大井川鐵道、井川線の6月1日大幅値上げは行わず
大井川鐵道の大井川本線は川根温泉笹間渡-千頭間が2022年9月の台風被害により運休したままとなっています。しかし、千頭から先の井川線は特に大きな被害はなく、平常運転を行っています。
ただ、時刻表を見てもわかるとおり、昼間のみの運転(9~17時台)で、日常的な利用は望めません。15年間も定期券の利用者がいないという路線です。終点井川のひとつ手前の閑蔵までなら道路があり、鉄道なら1時間半かかるところを3月で廃止になったバスはたったの30分で結んでいました。車ならさらに速いはずなので、地元の人が使わないのももっともです。
そこで大井川鐵道は6月1日から、一部の列車を除いて観光列車化することにしました。運賃ではなく、パッケージツアーのような商品として販売し、乗車区間にかかわらず一律3500円(子供は半額)とします。3500円という値段は国内外の観光列車の値段を参考に決めたようです。現在、千頭-井川間が1340円しますので、2.6倍ということになります。これに対して沿線の川根本町の議員が観光客が減るとして反発しています。なお、大井川鐵道も地元の利用については配慮しています。沿線にある温泉の利用客のことを考え、下り最終列車(千頭14:35発接岨峡温泉行き)と上り始発列車(接岨峡温泉10:45発千頭行き)には運賃だけで乗ることができる車両を設けます。また、川根本町と井川地区の希望者には、1000円出せば2年間乗ることができるパスを発行します。
井川線は終点まで行ってもほかの交通機関がなく(かつては静岡へのバスがありました。そのときの旅行記はこちら)、来た道を戻らないといけません。往復で5時間、7000円もかかるのでは、コスパが悪いです。アプト式の井川線に乗ってきたという体験が欲しいのなら、もっと短くて安いコースを用意しなければならないでしょう。事実、車で泊まりに来て短距離だけ井川線に乗る客はいます。往復7000円もするとさすがにそういう客は乗らないでしょう。もっとも、大井川鐵道としては短距離だとあまり儲からないので乗らなくても結構なのかもしれませんが。また、地元の店と組んで、乗車代金の一部を商品券や食事券で還元しても良いでしょう。
地元の反発もあり、大井川鐵道は6月1日の観光列車化を見送りました。とは言っても利用者が少ないのは構造的であり、経営が厳しいのも事実です。本来なら運賃の値上げで対処すべきかもしれませんが、運賃の値上げは許認可が絡むため簡単にはいかず、それがためにいびつなものになっているというのは皆さんも御存じの通りです。特別料金で帳尻を合わせざるを得ないのです。
(参考:FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/-/1041823、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20260507-GYT1T00328/、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASV583TJCV58UTPB006M.html)
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Comments
「値上げはダメ」ではなく、川根本町にも大井川鉄道の利用促進を考えてほしいです。
観光客が減るのが嫌なら、その観光客にどうお金を落としてもらうか、地元の議員だけでなく観光業を営んでいる方も一緒に考えてもらいたいですね。
値上げのニュースには驚きましたが、鉄道の存続のための決断。地元住民への配慮もあったので私は良いと思いました。
観光に来てもらいたいなら鉄道+地域そのものの魅力を上げることが必要です。
只見線沿線自治体みたいに大井川鉄道を盛り上げることができるか・・・。また、地元そのもののブラシュアップができるか・・・真剣さが問われるでしょう。
Posted by: あかり | 2026.05.10 10:32 AM
あかりさん、こんにちは。
* 「値上げはダメ」ではなく、
値上げせずに経営できるのなら苦労はしませんが、現状は厳しいでしょう。
今回の値上げ案は一律3500円と稚拙なところがあるかもしれませんが、それならそれで対案を考えないといけません。
良くも悪くも、井川線の場合は地元の利用がほとんどなく、観光だけを考えれば良いので、それを活かしたダイヤ、運賃にすることができます。ある意味、ほかの鉄道より恵まれているとも言えます。
Posted by: たべちゃん | 2026.05.10 04:16 PM