仙石線にE131系

 元々私鉄が前身である仙石線は、東北地方では珍しい直流電化の鉄道。車両も首都圏で活躍した205系が4両編成になって使われています。その仙石線ですが、新しい車両を投入することになりました。国鉄、JRを通じて初めての新車です。

 その新しい車両は、E131系。4両編成を14編成、56両を新造し、2025年度冬ごろから営業運転を始める予定です。仙石線あおば通-石巻間を走ります。現在16編成ある仙石線の205系は、老朽化が進んでいるので、E131系に置き換えられます(新しくつくられるE131系が14編成しかつくられないのは、利用状況や運行体系を考慮したためです)。E131系に完全に置き換えられた後に、ワンマン運転を行います。

 それでは、仙石線に投入されるE131系の特徴について述べます。まず、外観は205系の色彩を踏襲しています。水色の帯です。また、E131系らしく、ドット柄があります。車内は仙石線沿いの海の景色をイメージしていて、ロングシート(ボックスシートはありません)の座席はラインカラーのスカイブルーをモケットの背に使用します。車内の幅は広く、座席幅も拡大します。客室には防犯カメラがあり、一部のドアの上には運行情報などを表示する大型ディスプレイを備えます。各車両には車椅子やベビーカーを使う人のためのフリースペースがあります。なお、トイレは205系同様、備えられています。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/sendai/20241223_s01.pdf、河北新報ホームページ https://kahoku.news/articles/20241226khn000011.html)

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2時間半ノンストップの快速

 明日26日、山田線に臨時快速が運転されます。

 この臨時快速、「宮古真鱈号」と言います。宮古市で開催される、宮古真鱈まつりに合わせて運転される臨時列車です。全車普通車指定席の快速です。

 そして、この「宮古真鱈号」、停車駅の設定は思い切ったものになっています。行きは盛岡を8:51に出ますが、次に停まるのは100キロ以上先の終着駅、宮古。宮古に着くのは11:19。2時間半近く、ノンストップです。帰りも宮古を14:47に出ますが、終点の盛岡までノンストップです。盛岡に到着するのは、17:22。2時間半以上、どこにも停まらずに走るのです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/511250)

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烏山線、2025年9月までの運休日を発表

 宇都宮の2つ北、宝積寺で分岐して、烏山に至る、JR東日本の烏山線。非電化ですが、バッテリーを積んだ電車が走っています。

 その烏山線ですが、時々、昼間に列車を運休させて、保守工事を行っています。2023年度から昼間の工事を行っています。これまで線路等の保守は夜間に行っていましたが、地方の路線を中心に昼間に行うところも出ています。そのほうが効率的にできるからです。

 さて、JR東日本は、2025年度上半期の烏山線の運休日を発表しました。運休する日は4月22日、5月13日、27日、6月10日、7月8日、8月26日、9月9日、23日の合計8日間です。いずれも火曜日ですが、最後の9月23日は祝日です。烏山線に乗るときは注意が必要です。そして、運休する列車は宇都宮10:33発、12:34発、14:34発、烏山9:39発、11:39発、13:39発の合わせて6本です。保守工事を行うのは烏山線宝積寺-烏山間ですが、東北線区間も運休します。代替バスの運行はありませんし、並行するほかの交通機関もありません。このときは公共交通機関で烏山に行くのは全く不可能ということではないでしょうが、かなり難しいです。

 さて、その烏山線の終点の烏山ですが、ダイヤ改正日の3月15日から無人化されます。券売機や駅構内のトイレも使えなくなります。これで烏山線の駅は、分岐駅の宝積寺を除いて、全て無人駅となります。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/omiya/20241219_o01.pdf、下野新聞ホームページ https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/1038235)

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JR東日本がライドシェア

 公共交通機関で行くときの問題は、駅から先の交通機関。近ければ良いのですが、遠いと何らかの乗り物が必要になります。しかし、バスやタクシー、レンタカーがありそうな都市部ならともかく、地方ならそういうことも期待できません(もっとも、在来線も期待できない地方なら、新幹線の駅から一気にレンタカーで行ったほうがスムーズです)。

 そのようなバスなどがない地方でカバーする役割が期待されているのが、ライドシェア。公共交通が充実している大都市や、それなりのお金を取れば良い空港などとの長距離輸送とは違い、過疎地域ならライドシェアは適切な交通手段です。

 このライドシェアにJR東日本が参入します。自治体が運行を管理する、「公共ライドシェア」の枠組みを使い、タクシーの稼働台数が少ない、深夜、早朝(22時~翌7時)に運行します。自社の社員(ワンマン運転などで鉄道の効率化が進んでいるため、ライドシェアに人員を投入する余裕があるようです)やOBがドライバーとなり、車両はグループ会社のレンタカーを使います。2024年度中に南房総市や館山市で走らせる予定です。

 また、秋田県内では、JR東日本が運行しているオンデマンドバスの営業時間外にライドシェアを行う計画があるようです。そして、これらのライドシェアが好調なら、ほかの地域にも拡大するようです。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/economy/20241221-OYT1T50064/)

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奈良線に特急「いにしへ」、大和路線の「まほろば」も増発

 この春、奈良線に約35年ぶりに特急が走ります。

 京都と奈良を結ぶその特急が走るのは、4月19、20日、5月17、18日の4日間。「いにしへ」という名前です。ダイヤは京都9:41発奈良10:36着、奈良16:14発京都17:03着で、往復とも途中、宇治のみに停まります。車両は289系の3両編成で、全車指定席です。3月のダイヤ改正で全ての快速に「快速 うれしート」が整備され、着席需要はそれで対応するものと思っていましたが、新たに特急を臨時で走らせることになりました。ただ、特急料金は1290円しますので、かなり割高です。どういう人が使うのでしょうか?

 そして、大阪と奈良とを新大阪、おおさか東線経由で結ぶ「まほろば」も増発されます。3月のダイヤ改正でその都度設定される臨時列車から休日は確実に走る列車に格上げされますが、万博開催期間を含む3月15日から10月13日までの休日は、さらに臨時で1往復が走ります。ダイヤは「まほろば92号」が大阪14:15発奈良15:12着、「まほろば91号」が奈良12:21発大阪13:15着です。定期列車の「まほろば」が奈良にいる間に大阪まで往復する格好となっています。往復とも途中、新大阪、法隆寺に停まります。車両は3月30日までが287系の3両編成、4月5日以降が683系の3両編成(リニューアル編成)です。こちらも全車指定席なので特急料金は1290円~1730円しますが、お得な「まほろばチケットレス特急券」が用意されます。「e5489」限定ですが、半額になります。

 このほか、春の臨時列車で気になるものをピックアップします。新快速の「Aシート」については、臨時で追加されるものがあります。3月28日から5月30日までの金曜日の夕方以降、野洲-姫路間(下りは網干行き)に走ります。姫路18:10発、野洲20:59発です。5月3~6日には日中に野洲-姫路間に走ります。姫路10:42発、野洲13:45発です。

 JR西日本以外について述べてみると、中央線の特急「しなの」の臨時列車が、長野に行きます。4月26~29日、5月3~6日の8日間、名古屋-長野間を走ります。「しなの」の臨時列車自体は繁忙期には走っていましたが、長野に行くのは珍しいです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250117_00_press_haru_rinjiressya_1.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240117_00_press_rinjitokyuInishie.pdf、https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240117_00_press_mahoroba_unkou.pdf、JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000044023.pdf)

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新仙岩トンネル、事業費も工期も増加

 秋田新幹線は在来線の軌間を広げて新幹線車両が通ることができるようにしたものなので、フル規格新幹線に比べると脆弱です。大雨や大雪などがあれば止まってしまう危険性があります。

 そこで考えられているのが、県境の赤渕-田沢湖間に長いトンネルを掘ること。新仙岩トンネルと言われています。約15キロの長いトンネルで、開通すれば、秋田新幹線の所要時間が約7分短縮されます。東京-秋田間が最速3時間30分になります。

 この新仙岩トンネルの建設にかかる事業費ですが、2018年の計算では、約700億円とされていました。工期は着工から11年でした。しかし、再度事業費や工期を計算したところ、事業費は約1000億円、工期は約15年に膨れ上がってしまいました。物価の高騰や働き方改革の影響で事業費も工期も伸びたのです。

 ただ、事業費も工期も増加したからといってやらなければ、問題は解決しません。国や地方の支援を得て、着実に整備するのみです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/136676)

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塩尻-長野間でチケットレス特急券

 以前にも記事にしましたが、3月15日から「Suica」のエリアが拡大します。これに伴いJR東日本は、特急「しなの」(塩尻-長野間)と特急「信州」において、「在来線チケットレス特急券」の発売を開始します。普通車指定席がお得になります。

 「在来線チケットレス特急券(トク割)」は乗車日の1か月前から当日の出発時刻まで購入することができ、15%引きと40%引きの2種類があります。40%引きのものは、6月30日利用分までスタート記念キャンペーンとして、50%引きになります。

 「JRE POINT」で支払うタイプのものもあります。「在来線チケットレス特急券(JRE POINT特典)」です。こちらはさらにお得で、正規の指定席特急料金の4割程度のポイントで乗ることができます。

 なお、この「在来線チケットレス特急券」の発売開始に伴い、これまで発売していた「篠ノ井線特急料金回数券」は発売を終了します。発売期間は2月15日まで、利用期間は3月14日までです。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/nagano/20241213_na01.pdf)

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今後10年の「Suica」の将来像

 みなさん、明けましておめでとうございます。2025年もよろしくお願いします。

 みなさんの生活に欠かせない交通系ICカード。その代表格と言えば、JR東日本の「Suica」でしょう。今日は正月らしく、その将来像について語ってみようと思います。

 「Suica」はこれまでも多くの人に使われてきましたが、これから10年かけてグレードアップします。どのようになるのでしょうか? まず、「Suica」は駅の改札にタッチするものですが、センターサーバー化することによって、タッチせずに一定のエリアに入ると自動的に認証されることになるようです。改札機がない駅でも、位置情報等を活用して、改札がなくても駅に入ったかどうか判断できます。

 「Suica」はいくつかの利用エリアに分かれていて、それを跨いでの利用はできません。首都圏エリアは長野県内まで含んでいるのに、常磐線の福島県内は首都圏エリアと仙台エリアに分かれていて、短距離でも「Suica」を利用することができないところもあります。ところが、2027年春ごろに、すべてのエリアが統合され、エリアを跨いだ利用もできるようになります。「Suica」を使うことができないエリアでもアプリを使って「スマホ定期券(仮称)」が使えるようになります。将来的には、先ほど述べた位置情報等の活用により、JR東日本全線で「Suica」が使えるようになります。そのほか、センターサーバー化により、事前にチャージしなくてもクレジットカードや銀行口座と紐づけをしておけば、後払いにすることができるようになりまうす。2万円という上限も変わり、それ以上の金額でも使えるようになります。

 そして、「Suica」は鉄道だけに限らず、マイナンバーカードとの連携などで、それ以外の分野でも利便性を増すようです。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/20241210_ho03.pdf)

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2025年3月ダイヤ改正発表(3)(JR東日本首都圏)

 首都圏での一番の話題は、中央線快速、青梅線へのグリーン車導入。東京-大月間、立川-青梅間で走ります。グリーン車は東京寄りの4号車、5号車に連結されます。乗車にはグリーン券が必要です(無料のお試し期間は2025年3月14日で終了します)。また、これに伴い、特急「はちおうじ」、「おうめ」は廃止されます。休日の「ホリデー快速おくたま」は新宿発から東京発になります。

 横須賀線については、東京-品川間のトンネル設備の維持管理のため、東京からの始発(4:55発)と東京行きの最終(0:13着)をそれぞれ品川発着に短縮します。これで作業時間を拡大するのです。

 京葉線では夕方以降の下り各駅停車を快速に変更します。快速になるのは、平日が東京16:02発と21:21発の2本、休日は東京21:21発の1本です。

 ワンマン運転は新たに南武線、常磐線各駅停車(綾瀬-取手間)で行います。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/timetable/)

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2025年3月ダイヤ改正発表(2)(JR東日本首都圏以外)

 東北新幹線については、東京-新青森間の「はやぶさ」が1往復増えます。E8系は追加投入され、ダイヤ改正以降は9往復がE8系で運転されます(一部を除いてE3系で運転される日があります)。その後もE8系は増え、2026年春までに全ての「つばさ」がE8系による運転になります。E8系に統一されると、E3系での運転は終了します。

 在来線特急に話を移します。中央線については、5本の特急が新たに東京発になります。これで、新宿を16:30以降に出る特急が全て東京発になります。大糸線直通の列車は白馬発着になります。南小谷まで行かなくなります。上りの大糸線直通は「あずさ46号」(南小谷15:00発)から「あずさ38号」(白馬13:41発)に変更になります。大糸線には臨時列車で「はくば」(松本-白馬間)が1往復走ります。この「はくば」が走るときには、白馬-南小谷間に臨時の普通列車も走ります。平日を中心に朝晩に走っている臨時特急「信州」は、全車指定席になります。また、臨時列車ですが、早朝に「かいじ」が走ります。甲府5:40発、東京7:45着です。

 常磐線については、上野発着で残っていた、朝ラッシュ時の1往復が品川発着になります。常磐線特急は全て品川発着になります。「成田エクスプレス」は夕方以降の3本が千葉に追加停車します。「あかぎ」は一部列車の運転区間を変更し、平日のみの運転になります。群馬県発着は1往復のみです。

 新潟県内を走る「しらゆき」は新井7:19発の「しらゆき1号」を廃止し、代わりに新井19:18発の「しらゆき7号」が走ります。新井行きの「しらゆき8号」は3時間半ほど繰り上がり、新潟16:25発となります。運行本数は4往復のままです。

 八高線は新型車両導入のため、輸送体系の見直しを行います。朝に群馬藤岡-高崎間に1往復を増発しますが、児玉7:43発高崎行きは廃止になります。全ての列車が2両編成のワンマン運転になります。東北線では、朝にラッシュ時に郡山-本宮間に1往復を増発します。大船渡線では夜間の1往復の運転を取りやめます。また、キハ100系をキハ110系に置き換えます。山田線では一部列車の廃止があり(盛岡-宮古間の直通は3往復のみです)、盛岡から宮古への最終が盛岡13:12発の快速になります。奥羽線(弘前-青森間)と津軽線では、EV-400系で走っている1往復を701系にします。津軽線蟹田-三厩間に走るディーゼルカー交換のために設定された列車ですが、この区間には列車が走らないので、ディーゼルカーにする意味がないのでしょう。秋田では、3、4両編成から2両編成に短縮になる列車が増え(逆に2両編成から3両編成になるものもあります)、ワンマン列車も増えます。新たに田沢湖線赤渕-田沢湖間でワンマン運転を実施します。信越線新津-新潟間では20分間隔のパターンダイヤを推し進めます。羽越線新津-新発田間、越後線(吉田-新潟間)、白新線、篠ノ井線松本-篠ノ井間では無人駅も含めて、ワンマン列車でも全ての扉から乗り降りできるようになります。篠ノ井線塩尻-松本間は2往復を増発します。

 新駅は白新線白山-新潟間にできる、上所。両駅のほぼ真ん中のところにできます。6両編成対応のホーム2面2線の駅で、ホーム上屋は長さ60メートルです。階段のほか、エレベータがあります。無人駅です。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2024/timetable/、https://www.jreast.co.jp/press/2024/niigata/20241213_ni02.pdf)

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