青い水の旅(3)

 三陸に別れを告げ、列車を乗り継いで新庄に行く。新庄駅は山形新幹線延長工事(1999年12月開業)の真っ最中であった。翌日、友人の車に乗って西に向かう。

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 最上川はその昔、水運で栄えた川だった。さまざまな物資を積んだ船が行き交っていた。しかし、今はその面影なく、ただ観光船が通るのみである。私たちもその観光船に乗って最上川下りを楽しむ。

 昨日の雨と雪解け水で川は増水している。そんな中を観光船は進んでいく。船頭のユニークな話とともに。最後には外国からの観光客のためにつくったという「英語版 最上川舟唄」で締めくくった。


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 出羽三山(月山、湯殿山、羽黒山)は古くから修験道の山として知られている。その中のひとつ、羽黒山は標高が低く、一年中参拝することができる(あとの2つは雪が深いため、冬季は参拝することができない)。

 早速、羽黒山に参拝する。山門をくぐってしばらく行くと、平将門が建てたといわれる五重塔(写真)にたどりつく。ここからは急な石段だ。庄内平野を一望できる途中の茶屋で一息入れて、また登る。約50分で出羽三山神社にたどりついた。

 友人の車で鶴岡駅まで送ってもらうことにした。車は庄内平野を快走する。やがて駅に着き、私は列車に乗り込む。列車は時間通りに駅を離れた。非情なぐらい正確であった。(おわり)