スマホで北関東周遊(2)

 わたらせ渓谷鐵道の始発駅、桐生は群馬県にあるが、終点の間藤は栃木県。しかも、合併で日光市になった。間藤から日光に鉄道で行くとかなり遠回りだが、足尾・間藤から日光への市営バスが1日6往復出ている。これに乗って日光に行く。バスは13:32発なので、30分弱ある。神戸で買った弁当を食べる。まだ温かった。バスは数分遅れてやって来た。小型のバスで、座席は15席ほど。始発は銅山観光前。間藤から私を含めて3人乗ると、座席はほぼ埋まった。バスはトンネルを抜け、日光にやって来た。外国人の観光客が多い。道路は渋滞していて、東武日光には10分ほど遅れて着いた。東武日光からは14:29発の南栗橋行きに乗る。元日比谷線直通用の車両で、4両編成。この4両編成にラッシュ並みの人が乗り込む。この混雑で南栗橋まで行くのかと思ったら、2つ先の下今市で一気に降りる。鬼怒川温泉で泊まるのだろうか?

 東武日光を出て1時間半ほどで、板倉東洋大前に着く。ここは群馬県。東の端なのだ。そしてここから館林にバスが出ている。鉄道だと東武動物公園まで回らないといけないので、価値のあるバスだ。上下合わせて1日32本あるが、日祝は本数が大幅に減って1日6往復のみになる。次のバスは16:15発。駅のロータリーで待つが、時間になっても来ない。10分ほど遅れてやって来た。このバスを運行しているのはつゝじ観光バスという会社。鉄道系ではないので、交通系ICカードは使えない。200円均一なので、乗るときに200円を払う。10分遅れでバスは発車。このバスだが、意外とよく乗っている。途中での乗り降りも多く、多いときで20人近く乗っていた。このバスは今日泊まるホテルの近くを通るが、明日の朝、駅まで行かないといけないので、終点まで乗る。また、駅からタクシーに乗れば、ホテルでタクシー代をキャッシュバックしてくれるのだが、同じ理由で歩くことにする。今日のホテルは畳の部屋。すでに布団が敷かれている。部屋にバス、トイレはなく、風呂は1階の浴場を使う。そんなに大きくはないが、ホテルの風呂は気分が上がる。晩御飯はホテルの1階に和食の店があったので、そこで食べることにした。カキフライの定食にした。ただ18時台なのに客は誰もいない。このままで営業を続けられるのか? 晩御飯を食べると部屋に戻るが、部屋は静か。隣はドライブスルーの牛丼屋(朝食べることができなかった牛丼屋とは違う全国チェーン)で、時々そこから人工的な音声アナウンスが流れる。

 翌日(16日)、夜明け前にホテルを出る。駅まで歩くが、前の日に歩いているので、道はわかる。15分ほどで館林に到着。昔ながらの味のある駅舎だ。乗る列車まで時間があるので、隣のコンビニで朝食のパンを買う。館林から乗ったのは、6:16発の区間急行浅草行き。8両編成と長い。羽生で秩父鉄道に乗り換え。ここからはスマホが切符になる。事前に買っておいた「秩父路悠々フリーきっぷ デジタル版」を使えるようにし、電車のアニメーションの画面を駅員に見せる。これが今日一日の切符になるのだ。階段を下りて、ホームに行く。ホームに影森行きが入ってきた。3両編成で、東急のお古。2019年に行われたラグビーのラッピングがしてある(ついでに言えば、この後で出会うほかの車両もいろいろなラッピングがなされていた)。列車に乗り込み、館林のコンビニで買ったパンを食べるが、ロングシートの車両なので、落ち着いて食べることはできない。ロングシートだと、よほどガラガラでないと食べづらい。影森行きの各駅停車は6:42に羽生を発車。しばらくは田園地帯を走る。ところどころ熊谷などの町があり、乗り降りが目立つ。山に入るのは寄居を過ぎてから。ただ山のほうに入っても学校があるのか(乗った16日は土曜日)、高校生は結構いる。影森で三峰口行きに乗り換え。こちらは2両編成である。何駅か乗り、終点の三峰口に到着。ここから三峰神社などに行くバスに乗り継ぐ人が多い。私はそのまま折り返し、御花畑で降りる。(続く)

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スマホで北関東周遊(1)

 小雨の降る中、25分ほど歩いてバス停に向かう。バスは千種駅前からも乗ることができる。バスが来た。スマホの画面がそのまま切符になっているので、運転士にその画面を見せてバスに乗る。座席は結構埋まっている。乗ったのは「ドリームなごや10号」、途中2か所で休憩する。ひとつは豊田上郷サービスエリア、そしてもうひとつは愛鷹パーキングエリア。まだ3時台、沼津と富士の間である。朝にはまだ早過ぎる。この前に乗ったときは足柄サービスエリアだったが、変わったのだろうか? バスはダイヤより速く進み、東京駅日本橋口には20分ほど早く到着。

 最初に乗るのは京葉線。バスは日本橋口に着いたので、京葉線乗り場までひたすら歩く。朝6時なので飲食店は閉まっているが、駅弁屋だけは開いていて、多くの客で賑わっている。さすがは東京だ。バスの到着が早かったので、予定より1本早い、6:11発の蘇我行きに乗ることにした。蘇我行きの列車は、ディズニーランドに向かう客が多い。途中の新木場などでも乗ってきたが、予想通り舞浜で降りる。私はこの先、武蔵野線に行くが、前は市川塩浜から西船橋に向かったので、今回は南船橋から行くことにする。南船橋から乗ったのは、6:44発の府中本町行き。これも予定より早い列車。E231系の8両編成だ。最後尾の車両に乗る。朝のラッシュ時なのにそれほど混んではいない。降りるときに見たら、中ほどは混んでいたので、乗るところが良かったのだろう。

 南越谷で東武に乗り換え。東武は同じところにあるのに、駅名は新越谷。予定よりも早く着いたので、店で朝御飯を食べることにする。全国チェーンの牛丼屋なら速いだろうと思って入ったのだが、混んでいてなかなか注文したものが出て来ない。列車に乗ることが最優先なので、注文をキャンセルして店を出る。次の列車は新越谷7:52発の館林行き区間準急。区間準急はここから各駅に停まるので、実質的には各停。6両編成なので、このあたりでは若干短く、混んでいる。それでも春日部などで降りて減っていったが、久喜で再び増える。ターミナルが都心から外れたところにあり、遠回りになる東武伊勢崎線は、このあたりでは東北線の支線みたいなものか?

 館林で伊勢崎行きに乗り換え。3両編成とさらに短くなる。ICカードが整備されているので運賃の収受はないが、ワンマン運転だ。館林行きが遅れたため、それを待って出発した。線路も単線になっている。太田で赤城行きに乗り換え。2両編成だが、前の車両に保育園の団体がひと駅だけだが乗ってきた。赤城に到着。乗り換え時間が20分ほどあるので、朝御飯にしようかと思ったが、売店は閉まっていて、駅の外にも店は見当たらない。ここでも朝はお預けだ。赤城からは上毛電鉄に乗る。10:27発の西桐生行きは元京王の車両、2両編成。車内には魚の絵が描かれている。水族館の中みたいだ。西桐生から少し歩いて桐生に行く。10時半を過ぎているのにまだ朝を食べていないので、駅員に聞いてコンビニでパンを買う。駅に戻る帰り道で、立ち食いそばの店を見つける。全国どこにでもあるコンビニよりほかになさそうな店のほうがおもしろいが、買った以上、仕方がない。パンは駅のホームで食べる。

 桐生からはわたらせ渓谷鐵道。11:29発の間藤行き。2両編成だが、客はほとんどいない。このままの空いた状態で間藤まで行くのかと思っていたら、大間々でたくさん乗ってくる。大間々はほかの鉄道と接続していない。しかも、大間々止まりの列車も多い。通常なら客が減る駅だ。どこから来たのだろうか? 桐生から50分で神戸に到着。ここには東武の昔の車両を使ったレストランがある。わたらせ渓谷鐵道の直営だ。神戸では10分停まるので、その間にレストランに行き、事前に予約していた弁当を受け取る。舞茸御飯と舞茸の天ぷらがメインの「トロッコ弁当」だ。つくりたてなのか、温かい。大間々などで乗った客は通洞や足尾で降り、かなり減って終点の間藤に着いた。(続く)

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スマホで北関東周遊(0)

 11月14日から16日にかけて、北関東に行ってきました。10月末に携帯電話を買い替え、スマホが使えるようになりましたので、それを活用した旅となりました。

 明日から何回かに分けて、その時の様子を書きます。

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「TJライナー」が生体認証で乗車可能に

 東武と日立製作所は、生体認証を活用したサービスをいろいろな業種で提供していこうとしています。すでに4月から東武ストア3店舗で取り組みを始めていて、従来に比べて決済時間が平均で約50%に短縮したそうです。

 この取り組みは、コンビニ、家電量販店、ショッピングモール、東京スカイツリーでも行いますが(東京以外の地域でも取り組みを行います)、鉄道でも行います。鉄道で何をするのかと言えば、東上線の「TJライナー」のチケット確認に使います。

 将来の話ですが、2025年度には指静脈認証だけではなく顔認証でもできるようにします。鉄道の改札に導入することも考えているようです。
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20240903-3017926/)

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JR東日本等もQR乗車券に移行

 少し前に、東武や京急が磁気乗車券を廃止してQRコードを使用した乗車券(QR乗車券)に切り替えるという内容の記事を書きましたが、QR乗車券に移行する会社はほかにもあったのです。

 それは、京成、新京成、西武、東京モノレール、JR東日本、北総の6社。東武、京急と合わせて8社がQR乗車券に移行するのです。結構な数が2026年度末以降、順次移行するのです。交通系ICカードの普及により磁気乗車券の割合は減っていますが(現在のICカード利用率は5~10%ぐらい)、磁気乗車券の紙は金属を含んでいるため、リサイクルするためには磁気の層を分離する必要があり、一定の環境負荷がかかります。QR乗車券なら環境に優しい紙に置き換えることができます。これまでのように切符を高速で前方に送る必要はなく、自動改札機の構造が簡素化されます。これまでQR乗車券は反応時間の遅さが問題になっていましたが、交通系ICカードの普及によりQR乗車券の利用者はそれほどいないと想定されるので、移行することにしたのでしょう。

 今回置き換えの対象となるのは、自動券売機で購入する近距離の切符です(新幹線などの長距離切符は対象外です)。自動改札機では、QRコードをQRリーダーにタッチします。QR乗車券の情報や、入場・出場などの利用状態は8社共通のQR乗車券管理サーバーで管理します。同一のシステムを利用するので、会社間に跨がるQR乗車券の発行が可能になります。JR東日本など主要な鉄道事業者が移行するので、このシステムが事実上の標準になるのでしょう。

 ただ、相互直通運転が盛んな首都圏では、8社以外でもQR乗車券に移行したほうが良さそうな事業者はあります。今回発表のあった8社以外にも、QR乗車券に移行するところはあると思われます。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240529_ho02.pdf)

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東武、2027年度までに磁気乗車券全廃?

 大都市圏の鉄道では、交通系ICカードがよく使われていますが、交通系ICカードでは対応できない部分は、磁気の切符になります。どうしても交通系ICカードが100%対応できるわけではなく、磁気の切符が残ってしまいます。

 ところが、東武が4月30日に発表した「東武グループ中期経営計画2024~2027」によれば、QRコードによる乗車券を導入することによって、磁気乗車券を全廃するとのことです。QRコードによる乗車券はすでに沖縄都市モノレールなどで実用化されていますし、磁気乗車券がなくなれば、自動改札機の機能は簡略化することができます。

 沖縄都市モノレールのように営業エリアが狭く、ほかの鉄道と接続することのない、閉じた鉄道なら磁気乗車券の廃止は難しいことではありません。しかし、東武の場合は営業エリアが広く、JRや地下鉄など、いろいろな鉄道と接続しています。単純にはいかない話なので、格段にレベルが上がります。相互直通運転をしているところもあるので、中間改札を置くこともできません。本当に4年でできるのでしょうか?

(追記)
 京急も磁気乗車券のQRコード化を考えているようです。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/disclosure_documents/20240430143543tMZzvskWzDDVvn19AC00Qw.pdf、京急ホームページ https://ssl4.eir-parts.net/doc/9006/tdnet/2432617/00.pdf)

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春日部発鬼怒川温泉行き早朝特急

 ゴールデンウィークのような繁忙期には、通常ではみられない臨時列車が設定されることがあります。

 東武にもそのような臨時列車が設定されています。4月27~29日と5月3~6日に設定されている「きぬ199号」がそれです。100系の6両編成で走るその「きぬ199号」は、春日部始発の鬼怒川温泉行きです。浅草始発ではありません。

 それでは、なぜ「きぬ199号」が春日部始発なのかと言えば、朝が早いから。「きぬ199号」は春日部を6:40に出て(東急田園都市線二子玉川発急行南栗橋行きから接続します)、終点の鬼怒川温泉には8:26に到着します(東武日光へは下今市で乗り換え、8:18に着きます)。浅草始発の特急(「リバティけごん1号」、「リバティ会津101号」)よりも早く東武日光や鬼怒川温泉に着きます。一足早く日光などを楽しむことができるのです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/132305、東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/news/20240417185856uJCsYwzRuFBauvULQ8LrZg.pdf)

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東武野田線に80000系

 東武は2025年から、野田線に新型車両80000系を導入します。

 ところがこの野田線、これまで6両編成で走っていましたが、5両編成に短縮します。そのため、以前にも書きましたが、5両編成でつくられるのは7編成だけで、残りの18編成は4両だけしかつくりません。足らない1両は60000系からもらいます。3号車の付随車が80000系に移ります。80000系4両と60000系1両で5両編成をつくり、1両抜かれて5両編成になった60000系ができるということになります。8000系と10000系は廃車になります。

 なお、80000系のコンセプトは、子育て世代に優しい車両です。小さな子供やその家族が車内で快適に過ごすことができるよう、全編成に「たのしーと」を整備します。子供部屋をイメージしたわくわくするような内装で、ベビーカーを利用した人が隣に座ることができる構造となっています。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/202404161247115gFjCdYsG3H5MfjtzUEqxQ.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/132227/2)

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C11形123号機、車掌車なしで走る

 SLを令和の現在に走らせようと思ったら、今の時代に合うように設備を追加する必要があります。東武のSLも、現在の鉄道システムに欠かせないATSを搭載するため、車掌車を連結しています。そのため、本来は貨物列車の後ろにくっついている車掌車が、SLの直後にくっついて走っています。旅客列車なのに。

 そこで東武で走るSLのうち、C11形123号機について、SL自体にATSを搭載することにより、車掌車がなくてもSLを走らせることができるようになりました。4月13日から車掌車なしでの運行を開始します。SLの直後に客車がくっつくという、本来の姿になります。

(追記)
 今回車掌車なしで走ることができるようになったのは、3両あるSLのうちC11形123号機1両だけで、残りの2両は引き続き車掌車が必要です。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/news/20240405160437IfgmHeMwkz4Zboq0OJuXRg.pdf、「鉄道ジャーナル」2024年7月号 鉄道ジャーナル社

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SLにバイオ燃料

 SLは石炭を燃やして走るものですが、東武はこの1月31日から約1年間、その石炭の一部を、植物原料由来のバイオコークスに置き換えるという実証実験を行っています。SLにバイオ燃料を使うのは、国内では初めての取り組みです。

 なぜそのような実証実験を行っているのでしょうか? SLというものは、動いているときだけでなく、完全に止まっているときも検査、修繕、工事を行うとき以外はボイラーに火を付けた状態を保っています。保火と言います。ボイラーの圧力を維持し、保護するためです。2023年度の場合、この保火のために東武が保有する3両で約160トンの石炭を使います。そこで東武は、その保火に使う石炭のうち約40%をバイオコークスに置き換え、燃焼効率、作業性、ボイラーへの影響について調べることにしました。バイオコークスは燃焼時の熱量が石炭の約半分なので、走行時には使えませんが、保火なら使えます。今回使うバイオコークスは、木くず、そば殻、樹皮、コーヒーかすなど植物由来の廃棄物を砕いて乾燥した後、圧力をかけて圧縮し、加熱した上で円筒状に成形した燃料です。このことにより、年間約150トンの二酸化炭素を削減することができます。一般家庭にすると約50世帯分です。

 DLについても実証実験を行います。こちらは、燃料である軽油の約50%を、バイオディーゼル燃料を混ぜたものにします。東武には2両のDLがあり、2023年度は約40000リットルを使います。その2両のうち1両について、廃食油由来のバイオディーゼル燃料を5%混合したものに置き換え、燃焼効率や内燃機関への影響について調べることにしました。このことにより、年間約2.5トンの二酸化炭素を削減することができます。

 東武はこの実証実験の結果を踏まえて、SLやDLにバイオ燃料を本格的に導入するかを検討します。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20240125112826RFwnonCSBRfPDCtmpwZlXQ.pdf、東京新聞ホームページ https://www.tokyo-np.co.jp/article/306863)

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