白糠に道内で22年ぶりの踏切

 鉄道と道路が平面交差するところには、踏切が設置されます。踏切は車など鉄道車両以外のものが入るため、事故が起こる確率が高く、できれば立体交差化などで解消したほうが望ましいのですが、あまりにも数が多いため、その解消はまず難しいです。大体、遮断機や警報器もない第四種踏切もたくさん残っています。

 踏切にはそのような問題があるため、新たにつくられることはめったにありません。しかし、1か月ほど前のことですが、白糠町に新たな踏切が設置されました。場所は白糠町の恋問地区で、道内で新たな踏切が設置されるのは、2003年以来、22年ぶりとのことです。線路を挟んで、海側には国道、山側には工業団地があり、物流の促進に役立つことが期待されています。

 この踏切にはひとつ、期待される役割があります。それは、千島海溝沿いに巨大地震が起きたときに、津波から避難するためです。このあたりは最大10メートルを超える津波が押し寄せると想定されており、迅速な避難を行う必要があるのです。もっとも、このような地震が来た後、根室線はどうなるかはわからないですが。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20250415/7000074766.html)

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青函トンネル以外の共用走行区間でも時速260キロ運転へ

 北海道新幹線新青森-新函館北斗間の最高速度は時速260キロです。しかし、貨物列車と線路を共用する区間(82キロ)は新幹線もスピードが抑えられます。貨物列車とすれ違うときの安全性を考慮して、青函トンネル内は時速160キロ、それ以外の明かり区間では時速140キロに抑えられます。在来線特急並みです。これではあまりにも遅いので、貨物列車が少なくなるゴールデンウィーク、お盆、年末年始には貨物列車が走ることのできない時間帯をつくり、その時間帯に限って新幹線のスピードを上げています。ただ、時速260キロで走るのは青函トンネルの中だけで、明かり区間は依然として時速140キロのままです。

 そこで、更なる速度向上を目指して、明かり区間でもスピードアップを行うこととなりました。対象となるのは、ゴールデンウィークとお盆です。年末年始はこれまで通り、青函トンネル内でのみスピードアップします。外なので、雪の影響があるのでしょうか? 高速走行試験を行い、順調ならば2028年度から明かり区間での時速260キロ運転を行います。新青森から新函館北斗まで、連続して時速260キロ運転ができるのです。

 このように明かり区間でも時速260キロ運転をすることによって、所要時間はどれくらい短縮されるのでしょうか? 時速140キロ運転の現行と比べて、明かり区間だけでは約9分、青函トンネルを含めた共用区間全体では約14分短縮します。通常時(共用する区間では時速140~160キロで走行)の東京-新函館北斗間の最速は3時間57分なので、3時間43分に短縮されます。
(参考:国交省ホームページ https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001879822.pdf)

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JR北海道、2025年度中に特急全車指定席へ

 2024年3月のダイヤ改正で、「北斗」、「すずらん」、「おおぞら」、「とかち」が全車指定席になりました。自由席があるのは札幌-旭川間の「ライラック」、「カムイ」、札幌-網走間の「オホーツク」、札幌・旭川-稚内間の「宗谷」、「サロベツ」ですが、これらも全車指定席になります。

 なぜでしょうか? 「北斗」等の全車指定席化について非難する声もありましたが、実は増収になっていたのです。需要に応じて価格を変動させ、収益を最大化させようとしています。このときに障害となるのが、自由席の存在。どの列車でも乗ることができる自由席はいつでも同じ値段ですので、イールドマネジメントシステムにはなじみません。2025年度中に「ライラック」など自由席がある特急も全車指定席となるようです。
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20250401-3170963/)

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「ノロッコ号」、2026年度も運行

 「くしろ湿原ノロッコ号」、「富良野・美瑛ノロッコ号」といった「ノロッコ号」車両は、2025年度で運行を終える予定でした。

 ところが、この「ノロッコ号」、2026年度も走り続けるのです。なぜかと言えば、後継の「赤い星」、「青い星」の運行開始時期が遅れるからです。なぜ遅れるのかと言えば、「赤い星」、「青い星」の改造に時間がかかっているからなのです。

 「赤い星」、「青い星」の元々の車両はキハ143形。つくられてから40年以上が経過しています。改造に伴い、通常の定期検査では取り外さない内装材の内側を確認したところ、想定以上の腐食や歪みがあることがわかりました。「赤い星」、「青い星」は豪華で上質な観光列車として走らせます。そういうこともあって、通常の修繕より手をかけることにしたのです。

 先ほども述べたように、「赤い星」、「青い星」の運行開始時期の遅れをカバーするため、「ノロッコ号」は2026年度も走り続けることとなりました。しかし、「ノロッコ号」も古いです。牽引する機関車は経年が45年以上、客車は40年以上で老朽化が進んでいます。補修したくても部品の製造が中止されているものがありますので、使い続けることは困難です。ですから、「ノロッコ号」も2026年度までしか運行できません。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20250319_KO_startrain_zikihenkou.pdf)

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留萌線全線廃止後の交通体系

 深川と増毛を結んでいた留萌線ですが、留萌石狩沼田とだんだん短くなっていき、1年後の2026年4月1日に全線廃止されます。そして全線が廃止された後、留萌線沿線の交通はどうなるのでしょうか? 3月11日、JR北海道からその概要が発表されました。

 現在、深川-石狩沼田間にはJRが上下合わせて14本(休日も同じ)、深川西高校に行く明日萌観光バスが上下合わせて2本(休日は0本)、そして深川市立病院に行く空知中央バスの路線バスが上下合わせて10本(休日は6本)走っています。これが2026年の留萌線廃止後は、道北バスが上下合わせて8本(一部は深川西高校まで行きます。休日は7本)、明日萌観光バスが上下合わせて1本(休日は0本)、そして深川市立病院に行く空知中央バスの路線バスが上下合わせて10本(休日は6本)走ります。バスはきめ細かく、停留所が31か所もありますが、道北バスについては停まる停留所を5か所ぐらいに絞って、速達化を図ります。なお、旭川と留萌を結ぶ路線バス(沿岸バス、道北バス)は10本のまま変わりません。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20250311_KO_rumoisen_bus.pdf)

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札幌-室蘭間高速バス、4月からほぼ半減

 札幌と室蘭を結ぶJR北海道の特急「すずらん」のライバルとも言えるのが、道南バスと北海道中央バスが運行する高速バス。1日14往復しています。

 しかし、この札幌と室蘭を結ぶバス、4月から本数が減ります。1日14往復から8往復にほぼ半分に減るのです。人口減による利用者減と運転士不足が原因です。

 ということは、「すずらん」の低迷は、全席指定席化という販売政策の誤りではなく、室蘭そのものの低迷が原因なのです。ある意味根本的なものなので、JR北海道の努力で何とかなるものではなかったのです。
(参考:北海道新聞ホームページ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1136332/)

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根室の始発は8時台

 3月15日に行われるダイヤ改正では、根室線釧路-根室間の減便が行われます。釧路-根室間6往復、釧路-厚岸間2往復から釧路-根室間5往復、釧路-厚岸間1往復に減ります。

 減るのは、釧路、根室発ともに5時台の1往復と、夜間の釧路-厚岸間1往復。釧路発、根室発とも始発は8時台になります。終点の根室や釧路に着くのは11時近くになります。札幌-釧路間に夜行が走っていた時代からの流れで走っていた釧路5:35発の快速「はなさき」はともかく、根室5:31発の釧路行きはビジネス需要もありそうですが、廃止されます。どうやら、厚岸近くまでほとんど利用がなかったようです。ダイヤ改正後、朝に根室から釧路まで行きたい人には、並行して走る高速バスの利用を勧めています。
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20250225-3135937/、JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/8senku/8_02_2022.pdf)

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「北海道&東日本パス」は3月まで

 2025年春の「青春18きっぷ」はただいま発売中ですが、JR東日本とJR北海道は2社等の普通列車が連続する7日間乗り放題の「北海道&東日本パス」を発売しています。2月13日から発売しています。

 しかし、この「北海道&東日本パス」ですが、今回は終了の時期がかなり早くなっています。発売期間は2月13日から3月25日まで、そして利用期間は2月22日から3月31日までです。

 なぜこれだけ早いのでしょうか? その原因として、JR北海道の値上げがあるかもしれません。「青春18きっぷ」の場合は、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」が4月1日以降、値上げするだけですが、「北海道&東日本パス」はそれだけでは利かなかったのでしょう。

 「青春18きっぷ」を含めて、夏以降、どうなるかを見ていきたいです。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/20250122_ho01.pdf)

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函館線を貨物専用にしても要員が約200人必要

 北海道新幹線が札幌まで延伸されると、函館線函館-小樽間はJRから分離されます。このうち、函館-小樽間は普通列車しか通らないローカル線なので、利用者がそれなりにいる小樽付近を除いては、地元の問題として割り切ることができますが、函館-長万部間は新幹線ができても貨物列車がたくさん通ります。貨物列車も新幹線に移行しない限り、鉄道を潰すわけにはいきません。

 もし函館線が貨物専用鉄道になった場合でも、鉄道がある以上、維持管理の人員は必要です。どれぐらいの人がいるのでしょうか? JR北海道によれば、約200人が必要だということです。今までならJR北海道から一定数は出向させるのでしょうが、JR北海道にも人がいません。自己都合退職者が増え、採用環境が厳しいからです。費用も年間数十億円がかかります。

 地元が拒否するならバスにしてしまえばよいローカル線ならともかく、国の基幹となる路線は、場合によっては国が維持しないといけないでしょう。維持するのは貨物列車部分だけでよいですから。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC222BS0S5A120C2000000/?msockid=14a30a4a6e7662f310461f4b6ffd6323)

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「赤い星」と「青い星」はどこを走るのか?

 JR北海道が既存の車両(キハ143形)を改造してつくる新しい観光列車、「赤い星」と「青い星」。一体、どこを走るのでしょうか?

 まず、「赤い星」は4月下旬から7月中旬にかけて、釧網線釧路-知床斜里間を走ります。列車でしか入ることのできない釧路湿原の雄大な車窓を楽しむことができます。7月下旬から11月上旬は、旅行会社主催の貸切列車として、道内各地をクルーズ運行します。1月下旬から3月上旬の間は、函館線、石北線の札幌-網走間を走ります。流氷シーズンに合わせて走ります。「青い星」は6月上旬から9月中旬にかけて、富良野線旭川・美瑛-富良野間を走ります。ラベンダー、丘、田園がある富良野線を走ります。1月下旬から3月上旬は釧網線網走-知床斜里間を走ります。オホーツク海に最も近いところを流氷シーズンに合わせて走ります。

 今後の予定の発表されています。2月ごろに、車内サービスの概要等について発表があります。春には、料金体系、運転時刻の概要、販売方法について発表されます。秋には車内サービスについて、より具体的な発表があります。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20241218_KO_startrain.pdf)

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