青い水の旅(2)

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 翌朝、1日3本しかない岩泉線のディーゼルカーに乗る。終点の岩泉からは40分ほど歩き(昼間しかバスの便はない)、ようやく日本3大鍾乳洞のひとつ、龍泉洞にたどりつく。洞窟の入り口には桜が咲き、ようやくやってきた東北の春を喜んでいるかのようである。

 洞窟の中には大量の水が流れており、しかもその水は涼しげな真っ青な色をしている。また、洞窟の奧には最大水深120メートルの地底湖があり、これもまた真っ青な水をたたえている。


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 三陸鉄道の普代<ふだい>から村営のバスに乗って30分、高さ200メートルの断崖が8キロメートルにわたって続く、北山崎に着く。展望台から見る断崖は絶景だが、恐怖感すら感じられる。昼間は観光客も多く、土産物屋などもかなりにぎわっている。

 展望台から海岸まで降りることのできる遊歩道があったので、降りてみることにした。階段の数は753、場所を変えるとまた新たな魅力が出てくる。階段がかなりきつかったのは確かなことだが。


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 宮古駅からバスに乗って15分のところにある、白い石が美しい浄土ヶ浜。「浄土ヶ浜」の名前の由来は、300年前に霊鏡和尚という人が「極楽浄土のようだ」と言ったところから来ているのである。

 バスの時間がやってきた。短い時間だったが、10時の列車で三陸をあとにしなければならない。私を乗せたバスは浄土ヶ浜を離れた。景色が見えなくなるまで浄土ヶ浜のほうを見続けていた。