都市部、長距離の鉄道は今後も利用されるが、費用は確実に増大する
ローカル線の廃止の話が相次ぎ、値上げも各地で行われています。そのような鉄道に将来はあるのでしょうか?
野村総研が都市部の在来線と新幹線などの長距離路線について、旅客需要と鉄道営業費用の将来見通しを推計しました。都市部や長距離は鉄道がその特性を発揮する区間で、競争力もある区間です。これまで、これらの路線で赤字ローカル線を維持してきました。それによれば、都市部も長距離も今後、一定の需要を維持します。長距離は新型コロナにより需要が大きく落ち込みましたが、その後は増え、2050年度では2018年度(新型コロナ前)に比べて110.3%にまで増えています。都市部も新型コロナの影響で落ち込み、その後は2045年度まで増えます。2045年度の数字は2018年度に比べて97.67%、2050年度は若干減りますが97.66%なので、ほぼ現状維持と言ってもよいでしょう。
しかし、費用の増えかたは大きいです。新型コロナでも関係なく順調に増え、2050年度には2018年度に比べて137.7%にもなります。これまでの都市部や長距離の利益で赤字ローカル線を支えるという構図は崩れ、自分たちの路線を維持するので精一杯です。しかも、そのローカル線が特急や貨物が走るなど、国の幹線網の一部を成すならともかく、乗るのは高校生と鉄道ファンしか乗らない路線にお金をつぎ込む必要性はありません。値上げを行う鉄道もありますが、国の許認可制度が硬直的すぎるため、ネットが普及した今の実情に合っていません。ネットの割引がそんなに魅力的ではなく、しかも正規料金がそれほど高くないため、数少ない「みどりの窓口」に人が集中し、利用者の不満を招いているのです。
車や航空機など、ライバルの交通機関はいろいろありますが、先ほども書いた通り、都市部や長距離では依然として競争力を有しています。三大都市圏では鉄道の分担率が約3割にもなっています。また、長距離でも鉄道で2~4.5時間のところでは、鉄道分担率が4割を超えています(ただし、在来線ぐらいでは遅くて、話になりません。一部の特殊な事例を除けば、新幹線でないと意味はありません)。さらに言えば、輸送量あたりの二酸化炭素排出量が小さく、環境に優しい交通機関と言えます。日本の鉄道の予算は少なく、鉄道の整備はなかなか進まないですが、このようなところでは積極的に整備する必要があるでしょう。簡単に言うと、スーツを着た人が乗るような鉄道(都市部、長距離)なら将来も見込みがあるのです。
(参考:&N未来創発ラボ https://www.nri.com/jp/media/journal/20260317.html)
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