久御山町、町内にできる車両基地について慎重な判断を求める

 「小浜-京都ルート」で北陸新幹線をつくった場合、京都府久御山町に車両基地ができます。宇治川と木津川に挟まれたエリアに最大30万平方メートルの車両基地を設けます。

 この計画に関して久御山町の町議会は、治水や地下水対策が求められ、住宅の立ち退きが出てくることから、国や鉄道・運輸機構に対して慎重に対応するように求める決議を行いました。なお、久御山町内にできる車両基地は、地下ではなく地上につくられ、浸水しないように盛り土がなされるようです。

 久御山町は現在、高速道路が2本走っていて、農業のほか、工業も盛んです。洪水のために土地を活用していない、というわけではありません。ただ、車両基地がつくりづらいのならば、新大阪側の車両基地は早朝、深夜に発着する数本程度だけを収容すれば良い、北海道新幹線の札幌みたいな車両基地程度で良いでしょう。足らない部分は小浜につくれば良いのです。小浜ならコストも安いでしょう。「小浜-京都ルート」に決まった場合でも、このような微調整はすれば良いのです。

 そもそも、北陸新幹線が京都に寄るのは利便性の観点から。地元が反対しない限り寄りたいところですが(逆に言えば反対するのなら不便な結果になってもやむを得ません)、わざわざ松井山手に寄る必要はありません。大がかりな変更になると追加で環境影響評価を行う必要が出るでしょうが、そもそもお金をかけて京都-新大阪間で南に寄る必要があるのか、という疑問も出てきます。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASV6D3TN8V6DPLZB00CM.html、鉄道・運輸機構ホームページ https://www.jrtt.go.jp/project/tsuruhaninformationsession-kyoto.pdf)

| | | Comments (0)

北陸新幹線8つのルート案の試算結果(2)

 昨日は試算結果を書くだけで終わってしまったので、続きを書いていきます。

 正直に言えば、今回の試算は「小浜-京都ルート」でつくるときに一定の採算性を確保していることを示すためのものです。そういう意味では、今回の試算結果は注文主の意向に応えたものと言えます。依頼にちゃんと応えたということは、ちゃんと仕事をしたとも言えます。

 ただ、出てきた数字は突飛なものではありません。これまで使われてきた費用対効果(今回の試算結果では、「費用対効果(個別評価)」といいます)は、新規につくる区間、今回の場合は敦賀-新大阪間(「米原ルート」の場合は敦賀-米原間)だけの数字です。北陸新幹線をこれからつくるのであればこの費用対効果(個別評価)は重視されるでしょうが(その場合、個別評価の数字が良くないことから、「今さらつくる必要はない」というのが答えになるでしょう)、現実の北陸新幹線は東京から敦賀まででき、残りは敦賀-新大阪間という全体から見るとわずかな区間です。ここをつくらないことによって、北陸新幹線は単なる東京と北陸とを結ぶローカル新幹線に堕してしまいます。「東京さえ良ければそれで良い」と考えるならともかく、そうでない限りはこの敦賀-新大阪間だけの費用対効果だけに拘泥する必要はないのです。

 さて、今回出てきた費用対効果(一体評価)は東京-新大阪間全体で評価したものです。北陸新幹線をつくる意味があったのか、というものです。このような費用対効果の手法は、主に道路事業などの試算に用いられるもので、新たに妙なものをつくったのではありません。敦賀-新大阪間には8つのルート案がありますが、どれも1.0を確保しているということは、どのようなルートを通ったとしても、北陸新幹線をつくることには意義があったと言えます。

 ここからは8つのルート案の試算結果を見ていきます。一部の外野の人が熱烈に推している「米原ルート」ですが、建設費が安い利点はあっても、工期は結構かかります。整備計画変更や環境影響評価にかかる時間のことを考えると、「小浜-京都ルート」とほとんど変わりありません。そして、「湖西ルート」の建設費の高さは意外です。湖西線を使うのだから安上がりか、と言えばそうではなく、むしろ京都の街中を地下でぶち抜く「小浜-京都ルート」のほうが安いのです。工期もかかります。そう考えると、ベースは「小浜-京都ルート」で行くのが望ましいでしょう。10年近い歳月を空費した結果となりました。
(参考:Yahoo!ホームページ https://news.yahoo.co.jp/articles/5daf7875c8283f899edb52feeb6e99b52e2e44aa、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20260611-GYO1T00144/、北國新聞ホームページ https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/2135506)

| | | Comments (0)

北陸新幹線8つのルート案の試算結果(1)

 あとここだけつくれば全線完成なのですが、様々な人がかき回し、一向に着工がなされない、北陸新幹線敦賀-新大阪間。いったんは「小浜-京都ルート」に決まったはずなのですが、日本維新の会は8つものルート案を示しています。国交省はこの8つのルート案について、費用対効果などの試算を行いました。

 まず、この8つのルート案について、復習しましょう。(1)「小浜-京都ルート」(敦賀-小浜-京都-新大阪)、(2)「亀岡ルート」(敦賀-小浜-亀岡-新大阪)、(3)「米原ルート」(敦賀-米原、東海道新幹線に乗り入れ)、(4)「米原ルート」(敦賀-米原、新大阪方面へは乗り換え)、(5)「湖西ルート」(敦賀-京都、新設)、(6)「湖西ルート」(敦賀-京都、在来線を改軌)、(7)「舞鶴ルート」(敦賀-小浜-舞鶴-京都-新大阪)、(8)「舞鶴ルート」(敦賀-小浜-舞鶴-亀岡-新大阪) です。(1)については京都にできる駅の場所で、(1-1)現在の京都駅に南北方法に駅をつくる南北案、(1-2)桂川に駅をつくる桂川案 の2つに分けます。全部で9パターンになります。

 そして、各ルート案の試算結果は以下の通りです。(1-1)の「小浜-京都ルート」(南北案)は、費用対効果(一体評価)が1.1、費用対効果(個別評価)が0.5、概算建設費が4.2兆円、将来的な物価高騰を織り込むと5.8兆円、工期は25年です。(1-2)の「小浜-京都ルート」(桂川案)は、費用対効果(一体評価)が1.1、費用対効果(個別評価)が0.5、概算建設費が3.9兆円、将来的な物価高騰を織り込むと5.5兆円、工期は26年です。(2)の「亀岡ルート」は、費用対効果(一体評価)が1.0、費用対効果(個別評価)が0.6、概算建設費が3.3兆円、将来的な物価高騰を織り込むと4.6兆円、工期は25年です。これに加えて整備計画の変更や環境影響評価に5年以上かかります。(3)の「米原ルート」(東海道新幹線直通)は、費用対効果(一体評価)が1.0、費用対効果(個別評価)が0.7、概算建設費が2.1兆円以上、将来的な物価高騰を織り込むと2.7兆円以上、工期は18年以上です。これに加えて整備計画の変更や環境影響評価に7年以上かかります。(4)の「米原ルート」(乗り換え)は、費用対効果(一体評価)が1.0、費用対効果(個別評価)が1.0、概算建設費が1.3兆円、将来的な物価高騰を織り込むと1.7兆円、工期は18年です。これに加えて整備計画の変更や環境影響評価に7年以上かかります。(5)の「湖西ルート」(新設)は、費用対効果(一体評価)が1.0、費用対効果(個別評価)が0.5、概算建設費が4.7兆円、将来的な物価高騰を織り込むと6.7兆円、工期は28年です。これに加えて整備計画の変更や環境影響評価に7年以上かかります。(6)の「湖西ルート」(改軌)は、費用対効果(一体評価)が1.0、費用対効果(個別評価)が0.3、概算建設費が5.1兆円、将来的な物価高騰を織り込むと7.4兆円、工期は28年以上です。これに加えて整備計画の変更や環境影響評価に7年以上かかります。(7)の「舞鶴ルート」(京都経由)は、費用対効果(一体評価)が1.0、費用対効果(個別評価)が0.3、概算建設費が5.7兆円、将来的な物価高騰を織り込むと7.9兆円、工期は25年です。これに加えて整備計画の変更や環境影響評価に5年以上かかります。(8)の「舞鶴ルート」(亀岡経由)は、費用対効果(一体評価)が1.0、費用対効果(個別評価)が0.4、概算建設費が4.1兆円、将来的な物価高騰を織り込むと5.8兆円、工期は25年です。これに加えて整備計画の変更や環境影響評価に5年以上かかります。

 長くなりましたので、残りは明日書きます。
(参考:Yahoo!ホームページ https://news.yahoo.co.jp/articles/5daf7875c8283f899edb52feeb6e99b52e2e44aa、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20260611-GYO1T00144/、北國新聞ホームページ https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/2135506)

| | | Comments (0)

忘れ物の受け取りも新幹線で

 駅や車内で忘れ物をすると、しばらくの間駅で保管します。しかし、その駅が近くにあるとは限りません。新幹線など長距離の列車に乗った場合、遠くの駅で保管していることもあります。お金と時間をかけて行くか、諦めるか難しいところです。

 そこでJR九州は、「はやっ!便」を使った忘れ物輸送サービスを6月17日から始めます。「最短即日!はやっ!便お忘れ物スピードお返しサービス」です。

 どうやって使うのでしょうか? 対象となる忘れ物はスマホ、キーケース、薬、土産、ポーチ、鞄等で、現金等の貴重品、生鮮食品、危険物等は対象外です。対象となる忘れ物を保管している駅が博多、熊本、鹿児島中央のいずれかで、かつ送り先の駅も博多、熊本、鹿児島中央のいずれかである場合に利用できます。忘れた人がチャットを使って忘れ物の問い合わせをすることができる「find chat」にアクセスするか、もしくは博多、熊本、鹿児島中央の窓口で申し出て、条件に合致した場合に使えます。早ければ当日のうちに受け取ることができます。

 値段は1個あたり2500円均一、忘れ物を受け取るときに「はやっ!便」窓口で支払います。現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済で支払います。忘れ物を受け取るときには当然ながら本人確認書類が必要です。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2026/06/05/20260605_Lost_and_Found_Speedy_Return_Service_3.pdf)

| | | Comments (0)

京王、ほんの少し延伸か?

 京王は、ほんの少しだけ延びるようです。

 どこが延びるのかと言えば、新宿の構内。地下2階のホームを北側に少しだけ延ばします。ホームの北側には改札が設けられ、地下2階から東京メトロ丸ノ内線への乗り換えがしやすくなります。西口地下広場で東西方向に歩く歩行者との交錯を防ぐことができます。

 すでに2023年度から工事が始まっており、2031年度の工事完了を目指します。
(参考:京王ホームページ https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2025/pdf/nr20250512_chukei.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/670324)

| | | Comments (0)

端岡が高松市の西の拠点に

 岡山と高松を結ぶ快速「マリンライナー」は、四国に上陸すると最初の停車駅が坂出、次は終点の高松です。早朝や深夜を除いて、途中の駅には停まりません。

 ところが高松市は、そのような小さい駅のひとつである、端岡を高松市の西の拠点にしようとしています(ただし、端岡はごく一部の快速「マリンライナー」が停まるほか、快速「サンポート」も停まるので、これら通過駅の中では大きいほうです。2024年度の乗客数も2218人で、高松-坂出間の中間の駅の中では一番多いです)。国道11号線や高松道の高松西インターチェンジにも近いので、それを活かして拠点にしようとしています。中心から離れた拠点を新たに設けることによって、都心まで車で行かなくてもよいところをつくろうとしているのでしょう。高松の中心部に行きたいのなら、ここで車から乗り換えてもらえばいいのです。

 今は駅の片側からしか出入りすることができませんが、新たに南に駅前広場をつくり、バス、タクシー、一般車の乗降や待機スペースを設けます。駐輪場も360台分用意します。国道11号線へのアクセス道路をつくり、ことでんの伏石や岡本とのバス路線もつくります。現在はない、エレベーターも設置します。快速「マリンライナー」の停車本数増加のほか、これらの施策で乗降客数を倍以上の4900人に増やそうとしています。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASV5G3RRMV5GPLXB00FM.html)

| | | Comments (0)

阪急6300系、そろそろ完全引退か?

 阪急6300系はかつての京都線の特急用車両。2扉転換クロスシートの看板列車でしたが、後継の9300系が登場し(しかもその9300系にも後継車両が登場し、ロングシートへの改造が行われています)、今は4両編成に短縮されて、嵐山線で走っています。観光用列車の「京とれいん」でも使われていましたが、3年半ほど前に撤退しました。

 さて、6300系が最後まで残っている嵐山線ですが、2027年春を目途にワンマン運転可能な車両への置き換えが進められています。8300系を4両に短縮し、ワンマン運転対応改造を施して投入しています。すでに2編成が嵐山線で走っていて、日中は8300系だけで対応することが可能な状態になっています。6300系の完全引退が間近に迫っているのです。
(参考:railf.jp https://railf.jp/news/2026/05/13/233000.html)

| | | Comments (0)

名鉄、自動改札機を更新してQRコード対応に

 名鉄の自動改札機は、2011年の「manaca」導入に合わせて整備され、15年間使われています。

 しかしこの自動改札機ですが、このたび更新され、3年程度かけて置き換えていきます。すでに一部の駅では置き換えが行われています。

 新しい自動改札機の特徴は、QRコードに対応していること。QRコードの読み取り部がついていて、QR乗車券にも対応しています。名鉄、近鉄、南海が2日間もしくは3日間乗り放題となる「3・3・SUNフリーきっぷ」も、名鉄はごく一部の駅でしか使えませんでした。名鉄の自動改札機の置き換えが完了すれば、このような切符ができても、全部の駅で対応できるようになります。

 なお、この新しい自動改札機の見た目の特徴は、青。名鉄の色として昔からなじみのある赤に、空港への特急として活躍している「ミュースカイ」をイメージした青を入れています。結構青が目立つデザインです。
(参考:名鉄ホームページ https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2026/__icsFiles/afieldfile/2026/05/18/26-05-18shingatakaisatsuki.pdf)

| | | Comments (0)

広電、電停の統合、平和大通りルート検討か?

 広島駅に直結して便利になった広電ですが、さらなる改良が計画されています。

 まずひとつは、停留所の統廃合。路面電車は広島駅を出ると、次の停留所は稲荷町。結構距離があります。しかしそこから紙屋町東方面は、結構こまめに停まります。100~200メートル程度の間隔で停留所があるので、どうしても時間がかかってしまいます。どうやらこのあたりの停留所を統合して、速達化を図ろうというのです。

 そしてもうひとつは、平和大通りルートです。昔からある構想のようですが、再浮上しました。袋町付近の白神社前から平和記念公園の南を通り、西観音町までを結びます。広島駅と広電宮島口を結ぶルートが使うと思われ、紙屋町東までの輸送力を減らさずに、そこから先の速達化を図ります。2系統が通らなくなる紙屋町東-西観音町間のうち、紙屋町東-土橋間は本数は減りますが、ほかの系統が使えます。しかし、土橋-西観音町間については、道路があまりにも狭いことから、この区間を廃止して少し南を走る平和大通りルートに完全に移行するものと思われます。現行のルートではできない、安全地帯の整備やバリアフリーにも平和大通りルートなら対応できます。狭い道を通らず、交差点での右左折も減ることから、スピードアップも図れます。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/hiroden-sokutatsu/)

| | | Comments (0)

「SLばんえつ物語」、7月からは週1日のみに

 磐越西線の新津と会津若松の間を結ぶ、「SLばんえつ物語」。土日を中心に運行しています。

 この「ばんえつ物語」を牽引するのはC57形180号機ですが、この8月で80歳を迎えます。かなりのお歳です。しかも、来年の2027年には、C57の大規模な定期検査が行われます。数か月以上かかると見込まれています。

 そこでJR東日本は、7月以降、これまで週2往復走らせていた「SLばんえつ物語」を、土曜日中心の週1往復に減らします。車両への負担を減らすのが主な目的です。これまで「SLばんえつ物語」が走っていた日曜日等については、代わりにDLが牽引する「DLばんえつ物語」として運行する予定です。

 SLとは違って目立たないですが、DLも貴重です。むしろ、ELやDLのほうが貴重です。完全にGV-E197系に置き換えられる前に乗っておきたいです。
(参考:TBS NEWS DIG https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2657881)

| | | Comments (0)

より以前の記事一覧