北陸新幹線、「小浜-京都ルート」以外は費用上乗せか?
北陸新幹線の敦賀-新大阪間のルートは「小浜-京都ルート」に決まりましたが、これで小異は捨てて一致団結して行くのか、と言えばそうではありません。さらに時間を空費しそうで、北陸新幹線の全線完成が遠ざかります。
さて、その北陸新幹線ですが、「小浜-京都ルート」に決まったのは、そのほうがほかの案よりも、東京-新大阪間全体の採算性が良いからです。建設する区間だけでなく、全体で判断するのは整備新幹線の世界ではこれまでになかった考えですが、この区間をつくるのは新規着工区間の経済発展(簡単に言うと「自分の県に新幹線をつくること自体が目的」)を主目的にしたものではなく、北陸新幹線全体を完成させることが一番の目的なので、変な考えではありません。
しかし、その根拠となる採算性の計算に問題がありました。「小浜-京都ルート」を除く7つの案について、東京-新大阪間全体の費用を上乗せしていたのです。その理由は、「小浜-京都ルート」以外は環境アセスメントを行っていないので、それにかかる期間、5~7年の物価上昇を盛り込んだとのことですが、これからかかる区間ならともかく、これまでに完成した東京-敦賀間の金額を増やしているのです。「小浜-京都ルート」なら12.32兆円のところ、「米原ルート」(一部直通)なら18.47兆円と6兆円あまり増えているのです。
それでは、正確ではないでしょうが、その6兆円を減らして比較すればどうでしょうか? 「小浜-京都ルート」の費用対効果は1.1のまま変わりませんが、「米原ルート」(一部直通)は1.5に増えます。京都の代わりに亀岡を通る「亀岡ルート」でも同様に計算してみます。こちらは環境アセスメントに5年かかりますので、完成した区間の費用の増加分を6兆円×5/7で4兆円と見なします。費用を4兆円減らして計算すれば、費用対効果は1.3になります。こちらも数字は良くなります。
そもそも、費用対効果が全てに最優先するのではなく、1を超えれば合格です。わざわざほかの案の数字を悪くする必要はありません。ですから、なぜこのような操作をしたのか、意図がわかりません。「米原ルート」は確かに費用対効果が良いかもしれませんが、現状では直通できる保証がないという重大な欠点があります。まずは関係者を集めて勉強会をするところから始めるレベルです。「小浜-京都ルート」で地元の京都市が歓迎していないのなら、ある程度は「小浜-京都ルート」と似ていて、地元が歓迎の意を示している「亀岡ルート」にするのも方法でしょう。ともかく、新大阪まで直通させるのが第一なのです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASV91263GV91PLFA001M.html)
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Comments
>なぜこのような操作をしたのか、意図がわかりません。
それだけ疚しい計画だからということでないですか?
結論ありきで、数字を操作し、都合よく書き換えないと通らない話ということでしょう。
>ある程度は「小浜-京都ルート」と似ていて、地元が歓迎の意を示している「亀岡ルート」にするのも方法でしょう。
亀岡ルートでは、恩恵があるのは亀岡周辺に限られます。それで、今の仕組みでは、京都府は莫大な財政と、美山の景観破壊、建設残土の処理を押し付けられます。
仮に負担ゼロにしても、後者のマイナスは残ります。
京都市を通るルートにすれば、京都にも多少にメリットはありますが、古都の景観破壊・地下水への影響が加わります。
いずれにしても、京都にはたとえ負担ゼロでも、メリット少なく、マイナスだけ押し付けられる計画です。
米原はJRが反対しているからダメという割りには、京都の拒否は何とかなるだろうというのは甘すぎませんか?
Posted by: かにうさぎ | 2026.09.12 02:21 PM
かにうさぎさん、こんばんは。
* 結論ありきで、数字を操作し、都合よく書き換えないと
敦賀-新大阪間ではなく全体としての採算が取れれば良いので、ほかの案の数字を悪くすることはないのです。そういう意味では不可解です。
* 亀岡ルートでは、恩恵があるのは亀岡周辺に限られます。
京都に寄ることができたらそれが良いのはそうですが、肝心の京都が反対しているのだから仕方がないです。
美山の環境問題に地元が反対しているのは、地元にメリットがないからです。南丹市の市長が「亀岡ルート」に期待していたのもそのためです。
* 米原はJRが反対しているからダメという割りには、
現時点では北陸新幹線と東海道新幹線が直通できる保証はありません。JRの意見を聞くより前に、その時点でアウトです。「米原ルート」にするなら、そのあたりの技術的な問題を解消し、JR東海、JR西日本の了承を得、場合によっては小浜への支線をつくることもしないといけません。JRや県との交渉は国交相の出番です。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20260904-GYO1T00063/)
Posted by: たべちゃん | 2026.09.12 06:21 PM
それならば、米原ルートと小浜亀岡ルートの両方を作ればどうですか?
両方作っても、京都市内の難工事を伴う現行ルートより、安く早くできる可能性が強いと思います。
京都や名古屋は米原ルートを利用、大阪の利用者は亀岡ルートを利用すればいいし、米原ルートの列車は京都止まりにすれば、鳥飼周辺の最混雑区間に乗入れなくて済みます。
Posted by: かにうさぎ | 2026.09.13 11:22 AM
かにうさぎさん、こんにちは。
* 両方作っても、京都市内の難工事を伴う現行ルートより、
「小浜-京都ルート」を除いては、環境アセスメントなどの必要がありますから、結局のところ、どこになっても開業時期は大差はないでしょう。
* 京都や名古屋は米原ルートを利用、
何らかのかたちで大阪までのフル規格新幹線が開業した以上、「米原ルート」のほうが四国新幹線(岡山-松山?)や東九州新幹線(福岡近辺-大分?)よりも優先度が高いとは言いにくいです。京都に関してはお金と環境問題(地下水)を負担して新幹線を取るか、あるいは新幹線を諦めるかの二択です。諦めた場合は不便になっても仕方がありません。
Posted by: たべちゃん | 2026.09.13 01:16 PM