新幹線の車体を駅舎にも転用

 JR東海は、新幹線の車両を廃車するとき、車体に使われていたアルミを再利用する取り組みを行っています。そのJR東海ですが、新たなアルミの活用方法ができました。

 ひとつは駅舎。JR東海はこれまで、経年の進んだ駅舎について、防火性能の向上や耐震化等を目的に、建替を行ってきました。この新駅舎に東海道新幹線で使われたアルミを使うことにしたのです。2023年度下期に駅舎を建て替える予定の飯田線下地で初めて使われることになりました。他社でも見かけるような、コンパクトな駅舎です。

 18日に開業したばかりの東急新横浜線、相鉄新横浜線でもこのアルミは使われます。両社の境となる新横浜の待合室、「Shin-Yoko Gateway Spot」(3月25日に開業します)を装飾する内装用建材に使われるのです。なお、この新横浜の待合室には相鉄デザインブランドアッププロジェクトでも使われているレンガ、東急池上線旗の台、池上の改良工事で発生した廃木材も使われています。3社の提供した材料でつくられた待合室なのです。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042602.pdf、東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20230309-r1.pdf)

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相鉄から急行が消える

 3月18日に東急新横浜線、相鉄新横浜線が開業し、相鉄から都心に向かう2本目のルートができあがります。

 新しい路線ができるとダイヤも変わります。これまで、新規に開業する区間を中心に新ダイヤの発表がなされていましたが、このたび本線など新規開業区間と絡まないところのダイヤも明らかになりました。

 相鉄のかつてのダイヤは急行と各停だけのシンプルなダイヤでした。ここのところのダイヤ改正で複雑化してきましたが、今回のダイヤ改正でついに急行がなくなります(正確には休止の扱いです)。相鉄線内の列車種別は特急、快速、各停の3種類が主体になります(平日の上りの朝時間帯は特急、通勤特急、通勤急行、各停の4種類が走ります)。急行が消えるとは大きなダイヤ改正です。横浜-海老名間の特急、横浜-湘南台間の快速の運行時間帯を拡大します。日中時間帯のJR直通列車は一部を除いて各停になります。

 これまで横浜を経由していた人の一部が相鉄新横浜線に移行することから、平日の朝夕の横浜発着本数が減ります。相鉄新横浜線への列車が増えることから、それを補うため横浜-西谷間の各停を運行します。各停は主に横浜-西谷間を走るだけとなり、西谷から西に行こうと思ったら、乗り換えが必要になるケースが増えます。

 そのほか、JR方面への運行時間帯が比較的短かったことから、早朝や深夜に羽沢横浜国大-西谷間の区間運転の列車がありましたが、相鉄新横浜線の開業により早朝や深夜でも運転されるからでしょうか、区間運転の列車はなくなります。
(参考:相鉄ホームページ https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2023/pressrelease/pdf/r23-28-kyt.pdf)

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東急新横浜線、相鉄新横浜線の開業は3月18日

 日吉と羽沢横浜国大とを結ぶ東急新横浜線、相鉄新横浜線は2023年3月18日に開業します。そして同日に東急、相鉄、東京メトロのダイヤ改正を行います。また、東急は同じ2023年3月18日に値上げを行います。

 まず、東急新横浜線、相鉄新横浜線については、東急東横線と相鉄(相鉄いずみ野線が主体です)を結ぶのが1時間に2本(日中の本数、以下同じ)、都営地下鉄三田線から東急目黒線を経て相鉄(相鉄本線が主体です)を結ぶのが1時間に2本です。朝夕はともかく、日中は東京メトロ南北線には行かないようです。また、東急東横線に行くのは、一部が東京メトロ副都心線を越えて、東武東上線まで行きます。相鉄・JR直通線を通るのは上下合わせて46本ですが、相鉄・東急直通線を通るのは倍以上の100本あります。日中でも1時間に4本あるので、相鉄・JR直通線のように本数が少なくて使えない、ということはありません。また、東急新横浜線、相鉄新横浜線は新幹線停車駅の新横浜を通ります。新横浜6:00発の「ひかり」及び6:03発の臨時「のぞみ」に間に合うように、東急、相鉄の両方から列車の設定があります。

 元町・中華街から西武秩父に行く「S-TRAIN1号」ですが、発車時間を45分ほど繰り下げ、元町・中華街7:46発とします。そのほか東急の田園都市線、大井町線、池上線、東急多摩川線において、ダイヤの見直しを行います。少しずつ本数が減っているようです。

 相鉄はいずみ野線の特急の運行を再開します。東急と直通します。また、いずみ野線の快速、本線の特急の運行時間帯を拡大します。

 東京メトロは東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、南北線、副都心線でダイヤ改正を行います。副都心線では通勤急行の停車駅に明治神宮前を追加します。そのほか、有楽町線新木場-池袋間が毎時12本から10本に減るなど、見直しが行われます。
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20221216-3.pdf、https://www.tokyu.co.jp/image/information/pdf/untinkaitei.pdf、相鉄ホームページ https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2022/pressrelease/pdf/r22-194-rcr.pdf、東京メトロホームページ https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews221216_85.pdf)

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相鉄・東急直通線の運行計画

 2023年3月に開業する相鉄・東急直通線ですが、その運行計画が発表されました。

 東急に関しては、東急新横浜線を走る全列車が東横線または目黒線と直通します。東横線に直通する列車は全て急行になり、目黒線に直通する列車は急行もしくは各停になります。新綱島と新横浜には全ての列車が停まります。なお、これまで目黒線で行ってきたワンマン運転を東急新横浜線にも拡大します。東横線もワンマン運転を順次進めます。

 朝のラッシュ時の上りに関して言えば、東急新横浜線は1時間当たり最大16本の列車を走らせます。そのうち4本が東横線に直通し(菊名始発の各停が、東急新横浜線からの急行になります)、12本が目黒線に直通します。12本の目黒線直通列車のうち、最大5本は新横浜始発です。目黒線では急行が追い越す駅を原則、武蔵小山から奥沢に変更します。このことにより急行の目黒-日吉間の所要時間を22分から20分に短縮します。また、急行のうち6本は、奥沢と武蔵小山の両方で各停を追い越します。目黒-日吉間の所要時間が最大5分短縮され、17分になります。

 日中時間帯に関して言えば、東急新横浜線は1時間当たり6本の列車を走らせます。そのうち2本が東横線に直通し、4本が目黒線に直通します。4本の目黒線直通列車のうち、2本は新横浜始発です。

 相鉄に話を移します。平日朝ラッシュ時で一番本数の多い時間帯は、西谷発で見て7:20から8:20の間です。相鉄本線から4本、いずみ野線から7本の合わせて11本が走ります。日中時間帯以降は、1時間当たり4~8本です。相鉄で使う車両は、東横線に直通するのが20000系の10両編成、目黒線に直通するのが21000系の8両編成です。弱冷房車は10両編成で9号車、8両編成で7号車です(相鉄以外の会社が運行する車両は、弱冷房車の位置が変わります)。渋谷、目黒方面に向かう列車の場合、後ろから2両目です。

 それでは、相鉄本線といずみ野線について見ていきましょう。相鉄本線からは特急と普通が東急に乗り入れます。朝通勤時間帯の一部を除いて、東横線に乗り入れます。なお、新横浜で種別が変わる列車があります。いずみ野線からは特急、通勤特急(朝の通勤時間帯のみ運行)、普通が東急に乗り入れます。いずみ野線の特急が復活するのです。朝通勤時間帯の一部を除いて、目黒線に乗り入れます。なお、新横浜で種別が変わる列車があります。本数が減る横浜方面には、横浜-西谷間の区間運転を行います。

 なお、東急と相鉄の境となる新横浜は、東急と相鉄の2社が共同で管理運営を行います。新横浜には2つの改札がありますが、新綱島寄りの改札は東急が運営し、羽沢横浜国大寄りの改札は相鉄が運営します。
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20221124-1.pdf、相鉄ホームページ https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2022/pressrelease/pdf/r22-178-p51.pdf)

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相鉄・東急直通線の加算運賃

 2023年3月に開業する、相鉄・東急直通線。2019年11月に開業した相鉄・JR直通線と同じように、加算運賃が設定されることになりました。

 加算運賃が設定されるのは、東急新横浜線新綱島-新横浜間と、相鉄新横浜線新横浜-羽沢横浜国大間。東急は70円、相鉄は40円が加算されます。通勤定期券、通学定期券も加算されます。相鉄新横浜線羽沢横浜国大-西谷間ではすでに30円の加算運賃が課されていますので、加算運賃は合計140円ということになります。ICカードを使ったときの運賃は、東急の渋谷-新横浜間が358円(2023年3月の値上げ後の金額です)、相鉄の新横浜-海老名間が384円です。

 また、相鉄・東急直通線の開業に伴い、東急、相鉄それぞれに特例ができることになりました。まず東急から説明します。東急新横浜線日吉-新綱島間は新規開業路線ではありますが、加算運賃の設定がありません。新綱島は既存の東急東横線の綱島とほぼ同じ場所にあるからです。わずかな距離の差で運賃が変わらないように、東横線、目黒線方面の運賃は綱島も新綱島も同額とします。また、日吉-綱島間を含む定期券を持っている人は新綱島でも追加料金なしでの乗り降りが可能になり、日吉-新綱島間を含む定期券を持っている人は綱島でも追加料金なしでの乗り降りが可能になります。

 相鉄は、IC通勤定期券の券面表示区間に相鉄新横浜線新横浜-西谷間を含む場合、追加料金なしで横浜での乗り降りが可能になります(横浜-西谷間の途中駅での下車は追加料金が必要です)。平日に相鉄新横浜線経由で通勤している人が、休日に横浜に買い物に出かけるときに使えます。なお、このサービスは、IC通学定期券の場合及び磁気定期券の場合、対象外となります。
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20200809-1.pdf、相鉄ホームページ https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2022/pressrelease/pdf/r22-120-cup.pdf、https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2022/train/fare/kasan_2022.pdf)

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3年ぶりの「完乗」奪回(2)

 山手線で2駅、大崎で降りる。ここから乗るのが、JR・相鉄直通線。2019年11月に開業したものの、新型コロナの影響でなかなか乗りに行くことができなかったのだ。大崎10:25発の普通海老名行きは、E233系の10両編成。埼京線用の車両だ。西大井、武蔵小杉と停まり、次は15分以上停まらずに羽沢横浜国大。通勤型車両でこれだけ停まらないのは珍しい。もっとも、JR・相鉄直通線はまだ定着していないようで、間違えて乗ってしまったと思われる客が何人かいた。彼らは羽沢横浜国大で降りていったが、羽沢横浜国大で降りてどうするつもりなのだろうか? 次の西谷で相鉄に乗り換えたほうがよかったのではないだろうか? 西谷までひと駅乗って、長い間失っていた「完乗」のタイトルを奪回。次は西九州新幹線だ。

 西谷で向かいに停まっていた特急に乗り、大和で小田急に乗り換える。相模大野経由で伊勢原に行くことにした。伊勢原でバスに乗り、大山ケーブルへ。すれ違いできないような細い旧道を通り、20分あまりで終点に到着。ただし、ケーブルに乗るには土産物街(平日だからなのか、閉まっている店が多い)を通り抜けないといけない。大山の名物は豆腐のようで、そのうちの一軒でそばと豆腐を食べる。昼を食べてから、大山ケーブルに乗る。交通系ICカードが使えるのでそれで支払ったが、ペラペラの切符は別途渡される。ICカードは単に決済手段として使っているだけなのだ。ケーブルカーは「ロマンスカー」をデザインした岡部氏がデザインしているので、雰囲気が似ているところがある。大山ケーブルの所要時間は6分ほど。終点から少し歩けば、阿夫利神社の下社がある。せっかくここまで来たので参拝する。

 大山ケーブルとバスを乗り継いで伊勢原に戻る。ちょうどJRに直通する「ふじさん」が来る時間帯なので、券売機で特急券を買う。「ふじさん」は伊勢原には停まらないので、快速急行で停車駅の秦野に行く。「ふじさん」は御殿場線に乗り入れるので、新松田の連絡線でJRに行く。この連絡線を使う列車は1日3往復、貴重である。

 新松田からは、大雄山に向かうバスが出ている。箱根登山バスで、日中でも20分間隔で出ている。伊豆箱根鉄道大雄山線を乗るのに便利なバスだ。新松田からバスで20分弱で、終点の関本に着いた。このバス停の隣にあるのが伊豆箱根鉄道の大雄山。駅とバス停の名前が一致していない。ついでに言えば、伊豆箱根鉄道のバスは同じロータリーにあるバス停を大雄山駅と呼んでいる。本来なら駅名に合わせて箱根登山バスも大雄山駅と呼ぶべきだろうが、箱根登山バスは小田急系、伊豆箱根鉄道は西武系なので、色々な事情があるのだろうか? ただ、分かりにくいことには変わりはない。大雄山からは伊豆箱根鉄道に乗って小田原へ。車掌が乗っていたのは意外だった。

 ここからは在来線で名古屋に帰るのだが、東西に長い静岡県でありがたい存在は「ホームライナー」。2022年3月のダイヤ改正で平日のみの運転となったが、今日(6月17日)は平日だ。小田原から列車を乗り継げば、沼津18:31発の「ホームライナー浜松3号」の発車20分前ぐらいに沼津に着く。沼津に到着した。まず最初にすべきことは、「ホームライナー」の乗車整理券を手に入れること。「青春18きっぷ」のシーズンでもないのに、乗車整理券の券売機の前には列が出来ている。たったの330円で、速くて快適な移動ができるのだから、使わない選択肢はない。その後で夕食を買う。駅の高架化で駅ビルが潰れたと思っていたが、まだ営業していた。そこで弁当を買って「ホームライナー」の車内で夕食にする。JR東海の「ホームライナー」は席が指定されていないので遅かったら希望の席に座ることができないというリスクがあるが、肝心の混み具合は半分程度。沼津から浜松まで、隣には誰も来なかった。意外だったのは短距離の利用者も結構いるということ。乗車整理券を持っていない人も多く、車掌は乗車整理券の販売に追われていた。

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3年ぶりの「完乗」奪回(0)

 2019年11月に相鉄・JR直通線が開業しましたが、約3年間、乗っていませんでした。

 ところがこの17日に乗りに行きましたので、その時の様子を明日、2回に分けて書きます。

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相鉄・東急直通線、2023年3月に開業か?

 相鉄・東急直通線も2022年度下期に開業する予定の鉄道。そのおおよその開業予定が明らかになりました。2023年3月です。まだ相鉄や東急から発表はありませんが、近いうちに開業月の発表が行われる予定です。日吉-羽沢横浜国大間約10キロの間に新綱島、新横浜の2駅ができます。

 すでに2019年11月に相鉄・JR直通線が開業していますが、本数が最大でも1時間に4本のため、決して便利とは言えません。ところが2023年3月に開業する相鉄・東急直通線は朝ラッシュ時に1時間に10~14本、それ以外でも1時間に4~6本走ります。都心に直通電車で行きやすくなります。また、相鉄・東急直通線は新幹線停車駅の新横浜を通ります。関西方面にも行きやすくなります。

 開業月はまもなく発表があるでしょうが、開業日の発表はまだ先です。ただ、3月ならJRのダイヤ改正と揃えるかもしれません。中ごろの土曜日が有力と言えます。

(追記)
 1月27日、相鉄などから相鉄新横浜線・東急新横浜線(相鉄・東急直通線)の開業時期についての発表がありました。

 また、相鉄新横浜線・東急新横浜線は、あらゆるところに直通します。東京メトロ南北線、副都心線、都営地下鉄三田線、埼玉高速鉄道、東武東上線まで直通します。なお、西武池袋線等、西武の路線については直通しません。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/6810aa0944de874a3d8a052fbd5311678662d78c、相模鉄道ホームページ https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2022/pressrelease/pdf/r22-14-hz9.pdf)

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新幹線等の建設に私鉄の技術者も協力

 北陸新幹線金沢-敦賀間の開業は、予定より1年遅れることになりました。敦賀駅の建設が遅れたことや石川県と福井県にまたがる加賀トンネルで追加工事が出たことなどが原因です。国交省は建設主体の鉄道施設・運輸施設整備支援機構に業務改善命令を出しました。

 その鉄道建設・運輸施設整備支援機構ですが、業務の見直しを行ったところ、技術者が足らないことが判明しました。採用を減らしたこともあって、新幹線の延伸工事を行うのに必要な人材を確保できないのが現状のようです。

 そこで鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、従来から出向者のいたJRに加えて、私鉄からも出向の要請を行いました。それに応えたのは、近鉄、東京メトロ、京王、京阪、東急、相鉄、名鉄の7社。7社で合計28人(うち、近鉄が12人、東京メトロが9人です)が10月までに出向することになりました。残る私鉄との話し合いも行われていて、人数はさらに増える見込みです。

 出向した人は何をするのでしょうか? 出向期間は2~3年のようで、その間、北陸新幹線金沢-敦賀間、北海道新幹線新函館北斗-札幌間、相鉄と東急が乗り入れる神奈川東部方面線の3つの事業で作業をするようです。東急や相鉄の人は縁のある神奈川東部方面線で作業をするのでしょうか? 出向者は、トンネル掘削やレール敷設、駅舎や通信施設の整備などの分野で、設計、発注、現場監督を行います。

 これによって鉄道建設・運輸施設整備支援機構は新幹線の工事を当初の予定通りのスケジュールで行うことができます。出向元の私鉄の立場に立てば、高度の技術が必要な新幹線の建設を行うことによって、技術力の向上につながると考えられています。人件費の抑制にもつながります。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210720-OYT1T50118/)

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相鉄、米軍施設跡地にテーマパークをつくる計画を断念

 横浜の西部に東京ディズニーランドのような大型テーマパークをつくる構想があります。2015年に返還された米軍上瀬谷通信施設跡地(約242ヘクタール、東京ドーム52個分)につくるのです。横浜市はこのうちの半分強の約125ヘクタールを使って、東京ディズニーランドのような大型テーマパークをつくる計画を立て、相鉄ホールディングス(相鉄の持ち株会社)を土地活用策を提案する検討パートナーに選びました。

 ところがその相鉄ホールディングスですが、大型テーマパークの開発を検討することを断念しました。相鉄ホールディングスはアメリカの大手映画会社と交渉を進めていましたが不調に終わり、ほかの映画会社とも話をしましたが、まとまりませんでした。新型コロナウイルスの影響で相鉄の経営が悪化していることも要因のようです。ただ、この大型テーマパークの話は消えたわけではなく、大手不動産会社が引き継ぐということです。

 さて、この上瀬谷通信施設跡地へは新交通システムをつくる話があります。上瀬谷通信施設跡地の南側約100ヘクタールを使って、2027年に花博が開かれます。その花博への輸送手段として新交通システムをつくるのです。当然ながら2027年までに開業させる方針です。ところが、半年だけでは建設費に約700億円(うち横浜市の負担額は約410億円以上)かかる鉄道をつくってもペイできません。万博のときのような話は今となっては例外と考えたほうが良いでしょう。万博は地下鉄と規格を合わせていて、車両を売却する先を確保していたことからできることであって、独自の企画の新交通システムでは、そういうことはできません。大型テーマパークができればいいですが(ただ2027年に開業させるためには2020年度中に軌道法に基づく特許を申請しないといけません)、そうでなかったらシャトルバスでしのぐしかないでしょう。

(追記)
 花博の跡地は公園などになるようです。完成するのは2043年度ごろになるようです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASP5W33M6P5LULOB01M.html、https://www.asahi.com/articles/ASP5Z6T1BP5XULOB02P.html、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/9d675221387fde6fb90fdcec4ac04198b57080d4、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC0244G0S1A600C2000000/)

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