北総鉄道、累積赤字解消

 北総鉄道の値下げ後の状況については以前にも記事にしましたが、その続報です。

 今回の値下げで、一番値下げ幅が大きかったのは、通学定期。平均で64.7%も値下げしました。その効果により、通学定期の利用客は値下げのあった2022年10月以降、3割程度増えました。自転車から移行した人が多かったと北総鉄道は分析しています。また、新型コロナウイルスの影響が小さくなったこともあり、トータルで見ても輸送人員は2021年度から12.5%増えて3531万人になりました。

 その結果、原油価格の高騰などで最終利益は若干減ったものの、23期連続の黒字を達成しました。ピーク時の2000年3月期に447億円もあった累積赤字は、ついにこの2023年3月期で解消したのです。長年の間北総鉄道や沿線住民を悩ませてきた累積赤字が減ったことにより、経営上の制約が消えます。積極的な経営もできるようになるのです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230624-OYT1T50099/)

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京急は子供のIC運賃を75円に

 以前にも書きましたが、京急は10月に運賃の改定を行います。単純に値上げだけをするのではなく、値下げの場合もあるという、戦略的な運賃改定です。

 そのときには触れていなかったのですが、ICカード利用時の子供の運賃を75円にします。初乗りでも泉岳寺から三崎口まで乗り通しても、75円均一です。75円という金額は、大人初乗り運賃の半額ということで決められました。なお、空港線加算運賃がかかるところは、25円を追加で徴収し、100円になります。

 JR東日本との競争が激しい、品川-横浜間には、特定運賃が設定されているところもあります。品川-横浜間、品川-京急川崎間、京急川崎-横浜間などです。これらの区間も値上げされますが、割引額を大きくすることによって、値上げ幅を抑えます。例えば、品川-横浜間の場合、現行は本来314円となるところ、303円に抑えています。それが改定後は、本来347円となるところ、313円に抑えます。10円だけの値上げになるのです。

 反対に割引が消えるところがあります。空港連絡特殊割引が消えてなくなります。羽田空港第1・第2ターミナル、羽田空港第3ターミナル-都営地下鉄線各駅、京成線各駅(成田空港、空港第2ビルを除く)間、京急線各駅(羽田空港第1・第2ターミナル、羽田空港第3ターミナルを除く)、都営地下鉄線各駅-成田空港、空港第2ビル間、羽田空港第1・第2ターミナル、羽田空港第3ターミナル-成田空港、空港第2ビル間に設定があり、最大大人80円を値引いていましたが、それが10月1日から消えてなくなります。京急の空港線加算運賃が2019年に大幅に引き下げられたことも背景にあると思われます。
(参考:京急ホームページ https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20230510HP_23013TE.pdf、京成ホームページ https://www.keisei.co.jp/cms/files/keisei/MASTER/0110/edj5aXVe.pdf)

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北総鉄道、通学定期大幅値下げで3割増

 北総鉄道は2022年10月に値下げを行いました。特に値下げが大きかったのは通学定期。沿線に子育て世代を呼び込むため、64.7%の大幅な値引きを行ったのですが、値下げから半年経ち、どのようになったのでしょうか?

 通学定期の利用者が3割増えました。値下げにより1/3程度になったので通学定期自体は減収になっていると思われ、トータルとして効果があったかは分からないですが、通学定期の利用者が増えたのは確かです。街づくりのきっかけにはなっているのでしょう。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=132&ng=DGXZQOCC1935G0Z10C23A4000000)

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北総鉄道、11月26日ダイヤ改正で休日の普通を増発

 北総鉄道は京成と同じ線路を走るため、京成がダイヤ改正をすれば、北総鉄道もすることになります。

 今回のダイヤ改正では、休日に新鎌ヶ谷-印西牧の原(一部、印旛日本医大)間の普通列車を10往復増発します。平日だけでなく休日においても、千葉ニュータウンエリアでの移動がしやすくなります。朝7時台後半から9時台においては、新鎌ヶ谷-印西牧の原間の上り普通列車が概ね10分間隔での運転となります。15~19時台は、新鎌ヶ谷-印西牧の原間の下り普通列車が概ね15分間隔での運転となります。減便の話が多い中、値下げに続いての積極的な姿勢が目立ちします。

 また、平日は京成高砂19時台の急行2本を普通列車にします。この時間帯の普通列車は概ね10分間隔になります。
(参考:北総鉄道ホームページ https://www.hokuso-railway.co.jp/topics/detail/19305)

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一部の「スカイライナー」が新鎌ヶ谷に停車

 京成も京急と同じく、11月26日にダイヤ改正を行います。

 今回の改正から、「スカイライナー」の停車駅が増えます。青砥に停車する「スカイライナー」は、新鎌ヶ谷にも停まるようになります。新鎌ヶ谷は東武や新京成との乗り換え駅ですので、松戸や柏方面から成田空港へ行くのが便利になります。上り14本、下り10本の「スカイライナー」が青砥と新鎌ヶ谷に停まります。日中、青砥には約60分間隔で停まりますので、新鎌ヶ谷も約60分間隔で停まることになります。上りは全ての号車から乗り降りできますが、下りは4、6号車からしか乗り降りできません。特急料金は、京成上野・日暮里-新鎌ヶ谷間が500円、青砥-新鎌ヶ谷間が300円、新鎌ヶ谷-空港第2ビル、成田空港間が800円です。

 一部路線では、ワンマン運転を行います。金町線、千原線、東成田線が対象で(芝山鉄道線も含みます)、概ね9~17時台の4両編成の車両が対象になります。ワンマンになっても、運転本数自体は変わりません。
(参考:京成ホームページ https://www.keisei.co.jp/cms/files/keisei/MASTER/0110/Aq5eJLly.pdf)

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京成など4社、「鉄道開業150周年記念 京成グループ鉄道4社 共通1日乗車券」発売

 今年2022年は、鉄道開業150年であるとともに、京成開業110年、関東鉄道創立100年、新京成開業75年、北総創立50年という、京成グループ鉄道4社にとっても節目の年です。そこで京成、新京成、北総、関東鉄道の4社は、10月14日から1500部(京成650部、新京成350部、北総350部、関東鉄道150部)の限定で、「鉄道開業150周年記念 京成グループ鉄道4社共通1日乗車券」を発売します。

 「鉄道開業150周年記念 京成グループ鉄道4社共通1日乗車券」の発売期間は10月14日から31日、発売日当日限り有効です。京成、新京成、北総、関東鉄道の4社全線乗り降り自由で、1500円です。4社の主要駅(関東鉄道は守谷と竜ヶ崎だけです)で発売します。なお、この「鉄道開業150周年記念 京成グループ鉄道4社共通1日乗車券」は自動改札機を使うことができません。有人改札を通る必要があります。

 それにしてもお得な切符です。京成上野-成田空港間(成田スカイアクセス経由)は1270円します。取手-下館間は1540円します。長距離ならば2~3回乗るだけで元が取れます。早く買わないと売り切れてしまいそうです。

(追記)
 「鉄道開業150周年記念 京成グループ鉄道4社共通1日乗車券」は10月28日に完売となりました。
(参考:京成ホームページ https://www.keisei.co.jp/cms/files/keisei/MASTER/0110/mYGnJKaV.pdf、https://www.keisei.co.jp/cms/files/keisei/MASTER/0110/tFDgjfFf.pdf)

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「スカイライナー」が時速200キロ運転に?

 「スカイライナー」は新幹線以外では最速の時速160キロを誇ります。その「スカイライナー」がパワーアップするという話があるようです。

 まず、その背景から説明します。成田空港では、新しく滑走路をつくったり、既存の滑走路を延伸したりして、年間発着回数を現在の1.7倍の50万回に増やす計画がつくられています。そうなると成田空港の利用者も増えるので、それに対応できるよう、アクセスの強化が必要となるのです。現状のままでは、JRの「成田エクスプレス」や京成の「スカイライナー」の混雑率は100%を超える時間帯が出ます。京成本線の列車の中には混雑率が250%になるものもあるようです。

 混雑率を下げるには、列車の本数を増やすか列車を長くするかしないといけません。しかし、成田空港付近は単線区間も多く、このままでは単純にはいきません。部分的な複線化を行うようです。JR、京成ともに複線化を行う場合、900~1400億円かかるようです。都心側では、押上線の活用も考えているようです。

 もうひとつ、「スカイライナー」の高速化が出てきました。目標は現在最速で36分かかる日暮里-空港第2ビル間を20分台で結ぶことです。どうやってスピードアップするのかと言えば、最高速度の時速160キロで走っている区間を増やす方法で行います。時速130キロで走っている区間を高速化します。具体的には曲線の改良、待避設備の充実、ホームドア、車両性能の向上を行います。長期的には時速200キロ運転を目指すとのことです。これによって、成田空港は遠いというイメージを解消しようとしているのです。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/skyliner200kmh/)

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「スカイライナー」等、警備員乗車のため値上げ

 京成上野と成田空港の間をほぼノンストップで走る「スカイライナー」。最高速度時速160キロというスピードが魅力です。

 京成は4月25日から、この「スカイライナー」等の有料特急列車に警備員を乗せることにしました。車内でのトラブル等の未然防止、そして実際に発生したときの対応がしやすくなることから、安全性が増すと考えています。

 ただ、警備員を乗せるということは、その分だけコストが上がります。そこで京成は4月25日から有料特急全列車について、値上げを行います。具体的には、「スカイライナー」の京成上野・日暮里-空港第2ビル・成田空港間が1250円から1300円、青砥-空港第2ビル・成田空港間が1000円から1050円、「モーニングライナー」、「イブニングライナー」が420円から450円です。「スカイライナー」がらみの各種企画乗車券も値上げされますが、印旛日本医大発の「臨時ライナー」については500円のままです。

 大晦日の終夜運転や1月の休日のみに走る「シティライナー」も値上げされます。京成上野・日暮里・青砥-京成成田間が970円から1000円、京成上野・日暮里-青砥間及び京成船橋発着が520円から550円になります。
(参考:京成ホームページ https://www.keisei.co.jp/information/files/info/20220325_113030752255.pdf、https://www.keisei.co.jp/information/files/info/20211203_125623667370.pdf)

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京成、2月26日にダイヤ改正で日中の特急削減

 京成、京急、都営地下鉄浅草線は2月26日にダイヤ改正を行います。

 まず京成から書きます。「スカイライナー」の一部列車は青砥にも停まっていますが、これが臨時停車の扱いから正式な停車に格上げされます。押上、都営浅草線、京急方面から成田空港方面に行きやすくなります。青砥に停車するのは日中は60分ごと(現行は80分ごと)、3本に1本が停まります。21時以降の上り(6本)も青砥に停車します。青砥は4号車、8号車から乗車することができます。これまでできなかったチケットレスサービスでの購入もできるようになります。前売り発売、駅の券売機での購入もできるようになります。なお、青砥から京成上野方面への乗車はできません。なお、印旛日本医大発の「臨時ライナー」は時刻を変更して当面の間走ります。印旛日本医大発は7:00と若干遅くなりますが、京成上野には7:46着と現行より若干早くなります。

 一般列車については、日中の本線の特急を快速に変更します。日中は快特特急と特急が合わせて20分間隔で走り、その間を快速が埋めるというダイヤですが、改正後の優等は快速が主体で、40分間隔で快速の代わりに快速特急が走るというダイヤになります。また、成田空港で働く人のために、成田空港発宗吾参道行きの列車を23時台に増発するなどの改善を行います。

 京急は早朝の京急蒲田5:19発羽田空港第1・第2ターミナル行きを品川発の特急とします。また、平日の日中時間帯(11~15時)の京急久里浜-三崎口間は、現状を考慮して、約20分間隔とします。休日の午前中の快特で、12両編成で走る列車が増えます。その他細々とした変更があります。

 都営地下鉄浅草線は日中時間帯(10~16時台)、「エアポート快特」の一部を地下鉄線内各駅停車にします。これまで「エアポート快特」が20分間隔だったのが、1時間当たり1~2本になります。西馬込-泉岳寺間は日中時間帯(10~16時台)、10分間隔とします。

 その他都営地下鉄三田線、新宿線、大江戸線、日暮里・舎人ライナーは3月12日にダイヤ改正を行います。日中時間帯(10~16時台)においてこれまで20分間隔だった新宿線の急行は減り、1時間に1~2本になります。しかも、本八幡方面は午後のみ、新宿方面は午前のみになります。浅草線、三田線、新宿線、大江戸線、日暮里・舎人ライナーで行っている終電の繰り上げをそのまま正規のダイヤとします。
(参考:京成ホームページ https://www.keisei.co.jp/information/files/info/20220125_140003615851.pdf、京急ホームページ https://www.keikyu.co.jp/company/news/2021/20220125HP_21128TE.html、都営地下鉄ホームページ https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/subway/2022/sub_p_2022012510264_h.html、https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/pdf/2021/sub_i_2022012510262_h_01.pdf)

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北総鉄道、2022年10月に値下げ

 北総鉄道は運賃の高い鉄道で知られています。建設のときの費用が高くついたことが原因です。単年度では利益を稼ぐことができても、累積欠損が大きく、そのお金を稼ぐために高い運賃を維持せざるを得ませんでした。ところが、ようやく累積欠損を解消することができる見通しが立ちました。そこで、北総鉄道はほぼ1年後の2022年10月1日に値下げをすることにしたのです。

 運賃は京成など他の鉄道と比べて極端に高い、中距離帯を中心に値下げを行います。一番値下げ幅が大きいのは、12~14キロの区間。現行では580円ですが、それを480円に値下げします。100円の値下げです。1円単位のICカードだと580円から475円と105円の値下げになります。そのほかの短距離帯、長距離帯も20円以上の値下げを行います(ICカードの場合は15円以上)。初乗りも210円から190円になります(ICカードは203円から188円)。通勤定期もこれに準じて値下げを行います。ただし、運賃が下がるのは京成高砂-印旛日本医大間のみで、新鎌ヶ谷-成田湯川間、京成上野-成田空港間など印旛日本医大をまたがる場合は値下げの対象外です。押上-千葉ニュータウン中央間など京成高砂を経由するものは、北総鉄道部分のみが値下げとなります。

 大きいのは通学定期の大幅値下げ。子育て世代への配慮や若い世代の入居促進につながるよう、家計への負担の大きい通学定期運賃について、大幅な値下げを行います。勤め先が負担してくれる通勤定期と違い、通学定期は各家庭が負担しないといけません。その値下げ幅は驚くほどで、現行では14990円(大人1か月)の京成高砂-印西牧の原間が4990円になります。ちょうど10000円の値下げで、京成と同額になります。京成高砂で京成に乗り継げばそれぞれ合算されるでしょうが、それでも大幅な値下げです。また、値下げになる区間も運賃や通勤定期と違って長く、京成高砂-印旛日本医大-成田空港間です。
(参考:北総ホームページ https://www.hokuso-railway.co.jp/hokuso-railwaycms/wp-content/uploads/2021/11/20211119_pressrelease.pdf、京成ホームページ https://www. keisei.co.jp/information/files/info/20211119_171803706503.pdf)

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