米坂線は鉄路で復旧するのか?

 米坂線も2022年8月の大雨で今泉-坂町間が不通となっています。8日のことですが、この不通区間をどのように復旧させるかという会議が山形県小国町で行われました。

 鉄路での復旧費用はJR東日本が4月に公表した内容によれば、86億円。内訳は山形県内が55億円、新潟県内が31億円です。鉄道軌道整備法に基づく災害復旧補助制度によれば、国と地方自治体が1/4ずつ、JR東日本が1/2の負担になります。

 山形県によれば米坂線は重要な路線とのことですが、本当でしょうか? 輸送密度は極めて少なく、しかもその減りは激しいのです。沿線7市町村の人口は減っていますが、それ以上に輸送密度が減っているのです。1990年と2020年を比べると人口は約2割減りましたが、輸送密度は約7割も減っています。国鉄時代は急行もあり、幹線的な要素もありましたが、今はなく、単なる一地域の交通手段です。JRという全国的な組織で残す必要はありません。もし鉄道で残すのならば、第三セクターあたりで対応するのが望ましいところでしょう。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20230908/6020018483.html、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/yamagata/news/20230908-OYTNT50151/)

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今別町、津軽線の部分廃止を容認

 津軽線の蟹田-三厩間(28.8キロ)は、2022年8月の大雨によって大きな被害を受け、運休したままとなっています。これまで全線の鉄路復旧を求めていた沿線自治体の今別町ですが、一部区間のみ鉄路で残し、残りはバスや乗合タクシーで対応するという内容の提案を行いました。一部分とはいえ、鉄路の廃止を容認するのです。

 鉄道として残すのは、蟹田-津軽二股間(19.6キロ)。津軽二股は北海道新幹線奥津軽いまべつに隣接しています。新幹線駅なので交通の拠点であり(津軽中里への乗合タクシーが発着しています)、蟹田-津軽二股間にカーブや坂道が多い峠があり、冬場の定時運行や安全性に問題があるからです。残る津軽二股-三厩間はバスや乗合タクシーで対応します。今の代替交通がそうであるように、三厩を越えて龍飛崎周辺まで走ります。

 もっとも、蟹田-三厩間の被災箇所は13か所ありますが、そのうち12か所は大平-津軽二股間に集中しています。区間を短縮しても復旧費用はあまり減らないのです。このため、鉄路として残す区間を大平までにするという案もありますが、こうなったらもう(依然として重要な貨物路線として残り続ける)新中小国信号場はもうすぐです。需要が少ない以上、素直に蟹田-三厩間を転換して、奥津軽いまべつの停車本数を増やし、龍飛崎までの二次交通を充実させたほうが良さそうです。新幹線の駅があり、著名な観光名所があるだけ恵まれているとも言えます。
(参考:東奥日報ホームページ https://nordot.app/1070345460799128005?c=648454265403114593)

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荷物だけを運ぶ新幹線

 8月31日に上越新幹線で、荷物だけを載せた列車が走ります。6月のときは旅客も輸送しましたが、今回は荷物のみです。

 当日のダイヤは(1)新潟新幹線車両センター9:31発東京新幹線車両センター着11:56着、(2)東京新幹線車両センター16:32発新潟18:48着です。主に車両基地を使うことで、駅のホームに比べて積み込みの時間と場所に余裕を持たせることができます。(1)は7~10号車に鮮魚、青果、菓子、酒類、生花、精密機器部品等約700箱を積みます。(2)は9~10号車に医療用医薬品、雑貨等約100箱を積みます。一部の商品は途中駅で積み込み等を行う予定です。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230809_ho01.pdf)

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鶴見線にE131系

 205系が走っている鶴見線に新しい車両が入ることになりました。

 それはE131系。鶴見線には3両編成が8本投入されます。鶴見線の鶴見-扇町・大川・海芝浦間を走り、この冬から順次、営業運転を始めます。

 車両の外観は、海をイメージしてスカイブルーを取り入れています。また、前面のドットはこれまで鶴見線で走ってきた列車の色から、茶色(1959~1996年)、黄色(1979年~)を採用しています。黄色は側面の帯にも取り入れられています。室内は、座席の色を青にすることにより、外観との統一を図り、海沿いを走る列車であることを表しています。なお、鶴見線のE131系は相模線などと違って、車体のふくらみがありません。また、車両側面にはカメラがあり、乗務員が運転席から乗客の乗り降りを確認することができます。ワンマン運転にも対応しているのです。

 そして、以前に取り上げた南武線のE127系ですが、その営業運転開始日が明らかになりました。9月13日から順次営業運転を開始します。205系と違って3扉の車両です。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/yokohama/20230724_y1.pdf、https://www.jreast.co.jp/press/2023/yokohama/20230724_y2.pdf)

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只見線の輸送密度、6.6倍に

 JR東日本から2022年度の輸送密度が発表されました。

 全般的に見て新型コロナウイルスによる行動制限が緩くなってきたこともあって、輸送密度は前年度よりも上がっているところが多いです。ところが、その中には輸送密度が6.6倍に上がっているところもあります。

 それは只見線の会津川口-只見間。2021年度の輸送密度は12人だったのですが、2022年度は79人になりました。なぜそこまで増えたのかと言えば、2022年10月に、11年ぶりに運転再開したため。ようやく再開した鉄道に乗ろうと、多くの人が押し寄せたからでしょう。半年間の営業で、ここまで数字が増えました。この全線復旧の影響でしょうか、元々それなりに利用者がある会津若松-会津坂下間を除いて、ほかの区間も輸送密度が増えています。会津坂下-会津川口間が124人(2021年度)から182人(2022年度)に、只見-小出間が69人(2021年度)から107人(2022年度)です。

 ただ、この輸送密度の増加はある意味一時的なものですし、正直言って会津若松-会津坂下間を除いて、バスで十分対応できるレベルです。ある意味、地元がお金を出して支える、観光施設のひとつとして割り切っておかないといけないでしょう。利用者の多くは鉄道がなかったら来ることはなかったのでしょうから。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/pdf/rosen02.pdf)

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奥羽線不通のため、秋田新幹線上を走る普通列車

 秋田県内に降った大雨の影響により、奥羽線大曲-和田間、五能線能代-深浦間が運休しています。両方とも代行バスが用意され、奥羽線は8月初めごろ、五能線は8月中旬ごろの運転再開を目指しています。

 さて、一部区間が運休している奥羽線ですが、実は並行して走っている秋田新幹線は20日に復旧しています。奥羽線は盛土が流出し、電化柱が傾いているのですが、幸い隣の秋田新幹線のほうには影響がなかったのです。

 そのため、秋田新幹線は通常通り走ります。大曲-秋田間は乗車券または定期券のみで「こまち」に乗ることができます。奥羽線は和田-秋田間のみの運転となり、本数も大幅に減らして9往復のみとなります。代行バスは大曲-秋田間に5.5往復走りますが、大張野と四ツ小屋は通過します(秋田行きは四ツ小屋の代わりに、イオンモール秋田付近にあるイオン御所野店バス停に停まり、そこで降車することもできます)。

 また、「こまち」の始発は大曲9:01発と遅いので、朝のラッシュ時には役立ちません。そこで、朝のラッシュ時に合わせて、臨時列車を1本走らせます。臨時列車のダイヤは大曲7:50発、秋田8:29着(7月24~27日は8:35着)。秋田新幹線上を走るので、ノンストップです。4両編成で運転されるので、田沢湖線用の普通列車を使うのでしょう。この朝の臨時列車は、奥羽線が復旧してからも使えそうです。「こまち」用の車両を使えば、特急料金も稼げそうです。
(参考:JR東日本ホームページ https://traininfo.jreast.co.jp/train_info/tohoku.aspx)

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陸羽西線の運休、期間が延びるか?

 陸羽西線は2022年5月から2024年度までの約2年間(3年近く?)、列車の運行を完全に止めています

 なぜ列車の運行を止めているのかと言えば、トンネルを掘るため。鉄道のトンネルではありません。道路のトンネルを掘るために鉄道を止めているのです。陸羽西線に並行して国道47号のバイパスをつくっていますが、その中の高屋トンネル(329メートル)が、陸羽西線の既存のトンネルに近いところにあるため(最も間隔の狭い場所で3メートルしかありません)、鉄道を運休させて工事をしているのです。鉄道利用者は代行運転のバスに乗ります。

 ところが高屋トンネルの工事において地質調査を行ったところ、地山補強の範囲が想定よりも広いことが分かりました。そのため、必要とする工事量が増え、道路の開通時期の見直しが必要となりました。当初予定していた2024年度は難しいのです。道路の開通時期は今後改めて発表されます。

 なお、国交省山形河川国道事務所によれば、陸羽西線の運休期間は2024年度までと変わりないようです。
(参考:乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/126641、山形新聞ホームページ https://www.yamagata-np.jp/news/202306/22/kj_2023062200572.php)

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諏訪湖の花火大会で夜行特急の臨時列車

 8月15日19時から、第75回諏訪湖祭湖上花火大会が行われます。これに合わせて、JR東日本では臨時列車を走らせます。

 臨時列車は小淵沢-上諏訪-松本間を中心に運転されますが、首都圏へ帰るために臨時特急を走らせます。上諏訪23:59発の特急「諏訪湖花火大会号」です。E353系の12両編成で、全車指定席です。途中停車駅は八王子と立川のみで、終点新宿には翌朝5:00に着きます。普通に特急らしく走れば早く着きすぎるので、どこかで時間調整しながら走るのでしょうか?
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/nagano/20230707_na01.pdf)

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松本-長野間などで「Suica」利用可能に

 現在、「Suica」は、中央線方面では松本まで使えます。それが2025年春以降、さらに拡大するのです。

 新たに「Suica」が使えるのは、篠ノ井線、信越線の田沢-長野間の各駅と、大糸線の北松本-穂高間の各駅。合わせて23駅で使えるようになります。

 これらの区間、松本までと同様、首都圏エリアの駅として追加されます。つまり、中央線経由で行けば途中下車することはできません。これまでの例では、「Suica」利用駅の拡大により、東京近郊区間も拡大されますから、たとえ紙の乗車券でも東京-長野間(中央線経由)では途中下車できないものと考えられます。

 それでは、東京-長野間を新幹線で移動すればどうでしょうか? 東京近郊区間は結構広いですが、新幹線は対象外です。ですから、途中下車すれば特急料金はかかるものの、途中下車はできると考えられます。
(参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2023/nagano/20230620_na01.pdf)

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キハ143形、一部車両を残す?

 5月20日に、2両編成の737系が運行を開始しました。現在は室蘭線室蘭-苫小牧間を中心に走っていますが、函館線で走ることも計画されているようです。岩見沢-旭川間がメインになるのでしょうか?

 これで置き換えられるのが、キハ143形。客車を改造した車両でした。一部の車両はJR東日本に行き、「SL銀河」の客車として使われていましたが、この6月11日で運行を終え、車両は解体されることになりました。

 JR北海道のも同じように解体されるのかと思われていましたが、どうやらそうとは限らないようです。JR北海道によれば、キハ143形について何らかのかたちで活用することも考えているようです。旅客用としては年数が経っているのでほかの線区に転用することは考えにくいのですが、どういうことでしょうか?
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20230420-2658567/、NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20230619/6040018031.html)

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