富山地鉄、あいの風とやま鉄道との並行区間を廃止するより残したほうが安上がり?
富山地鉄の滑川-新魚津間も、存廃が議論されている区間のひとつ。並行してあいの風とやま鉄道があるため、それで代替できるとしています。もし、この区間を廃止したら富山地鉄の収支は改善するのでしょうか?
3つのパターンを考え、2035年度までの10年間にかかる必要経費の試算を行いました。3つのパターンとは、(1)そのまま存続 (2)営業はしないが、線路は回送用にそのまま残す (3)廃止して線路も撤去する です。まず、2035年度の本線(電鉄富山-宇奈月温泉間)の営業赤字は、(1)が8.8億円、(2)が8.4億円、(3)が7.4億円です。2024年度の営業赤字は5.5億円ですから、どのパターンでも収支が悪化しています。人口の減少が影響しているようです。
新たな投資も必要になります。(1)の場合は、線路や車両の維持管理に80.6億円、レールや枕木の更新などに27.5億円、定期券の値下げや交通系ICカードの導入に27.8億円、合計135.9億円かかるとしています。(2)の場合、維持管理費は若干減るものの、滑川や新魚津であいの風とやま鉄道との乗り換えのための跨線橋の設置に26億円、滑川-新魚津間の代替バスの費用に5.3億円かかり、合計159.3億円になります。(3)の場合、西側にある車両基地が使えないため、新たに新魚津以東に車両基地が必要になり、最大29.5億円かかります。合計180.2億円です。またこれとは別に、並行区間の軌道や駅などの撤去に約15億円かかります。(1)から(3)までの3つのパターンから外れますが、もしあいの風とやま鉄道に乗り入れる場合、新魚津の改良や車両の購入に204.2億円かかります。
このことから考えると、あいの風とやま鉄道との並行区間を廃止してもそれほど赤字は減らず、むしろ残したほうが安上がりとも言えます。滑川-新魚津間の存廃は新魚津-宇奈月温泉間も廃止して観光客輸送を含めて新幹線とバスに転換すると割り切れるかどうかにかかっているのでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/d6e0882a6e48d78a8c9ce626a63ae473e8ba06fd、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/toyama/news/20260324-GYTNT00280/)
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