が悪い。大阪15:15発の新快速に乗るが、16:00発でも着くのは同じ。途中の六甲道に図書館があったのを思い出し、時間調整を兼ねて新聞を読むことにする。ただ、この選択が失敗を呼び起こす。乗る列車は決めていて、それに乗ることはできたが、夕食を買うのを忘れていたのだ。大阪16:00発の新快速は接続が良すぎて、買い物できる時間がない。2、3分程度の接続でどんどん西に行くのだ。一応、予備のパンは持っているが、夕食がこれでは味気ない。唯一のチャンスは姫路。新快速は播州赤穂まで行くが、姫路で後ろの4両を切り離すのだ。ここで3分停まる。姫路はホーム上に売店があるので、運が良ければ駅弁を買うことができる。新快速は姫路にほとんど遅れずに着いた。売店は少し後ろにあるので、急いで向かう。幸い、残っている弁当もあり、その中から釜めしを選ぶ。まねき食品が荻野屋とコラボし、「峠の釜めし」の釜を使ってつくった駅弁だ。1980円と駅弁の中でも高い部類だが、せっかくなので試してみることにする。危機は脱した。

 岡山方面は相生で乗り換え。真っ黄色の115系だった。古い国鉄型車両だが、座席は転換クロスシートになっている。相生までとは違い、1人で2席を占領することができる。それにしても秋の夕暮れは早い。上郡までは景色を見ることができたが、岡山県に入るころには暗くなっている。9月のときは九州ということもあってか18時半ぐらいまで明るかったが、今は18時前で暗くなっている。岡山県に入ると乗客が増えてきて、立つ人も結構いた。岡山で糸崎行きに乗り換え、2分の接続である。同じ真っ黄色の115系転換クロスシートだが、夕方の帰宅ラッシュのため、ぎっしりと詰まっている。JRの中では今回の旅で一番混んでいたところだ。何とか乗り込むことができた。もっとも、駅に停まるごとに降りていき、私も倉敷の次の西阿知で座ることができた。

 糸崎で乗り換え。岩国行きに乗る。糸崎で乗り換えるのは乗客の流れに合わせたものではなく、JRの都合である。糸崎が重要な運転拠点だったころのを今なお引き継いでいる。ここからは新車で、227系の5両編成。ガラガラかと思ったら、意外と良く乗っている。糸崎で本数が大きく減るのも影響していると思われる。糸崎は2分の接続だったが、次の三原で8分の停車。三原は新幹線停車駅ということもあって、駅構内にコンビニがあり、夜間なので店舗は閉まっているものの、自販機で駅弁を売っている。結論から言えば、姫路で駅弁を買えなくても、三原でコンビニ弁当ぐらいは買えたのだ。さて、姫路で買った駅弁だが、広島に着く前に食べておこう。広島に近くなると増えてくるだろうから、それまでに食べておかないといけない。転換クロスシートの車両は国鉄時代のセミクロスシートの車両に比べて明るく、駅弁を食べる雰囲気ではないが、混まないうちならまだいいだろう。姫路で買った「関西峠の釜めし」は、器は「峠の釜めし」と同じだが、中身はまねき食品オリジナル。山の幸の「峠の釜めし」と違い、こちらは海の幸がメイン。穴子、蛸、鯛を使っている。食べ終わってしばらくすると、西条に到着。ここでたくさん乗ってきて、座席はほぼ埋まる。それまでに食べ終えて正解。西条から乗ってきた客は広島で降りるのが多かったが、代わりに同じように乗ってくる。ただ、駅に停まるごとに降りていき、岩国に着くころにはガラガラになっていた。(続く)

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船で万博へ&新しい広電に乗る(1)

 名古屋5:37発の大垣行きに乗る。大垣からは米原行きに乗り換え。転換クロスシートの313系6両編成だった。米原からは新快速に乗るが、高槻で降りる。外側線のホームに降り、改札を出る。商店街を通って南に10分ほど歩くと、阪急の高槻市。これから乗るのは、阪急の座席指定サービス、「PRiVACE」。車内でも買うことができるが(駅やホーム上では売っていない)、朝のラッシュ時なので満席で事前に買えないことも考え、事前にインターネットで買っておく。会員登録をしておけばポイントが貯まるが、そう乗ることもないので、登録はしないでおく。ネットで切符を買うときのマイナス面として、そう使わないIDとパスワードがやたらと増え、管理ができなくなることが挙げられるが、会員登録をしなければ、購入手続は簡単だ。IDやパスワードもない。8:41発の準特急に乗る。入口に係員が乗っているが、座席指定券(スマホの画面)を見せることなく、指定された座席に座る。朝のラッシュ時なので、満席。事前に座席指定券を買っておいて正解だ。大阪梅田まで行かず、途中の淡路で降りるので、2列シートの通路側の座席にしたが(1人掛けのシートは早々と埋まり、予約できなかった)、隣の人が見えづらいようになっていて、名前の通りプライベート感がある。座席のモケットの色は当然ながらゴールデンオリーブだ。リクライニングを少し倒し、コンセントがあるので少しスマホの充電を行う。淡路に乗り、千里線に乗り換え、終点の北千里まで行く。Osaka Metroの車両だった。

 このまま折り返すのもおもしろくないので、線路の延びている方向に歩くことにする。元々北千里よりも先に延びる計画だったのだ。線路はすぐに途切れるが、歩き続けること25分、ついに箕面市に入る。手づくりのパンのいいにおいがするところが、バス停だ。バス停は今宮三丁目という。これから乗るバスは、箕面市のコミュニティバス。10分ほど待って、9:58発のバスはやってきた。3分ほど遅れている。コミュニティバスらしい小さなバスで、混んでいて立っている人もいる。病院に行くにはいい時間帯なので、混んでいるのだ。普通のバスでもいいぐらいの混み具合である。30分ほどで箕面に到着。250円だった。箕面からは阪急で大阪梅田へ。途中、十三で早いが、うどんでお昼にした。

 時間に余裕があるが、早目に次に行く。大阪から大阪環状線、桜島線に乗ってユニバーサルシティへ。お昼になっているにもかかわらずUSJに向かう人が多いが、反対側の船乗り場に行く。次に乗るのは水素燃料電池で動く船なのだ。水素を燃料としているので運航の段階では二酸化炭素を出すことなく、環境に優しいとされている。また、重油を燃やすわけではないので、においもない。当初は10月初めで運航を終える予定だったようだが、なぜか11日まで延長され、計画を変えて乗ることにしたのである。出港は13:35と1時間近く先だが、待合室があるので、そこで待つことにする。

 船が近づいて来た。いつの間にか客が増えている。スマホの画面を見せて乗船。外がよく見える2階に行く。ほかの客も2階に行っている。係員に見送られて出港。船にも係員がいて、途中の見どころなどを紹介してくれる。船が着いたときから違和感を感じていたが、この船、静かだ。これも水素燃料電池で動く船の特徴だ。船は30分ほどで夢洲に到着。すぐに折り返す人は船着き場の待合室に行き、それ以外の人は待っているバスに乗って万博の西ゲートに行く。岡山の両備バスの観光バスだった。バスは7〜8分で西ゲートに着いたが、チケットがないので入らずに引き返す。ただ、空飛ぶクルマが空を飛んでいる様子はバスの車内から見ることができた。5月のときも万博会場まで来たが、中には入らなかったので(そのときの旅行記はこちら)、結局万博に行ったのは2回ということになる。まだまだ行きたいところはあったが、欲を言えば切りがないだろう。さよなら万博、といったところか? 西ゲートからは桜島へのシャトルバスに乗る。14時台は5分間隔で、20分で桜島に着く。バスのチケットは混雑で事前に予約した人しか乗れないこともあると考え、事前に「KANSAI MaaS」で買っていて、決済も済んでいる。後はスマホの画面を降りたときに係員に見せるだけだ。(続く)

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船で万博へ&新しい広電に乗る(0)

 18日から19日にかけて、「秋の乗り放題きっぷ」を使って出かけてきました。その時の様子を明日から何回かに分けて書きます。

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フルフラットの高速バス、「FLATON」と名前を変えて12月6日運行開始

 東京と高知を結ぶ、高知駅前観光のフルフラットの高速バス。3月から8月までの間、週1回の割合でモニター運行をしていました。

 このフルフラットの高速バスですが、12月6日から通常運行に移行することになりました。モニター運行時代と同じ週1往復で、土曜日に高知から東京に行き、日曜日に東京から高知に戻ります。従来からある4列シートの便と異なり、徳島は高速鳴門に停まります。2026年には増車(モニター運行のときに利用者からもらった声を反映させました)も行われ、1~3月は週3往復、4月以降は週4往復となります。値段については未定です。

 そして、通常運行に合わせて、路線愛称が定められました。一般公募によって決定され、「FLATON」となります。フルフラットから来ているのでしょうか?
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/590331、高知駅前観光ホームページ https://kochiekimaekanko.jp/sommeil-profond-lp/)

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西鉄貝塚線、車両置き換えによって増備

 西鉄は2026年4月に値上げを行います。消費税率の改定を除けば、1997年度以来の値上げとなります。初乗り運賃は170円から180円に上がり、定期券も上がります。福岡(天神)から主要駅までの運賃は、二日市が370円から420円に、久留米が640円から720円に、柳川が870円から960円に、大牟田が1050円から1140円に、太宰府が420円から480円になります。なお、2023年3月27日から実施していた、運賃への鉄道駅バリアフリー料金は、今回の値上げに合わせて廃止されます。

 この値上げで西鉄は設備投資を行います。そのひとつが、貝塚線の車両の置き換え。貝塚線を走っている600形は、平均車齢が60年に達しています。そこで7050形に置き換えます。また、貝塚線は福岡市東区の人口増加等により、輸送人員が年々増加しており、混雑率が上がっています。2024年度の混雑率は164%で、対策が急がれます。そこで、置き換えに合わせて在籍車両数を16両から18両に増やします。
(参考:西鉄ホームページ https://www.nishitetsu.co.jp/ja/news/news20250917/main/0/link/25_061.pdf)

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外国が銚子電鉄のスポンサーに

 銚子電鉄は駅にネーミングライツを導入しています。企業はお金を払って駅名の愛称の命名権を取得し、駅名標や車内放送のアナウンス等で会社名などをPRすることができます。

 8月6日から、新しい駅名の愛称が誕生しました。ネーミングライツを取得したのは、企業ではなく、国。太平洋に浮かぶ島、ナウル共和国です。面積約21平方キロメートル、人口約1.2万人です。笠上黒生の駅名標や案内表示がナウル共和国・笠上黒生になったのです。

 なぜナウル共和国がネーミングライツを取得したのでしょうか? きっかけは銚子電鉄の広告(予算不足で社員が1時間でつくったものです。個人でつくったようなもので、ちゃんとした企業ならもっと良いものができそうです)と同じテイストでナウル共和国政府観光局が大阪・関西万博のナウルパビリオンのPRをつくったというトラブルです。このトラブルが逆に両者の交流を始めることとなり、ネーミングライツの取得に至ったのです。

 ユネスコによって消滅危機言語に指定されているナウル語による車内放送も行っていて、さらに駅舎内には日本ナウル友好記念博物館をつくるという計画もあるようです。
(参考:銚子電鉄ホームページ https://www.choshi-dentetsu.jp/news/7421/、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/587803)

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京王バスが国産EVバスに切り替えるわけ

 各地で環境に優しいと言われる、EVバスを導入しています。走っているときに排気ガスを出さないからです。

 ただし、根本的な問題があります。外国産であることです。技術力などの問題で車そのものが国内でつくることができないのなら仕方がありませんが、普通のディーゼルエンジンのバスなら日本でつくることができるのです。国内でつくれば経済にも雇用にもプラスの影響を与えるので、そのほうが望ましいのです。

 これまでは仕方なく中国産のバスを使ってきましたが、ようやく国産のEVバスができるようになりました。そして、京王バスはこれまでの中国産のEVバスから国産のに切り替えることにしました。なぜなのかと言えば、(1)国や東京都の補助金を使えば、中国産のEVバスと大差がないこと (2)国産のEVバスの性能が良いこと (3)故障時のアフターケアが充実していること です。特に(3)は導入時に見落としがちな視点で、万博などで走っている中国産のEVバスは、故障が相次いでいます。鉄道車両もそうですが、故障した場合のフォローに問題があるのです。

 現状では、導入費用と運行コストを含めたライフサイクルコストで見ると、一番安いのはEVバス、その後はハイブリッドバス、ディーゼルバス、燃料電池バスの順番になります。燃料電池バスにも補助金がありますが、水素が高いので、補助があってもコストが高くなるのです。ところが、補助金がなければ、一番安いのがディーゼルバス、ハイブリッドバスとなり、かなり間が開いてEVバス、燃料電池バスとなります。EVバス、燃料電池バスは補助金があってようやく採算がとれるのです。

 環境のことを考えるとEVバスや燃料電池バスが普及するのは望ましいことでしょうが、補助金がないと採算がとれないのは本来の姿ではありません。当面の間は仕方がありませんが、本来はそういうものがなくても採算がとれるようになるのが望ましいと言えます。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/587367/3、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/AST9Z3D10T9ZTIPE00WM.html)

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2027年春から京浜東北線等でワンマン運転

 JR東日本は少ない人数でも鉄道輸送ができるように、ワンマン運転の拡大を進めています。利用者の少ないローカル線だけではなく、首都圏のような利用者の多い路線でもワンマン運転をしようとしています。すでに3月のダイヤ改正で、常磐線各駅停車と南武線でワンマン運転を始めました。

 そして、その首都圏でのワンマン運転、ほかの路線にも拡大します。2026年春からは、横浜・根岸線(八王子-大船間)、2027年春から、京浜東北・根岸線の大宮-南浦和間、蒲田-大船間、中央・総武線の三鷹-千葉間でもワンマン運転を行います(東京メトロ直通列車は除きます)。

 京浜東北線も都心に近い南浦和-蒲田間は今回のワンマン運転の対象外です。都心でもワンマン運転ができるように環境整備を進めながら、徐々にワンマン運転を拡大するようにしているのでしょう。車掌の配置転換の問題も出てきますから。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250924_ho04.pdf)

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陸羽西線の運転再開は2026年1月16日

 並行する国道のトンネル工事のために2022年5月から運休していた陸羽西線。元々は2024年度に運転を再開する予定でしたが、その時期が延び、今なお運休しています。

 しかしその陸羽西線ですが、ようやく運転を再開することになりました。2026年1月16日から運転を再開します。すでに8月から鉄道の復旧工事を進めていて、10月8日から訓練運転を行っています。

 運転再開後のダイヤも発表されています。新庄-余目-酒田間を1日4往復(うち下り1本は余目-酒田間ノンストップの快速)、新庄-余目間を1日5往復します(うち上り1本は快速。狩川、古口のみ停まります)。なお、羽前前波と高屋は、利用者が少ないため全列車が通過します。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2025/sendai/20250926_s01.pdf、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/b261f6004cb8ef04e4e8850706b710e98645e87c)

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「天空」は2026年3月20日に運行終了

 「天空」は、南海が橋本-極楽橋間で運行している観光列車。2200系を改造してつくった「天空」は、2009年7月3日に定期運行を開始し、現在、16年が経過しています。8月末現在で、約43万人の利用がありました。

 その「天空」ですが、2026年3月20日で定期運行を終了します。その後当分の間は、団体専用列車として不定期運行します。なお、運行終了時には、イベント等を実施する予定です。

 2000系4両編成を改造してつくる「天空」の代わりとなる新しい観光列車は、2025年度末に運行を開始します。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/250924.pdf)

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「ひだ」、衝突事故の影響で一部臨時列車運休、普通列車での代走も

 10月1日に高山線内で「ひだ14号」が踏切内に停まっていたキャリアカーに衝突してしまいました。その影響で「ひだ14号」は前面及び進行方向右側面の窓ガラスが損傷し、事故に遭った編成は運用を離脱しています。

 当分の間は車両数を減らして対応していましたが(10月24日も1往復を8両編成から6両編成に減らします)、そうもいかなくなります。10月9、10日は「高山祭」、そして11~13日は3連休です。多くの人の利用が見込まれ、臨時列車も設定されていましたが、9日以降、休日を中心に臨時列車を運休させることになりました。

 ただし、9日に関しては、運休する特急の代わりに、全車自由席の快速を走らせます。走るはずだった特急と同じ時間帯、同じ停車駅で走ります。

(追記)
 9日の臨時快速は、キハ75の4両編成でした。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/593602、JR東海ホームページ https://traininfo.jr-central.co.jp/zairaisen/notice.html?notice=750&lang=ja、鉄道コム https://www.tetsudo.com/topics/14673/)

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Osaka Metro、デジタル乗車券を追加&値下げ

 万博閉幕の翌日の14日は、中央線のダイヤが変わりますが、切符も変更点があります。

 新しく発売されるのは、Osaka Metro全線と大阪シティバスが1日乗り放題となる「Osaka Metro・大阪シティバス1日乗車券」。2026年3月31日までの期間限定で、平日用が820円、休日用が620円です。なお、これまでの一日乗車券と同じく、加算運賃のかかる夢洲には行くことができません。

 また、現在発売中の「Osaka Metro 26時間券」、「Osaka Metro 48時間券」については、それぞれ100円(子供は50円)ずつ値下げし、それぞれ1000円、1700円にします。こちらは2026年9月30日までの期間限定です。

 これらの切符については、「e METROアプリ」で購入して、顔情報をアプリに登録しておけば、顔認証改札を利用することもできます。12月31日まで、利用促進キャンペーンも行います。
(参考:Osaka Metroホームページ https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20250930_digital_tickets.php?_ga=2.69024919.745941209.1759232662-768579293.1750515547&_gl=1*1pvb9f4*_ga*NzY4NTc5MjkzLjE3NTA1MTU1NDc.*_ga_LT5TV95QB9*czE3NTkyMzI2NjIkbzI3JGcwJHQxNzU5MjMyNjYyJGo2MCRsMCRoMA..)

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東筑軒、駅弁事業を事業譲渡していた

 東筑軒の「かしわめし」は、九州の有名駅弁のひとつ。折尾では今なお立ち売りが残っています。その「かしわめし」をつくっている東筑軒ですが、1日に事業を譲渡していたことがわかりました。

 譲渡先は、福岡市博多区に本店がある大迫ホールディングスの関連会社です。新たに会社を設立し、この会社が名称を東筑軒に変えて事業を引き継ぎます。本店所在地も変わりません。なお、大迫ホールディングスは、地図情報大手のゼンリン(本社:北九州市戸畑区)の創業家が設立し、不動産業を行っている会社です。

 実は東筑軒は長年の間、赤字に苦しんできました。1992年5月期には売上は約12.6億円ありましたが、駅弁を買う人が減ったようで2024年5月期は約9億円にまで減っています。赤字は8年連続です。赤字の額がどれぐらいかはともかく、8年連続赤字でも会社が潰れない程度の過去の蓄積があり、また受け皿になる会社があったのは幸いなことです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASTB13HH6TB1TIPE00YM.html、毎日jp https://mainichi.jp/articles/20251002/ddl/k40/020/180000c、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC016CY0R01C25A0000000/)

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立山町長、路線存続へ観光客から2000円を取る案

 富山地方鉄道は利用者の少ない一部区間を廃止しようとしています。その廃止区間のある立山町の町長が、高校生の前で廃止にせずに済む案を披露しました。

 それは、観光客からだけ2000円を取って、赤字を埋めようとする案。観光客なら高くても使ってくれるという考えです。アルペンルートを訪れるために地鉄を利用するのは年間10万人ほどですが、これを2万人増やして、彼ら12万人から2000円ずつ追加で徴収すれば、2.4億円の増収になると言うのです。

 これで解決するのなら、苦労しないでしょう。アルペンルートが高くても使われるのは、ほかに選択肢がないからです。先ほど、アルペンルートのために地鉄を使うのは10万人と言いましたが、2024年にアルペンルートを訪れたのは82万人もいました。ほとんどの人は車や観光バスなど、ほかの交通手段で来ているのです。このような状況で単純に観光客だけ値上げすれば、車や観光バスに逃げるか、あるいはアルペンルートそのものの訪問客が減るだけでしょう。駐車場を立山から岩峅寺に移して、車でアクセスできないようにしないといけません。また、岩峅寺-立山間は観光路線と割り切り、中間駅を廃止し、夜間は走らせず、冬季は黒部峡谷鉄道みたいに完全運休してコストの削減を図ることも求められます。

 そして、何より大切なことは大人が使うことです。富山の街中に行くときぐらいは鉄道を使ってもらわないといけません。無理に毎日使うほどではなく、忘れたころに乗るレベルでもいいのです。そして、行政は町民に鉄道を使ってもらうため、駅駐車場の整備や助成金の導入、増発の補助といった施策をしてもらいたいです。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/fa6a0ff74f8960b9027da54b1b9c7cfeec8ae26c)

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ホーバークラフトの搭乗率、約3割

 7月26日に就航したホーバークラフトですが、私も乗りに行きました(そのときの旅行記はこちら)。果たしてこのホーバークラフト、利用されているのでしょうか?

 大分県によれば、7月26日から9月15日までの搭乗率(実際に運航した便の席に対する搭乗者の割合)は約3割とのことです。初めだとお試しで乗る人もいるはずですが、それでもこの数字です。お盆の時期は満席の便もあったようですが、全般的に見ると低迷しているようです。ただ、大分県が利用者にアンケートをしたところ、高い評価をした人が9割以上ありました。

 搭乗率が高いのは、本来の目的の大分空港アクセスではなく、休日に1便運航している別府湾の周遊便。こちらは9割程度あります。今後の状況次第では、周遊便を増やしてホーバークラフトの体験者を増やすことも考えられそうです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20250919-OYTNT50124/)

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叡電に新しい観光車両、「舞」

 叡山電鉄は2025年中に新しい観光車両を走らせます。

 その新しい観光車両の名前は「舞」。四季折々の自然の中をまるで着物をまとって舞うように旅してもらいたいという想いで命名されたようです。主に鞍馬線を走ります。2018年から始めた700系のリニューアルのうち(そのうちの1両が「ひえい」です)、まだ行われていなかった2両を使ってつくりました。元々700系は1両で走ることのできる車両ですが、この「舞」は2両編成になり(不要な運転台は撤去されます)、叡山電車開業100周年を記念して「舞」の2両については100系に改められました。

 車体には沿線で見ることができる四季折々の花とその花がつくる景観が描かれています。伝統的な和柄で、京都らしくなっています。内装も京都らしく、座席は帯、スタンションポールはかんざし、つり手は髪飾りに見立て、着物を彩る小物をモチーフとしています。床やつり手は木のような感じの素材を使っています。運転席のあった車端部には、スマホの充電などができるユーティリティスペース、「MAI-SPOT」を設置しています。鞍馬でとれる銘石、鞍馬石も装飾に取り入れています。
(参考:叡山電鉄ホームページ https://eizandensha.co.jp/wp-content/uploads/sites/2/2025/09/news_2025.09.19-3-1.pdf)

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「赤い星」、「青い星」のプラン概要発表(2)

 の記事の続きです。

 「青い星」は夏に富良野線(旭川-富良野間)を走ります。2027年6月上旬から9月中旬にかけて走ります。1日2往復走ります。1本目の行きは旭川を9:20ごろに出て、富良野に10:40ごろに着きます。1本目の帰りは富良野を12:00ごろに出て、旭川に13:20ごろに着きます。2本目の行きは旭川を13:40ごろに出て、富良野に15:00ごろに着きます。2本目の帰りは富良野を15:30ごろに出て、旭川に17:00ごろに着きます。飲食とのセット商品はなく、全国の「みどりの窓口」等で乗車の1か月前から販売します。片道5000円程度ですので、特急のグリーン車よりも高い設定になるようです。

 1月下旬から3月上旬は釧網線(網走-知床斜里間)を走ります。こちらも1日2往復走ります。1本目の行きは網走を10:00ごろに出て、知床斜里に11:00ごろに着きます。途中、北浜で約10分の散策タイムがあります。1本目の帰りは知床斜里を11:30ごろに出て、網走に12:30ごろに着きます。途中、浜小清水で約20分の散策タイムがあります。2本目の行きは網走を13:00ごろに出て、知床斜里に14:00ごろに着きます。途中、北浜で約10分の散策タイムがあります。2本目の帰りは知床斜里を14:30ごろに出て、網走に15:30ごろに着きます。途中、浜小清水で約20分の散策タイムがあります。こちらも飲食とのセット商品はなく、全国の「みどりの窓口」等で乗車の1か月前から販売します。片道4000円程度です。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20250918_KO_star_train.pdf)

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「赤い星」、「青い星」のプラン概要発表(1)

 JR北海道がキハ143形を改造してつくる観光列車、「赤い星」、「青い星」。2026年度(2027年2月)に運行を開始します。その概要が明らかになりました。

 以前にも簡単に書きましたが、「赤い星」は冬に石北線(札幌-網走間)を走ります。2027年2月から3月上旬にかけて走ります(その後は1月下旬から3月上旬に運行)。行きは札幌を9:00ごろに出て、愛別と遠軽の間でランチタイム。北見と女満別の間で2号車にて有料のイベントがあり、網走には16:00ごろに着きます。帰りは翌日は逆に網走から札幌に走ります。網走を10:00ごろに出て、北見と遠軽の間でランチタイム。遠軽と上川の間で2号車にて有料のイベントがあり、札幌には17:00ごろに着きます。ランチとセットになったプランは、2026年度運行分については2026年11月から、JR北海道のホームページで販売します。値段は座席種別(ボックス、セミコンパートメント、個室)により異なりますが、片道3~4万円です。このほか、旅行会社が宿泊などもセットにしたプランを販売します。ランチとセットにしたプランは、旅行会社が販売するものを含めて約60席です。乗車のみのプランもあります。こちらは全国の「みどりの窓口」等で乗車の1か月前から販売します。値段は座席種別(ボックス、セミコンパートメント、個室)により異なりますが、片道2~3万円です。販売する座席は約15席です。

 4月下旬から7月中旬は釧網線(釧路-知床斜里間)を走ります。こちらは1日1往復走ります。行きは釧路を10:00ごろに出て、釧路湿原で約60分の散策タイム。釧路湿原と標茶の間がランチタイムで、摩周と清里町の間で2号車にて有料のイベントがあり、知床斜里には14:00ごろに着きます。帰りは知床斜里を14:30ごろに出て、川湯温泉で約40分の散策タイム。摩周と標茶の間がスイーツタイムで、標茶と釧路湿原の間で2号車にて有料のイベントがあり、釧路には18:30ごろに着きます。ランチ、スイーツとセットになったプランは、2027年度運行分については2027年1月から、JR北海道のホームページで販売します。値段は座席種別(ボックス、セミコンパートメント、個室)により異なりますが、片道2~3万円です。このほか、旅行会社が宿泊などもセットにしたプランを販売します。ランチ、スイーツとセットにしたプランは、旅行会社が販売するものを含めて約60席です。乗車のみのプランもあります。こちらは全国の「みどりの窓口」等で乗車の1か月前から販売します。値段は座席種別(ボックス、セミコンパートメント、個室)により異なりますが、片道1~2万円です。販売する座席は約15席です。 また、7月下旬から11月中旬にかけては、旅行会社主催による貸切列車になります。道内をクルーズ運行しますので、東急の「THE ROYAL EXPRESS」を引き継ぐかたちで運行するのでしょうか?

 長くなりましたので、残りは後ほど書きます。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20250918_KO_star_train.pdf)

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JRのインターネット予約をひとつに統一しないと、中途半端感は解消されない

 JRでは、「みどりの窓口」でなくても、インターネットでも切符を買うことができます。しかし、全国の切符を買うことができる「みどりの窓口」とは違い、インターネット予約は各社バラバラにサイトが乱立し、会社を跨ぐ切符を買おうと思ったら、複数のサイトを使い分けないといけません。

 この事態を解消するため、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州の各社は、4社が運営するインターネット予約サービスを連携し、ひとつのサイトにログインすれば、ほかのサイトにログインし直すことなく移ることができるようにします。ほかのネット予約情報も表示されます。このうち「EXサービス」と「e5489」に関しては、2026年度中にサービスを開始し(ログイン認証は今日、10月4日から)、それ以外も2027年度から順次対応していきます。

 確かに今よりは便利になるでしょうが、ある意味複雑になるだけです。そもそも求められるのは、JRグループ統一のインターネット予約統一サイトです。北海道から九州までひとつのサイトにならないと中途半端感は解消できません。

 ただ、以前にも書きましたが、それでも切符を買う客は数少なくなった「みどりの窓口」を探し求め、不満を募らせるでしょう。新幹線に特化した「EXサービス」を除いて、インターネット予約は基本的には「みどりの窓口」の機能を移しているので、鉄道に詳しくない限り使いこなせないのです。インターネット予約専用の安い切符は少なく、紙の切符もそんなに高くないので、わからないならば「みどりの窓口」に行くほうが賢明です。この背景にあるのが、時代遅れの硬直的な運賃制度。「みどりの窓口」に行って、希望の行き先や時間帯を言えば駅員が切符を発券してくれますが、値段は今よりも高くなります。東京-大阪間が2万円ぐらいのイメージでしょうか? それが嫌なら、インターネットで東京-新大阪間の割引切符を買うのです(東京までと新大阪からの切符は、スマホを改札口にかざすと自動的に引かれます)。こういう風に変えないと「みどりの窓口」で切符を買う人は減らないでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250919_00_Press_Ribenseikojo_torikumi.pdf)

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「ひだ」、「しなの」、「南紀」も年末年始は全車指定席

 全車指定席になる特急が増えていますが、JR東海の場合、少ないですが特急には自由席があります。「ひだ」には1~2両、「しなの」には2両、「南紀」には1両の自由席が用意されています。

 しかしこれらの特急も、新幹線「のぞみ」と同様、年末年始など繁忙期には全車指定席にすることにしました。臨時列車も全車指定席になります。年末年始で全車指定席になるのは、12月26日から2026年1月4日まで。「のぞみ」が全車指定席になる期間と同じです。

 もし、全車指定席の「ひだ」、「しなの」、「南紀」が満席になった場合は、枚数限定で自由席特急券と同額の立席特急券を発売します。乗車する列車や車両が指定されていますので、そこに乗って利用します。立席特急券は駅窓口のほか、乗車前日からは指定席券売機でも購入することができます。しかし、「えきねっと」や「e5489」では購入することができません。定期券で利用する場合、通常だと自由席のみ乗ることができますが(自由席特急券が必要です)、全車指定席の期間に限り、定期券と指定席特急券で利用することができます。在来線自由席特急回数券、特急用定期券など、自由席に限り利用できる商品については、立席で利用する場合に限り、乗ることができます。

 このような全車指定席の施策は、今後も行います。ゴールデンウィークやお盆のように多くの人の利用が見込まれる期間を中心に全車指定席として運行する予定です。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000044577.pdf)

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中央線、万博終了後は半分がコスモスクエア折り返し

 多くの人が訪れた大阪・関西万博も、13日で閉幕します。

 万博が閉幕すれば、主要アクセスであるOsaka Metroの利用も減ってしまいます。そこで、Osaka Metroは、閉幕翌日の14日にダイヤ改正を行うことにしました。

 現在、中央線は最小2分30秒間隔で運転していますが、これを万博開幕前の3分20秒間隔に戻します。特に大きく減るのは万博がなくなって需要が大きく減る夢洲-コスモスクエア間で、時間帯によっても異なりますが、昼間は半数の列車がコスモスクエアで折り返します。コスモスクエア-長田間は7分30秒間隔ですが、夢洲-コスモスクエア間は15分間隔です。予想できたことですが、地下鉄とは思えないような運行間隔です。もっとも、IRが始まるまでは、これでも多いのかもしれませんが。
(参考:Osaka Metroホームページ https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20250909_r4_dia_kaisei.php?_ga=2.128122820.911148884.1757939308-768579293.1750515547&_gl=1*ff5jiv*_ga*NzY4NTc5MjkzLjE3NTA1MTU1NDc.*_ga_LT5TV95QB9*czE3NTc5MzkzMDgkbzI1JGcwJHQxNzU3OTM5MzA4JGo2MCRsMCRoMA..)

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快速「みえ」等にHC35形

 JR東海は、快速「みえ」や高山線、太多線で走っているキハ75形の置き換えとして、HC35形をつくることにしました。

 HC35形は、ハイブリッド方式の車両。2028年度から2029年度にかけて、2両編成19本、38両がつくられます。HC35形が走るのは名古屋-伊勢市・鳥羽間、岐阜-下呂間、美濃太田-多治見間です。最高速度は時速120キロです。

 座席配置は、名古屋-伊勢市・鳥羽間とそれ以外とで異なります。快速「みえ」が走る名古屋-伊勢市・鳥羽間は、転換クロスシートとロングシートが1両ずつ、それ以外の岐阜-下呂間、美濃太田-多治見間で使うのは2両ともロングシートです。快速「みえ」で指定席として使われる部分には転換クロスシートを用意し、それ以外の部分はロングシートで対応するのです。いくら運賃だけで乗ることができる自由席とは言え、伊勢までロングシートになるのです。

 分割民営化直後は各社で転換クロスシートの新車が投入されましたが、最近はそういうところでもロングシートになっています。JR北海道JR九州も新しいのはロングシートです。その中でJR西日本とともに転換クロスシート主体を維持していたJR東海ですが、最新の315系はロングシートです。中央線、関西線、静岡地区の東海道線だけではなく、これまで転換クロスシートが使われてきた東海道線の快速系統にもロングシートの315系が使われる例が出ています。

 このままJR東海でもロングシートの車両がメインとなるのでしょうか?
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000044528.pdf)

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