室蘭-青森間にフェリー

 津軽海峡フェリーは函館と青森、大間を結ぶ航路を運航していますが、このたび新たに室蘭(室蘭港フェリーターミナル)-青森(青森港フェリーターミナル)間の航路を開設することになりました。開設は10月を予定しています。

 ダイヤは室蘭20:00発青森翌3:00着、青森9:00発室蘭15:45着です。青森着の時間が早すぎますが、貨物の事情に合わせてダイヤを組んだのでしょうか? 夜中の3時でもタクシーはあるのでしょうか? ちなみに、青森港フェリーターミナルから青森駅までは徒歩45分、新青森駅なら徒歩40分です。室蘭発は日曜日、青森発は月曜日に運休するので、週6日の運航となります。

 使われる船は「ブルーマーメイド」。函館-青森間航路で使っている船を転用します。定員583人で、トラック71台または乗用車230台を積み込むことができます。元々4時間で結ぶ航路で使っていた船を転用するため、風呂やレストランの設備はありません。シャワーと売店ならあります。

 なお、室蘭-青森間航路の開設に伴い、現在8往復ある函館-青森間航路は、6往復に減ります。函館-青森間航路に使う3隻の船がドックに入っている間は、室蘭-青森間航路を運休し、3隻体制を維持します。
(参考:津軽海峡フェリーホームページ https://www.tsugarukaikyo.co.jp/topics/page/?id=1675047834RnehZ、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230202/7000054830.html)

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日通、北海道発着の危険品輸送に船と鉄道を組み合わせる

 本州と北海道の間を鉄道で行くとき、必ず通るのが青函トンネル。ところが、全ての貨物が青函トンネルを通ることができるわけではありません。火薬類などの危険品は青函トンネルを通ることができないのです。

 そこで、NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社、日本通運は、北海道発着の危険品輸送ができる、鉄道輸送と海上輸送を組み合わせた国内複合一貫輸送サービス、「Sea&Rail DG」を2022年12月から始めています。

 青函トンネルをどうやって回避するのかと言えば、船を使います。危険品積載スペースのある内航船「ひまわり」と鉄道輸送を組み合わせます。細かいところはよく分かりませんが、東京-苫小牧、釧路間は船で運び、道内は鉄道やトラックで運ぶようです。日本通運の独自コンテナであるRSVコンテナは、鉄道、海上双方で利用可能な12トンハイブリッドコンテナで、港で荷物を取り出して積み替える必要がありません。効率的に運ぶことができます。

 ところで、この動きは、北海道新幹線全線開業で函館線などにおいて在来線の維持ができなくなったときのことを見据えてのことでしょうか? 函館線新函館北斗-長万部間は特急があるからJR北海道が運営していますが、新幹線開業によって新幹線がなくなったら、旅客需要はほとんどありません。巨額の負担を嫌って第三セクター化しないのは理解できますが(ただしこの場合は旅客輸送はバスになることを甘受しなければなりません。決して人の金で旅客輸送をしてもらおうと思ってはいけません)、貨物については何らかの手当てをしないといけません。新幹線による貨物輸送が実用化するまで、国や北海道がお金を出して貨物鉄道として存続させるのが妥当でしょうが、それがうまくいかなかったときのことも考えておいたほうが良いでしょう。
(参考:NIPPON EXPRESSホームページ https://www.nipponexpress-holdings.com/ja/press/2022/20221221-1.html)

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南海、泉北等、全駅でVisaのタッチ決済可能に

 南海、泉北、南海りんかんバス、南海フェリーの4社はこれまで一部の駅において、Visaのタッチ決済QRコードを用いたデジタル切符の発売の実証実験を約1年9か月にわたり行ってきました。実証実験は12月11日まででしたが、12月12日以降もサービスを継続することにしました。

 Visaのタッチ決済については、現在南海は23駅で利用できますが、2023年度から順次利用可能駅を拡大し、最終的には全駅で使うことができるようにします。泉北はすでに全5駅で利用できるようになっていますが、自動改札機ではなく、有人窓口で対応しています。ところがこの12月から、Visaのタッチ決済機能のあるクレジットカード等のカード、QR乗車券、交通系ICカードの3つに対応した一体型改札機を導入します。日本初の試みです。南海りんかんバスでは、Visaのタッチ決済収受額に上限を設けます。紙媒体の一日乗車券(大人)と同額なので、一日乗車券を窓口で買わなくても自動的に一日乗車券の金額が適用されます。南海フェリーでも引き続き、Visaのタッチ決済を継続します。なお、現在はVisaしかタッチ決済できませんが、ほかのクレジットカードでも使うことができるようになる予定です。

 また南海は、「ラピートデジタルきっぷ」など、QRコードを用いた企画乗車券を発売してきました。今後もインバウンド旅客でも使うことができるように多言語化を図るなどの方法で、QRコードを用いた企画乗車券を提供していきます。
(参考:南海ホームページ https://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/221206.pdf、https://www.nankai.co.jp/library/groupinfo/news/pdf/221206.pdf)

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「クイーンビートル」、11月4日に日韓航路デビュー

 「クイーンビートル」は2020年10月に導入されましたが、新型コロナウイルスの影響で日韓航路は運休を続け、ついには船籍を日本に変更して国内航路でしのぐ状態になっていました。

 しかし、ようやく、日韓航路の運航が再開することになりました。明日11月4日から運航を再開します。明日4日は博多と釜山の間を往復します。翌5日からは土曜日に博多発釜山行き、日曜日に釜山発博多行きを運航します。今回発表されたのは11月の運航スケジュールだけで、12月以降の運航スケジュールは11月下旬ごろに発表する予定です。なお、11月28日から12月16日の間はドックに入るので、運航はありません。

 運賃はスタンダードクラスの場合、本来16000円ですが、11月中に限り、8000円に値引きされます。これに加えて燃油サーチャージなどの費用がかかります。そして、予約方法は当分の間電話予約のみとなります。釜山発は乗船前々日17時までに福岡の予約案内センターに電話します。博多発については空席があれば予約がなくても乗船することができます。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2022/10/26/221026_QUEEN_BEETLE_debut.pdf)

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島原鉄道等、「雲仙・有明スローラインきっぷ」発売

 先ほど、JR西日本から雲仙・島原方面へのお得な切符について記事にしましたが、地元の島原鉄道等も西九州新幹線に合わせて、お得な切符をつくっています。「雲仙・有明スローラインきっぷ」です。9月23日から2023年3月31日までの期間限定です。

 この「雲仙・有明スローラインきっぷ」は、諫早駅と島原半島対岸の港(長洲港、熊本港、三池港)のいずれかを通しで利用できる片道切符で、有効期間は2日間、しかも島原鉄道の区間は同一方向であれば何回でも乗降可能です。2日間有効なので、島原半島で泊まることもできます。

 「雲仙・有明スローラインきっぷ」は使う港によって3タイプに分かれます。長洲港を発着する「雲仙・有明スローラインきっぷA」は、島原鉄道諫早-多比良間と有明フェリー多比良港-長洲港間に乗ることができます。有明フェリー船内売店と諫早駅窓口で購入することができ、大人1430円、子供720円です。熊本港を発着する「雲仙・有明スローラインきっぷB」は、島原鉄道諫早-島原港間、島鉄バス諫早駅前-小浜-雲仙-島原港間と九商フェリー島原港-熊本港間に乗ることができます。九商フェリー熊本港窓口と諫早駅窓口で購入することができ、大人2180円、子供1090円です。なお、事前(前日17時まで)に電話予約すれば、無料で熊本駅発着のシャトルバスに乗ることができます。三池港を発着する「雲仙・有明スローラインきっぷC」は、島原鉄道諫早-島原港間、島鉄バス諫早駅前-小浜-雲仙-島原港間とやまさ海運島原港-三池港間に乗ることができます。三池港窓口と諫早駅窓口で購入することができ、大人3450円、子供1730円です。
(参考:島原鉄道ホームページ https://www.shimatetsu.co.jp/infos/detail/?id=497)

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JR西日本、熊本・鹿児島キャンペーンで長崎-熊本間割引切符

 西九州新幹線は昨日、9月23日に開業しましたが、JR西日本は公益社団法人熊本県観光連盟、観光かごしま大キャンペーン推進協議会と組んで、10月1日から2023年3月31日までの間、「新幹線で九州へ!熊本・鹿児島キャンペーン」を行います。西九州新幹線が開業したばかりなのに、なぜか九州新幹線へのキャンペーンを行うのです。

 このキャンペーンの対象は、10月1日から2023年3月31日の間、関西・北陸・山陽エリア等から、(1)「e5489」で購入した、熊本県・鹿児島県エリア内の駅発着の「スーパー早特きっぷ」等のお得な切符 (2)旅行会社で購入した、JRと宿泊がセットになったキャンペーン専用旅行プラン のいずれかを購入して、山陽新幹線等で往復利用した人です。

 さて、キャンペーンで安く買うことのできる体験メニューは次の8つです。(1)熊本城特別公開・わくわく座入場セット券 (2)南阿蘇サイクルラリー (3)天草イルカウォッチング (4)球磨川遊覧船「梅花の渡し」 (5)仙巌園満喫プラン (6)いぶすき極上体験プログラム (7)指宿・知覧定期観光バス (8)My竹箸づくり体験 です。

 このほか、二次交通も用意されています。熊本駅-熊本港間の路線バス、熊本港-島原港間の熊本フェリー、島原港-雲仙・小浜-諫早間の路線バスがセットになった切符、「諫早・雲仙・熊本横断きっぷ」です。3日間有効で、逆戻りしなければ何度でも乗り降りできます。島原・雲仙の観光や西九州新幹線の乗車もできます。このほか、熊本県・鹿児島県エリアの営業所限定で、レンタカーをお得な値段で利用できます。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220912_press_kkcp.pdf)

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「SUNQパス」が期間限定でお得

 九州の路線バスのほか、高速バスや船、合わせて約2400路線が乗り放題の「SUNQパス」。西九州新幹線が開業する9月23日から12月23日まで、「ドカンと!秋のSUNQ祭」として、割引キャンペーンを行います。

 九州全部、下関、6つの航路が連続する4日間乗り放題の全九州4日券は、通常14000円のところ、3000円引きの11000円になります。九州全部、下関、6つの航路が連続する3日間乗り放題の全九州3日券は、通常11000円のところ、2000円引きの9000円になります。北部九州5県(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分)、下関、5つの航路が連続する3日間乗り放題の北部九州3日券は、通常9000円のところ、2000円引きの7000円になります。

 通常発売されていないバージョンも出ます。北部九州5県(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分)、下関、5つの航路が連続する2日間乗り放題の北部九州2日券です。5000円で特別販売します。

 なお、西九州新幹線が絡まないためか、南部九州3県(熊本、宮崎、鹿児島)、1つの航路が連続する3日間乗り放題の南部九州3日券は、8000円のままで変わりません。
(参考:SUNQパスホームページ www.sunqpass.jp/campaign2022/)

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東京九州フェリーと新日本海フェリーの船を交換

 横須賀と北九州を約21時間で結ぶ東京九州フェリー。2021年7月に運航を開始しました。この東京九州フェリーですが、新造船の「はまゆう」、「それいゆ」が使われています。ところが、11月から当分の間、使われる船が代わります。

 何に代わるかと言えば、「すずらん」と「すいせん」。同じSHKライングループに属する新日本海フェリーの敦賀-苫小牧東航路で使われている船です。「はまゆう」、「それいゆ」は新日本海フェリーの舞鶴-小樽間航路に、舞鶴-小樽間航路の「はまなす」、「あかしあ」は敦賀-苫小牧東航路に使われます。3つの航路で船を入れ替えるのです。

 この船の入れ替えで、東京九州フェリーは、定員が大幅に増えます。268人から613人になるので、倍以上になります。東京九州フェリーは年末年始や年度末に上下便とも満席になることが続いたので、この入れ替えによって、満席で予約が取れないことが減ると思われます。もともと、東京九州フェリーの船の定員は600~700人ほどとされていたので、就航直前に船の定員を減らしたことは失敗だったのでしょうか?
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/121284)

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全国幹線旅客純流動調査をわかりやすく分析したblogがあった

 全国幹線旅客純流動調査というものがあります。国交省が5年ごとに行っているもので、これを見れば人々がどのような交通機関(航空機、鉄道(新幹線、JR特急、私鉄特急)、船、バス(高速バス等)、車(タクシーを含みます))を使って、県(北海道は4地域に分割)を越える通勤・通学以外の移動を行っているのか分かります。現在公表されている最新のデータは2015年度のものです。

 このデータを見れば、距離に応じてどのような交通機関が使われるのがよく分かります。300キロ未満の短距離だと車が、300~700キロの中距離だと鉄道、1000キロを超えると航空機が強いです。鉄道とは事実上、新幹線のことです。東京を中心にして新幹線がある程度整備されているからです。新幹線がないのに鉄道が使われているのは北陸-関西間ぐらいしかありません。高速道路を走る車程度のスピードしか出せない在来線特急では太刀打ちできないのです。北陸-関西間の鉄道のシェアが高いのは、「サンダーバード」が在来線特急としては速いのと、関西の中心部では渋滞して車が使いづらいのがあるのでしょう。そう考えれば、鉄道の得意分野を伸ばすためには、新幹線のさらなる整備が求められます。
(参考:徒然交通研究所ホームページ https://tokoken.ldblog.jp/archives/14330634.html、国交省ホームページ https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/soukou/content/001340149.pdf)

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アクアネット広島、5月21日に宮島航路の運航開始

 宮島口から宮島に行く船は、JR西日本宮島フェリーと宮島松大汽船(広電系)の2社が運航しています。しかし、5月21日から3社目が参入します。

 新たに参入する3社目は、アクアネット広島。すでに平和記念公園と宮島とを結ぶ航路を運航している会社です。宮島口-宮島間航路は定員100人の19トン型小型船舶を使い、運賃は400円。既存の2つのフェリーが180円ですから、倍以上もします。ダイヤは1日25往復、始発は宮島口9:15発、最終は宮島18:45発で、概ね20分間隔です。

 単純に宮島口と宮島を行き来するだけなら既存の2社を使うでしょうが、アクアネット広島は平和記念公園への切符をセットにして売ることによって、他社にはないものを売り出そうとしています。
(参考:アクアネット広島ホームページ www.aqua-net-h.co.jp/release/20220421.html、Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/81cc309bb424fc5562a56f12b8f2f7b2cea0d508)

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