京急、「イブニング・ウイング号」の停車駅追加

 京急は11月23日にダイヤ改正を行います。

 今回大きく変わるのは、夕方から夜にかけて走る、「イブニング・ウイング号」。品川を出ると上大岡までノンストップでしたが、全ての「イブニング・ウイング号」が京急蒲田、京急川崎、横浜に停まります。3駅とも乗車専用です。

 この「イブニング・ウイング号」に乗るためには、乗車券のほかに、座席指定券、「Wing Ticket」が必要です。しかし、この「Wing Ticket」、今回追加で停まる3駅では、駅の窓口では売らず、「KQuick」でしか売りません。ですから、ある程度使う人はともかく、あまり使わない人には使いづらいです。また、「イブニング・ウイング14号」、「イブニング・ウイング16号」は4両編成の金沢文庫行きとして走っていますが、利用状況を考え、8両編成の三崎口行きとして走らせます。

 羽田空港利用者については、平日、休日ともに羽田空港第1・第2ターミナル0:05発の快特品川行きを新設するとともに、休日は早朝に金沢文庫発羽田空港第1・第2ターミナル行き急行1本、夜間に羽田空港第1・第2ターミナル発金沢文庫行き急行2本を増発します。

 また、大師線については、平日の最終を繰り下げます。京急川崎発小島新田行きの最終を14分繰り下げ、京急川崎0:17発とします。平日神奈川新町5:19発の特急青砥行きを特急成田空港行き(成田スカイアクセス線経由)に変更します。
(参考:京急ホームページ https://www.keikyu.co.jp/company/news/2024/20241022HP_24100TE.html)

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JR東日本等もQR乗車券に移行

 少し前に、東武や京急が磁気乗車券を廃止してQRコードを使用した乗車券(QR乗車券)に切り替えるという内容の記事を書きましたが、QR乗車券に移行する会社はほかにもあったのです。

 それは、京成、新京成、西武、東京モノレール、JR東日本、北総の6社。東武、京急と合わせて8社がQR乗車券に移行するのです。結構な数が2026年度末以降、順次移行するのです。交通系ICカードの普及により磁気乗車券の割合は減っていますが(現在のICカード利用率は5~10%ぐらい)、磁気乗車券の紙は金属を含んでいるため、リサイクルするためには磁気の層を分離する必要があり、一定の環境負荷がかかります。QR乗車券なら環境に優しい紙に置き換えることができます。これまでのように切符を高速で前方に送る必要はなく、自動改札機の構造が簡素化されます。これまでQR乗車券は反応時間の遅さが問題になっていましたが、交通系ICカードの普及によりQR乗車券の利用者はそれほどいないと想定されるので、移行することにしたのでしょう。

 今回置き換えの対象となるのは、自動券売機で購入する近距離の切符です(新幹線などの長距離切符は対象外です)。自動改札機では、QRコードをQRリーダーにタッチします。QR乗車券の情報や、入場・出場などの利用状態は8社共通のQR乗車券管理サーバーで管理します。同一のシステムを利用するので、会社間に跨がるQR乗車券の発行が可能になります。JR東日本など主要な鉄道事業者が移行するので、このシステムが事実上の標準になるのでしょう。

 ただ、相互直通運転が盛んな首都圏では、8社以外でもQR乗車券に移行したほうが良さそうな事業者はあります。今回発表のあった8社以外にも、QR乗車券に移行するところはあると思われます。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240529_ho02.pdf)

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東武、2027年度までに磁気乗車券全廃?

 大都市圏の鉄道では、交通系ICカードがよく使われていますが、交通系ICカードでは対応できない部分は、磁気の切符になります。どうしても交通系ICカードが100%対応できるわけではなく、磁気の切符が残ってしまいます。

 ところが、東武が4月30日に発表した「東武グループ中期経営計画2024~2027」によれば、QRコードによる乗車券を導入することによって、磁気乗車券を全廃するとのことです。QRコードによる乗車券はすでに沖縄都市モノレールなどで実用化されていますし、磁気乗車券がなくなれば、自動改札機の機能は簡略化することができます。

 沖縄都市モノレールのように営業エリアが狭く、ほかの鉄道と接続することのない、閉じた鉄道なら磁気乗車券の廃止は難しいことではありません。しかし、東武の場合は営業エリアが広く、JRや地下鉄など、いろいろな鉄道と接続しています。単純にはいかない話なので、格段にレベルが上がります。相互直通運転をしているところもあるので、中間改札を置くこともできません。本当に4年でできるのでしょうか?

(追記)
 京急も磁気乗車券のQRコード化を考えているようです。
(参考:東武ホームページ https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/disclosure_documents/20240430143543tMZzvskWzDDVvn19AC00Qw.pdf、京急ホームページ https://ssl4.eir-parts.net/doc/9006/tdnet/2432617/00.pdf)

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京急で急行復活

 京急、京成等は11月25日にダイヤ改正を行います。

 京急で休日の昼間に走る「ウイング・シート」ですが、運行開始時刻を30分程度繰り上げます。改正後は泉岳寺9:25発、三崎口10:48発が始発となります。運行本数は午後は概ね1時間間隔に減ります。平日夜の「イブニング・ウイング号」については、これまで単独の8両編成で走っていましたが、遅くに走る14号(品川20:58発)と16号(品川21:19発)については、快特の後ろに併結して、金沢文庫行きとして走ります(「イブニング・ウイング号」として走る車両については、品川を出ると、上大岡まで扉は開きません)。4両編成のトイレ付き車両、「Le Ciel」です。平日の朝ラッシュ時や休日の夜間に若干の増発があります。

 そして、京急では「エアポート急行」が走っていますが、これを急行に改めます。これまで急行はないのに「エアポート急行」はあるという妙なことが起こっていましたが、それが解消されることになります。停車駅の変更はありません。

 京成は成田空港22時台の「スカイライナー」を1本増発し、20分間隔で走らせます。新鎌ヶ谷や青砥にも停まります。成田空港発最終列車の西馬込行き通勤特急(休日は京成上野行き通勤特急)を平日、休日ともに快速京成上野行きに変更します。

 北総は前のダイヤ改正で増発した新鎌ヶ谷-印西牧の原(一部は印旛日本医大)間の普通列車のうち、平日は4本、休日は12本を矢切まで延長します。
(参考:京急ホームページ https://www.keikyu.co.jp/company/news/2023/20231024HP_23082TE.html、京成ホームページ https://www.keisei.co.jp/cms/files/keisei/MASTER/0110/Wd6JsCsd.pdf、北総ホームページ https://origin.hokuso-railway.co.jp/topics/detail/28491)

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東急新横浜線、相鉄新横浜線に乗る(2)

 幕末、ペリーが上陸したのは浦賀ではなく、久里浜だった。上陸したところには石碑が立っていて、ペリー公園という名前の公園になっている。駅から30分ほど歩いて公園に向かう。小さな資料館もあり、ペリーの来航について紹介している。このペリー公園の近くの開国橋というところから浦賀行きのバスに乗る。久里浜と浦賀の間にはバスがあるが、1時間に1本程度の割合で少し遠回りの便もある。どこを通るのかと言えば、少年院の入口。中が見えるところまで行くのだ。トンネルを抜けて浦賀の町に入る。どこに行こうか決めていなかったが、とりあえず紺屋町で降りることにした。ここまでなら運賃は199円(ICカード)で済む。バス停の近くに渡し船があったので乗ってみることにする。浦賀の町を行き来する渡し船で、ダイヤは特に決まっていない。運航時間内ならボタンを押せばやって来るのだ。ボタンを押した。対岸からやって来た。2~3分でやって来るのだ。運賃は車内で払う。1回400円と高いが、600円の1日フリー切符もある。往復するつもりだったのでフリー切符にした。対岸に着いたら少し辺りを散歩して、再び元に戻る。その後は浦賀奉行所の跡など、幕末の歴史を感じさせるところを巡る。 

 浦賀から京急に乗る。堀ノ内で特急に乗り換え、汐入で降りる。横須賀の中心部に近いこのエリアで食べたのは、アメリカサイズのハンバーガー。ナイフとフォークで食べる。ハンバーグはビーフだけでできているからか、完全に焼けていないところもある。ハンバーグではなく、肉そのものを食べているような感じだ。昼を食べた後に寄ったのが、戦艦三笠の記念館。日露戦争で活躍した三笠をそのまま博物館にしている。ゆっくりと見ていたら、意外と時間がかかった。雨が降っている。汐入にしろ、横須賀中央にしろ、駅まで歩くと時間がかかるので、バスの時間に合わせて見る時間を調整すべきだったか。快特が停まる横須賀中央まで歩いていくことにしたが、途中から歩道に屋根があり、助かった。

  横須賀中央16:25発の特急で横須賀を後にする。横須賀は山が海近くまで迫っている町で、トンネルをたくさんくぐる。京急川崎まで行き、支線の大師線に乗る。大師線は沿線に川崎大師があるが、日常の姿は工業地帯への通勤路線。小島新田への行きは空いていたが、帰りは工場からの帰宅ラッシュで混んでいた。この帰宅需要に対応するため、日中は10分間隔のところ、夕方は5分間隔となっている。

 このまま品川に戻ると18時ごろ。予約している新幹線は品川19:34発の「こだま753号」なので、品川で1時間半も時間がある。そこで都営浅草線の西馬込まで往復することにした。都営浅草線の泉岳寺―西馬込間は、枝線みたいな区間。乗ったのは京急川崎17:45発の快特青砥行きなので、品川を過ぎて次の駅、泉岳寺で乗り換え。泉岳寺18:08始発の西馬込行きに乗る。都営の車両だ。12分後に西馬込に着くが、駅の外に出るのに意外と時間がかかる。地下鉄なのにいったん階段を降りないといけないからだ。折り返して乗ったのは、西馬込18:32発の快特成田空港行き。こちらは京成の車両。泉岳寺で京急に乗り換え、品川で降りる。

  品川で晩の弁当とお土産を買うのだが、売り場は少ない。新幹線の改札内に少々ある程度である。弁当は「品川貝づくし」にした。予約した「こだま753号」に乗る。「EXこだまグリーン早特」で予約したので、正規の普通車指定席よりも安くグリーン車に乗ることができた。「エクスプレス予約」の普通車指定席よりも1000円以上安い。「こだま」だからこそできる贅沢だ。「こだま」には車内販売はないが、「のぞみ」などの通過待ちのため、数分の停車時間がある駅もある。ホーム上に売店のある駅は少ないが、たまたま三島の売店がグリーン車の目の前にあったので、そこで足らない土産を買うことにした。

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東急新横浜線、相鉄新横浜線に乗る(0)

 5月18日から19日にかけて神奈川県に行き、3月18日に開業した東急新横浜線、相鉄新横浜線に乗ってきました。その時の様子を今日と明日の2回に分けて書きます。

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京急は子供のIC運賃を75円に

 以前にも書きましたが、京急は10月に運賃の改定を行います。単純に値上げだけをするのではなく、値下げの場合もあるという、戦略的な運賃改定です。

 そのときには触れていなかったのですが、ICカード利用時の子供の運賃を75円にします。初乗りでも泉岳寺から三崎口まで乗り通しても、75円均一です。75円という金額は、大人初乗り運賃の半額ということで決められました。なお、空港線加算運賃がかかるところは、25円を追加で徴収し、100円になります。

 JR東日本との競争が激しい、品川-横浜間には、特定運賃が設定されているところもあります。品川-横浜間、品川-京急川崎間、京急川崎-横浜間などです。これらの区間も値上げされますが、割引額を大きくすることによって、値上げ幅を抑えます。例えば、品川-横浜間の場合、現行は本来314円となるところ、303円に抑えています。それが改定後は、本来347円となるところ、313円に抑えます。10円だけの値上げになるのです。

 反対に割引が消えるところがあります。空港連絡特殊割引が消えてなくなります。羽田空港第1・第2ターミナル、羽田空港第3ターミナル-都営地下鉄線各駅、京成線各駅(成田空港、空港第2ビルを除く)間、京急線各駅(羽田空港第1・第2ターミナル、羽田空港第3ターミナルを除く)、都営地下鉄線各駅-成田空港、空港第2ビル間、羽田空港第1・第2ターミナル、羽田空港第3ターミナル-成田空港、空港第2ビル間に設定があり、最大大人80円を値引いていましたが、それが10月1日から消えてなくなります。京急の空港線加算運賃が2019年に大幅に引き下げられたことも背景にあると思われます。
(参考:京急ホームページ https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20230510HP_23013TE.pdf、京成ホームページ https://www.keisei.co.jp/cms/files/keisei/MASTER/0110/edj5aXVe.pdf)

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京急、近距離は値上げ、長距離は値下げ

 京急は10月に運賃値上げを行います(13日に国交相に鉄道旅客運賃の変更認可申請を行いました)。消費税率の変更によるものを除いて、1995年以来約28年ぶりの値上げです。

 普通運賃の平均改定率は10.7%。初乗り運賃(1円単位、以下同じ)は136円から150円になります。最大で36円の値上げです(26~30キロ、367円から403円になります)。品川-羽田第1・第2ターミナル間は292円から327円になり、品川-横浜間は303円から347円になります(実施予定運賃は313円にする予定です)。空港線加算運賃(50円)、座席指定料金(300円)は変わりません。

 ここまではよくある話ですが、ここからは違います。41キロ以上は値下げします。距離が増えるほどどんどん値下げ額は大きくなっており、66~67キロは943円から740円になります。通勤定期も普通運賃と同じように改定を行います。平均改定率は11.9%ですが、41キロ以上の区間については値下げを行います。通学定期は家計負担に配慮して据え置きしますが、41キロ以上の区間の値下げも行いません。

 このように長距離の値下げを行うのはなぜでしょうか? 三浦半島の先のほうは人口が減り、列車の本数も減っています。今後も堅い需要が見込まれる品川-横浜間などで値上げを行って確実な増収を図り、需要の少ないところには値下げを行って需要喚起や沿線活性化を図るのです。
(参考:京急ホームページ https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20230113HP_22112TE.pdf)

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京急、快特と特急が10分間隔で交互運転するダイヤに

 京急は11月26日にダイヤ改正を行います。1999年7月以来、23年ぶりの大幅なダイヤ改正です。

 なぜ大幅なダイヤ改正と言われるのでしょうか? 京急は日中、快特が10分間隔で走ります。それが今回のダイヤ改正では、快特と特急が交互に10分間隔で走るダイヤになります。特急停車駅の利便性が向上するとともに、普通との接続も見直されるので、特急通過駅でも恩恵を受けることがあります。

 羽田空港-逗子・葉山間に走っていた「エアポート急行」が10分間隔から20分間隔になります。これを補うため金沢文庫-逗子・葉山間に普通を走らせるとともに、日中の品川、都営線方面から空港線に向かう快特の一部を特急に変更します。空港線の各駅から都心に直通する列車ができることになります。これまで普通列車が10分間隔で停まっていただけの青物横丁、平和島には毎時6本の特急が停まることになります。横浜方面、空港方面ともに3本ずつです。なお、「エアポート快特」は従来通り40分間隔で運転します。朝のラッシュ時については、「モーニング・ウイング5号」の品川到着時間を約30分繰り上げ、8:53着とします。

 休日については三浦半島への観光への利便性の確保のため、10分間隔で運転しますが、19時以降については京急久里浜-三崎口間は20分間隔になります。休日の日中に運転される「ウイング・シート」の上り乗車可能駅を増やします。
(参考:京急ホームページ https://www.keikyu.co.jp/company/news/2022/20221024_22098TE.html)

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京急にも音楽館のホームドア

 ホーム上の乗客の安全性を確保するには、ホームドアは有効です。ただし、ホームドアの重量は重く、設置には費用がかかります。

 それを解決するためのものとして、音楽館が考えたホームドアがあります。軽量化のために扉ではなくてパイプで対応しているもので、現在、JR九州の筑肥線や西武の多摩湖線国分寺で使われているものです。これを京急でも採用することにしました。すでに4月から汐入で導入しています。

 京急ではこれからもホームドアの整備が進みます。2022年度、2023年度には汐入などすでにホームドアの整備が終わったところも含めて、合わせて10駅で整備されます。未整備の駅もこのままではいけないでしょうから、まだまだお金がかかります。ホームドアの導入を進めるため、このようなパイプ型のホームドアの導入も進むことでしょう。
(参考:
「鉄道ジャーナル」2022年8月号 鉄道ジャーナル社、音楽館ホームページ https://www.ongakukan.co.jp/business/homedoor/、京急ホームページ https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20220511HP_22022TS.pdf

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