室蘭線でただで定期券も配るモニター事業

 室蘭線でも、特急の通らない沼ノ端-岩見沢間は、利用者が少ない(輸送密度が200~2000人)ので、鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が求められています。

 そこで苫小牧市、岩見沢市などの沿線市町からなるJR室蘭線活性化連絡協議会とJR北海道は、沿線住民を対象にした無料乗車モニター事業を実施することにしました。

 無料乗車モニター事業は2種類あります。まずひとつは、室蘭線沿線住民モニター事業、室蘭線沿線の自治体に住民登録のある18歳以上の人が対象で、苫小牧-岩見沢間で使うことのできる1日フリー乗車券を先着300人に無料で配布します。

 もうひとつは、室蘭線通勤定期モニター事業です。これも沿線住民が対象で、現在マイカーで通勤している人を対象に、1か月または3か月の通勤定期券を無償で提供します。先着30人限りです。

 モニターの募集期間は6月1日から11月18日まで、乗車券や定期券の利用可能期間は7月1日から12月31日までです。利用した後には、アンケートに回答する必要があります。このアンケートで問題点を見つけ、今後の活動に活かしていく予定です。

 室蘭線の場合は、特急がなく、目立つような観光地もないため、地元の人の利用が頼りです。そういう意味では、地元の人に使ってもらう取り組みがほかの路線よりも求められています。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/553213)

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JR東海もこの夏は普通列車がお得

 この夏、JR東海は、JR東海の在来線普通列車が乗り放題のフリー切符を発売します。

 その切符の名前は、「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」。JR東海の在来線全線が乗り放題の切符ですが、普通列車しか使えません。「青春18きっぷ」と同じく、新幹線や特急列車には乗ることができないのです。発売期間は7月4日から9月9日、利用期間は7月19日から9月10日で、2日間有効です。

 ここまでなら「東日本のんびり旅パス」みたいな「青春18きっぷ」のJR東海版みたいなものですが、この切符、駅で買うことはできません。まず、「EXサービス」で熱海-米原間の各駅を着駅とする東海道新幹線の切符を予約してから、「EXサービス」にログインした後の画面からリンクする「EX旅先予約」を経て「e5489」を利用して買います。つまり、新幹線とセットの切符なのです。「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」の値段は大人3900円、子供1900円ですが、これに新幹線代が加わるのです。インターネットで発券した切符はJR東海の「みどりの窓口」等で引き換えますが、国府津、甲府、辰野、塩尻、猪谷、新宮では引き換えることができません。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000044345.pdf)

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北陸新幹線の暫定整備案を考えては?

 京都市議会で大深度地下への新幹線建設に反対する決議がなされたことを受けて、北陸新幹線を「小浜-京都ルート」ではなく、「米原ルート」でつくることを求める動きが強まっています。後日記事にしますが、「米原ルート」の長所である建設費の安さをアピールして(つくる距離が短いのだから、当たり前と言えば当たり前なのですが)、「米原ルート」に変えさせようとしています。

 しかし、「米原ルート」にも欠点があります。肝心の利害関係者の賛同を得られていないのです。その利害関係者のひとつがJR西日本。以前にも書きましたが、「小浜-京都ルート」を推進していて、「米原ルート」を否定しています。「米原ルート」は単に乗換駅が敦賀から米原に変わるだけで、お金をかけてつくる意味がないと言うのです。京都に関しては、利用者の利便性を考えて、現在の駅に併設するのが望ましいとしていますが、困難であれば桂川で妥協しても構わない、としています。JR京都線沿いの桂川なら、列車の本数も多いので(必要ならば、列車線にホームをつくって新快速を停めれば良い)、桂川経由でもできれば万々歳でしょう。JR西日本にとっては、「米原ルート」でつくってもデメリットしかないので、「米原ルート」を否定するのは会社としては当然のことです。これを変えたいのなら、JR自体の仕組みを変えることから始めないといけません。

 ただ、どのようになったとしても、時間がかかります。つくり始めたら早い「米原ルート」でも、利害関係者との調整はこれからですので、「小浜-京都ルート」とどちらが早いかは不明です。「小浜-京都ルート」がいいか、「米原ルート」がいいか、という不毛な争いをしている間に、関西はどんどん衰退していきます。まず考えないといけないのは、敦賀延伸による北陸-関西間の利便性低下をカバーするための暫定的な整備案でしょう。利用者にとっては、新幹線でも在来線でもどこを走っても良いので、大阪か新大阪から「サンダーバード」に乗ったまま富山まで行くことができたらそれで良いのです。普通、在来線特急は遅くて使えないものですが、高速で飛ばす「サンダーバード」は例外的に速いのです。その暫定的な整備を行ってから、目指す最終形であるフル規格新幹線のルートを考えれば良いのです。
(参考:FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/-/886765、京都新聞ホームページ https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1494779)

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佐賀、長崎にYC1系追加

 JR九州の新型ディーゼルエレクトリック車両、YC1系。蓄電池を搭載しているハイブリッドの車両で、長崎線や大村線で走っています。

 このYC1系ですが、増備することになりました。7月1日から7両を追加導入します。これにより長崎線江北-小長井間にもYC1系が走ることになり、佐賀・長崎地区(長崎線江北-長崎間、佐世保線江北-佐世保間、大村線早岐-諫早間)からキハ47が消えることになります(観光列車の「ふたつ星4047」を除きます)。

 ただこのYC1系、前任のキハ200形、キハ220形、キハ66、67形と違ってロングシート主体です。通学時間帯の高校生を詰め込む列車ならともかく、長崎-佐世保間など、ある程度の距離の利用には不向きと思われますが、地元の評判はどうなのでしょうか?
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2025/06/12/20250612_saga_nagasaki_new_car_model.pdf)

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「Q SKIP」なら一日乗車券が半額

 東急では、「Q SKIP」というデジタルチケットサービスを提供しています。

 その東急ですが、6月9日から7月6日までの間、「東急線ワンデーパス」など東急電鉄、東急バスの各種乗り放題乗車券が半額になる、「『Q SKIP』東急線乗り放題乗車券半額キャンペーン」を実施しています。

 いくらになるのでしょうか? 例えば、東急線全線が1日乗り降り自由の「東急線ワンデーパス」は通常740円のところ、370円になります。「Q SKIP」限定商品の「池上線・東急多摩川線ワンデーパス」は通常440円のところ、220円になります。このキャンペーンは東急のほか、横浜高速鉄道みなとみらい線でも行っています。みなとみらい線の一日乗車券も通常より安くなっていますが、460円が410円になる程度のものなので、ありがたみは薄いです。

 実は東急は2024年8月から9月にかけて、同様のキャンペーンを行っていました。そのときは、一日乗車券の類が通常の約40倍も売れました。それを今回も狙っているものと思われます。
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/image/information/pdf/20250603_qskip_d.pdf)

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JR西日本、大阪の「みどりの窓口」で10時きっかりの発券を取り止めていた

 新幹線などの切符は、基本的に乗車する日の1か月前(前月の同じ日)の10時から「みどりの窓口」等で発売します。

 「サンライズ瀬戸」、「サンライズ出雲」のように人気のある列車の切符が欲しい場合、どうすれば良いのでしょうか? 発売開始の10時より前に「みどりの窓口」の窓口に行き、事前に欲しい切符の内容を打ち込んでもらいます。10時の時報とともに最後のボタンを押してもらえば、希望の切符を手に入れる確率が上がるのです。これをやってもらうためには、いざというときに頼むことができる、なじみの駅員をつくっておくのが望ましいです。

 ところが、有人の「みどりの窓口」がどんどん減ってしまいました。オペレーター相手にそのような柔軟な対応は期待できません。10時きっかりに発券してもらうことはできないのです。そして、数少ない有人の「みどりの窓口」は、混んでいます。そんな中、JR西日本は「みどりの窓口」の混雑解消のため、整理券を発行して、順番が近づいたらLINEで教えてくれるという対応を採っています。今までのように「みどりの窓口」で待つ必要はなく、買い物などもできるのです。大阪も4月1日に整理券を導入したので、昔のような10時ちょうどに発券してもらうということができなくなりました。

 なお、インターネット予約の「e5489」では、発売開始日のさらに1週間前から事前申し込みを受け付けています。インターネット会員登録をして事前申し込みできるようにするのが、今現在採ることができる対応法なのですが、肝心の「サンライズ瀬戸」、「サンライズ出雲」の個室寝台等については対象外です。こういう列車こそ、事前申し込みに対する需要が高いのですが。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/ea2a987895b2198535e80e0fde95bdb13a424cb3)

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いすみ鉄道、2027年秋に一部区間復旧へ

 以前にも書きましたが、いすみ鉄道は2024年10月に起きた脱線事故の影響で、半年以上経った今でも全線で運休しています。

 そのいすみ鉄道ですが、復旧はまだまだ先です。脱線の原因は枕木の腐食のようで、事故を起こした箇所以外でも枕木が腐食しているところがあるようです。これを解決しない限り復旧はないのですが、その資材の調達に時間がかかっているようです。

 しかも、全線が復旧するわけではありません。2027年秋の時点で復旧するのは、利用者の多い大原-大多喜間のみです。残りの大多喜-上総中野間はこれから復旧に向けての調査を行っていく段階で、運転再開の見通しは立っていません。

 なお、いすみ鉄道は、線路の整備、脱線した車両の修繕、代行バスの運行のために14.5億円がかかると見込んでいます。そしてその費用について、千葉県や沿線の自治体に支援を要請しています。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20250602/1080025632.html、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20250602-OYT1T50199/)

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伊予鉄道、線路切替工事で8月23日終電繰り上げ

 伊予鉄道は8月23日に松山市付近の線路切替工事を行います(荒天時は30日に延期)。

 松山市は駅前広場の整備を進めていて、市内電車の電停を郊外電車の駅に近づけ乗り継ぎをしやすくし、電停の北側(今の電停のあたり)に交流広場を整備、東側にバス乗り場を集約します。タクシー乗り場や送迎スペースは西側にありますが、規模は小さいようです。この駅前広場の整備のために、線路切替工事を行うのです。

 当日は松山市発着の系統だけでなく、松山市を通らない系統(5番、JR松山駅-道後温泉間)を含めて、20時以降は順次入庫します。松山市を出る最後の便は1番の古町行きで、松山市20:40発です。

 なお、翌日の24日は始発から平常運行を行います。
(参考:伊予鉄道ホームページ https://www.iyotetsu.co.jp/topics/25/0823rail.html、松山市ホームページ https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/machizukuri/toshikeikaku/shiekimae/shiekigaiyou.files/siekipanhu2.pdf)

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阪急9300系がロングシートに

 阪急京都線に座席指定サービスのある「PRiVACE」のある新型車両、2300系が導入されました。まだ増備途中であり、今後も増えていきます。

 それでは、かつての主力車両、9300系はどうするのでしょうか? 特急は新型の2300系が務めますから、9300系の出番がなくなります。しかし、9300系は2003年にデビューした、まだまだ新しい車両で、今後も使い続けます。

 どうするのかと言えば、ロングシートにするのです。8両ともロングシートになって、今後も使い続けるのです。
(参考:railf.jp https://railf.jp/news/2025/05/29/000000.html)

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青い近鉄車両

 「しまかぜ」や「ひのとり」のように、特急用車両はコンスタントに新車が出るものの、それ以外の一般車両は新車が出ず、古いものが走っている近鉄。ようやく奈良線系統に8A系が導入されました。

 その近鉄ですが、以前にも記事にした通り、増備がなされます。すでに8A系が走っている奈良線、京都線、橿原線、天理線には、2026年度に4両編成4本、2027年度に4両編成5本が導入されます。大阪線、山田線、鳥羽線には、2025年度に4両編成2本が導入されます。運行開始は2026年1月の予定です。大阪線系統の車両は1A系と言います。名古屋線、山田線、鳥羽線には、2025年度に4両編成3本、2026年度に3両編成3本が導入されます。運行開始は2026年1月の予定です。名古屋線系統の車両は4両編成が1A系、3両編成が1B系となる予定です。南大阪線、吉野線、長野線、御所線には、2026年度に4両編成3本、2027年度に4両編成2本が導入されます。運行開始は2026年5月の予定です。南大阪線系統の車両は6A系と言います。

 近鉄の一般車両は基本的には赤と白の2色です。ところが、大阪線系統、名古屋線系統の車両は青と白のツートンカラーとなります。伊勢志摩をイメージした配色で、既存の車両も順次この塗装に変えていきます。

 また、今回増備する車両からは、多目的トイレが設置されます(3両編成のものは除きます)。これまでも急行等にトイレのある車両が入っている大阪線系統、名古屋線系統のほか、奈良線系統や南大阪線系統のものにもトイレが付きます(奈良線系統にトイレが付くのは2026年度導入分からで、すでに走っている奈良線系統の8A系にはトイレは付きません)。奈良線系統や南大阪線系統の一般系統にトイレが付くのはこれが初めてです。トイレが付くのはありがたい話ですが、近鉄の置き換えのペースを考えると、トイレのある車両ばかりになるのはあってもかなり先です。「あったらラッキー」ぐらいのものです。それなら、今でもそうであるように、確実に大阪線や名古屋線の急行にトイレのある車両を用意してくれるほうがはるかにありがたいです。
(参考:近鉄ホームページ https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/ed86364ee0d94d10ad3687f45f012d96/20260612rw.pdf、railf.jp https://railf.jp/news/2025/06/12/140000.html、朝日新聞6月13日朝刊 中部14版)

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