北九州空港の早朝便、深夜便を使うなら、ホテル代無料

 北九州空港は地方空港と言っても差し支えないですが、24時間使えます。九州唯一の24時間空港です。これを活かして、早朝や深夜にも設定があります。

 ただし、空港に近い人ならともかく、そうでない人が早朝便や深夜便を使おうと思ったら、ホテルに泊まらないといけません。早朝便や深夜便は安いことが多いのですが、宿泊するとその分の費用がかかり、せっかく安い便に乗った意味がなくなってしまいます。

 そこで北九州空港は、10月から12月までの間、北九州空港を7時までに出る早朝便もしくは22時以降に到着する深夜便に搭乗する(した)人が東横イン北九州空港もしくはアリストイン苅田北九州空港に泊まった場合、先着300室までホテル代が無料になります。予約はホテルへの電話のみで対応し、チェックインの時には必ず搭乗便を確認することができるものが必要だということです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/122045、福岡県ホームページ https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/sinnkitakyuusyuukuukou.html)

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神戸空港に国際線乗り入れか?

 関西には関空、伊丹、神戸の3つの空港があります。歴史的経緯もあり、このうち国際線が飛ぶのは関空のみです。ところが、2030年ごろに、神戸からの国際線ができるのです(それより前の2025年の万博時には、神戸に国際チャーター便が飛びます)。1日最大40便飛ぶようです。

 どういうことでしょうか? 関西の3空港を運営する関西エアポートによれば、東南アジア等からのインバウンド需要によって、2025年度の関空の発着回数は2019年度に比べて約2割増の24.3万回、2030年度は2019年度に比べて約5割増の29.7万回に増えると試算しています。将来的には関空だけでは賄えなくなるとして、神戸に国際線を乗り入れさせることにしたのです。当然ながらそれまでに神戸に出入国管理や検疫、税関などの施設を設けます。

 先ほども書きましたように、関西の3空港は関西エアポート1社が運営しています。極端な話、どこの空港で稼いでも良く、キャパに余裕のある神戸で対応することにしたのでしょう。ただ、関係者の目論見通り、需要は増えるのでしょうか? 元々は関空に第3ターミナルをつくって需要をさばく予定でした。それを止めたのに、神戸に回さざるを得ないほど、利用者が増えるのでしょうか?
(参考:ニュースイッチホームページ https://newswitch.jp/p/33915、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20220920/2020019654.html)

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アメリカで航空機の座席の広さを見直しへ

 アメリカ連邦航空局は今、国民から機内の座席面積の最低基準についての意見を求めています。

 なぜ意見を求めているのでしょうか? 別に乗客の快適さや便利さのためではありません。最低基準を設置するのは安全のためで、どれくらい狭いと緊急のときの避難に悪影響を与えるのかということなのです。

 実は座席の狭さと避難については、過去にも調査を行っています。そのときの結論は、座席の狭さは緊急時の避難に悪影響を与えないということだったのですが、そのときの調査では、子供、高齢者、障害者はいませんでした。今回はそういう人がいた場合のことも考えないといけません。

 もし最低基準が設けられ、座席が広くなれば、安全性が高まり、快適な空の旅ができることでしょう。ただ座席が広くなると、その分定員が減り、運賃が上がることも考えられます。単純に座席が広くなればいい、というわけでもないようです。
(参考:FNNホームページ https://www.fnn.jp/articles/-/401996)

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山梨県に空港?

 東京に近い山梨県には空港がありません。ところがその山梨県に、空港をつくる計画があるようです。

 空港のできる場所は未定ですが、リニアの駅に近いところにつくるという話もあります。48人乗り程度の小型旅客機やプライベートジェットの離着陸ができるものを考えているようです。リニアができれば品川から24分、品川を基準に考えると、羽田とさほど変わらない時間で山梨県内のリニア駅に着くのです。混んでいる羽田では小型機の離着陸が難しいので、山梨県内の空港をその受け皿にすることを狙っています。羽田への航空路線をつくるのが難しいならば、代わりに山梨への航空路線をつくってもらおうとも考えています。

 空港をつくるのはこれからですし(場所すら決まっていません)、山梨から東京に行くにはリニアのお金もかかります。茨城空港など、ライバルもいます。なかなか難しいようにも思えます。
(参考:テレビ山梨ホームページ https://nordot.app/902502873380503552?c=648454265403114593)

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全国幹線旅客純流動調査をわかりやすく分析したblogがあった

 全国幹線旅客純流動調査というものがあります。国交省が5年ごとに行っているもので、これを見れば人々がどのような交通機関(航空機、鉄道(新幹線、JR特急、私鉄特急)、船、バス(高速バス等)、車(タクシーを含みます))を使って、県(北海道は4地域に分割)を越える通勤・通学以外の移動を行っているのか分かります。現在公表されている最新のデータは2015年度のものです。

 このデータを見れば、距離に応じてどのような交通機関が使われるのがよく分かります。300キロ未満の短距離だと車が、300~700キロの中距離だと鉄道、1000キロを超えると航空機が強いです。鉄道とは事実上、新幹線のことです。東京を中心にして新幹線がある程度整備されているからです。新幹線がないのに鉄道が使われているのは北陸-関西間ぐらいしかありません。高速道路を走る車程度のスピードしか出せない在来線特急では太刀打ちできないのです。北陸-関西間の鉄道のシェアが高いのは、「サンダーバード」が在来線特急としては速いのと、関西の中心部では渋滞して車が使いづらいのがあるのでしょう。そう考えれば、鉄道の得意分野を伸ばすためには、新幹線のさらなる整備が求められます。
(参考:徒然交通研究所ホームページ https://tokoken.ldblog.jp/archives/14330634.html、国交省ホームページ https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/soukou/content/001340149.pdf)

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成田発のLCCに乗った人だけが使える、お得なフリー切符

 東京から見ると九州は遠いです。新幹線でも博多まで5時間、さらにその先まで列車で行くと時間がかかりすぎます。

 それならば九州までは航空機で来てもらえば良いのです。そこでJR九州は、LCC3社(ジェットスター・ジャパン、Peach、スプリング・ジャパン)、成田空港がタッグを組んで、「成田からお得に九州を旅しよう」キャンペーンを行っています。この組み合わせでのキャンペーンは初めてのことです。

 4月13日から6月30日(搭乗日基準)まで行われるこのキャンペーンは、ジェットスター・ジャパンのパッケージツアーやPeach、スプリング・ジャパンの機内販売でフリー切符を売るというもの。ジェットスター・ジャパンは「鹿児島・宮崎フリーきっぷ」を組み込んだパッケージツアーを売り出しています。2泊3日で21700円からです。Peachとスプリング・ジャパンは、「北九州フリーきっぷ」(特急自由席乗車可、2日間2500円、Peachのみ)、「西九州フリーきっぷ」(特急指定席乗車可、2日間6500円、3日間7000円)、「由布院・別府フリーきっぷ」(特急指定席乗車可、2日間7000円、3日間7500円)の3種類です。路線によって購入できる切符に制限があります。機内では引換券を渡し、指定された駅窓口でフリー切符に引き換えます。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2022/04/13/220413_narita_JRkyushu.pdf)

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マイルのために紋別往復

 オホーツク紋別空港には、羽田との間にANAの航空便が1日1往復あります。羽田からオホーツク紋別に飛び、すぐ羽田に戻ります。オホーツク紋別空港に発着するのは、この羽田便1往復のみです。

 この羽田-オホーツク紋別間の航空機を利用するのは、羽田や紋別に用事のある人だけではありません。マイルを稼ぐために利用する人がいます。「紋別タッチ」と言われ、2021年度の全搭乗者数の2割にも上ります。

 マイルを稼ぐために乗る需要は本来の需要ではありませんが、それでも実際に乗っていることには変わりありません。そういう人もたくさんいれば、路線の維持につながります。紋別で飲食やお土産の購入をすれば、地元にお金が落ちます。一番ありがたいのは泊まって食事もする客でしょうが、単純に往復するだけでも悪い話ではないのです。搭乗率の維持につながりますから。

 もっとも、都会の空港から地方の空港に飛び、すぐに折り返す路線はたくさんあります。オホーツク紋別空港はそのような空港とも競争していく必要があります。搭乗業務を行う紋別観光振興公社は、空港内に「紋別タッチ」の利用回数が分かる名前入り大型パネルを設置するなど、「紋別タッチ」を何度でもしたくなる仕組みを取り入れ、それで「紋別タッチ」の利用者が増えたのです。
(参考:北海道新聞ホームページ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/673889)

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福井空港からヘリコプターの定期便

 福井空港には航空機の定期便がありません。その状態が半世紀近く続いています。ところが今日5月1日から、福井空港発着のヘリコプターの運航が始まりました。

 ヘリコプターの運航を行っているのは、東京のセレスティアル航空。操縦士を除いて6人乗りのヘリコプター4機を使って運航を行います。

 福井空港からどこに行くのかと言えば、TDR、USJ、福井県立恐竜博物館(勝山市)の3か所。TDR、USJには1日2往復、恐竜博物館には1日4往復します。所要時間はTDRまでは1時間24分、USJまでは47分、恐竜博物館までは5分です。いずれも施設の近くで離着陸します。1人当たりの最低価格はTDRが22000円、USJが18000円、恐竜博物館が7700円です。

 ヘリコプターはこれで終わりではありません。6月以降は福井県内の離着陸ポイントを20か所程度に増やします。また、同じ6月からは北海道、茨城、神戸、沖縄などに小型ジェット機を飛ばすことも考えています。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220427-OYT1T50288/、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20220427/3050011071.html、朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASQ4X6WW8Q4XPISC007.html)

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ヤマト運輸、専用の貨物機を導入

 宅配便の輸送には、トラック、鉄道、フェリー、航空機が距離等に応じて使い分けられています。航空機は旅客機の床下貨物スペースを使っています。

p> ところがヤマト運輸は2024年4月から、首都圏から北海道、九州、沖縄地域への長距離輸送に貨物専用の航空機を使います。中古の旅客機(エアバスA321ceo)を貨物専用機に改修し(ヤマト運輸のロゴが入っています)、1機あたりの最大搭載重量は28トンです。10トン車約5~6台分です。実際の運航はJALグループのLCC、ジェットスター・ジャパンが行います。昼は成田と新千歳、北九州、那覇を結び、夜は羽田と新千歳、北九州、那覇とを結びます。なお、ヤマト運輸が貨物専用機を保有するのは、これが初めてのことです。

 宅配便を航空機で運ぶのは、JALにとってもメリットがあります。新型コロナウイルスの影響で旅客需要は減少していますが、貨物需要は底堅いです。ヤマト運輸の宅配便をJALが運ぶことにより、JALの貨物輸送量も増えます。ヤマト運輸の貨物専用機が運ぶ貨物の量は新型コロナウイルスの感染が広がる前にJALが運んだ国内貨物量の4割程度になるとも言われています。しかも航空機はヤマト運輸が持ち、JALグループは単に運ぶだけですから、リスクは小さいのです。

 先ほど宅配便の輸送にはいろいろな交通機関を使うと書きましたが、トラックに頼る部分が大きいです。ほかの交通手段が考えられない短距離はともかく、長距離でのトラックの運転は超過勤務を招き(2019年施行の働き方改革関連法が2024年4月から運送業などにも適用されます。トラックドライバーの年間残業時間の上限が960時間になります)、環境にも良くないです。トラック以外の輸送手段が考えられない短距離はともかく、それなりの距離なら鉄道、フェリーを使い分けるのが好ましいでしょう。もっとも、航空機で荷物を運ぶのはコストの面でも環境の面でも良くないです。2007年度の国土交通白書によれば、東京と福岡の間で貨物を運んだ場合、航空機はトラックに比べてコストは8倍、二酸化炭素排出量は10倍になります。沖縄以外で航空機を使うのはその費用を環境面を含めて負担してもらわないといけません。すぐには無理ですが、輸送の高速化は貨物新幹線が担うのが良いでしょう。

(追記)
 宅配便の輸送を行う航空会社が、ジェットスター・ジャパンからスプリング・ジャパンに変更になりました。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/114725、https://trafficnews.jp/post/122928、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC277P30X20C22A1000000/)

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JAL、普通運賃を廃止

 2023年4月、JALの運賃制度が大きく変わります。2023年4月12日搭乗分から、国内線の運賃制度が大きく変わるのです。

 まず大きく変わるのは、普通運賃がなくなること。確かに普通運賃は異様に高く、こんな運賃で乗る人はいない、というぐらいのものですが、概念そのものがなくなるとは意外です。代わりに用意されるのが、フレックス。フレックスは予約時点での最終的な空席予測に連動して運賃が変わるものです。ですから、同じ日の同じ便でも予約した日によっては、運賃が変わるのです。また、フレックスは正規運賃なので、変更は自由で、取消手数料もありません。出発後でも20%の取消手数料で済みます。空席さえあれば当日でも予約できます。

 割引切符も名前が変わります。前日まで発売のセイバーと、28日前まで発売のスペシャルセイバーです。JALの割引もいろいろありましたが、この2種類に減るようです。世界的にも航空運賃を正規料金、割引料金、早期割引料金の3タイプにまとめる傾向のようです。なお、セイバー、スペシャルセイバーともに、価格は予測残席数に応じて変動します。

 これまで往復割引は普通運賃の場合しか適用されなかったのですが、新しい運賃制度では、セイバーやスペシャルセイバーでも適用することができます。フレックスとセイバーといった別の種類の組み合わせでも適用できます。5%の割引です。ただし、往復割引を使うと、フレックスでも予約の変更はできません。また、小児運賃も普通運賃の場合しか適用されなかったのですが、新しい運賃制度では、セイバーやスペシャルセイバーでも適用されます。フレックスも含めて25%引きです。

 直行便がなく、やむなく乗り継ぎになるケースがあります。これまでは乗り継ぎの場合、区間ごとの運賃を合算していましたが、新しい運賃制度では、直行便でも乗り継ぎでも同じ運賃になります。

 これ以外にもいろいろ変更点はありますが、それにしても思うのは、鉄道の運賃の硬直さ。お盆や年末年始でもそれほど高くはならず、「みどりの窓口」で切符を買っても追加料金はかかりません。航空機のような柔軟な運賃制度は難しいでしょうが、ある程度は需要やコストを反映させたものにしたほうが良いと思われます。そのためにも地方路線を中心に値上げし、競争のある区間はインターネットの割引切符で対応したほうが良いと思われます。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/jal-fare2022/)

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