「クイーンビートル」、韓国の船会社に売却

 JR九州高速船はせっかく「クイーンビートル」という新しい船を買ったのに、新型コロナでデビューの機会を失い船籍を日本に変更までして一時的にしのいでいました。ようやく2022年11月に博多-釜山航路が復活し「クイーンビートル」は就航しましたが、船体のクラックを原因とした浸水事故が相次いで発生し、しかもそのことで国交省に隠蔽するという不正まで行い、最終的には会社ごと潰すということになってしまいました。

 その諸悪の原因となった「クイーンビートル」ですが、つくられてからまだ5年しか経っていません。国内、海外の船会社から購入希望がありましたが、その中で早期に船の引き渡しができる、韓国のパンスターラインドットコムに売却することになりました。5月中に引き渡しが行われます。パンスターラインドットコムは大阪-釜山間や対馬-釜山間にも航路を有している企業グループです。ただ、この「クイーンビートル」は玄界灘の波に耐えられるように補修するのが難しいとされたため、売却の条件に日本と韓国とを結ぶ航路には使えないことが盛り込まれています。

 今となっては実現しないことですが、元々JR九州高速船は「クイーンビートル」をどのように使うつもりだったのでしょうか? まず最初は「クイーンビートル」を1隻導入し、ジェットフォイル2隻と合わせて3隻体制で運航します。その後、「クイーンビートル」タイプの船をもう1隻増やして、博多-釜山航路は「クイーンビートル」タイプの船2隻で賄い、対馬-釜山航路はジェットフォイル1隻で運航する予定だったのです。ジェットフォイルは夜間の航行はできませんが、「クイーンビートル」にはそのような制約はなく、ダイヤの自由度が増すのです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/542184)

| | | Comments (2)

船で神戸に泊まる方法

 インバウンドの大幅増加や大阪・関西万博で、宿泊代金はかなり上がっています。ところが、ジャンボフェリーは、船に乗ったまま神戸で1泊することができるプランを売り出しています。

 まず、神戸発19時台の便に乗ります。船は高松に行きますが、高松で下船せずに、そのまま船に乗り続けます。船はやがて神戸に戻り、神戸で下船します。神戸着は5時ですが、7時まで船に滞在することができます。実質的に神戸で1泊するのと同じです。船には風呂(シャンプーなどの備え付けはありません)や軽食も扱う売店があります。

 このプランが使えるのは、一部の個室だけです。一番安い「ロフト個室」の場合、1人4990円で利用できます(休日は割増料金あり)。複数人で使うこともでき、その場合は割安で使うことができます。繁忙期やフェリーの定期点検の時期を除けば、毎日取り扱っています。
(参考:ジャンボフェリーホームページ https://ferry.co.jp/news/news-55734/)

| | | Comments (0)

津軽海峡フェリー室蘭-青森航路、展望浴室付きの船を投入

 津軽海峡フェリーの室蘭-青森航路は2023年10月に運航を開始した、新しい航路。室蘭発が夜行、青森発が昼行で、約7時間で結んでいます。その航路ですが、8月8日の室蘭発から新しい船、「グルーグレイス」を投入することにします。

 この「グルーグレイス」ですが、展望浴室が新設されます。これまでは津軽海峡フェリーの主力航路である函館-青森航路から転用した船を使っていたので、浴室はなかったのです。函館-青森航路なら4時間程度ということもあって、シャワーで対応していたのです。さすがに7時間かかるなら、お風呂は欲しいです。

 普通列車で北海道まで乗り継ぐにしても、夜行列車がない現状ではどこかに泊まらないといけません。それなら夜のうちに移動できるフェリーは、考慮に値する選択肢です。普通列車の走らない青函トンネルや本数の少ない函館線を回避する手段としても使えます。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/536777)

| | | Comments (0)

新日本海フェリーの舞鶴-小樽航路の定員大幅減

 関西と北海道を直結するフェリー。時間はかかりますが、安く北海道に行くことができる手段としても知られていました。

 その舞鶴と小樽を結ぶ航路を運航しているのが、新日本海フェリー。その新日本海フェリーですが、舞鶴-小樽航路に新しい船を投入します。第1船は12月に就航します。

 この新しい船ですが、今の船より若干小さくなっています。2004年に就航した今の船は全長224.8メートル、16897トンですが、新しい船は全長199.9メートル、約14300トンです。積載台数はトラックが約150台なので、今の船の158台と大きく変わりありませんが、乗用車のほうは65台から約30台に半減します。さらに減るのが、旅客定員。今の船は746人ですが、新しい船は286人に減ります。4割弱に減るのです。旅客定員にはドライバーの分も含まれますので、車を使わない客はほとんどいないという想定です。

 なぜここまで減るのでしょうか? それは、LCCによって、かつては高かった航空運賃が下がったからです。昔なら時間をかけてでもフェリーで行っていた客がLCCなどの航空機に移ったのです。どうやっても勝てません。すでに雑魚寝の大部屋はありませんが、さらにデラックス化を進め、全個室化などを図るのでしょうか?
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/maiduru-otaru-newship/)

| | | Comments (0)

ホーバークラフト、2月中には運航開始か?

 高速で海上を走ることができるホーバークラフトですが、別府湾で周遊運航をしているだけで、本来導入を目指していた大分空港のアクセスとしては、2025年になっても使われていません。

 しかし、導入を諦めたわけではないようです。ホーバークラフトの運航会社によれば、2月中には空港アクセスとしての運航を始めたいとのことです。

 また、ホーバークラフトにトイレを設置するか検討しているようです。所要時間は短いので、ターミナルでの案内さえあれば問題ないと思われますが、国内ではここしかないので、高速航行で気分が悪くなった人のためでしょうか?
(参考:FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/-/809622)

| | | Comments (0)

松山-小倉間航路、2025年6月で廃止

 松山と小倉の間には、フェリーがあります。50年以上前からある航路で、元々は毎日運航していたのですが、2024年7月から1日おきの運航になっていました(1隻で運航しているので、ドックに入っているときは運休します)。運航するときは松山発、小倉発ともに21:55に出て、翌朝5:00に到着します。食堂はありませんが、売店や風呂はあります。値段は雑魚寝の二等でも10200円するので(燃料油価格変動調整金を含んでいます)、距離の割には割高とも言えます。

 この松山・小倉フェリーですが、6月30日で運航を終了することにしました。新型コロナの影響で利用者が旅客、トラックともに大幅に減り、しかも船舶燃料油が高騰し、船舶が老朽化したため、運航を終了することにしたのです。
(参考:松山・小倉フェリーホームページ www.matsuyama-kokuraferry.co.jp/image/pdf/20241227-1.pdf、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/k/kitakyushu/20241227/5020017155.html)

| | | Comments (0)

津軽海峡フェリー室蘭-青森航路、2025年4月1日から毎日運航に

 2023年10月から運航を始めた、津軽海峡フェリーの室蘭-青森航路。週6往復運航しています。

 この室蘭-青森航路ですが、4月1日から毎日運航することになりました(ただし、船舶法定検査等の理由で運休することもあります)。これまで運休していた、日曜日(室蘭発)、月曜日(青森発)も運航します。

 また、ダイヤも若干変わり、室蘭20:50発青森翌3:50着、青森10:40発室蘭17:25着となります。青森行きの到着時間が少し遅くなりました。
(参考:津軽海峡フェリーホームページ https://www.tsugarukaikyo.co.jp/cms/wp-content/uploads/pressrelease20241212.pdf)

| | | Comments (0)

JR九州、日韓航路から撤退

 博多と釜山を結ぶ高速船の「クイーンビートル」。船首内部の浸水を把握していながらその事実を隠蔽し、3か月以上、運航を続けていました。

 「クイーンビートル」は運休を続けていましたが、JR九州側は再発防止に取り組むとともに、船体の補強を行って、運航を再開させるつもりでした。しかし、船体の対策を施しても亀裂発生のリスクはあるようで、そのことを理由にして運航再開を断念することになりました。30年以上続いてきた日韓航路から撤退することになったのです。実は、昔使っていた「ビートル」もまだ1隻が売却されずに残っているのですが、保守や運航の人員がいないため、「ビートル」を使っての運航再開もできないのです。運航会社のJR九州高速船は、海上保安部による捜査への対応などが終了次第、清算する予定です。70人の従業員はJR九州グループ内で雇用する予定ですが、船をどうするかは未定です。ほかに譲渡するか廃船するかは未定です。

 この「クイーンビートル」は、オーストラリアの造船会社がつくりました。大型化と高速運航を両立させるため、船体を軽量化することができるアルミ合金製の三胴船という構造が採用されましたが、それが徒になったとも言えます。アルミは溶接が難しく、船首がとがっているため、このタイプの船はほかでもトラブルを起こしているようです。ただ、1年の保証期間を過ぎているため、損害賠償を求めることはできず、約57億円かけた船はほとんど活躍できずに使えなくなってしまったのです。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241223/k10014676541000.html、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20241224-OYTNT50006/、朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASSDR3DW6SDRULFA01HM.html)

| | | Comments (0)

万博に行けば徳島まで500円

 2025年4月から10月にかけて行われる、大阪・関西万博。国の内外から多くの人が大阪を訪れることが期待されています。

 この観光客を狙って、ついでに来てもらいたい、という県もあります。それは徳島。大阪・関西万博の関西パビリオンにある徳島県ブースに行けば、関西から徳島への高速バス(通常片道4000円以上します。行き先は宍喰や阿波池田でも良く、宍喰まで行くのに使えば9割以上の割引です)もしくは徳島に向かうフェリー(和歌山港-徳島港間のフェリーが対象です。通常片道2500円です。和歌山港までの鉄道の運賃は別途支払う必要があります)が500円になるクーポンがもらえます。これを持ってバスや船の切符を買えば、500円で徳島に行くことができるのです。また、徳島空港に到着したインバウンド客については、万博に行くことができるよう、1000円の往復用クーポンも用意します。

 これらの割引のため、徳島県は2500万円を用意します。そして、その予算に達するとクーポンの配布は終了します。クーポンはゴールデンウィーク(5月3~6日)とお盆(8月9~17日)の間は使えませんが、それ以外なら万博が終わった後の2025年12月28日まで利用することができます。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/136616、毎日新聞ホームページ https://mainichi.jp/articles/20241206/k00/00m/040/067000c)

| | | Comments (0)

ホーバークラフト、11月30日に運航開始

 なかなか運航開始日が決まらなかったホーバークラフト。ようやく運航開始の日が決まりました。

 それは、明日。11月30日です。当分の間は週末のみ、遊覧就航事業から始めます。その後、12月中に大分市内と大分空港との間で、定期航路の運航を始める予定です。リムジンバスで1時間かかる大分市内-大分空港間ですが、ホーバークラフトなら約30分で結びます。

 何とかの間に運航を始めることができました。昔は熊本-島原間や瀬戸内海などで運航していたようですが、どんどん減っていき、大分のも15年前にいったん運航を終了していました。それが復活するわけで、一度乗ってみたいです。
(参考:朝日新聞11月28日朝刊 中部14版)

| | | Comments (0)

より以前の記事一覧