ローカル線でも防犯カメラの設置を求める国交省

 2021年、小田急や京王で乗客が刺される事件がありました。このことを受けて国交省は2021年の年末、今後新しくつくる鉄道車両には防犯カメラの設置を義務づけることを考えています。

 新幹線などの特急用車両や大都市の通勤列車は早期に設置することが望ましいでしょう。すでに設置されている鉄道会社もありますし、JR西日本のように設置計画をつくったところもあります。2023年度までに新快速と「関空快速」、「紀州路快速」の全車両に防犯カメラを設置します。

 問題はローカル線。大量に人が乗る路線ならお金を出す価値がありますが、防犯カメラの設置にはお金がかかります。2018年にJR東日本が首都圏の8300両に設置したとき、約110億円かかりました。1両あたりにすると約130万円です。ローカル線のような乗る人が少ない路線に設置する余裕はありません。たとえ全額補助が出たとしても(国交省は鉄道会社に対しては口で注文をつけるだけで、役所らしく予算を取ってくることはしません)、防犯カメラの保守管理に費用がかかり、映像を確認する人も要ります。何事も東京の基準だけで考えてはいけないのです。

 もっとも、変わった方法で防犯対策を行う鉄道会社もあります。えちぜん鉄道です。えちぜん鉄道は防犯カメラを設置する費用がかかり、また朝のラッシュ時などにそのカメラの映像を確認する要員が確保できないことから、防犯カメラの設置は行いません。代わりに全ての車両に楯を用意します。犯人からの攻撃を防ぐもので、アテンダント、駅員、運転士は警察から護身術を学びます。
(参考:朝日新聞ホームページ https://www.asahi.com/articles/ASQ1B566QPDHPITB017.html、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20211202-OYT1T50244/、日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE030C30T01C21A2000000/、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/211220_03_kaiken.pdf、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20220115/3050010137.html)

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「奥出雲おろち号」の代わりは「あめつち」?

 木次線の観光列車と言えば「奥出雲おろち号」。しかし、車両の老朽化を理由に、2023年度で運行を終えます

 JR西日本は、その代わりの観光列車として、山陰線の観光列車、「あめつち」を走らせます。2024年春以降、夏休みや紅葉のシーズンに宍道-出雲横田間を走らせます。

 なぜスイッチバックがある出雲横田-備後落合間を走らないのでしょうか? JR西日本は勾配がきついことを理由としていますが、それだけではないでしょう。あまりにも利用者が少なく、存続させる価値がないと考えているのでしょう。

 また、地元の雲南市や奥出雲町は財政支援をして新たな観光列車を走らせる計画でした。しかしJR西日本はそれを断っています。経営的、技術的観点からということですが、何のことかよく分かりません。地元のお金で観光列車をつくってしまうと、路線の廃止が難しくなってしまう事態を恐れているのでしょうか? 中途半端にお金を出されて大きな顔をされても困るというのが本音なのかもしれません。ちなみに、JR西日本は「奥出雲おろち号」を評価していません。観光列車は単体で稼ぐものではなく、大阪などの大都市から新幹線などを使ってもらい、トータルで稼ぐものなのです。しかし、「奥出雲おろち号」の利用者は4割が地元山陰の居住者で、トータルで稼ぐ仕組みになっていないのです。
(参考:毎日jp https://mainichi.jp/articles/20220121/k00/00m/040/039000c)

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JR東海、乗務員の感染が拡大したら臨時ダイヤ設定

 2022年に入って、新型コロナウイルスに感染する人が増えています。鉄道会社の乗務員も例外ではありません。乗務員に感染が広がると、列車の運行に必要な人員を確保することができなくなる危険性があります。そこでJR東海は、列車の本数を減らした臨時ダイヤを組むことを考えています。

 臨時ダイヤはどのようなダイヤでしょうか? 臨時ダイヤは列車の運行に必要な人員を確保することができないから組むのです。ですから、列車の本数が減ります。JR東海としてはその場合でも通勤、通学の列車を確保する必要があるとして、まず運休するのは特急列車からだそうです。

 また、臨時ダイヤはその日ごとに組みます。事前につくっておくのではありません。JR東海としては臨時ダイヤを組んだ場合はできるだけ早く公表するとのことですが、ニュースを見ておかないと駅に来て初めて列車が運休することを知る、ということになってしまいます。
(参考:東海テレビホームページ https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20220119_15270)

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無人駅に駅員がいる?

 無人駅がどんどん増えています。ところがJR西日本の岡山地区では、無人駅のはずの駅に、駅員がいます。どういうことでしょうか?

 駅員の正体はJR西日本の社員。新型コロナウイルスの影響で、出社する社員を減らし、必要な事務はテレワークですることが求められました。しかし、自宅で仕事をするのも難しいです。社内のネットワークにはつながっていませんし、家族がいる中で仕事はしづらいです。

 そこで目をつけたのが、無人駅。多くの場合、無人駅もかつては駅員がいました。駅員がいたということは事務を行うための駅舎が必要です。無人駅になってもその駅舎はそのまま残っているところが結構あります。机や電話などの事務用品が残っていて、ノートパソコンにLANケーブルをつなげば社内のネットワークにつなぐことができます。その駅舎をサテライトオフィスとして活用することにしたのです。無人駅の中には無人化に伴い駅舎をコンパクトなものに立て替えたもの、あるいは地方自治体に譲渡したものがあり、全てを使うことができませんが、岡山支社管内で13駅がテレワークの場所として使われることになりました。社員は希望すれば自宅に近い駅でテレワークをすることができます。9時ごろに駅に来て、18時ごろに帰ります。

 テレワークをする社員は間接部門の社員なので、基本的には駅業務をすることはありませんが、緊急事態が発生したときはテレワーク中の社員が対応します。本来の担当の社員が現場に向かうと時間がかかりますが、テレワーク中の社員に頼めばすぐに対応できます。また、適度に建物を使うことによって、建物そのものがきちんと維持されます。使わないと建物も朽ちていくのです。

 元々は新型コロナウイルスの感染が広がったため、緊急避難的に始まった無人駅でのテレワークですが、追加費用はほとんどかからず、社員がいるというメリットが大きいため、新型コロナウイルスが収束しても無人駅でのテレワークを続ける予定です。
(参考:文春オンライン https://bunshun.jp/articles/-/51143)

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813系の一部座席を撤去

 分割民営化直後、JR各社は一部を除いて快適な転換クロスシートの新車を登場させました。JR九州も811系を福岡都市圏に登場させました。

 ところがその福岡都市圏で、転換クロスシートの車両が減っています。817系の一部や821系は最初からロングシートになりました。また、811系や817系の中には転換クロスシートからロングシートに改造されたものもあります。そして、転換クロスシートの813系も短い編成で詰め込むため改造されました。

 しかし、ロングシートになったのではありません。813系は扉間に転換クロスシートが5脚ありましたが、扉に近い座席を撤去しました。扉付近の立席を増やしたことになります。座席は16減り、扉間には転換クロスシートが3脚だけ残っています。ただしこれは緊急避難的なもので、いずれはリニューアルされる可能性が高そうです。そしてそのときには、ロングシートに改造されるとの話があるようです。

 全国的に見ても転換クロスシートの車両は減っています。JR北海道は「エアポート」等に733系を投入しました。JR東海も中央線用に315系を投入します。転換クロスシートが幅を利かすのは、JR西日本を除けば、JR東海の東海道線の名古屋地区ぐらいでしょう。

 話は変わりまして、日中、博多からの列車は遠くても羽犬塚までで、大牟田まで行くものはありません。2018年3月のダイヤ改正でこうなったのですが、JR九州なりの論理があるようです。

 それは、博多での需要に合わせて6~9両での長い編成で大牟田まで走らせると、効率が悪くなってしまうというもの。これまで大牟田まで直通させてきたのは西鉄に対抗するためで、大牟田付近の需要に合わせるのなら、熊本を走っている2両編成のものを引っ張ってくるほうが効率的です。鳥栖-八代間で2両編成の列車をロングランさせ、半数を鳥栖-大牟田間で快速運転させることにしました。最初から勝負を諦めたのです。今では西鉄のほうもライバルがいないために手を抜く有様で、2021年3月のダイヤ改正で平日昼間の特急がなくなりました。JR九州は直通の列車すらありませんので、これでも十分に勝てると見込んだのでしょう。もっとも、鉄道が不便になると乗客が車に逃げるとか、そもそも住むところとして選択されなくなるとかいう問題も出てきます。悪循環です。
(参考:「鉄道ジャーナル」2021年10月号 鉄道ジャーナル社

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岳南電車も休日の運賃無料

 富士市を走る岳南電車も、7000形25周年イベント開催に合わせて、休日の運賃を無料にすることにしました。

 無料になる期間は、2021年12月25日、26日と2022年1月8日から2月13日までの休日。合計16日間あります。これらの16日間は、「夜景電車」やバスツアーなどの旅行商品を除いて、始発から最終まで全ての列車が無料になります。

 注意しなければならないことは、JR線の駅から岳南電車の目的地までの通しの切符は買わないことです。岳南電車に乗るなら、接続駅の吉原までの切符を買えば良いのです。反対に、運賃が無料になる日は、岳南電車の駅からJR線の目的地までの通しの切符を発売しません。

 なお、この休日の運賃無料は、観光庁の補助金を活用しています。
(参考:岳南電車ホームページ https://www.gakutetsu.jp/event/gakunan_free_day.html)

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冬の早朝のみ仙山線の2駅を通過

 仙山線の下り始発は仙台6:10発の山形行き。各駅停車です。ところが1月8日から2月28日までの間、この始発列車は奥新川と面白山高原の2駅を通過します。

 なぜなのでしょうか? この両駅は県境の積雪の多い場所にあります。これまでも雪の影響により、列車が大幅に遅れたり、運休したりすることがありました。その雪による輸送障害の発生を防止するため、両駅を通過することになりました。この両駅に行くには、次の山形行き(仙台7:07発)に乗らないといけません。

 なお、積雪の状況によっては、両駅を通過する期間を延長することもあります。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/sendai/20211215_s01.pdf)

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熊本空港アクセス鉄道、JR九州は再び肥後大津分岐を提案

 熊本空港アクセス鉄道については当blogで何回か取り上げましたが、新たな話が出てきました。

 どういうことかと言えば、これまで熊本空港アクセス鉄道は、豊肥線三里木で分岐することになっていました。この熊本空港アクセス鉄道は熊本から直通せず、三里木で乗り換えることになっていました。この三里木での分岐に同意したはずのJR九州が、肥後大津で分岐するように、話を蒸し返したのです。

 なぜJR九州は話を蒸し返したのでしょうか? 半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県菊陽町に進出したからです。このTSMCの新工場は原水と肥後大津の間にできるので、それを考慮して原水や肥後大津で分岐するように主張しているのです。

 ただ、肥後大津で分岐すると、便利なことがあります。肥後大津は電化と非電化の境目。肥後大津発着の列車がたくさんあります。それを熊本空港まで延長させたら、簡単に直通運転ができるのです。途中で分岐させると車両や乗務員を効率よく使うことができません。肥後大津で分岐させると運営コストが抑えられ、しかも利便性の高い熊本からの直通ができるのです。わざわざ三里木で乗り換えが必要なら熊本中心部から直通できるバスを使うでしょうし、JR九州も本心では三里木分岐には納得していなかったのでしょう。
(参考:熊本日日新聞ホームページ https://kumanichi.com/articles/513537)

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お金もらえたら余市-小樽間の運行を受託?

 2021年12月27日のことですが、北海道新幹線並行在来線対策協議会が開かれました。このうち、利用者が比較的多い余市-小樽間については鉄道で存続する動きもありますが、JR北海道から前向きな話がありました。

 どういう話なのかと言えば、JR北海道に話があったらのことですが、必要なお金を払えば、JR北海道が運行を受託することを考えているという話なのです。これまでも車両の検査や小樽駅の運営などをJR北海道に委託するという話はありましたが、これは全く次元が違う話になるのです。この区間が第三セクターになるのは2030年度ですが、そのときの余市-小樽間の赤字は4.9億円が見込まれています。これぐらいのお金を毎年払えばJR北海道が運営してくれるということでしょうか? なお、もしJR北海道が受託した場合、JR北海道が今のまま第1種鉄道事業者となるのか、自治体が第3種鉄道事業者になり、JR北海道が第2種鉄道事業者になるのかは決まっていません。すでにJR北海道は道南いさりび鉄道との間で協力体制を築いているので、それが余市-小樽間においてもベースになるものと思われます。余市-小樽間は短いので、JR北海道が運営してくれるのなら、そのほうが合理的でしょう。また、余市-小樽間より利用者が少ない鉄道は北海道にごろごろしています。そのような区間については、地元がある程度負担するのを条件に存続させるという取引をすることもできます。特急や貨物が走らない路線を無理に存続させる必要はありません。

 それでは、残る長万部-余市間はどうでしょうか? 需要が少ないこの区間で頼りにするのは貨物。2000年に有珠山が噴火したときは、室蘭線経由ではなく函館線経由で貨物列車を走らせました。このことに期待して、鉄路を残そうというのです。

 ところが、JR貨物からの回答は冷たいものでした。2000年のときはDD51が使われましたが、あれから20年経って北海道からは引退しました。今はDF200が使われていますが、長万部-小樽間で走行した実績がありません。ですから、実際に走行させるためには技術的な問題があればそれを解決する必要があります。かかった費用については誰が負担するかという話もあります。そして、もし災害が起きれば、貨物列車は走ることのできる区間だけで折り返し運転をし、不通区間についてはトラックで運ぶと回答しています。函館線を代替ルートとして使うことはないのです。そもそも、貨物新幹線が実用化すれば、函館近郊を除いて在来線を廃止することができます。
(参考:レスポンスホームページ https://response.jp/article/2022/01/14/353131.html)

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早春に「サンキュー♥ちばフリーパス」

 JRのみならず、千葉の一部私鉄やバスも乗り放題となる「サンキュー♥ちばフリーパス」(♥はハート)。これまで秋に発売されていましたが、今回初めて早春に発売されました。

 「サンキュー♥ちばフリーパス」は1月4日から2月28日までの連続した2日間、千葉県内のJRと一部の私鉄(小湊鐵道、いすみ鉄道、銚子電鉄、流鉄)のほか、小湊鐵道バス、九十九里鐵道バス、千葉交通バス、京成タクシー成田、ジェイアールバス関東、日東交通の指定路線、東京湾フェリー(金谷港-久里浜港)に乗ることができます。普通列車や快速の普通車自由席が乗り放題となります。特急列車に乗りたいときは追加料金を払えば乗ることができます。「えきねっとトクだ値(チケットレス特急券)」などとも併用できます。発売期間は1月4日から2月27日までで、利用開始当日の購入もできます。値段は大人3970円、子供1980円です。JR東日本の千葉県内の主な駅にある指定席券売機で購入することができます。「みどりの窓口」では購入することができません。

 とここまで書いたのですが、実は明日1月15日から当分の間、発売を停止します。発売再開については、決まり次第発表されます。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2021/chiba/20211222_c01.pdf、railf.jp https://railf.jp/news/2021/12/28/134000.html)

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