昼間に保線工事をすれば、1か月分が1日で

 このところ、山陽線のような幹線でも、昼間に列車の運行を止めて保守をするケースが見られます。これまでは最終から始発までの間に保守工事を行っていたのですが、労働力不足を背景に、2020年4月から昼間にも行っています。鉄道だと過大で、バスで十分賄うことができる路線だけではなく、鉄道がその役割を果たしている、主要幹線でも昼間に保守工事を行っています。当然ながら、その間は列車の運行が止まります。

 このように列車の運行を止めて保守工事を行うだけの効果はあるのでしょうか? 明るい昼間のうちに終わるので労働環境の改善につながるとともに、工事期間の短縮も図ることができます。13日に山陽線の島田-光間のレール500メートルの交換を行いましたが、この工事、夜間にやると1か月程度かかります。しかし、昼間にするとたったの1日で終わらせることができるようです。

 列車の運休を伴うことから、事前の周知は必要ですし、バス(場所によっては並行して走る私鉄による振替輸送)の手配も必要です。ただ、そういう準備をしっかりしておけば、保守工事の期間は大幅に短縮できるのですから、新幹線や特急がそれなりに走る路線、そして大都市圏を除いては、昼間に保守をするというのは今後も積極的に進めることでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/ac37f6e5f2f0ef0d870bab7549c736ff368b6945)

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「〇〇のはなし」は山口線に

 美祢線の運休が話題になっていますが、山陰線も一部区間で運休しています。美祢線と同じ6月の大雨によるもので、長門市-小串間が運休しています。

 その山陰線を走る観光列車は、「〇〇のはなし」。当然ながら不通区間があるので、そのまま走らせることはできません。そこでJR西日本は、2024年1月から3月まで、「〇〇のはなし」を山口線で走らせることにしました。「〇〇のはなし(山口線)」です。

 「〇〇のはなし(山口線)」は2024年1月13日から3月3日までの休日に走ります(2月3、4、17、18日を除きます)。新山口-津和野間を1日1往復しますが、新山口10:50発津和野12:58着、津和野15:54発新山口17:38着なので、「SL(DL)やまぐち号」のダイヤを流用しているようです。なお、途中停車駅は湯田温泉と山口のみです。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231101_00_press_marumarunohanashi.pdf)

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美祢線沿いの川の改修には10年程度かかる

 厚狭と長門市を結ぶ美祢線は、6月末からの大雨で大きな被害を受け、運休したままとなっています。川が氾濫し、鉄橋が崩落したのです。鉄橋を直せば運行は再開できるのですが、それでは同じように大雨が降ったら、また破壊されるだけです。

 そこで山口県は、厚狭川を抜本的に改修することを考えています。川幅を広げ、川底を掘削することにより、同じような大雨が降っても大きな被害を受けないようにするのです。

 ただ、これにはかなりのお金と時間がかかります。約60億円かかり、10年程度かかります。ということは、美祢線の運転再開は10年ぐらい先のことになります。美祢線が需要の多い路線ならともかく、そうではないのですから、10年もすれば鉄道がないことが当たり前になります。鉄道がなくても混乱することはあまりなく、バスが普通のことになります。川の改修はともかく、鉄道が再開できるようにする必要はないかもしれません。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/e912729b8f0307c40ef253ca229bc3afd29f89f7)

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敦賀の「サンダーバード」、「しらさぎ」ホームは31~34番線

 北陸新幹線の敦賀延伸まで後約4か月。すでに新幹線の駅はできあがっており、案内もできています。もちろん、開業までは入ることができないところですが、NHKの「ブラタモリ」で、タモリなどが新幹線の駅の中に入りました。

 それによれば、新幹線のホームは11~14番線が割り振られます。そして、新幹線の真下に乗り入れる、「サンダーバード」、「しらさぎ」のホームは31~34番線になります。20番台はなく、いきなり30番台になるのです。
(参考:「ブラタモリ」 2023年11月4日放送)

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「あめつち」の木次線乗り入れは日曜日と月曜日

 山陰線の観光列車「あめつち」は、2024年から木次線に乗り入れます。「あめつち」は元々山陰線を走っていた観光列車。いつ木次線に乗り入れるのでしょうか?

 JR西日本の話によれば、木次線に乗り入れるのは日曜日と月曜日。春と秋の行楽シーズンが中心なので、年間だと30~40日です。これまで木次線を走っていた観光列車、「奥出雲おろち号」は2022年度の場合、122日走っていましたから、1/3か1/4程度に減るということになります。

 なお、「あめつち」のダイヤはまだ決まっていません。ただ停車駅は、宍道、木次、出雲三成、出雲横田の4駅だけとなります。「奥出雲おろち号」に比べると停車駅はかなり減ります。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/20231030/4030017499.html、山陰中央新報デジタルホームページ https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/474681)

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JR西日本も新幹線の車内販売廃止へ

 10月で東海道新幹線の車内販売が基本的に廃止されました。東海道・山陽新幹線で車内販売があるのは、山陽新幹線の「のぞみ」だけです。

 ところが、JR西日本によれば、山陽新幹線も将来的には車内販売を廃止するようです。乗車前に飲食物を買って乗る人が増え、ワゴン販売の売上が低迷しています。また、泊まり勤務もあるからでしょうか、販売スタッフの確保が難しくなっていることも要因としてあります。

 ということは、弁当を自席まで持ってきてくれるサービスも消えるということでしょうか? ともかく、車内販売を続けてもらうためには、車内販売を利用することが必要でしょう。
(参考:産経新聞ホームページ https://www.sankei.com/article/20231025-2EFZEFSBEZLDPJVEMVRBAZGUKQ/、読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20231025-OYO1T50039/)

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東海道・山陽・九州新幹線、新幹線車内の喫煙ルーム廃止へ

 東海道・山陽・九州新幹線は、座席ではたばこは吸えないものの、喫煙コーナーが何か所か用意されています。16両編成は3号車、10号車、15号車に、8両編成は3号車、7号車にあります。

 しかし、昔とは違って、たばこを吸う人は減っています。たばこが有害であるという知識も広まっています。そこで、2024年春で、東海道・山陽・九州新幹線の喫煙ルームを全て廃止します。こうなると車内でたばこを吸えるのは「サンライズ瀬戸」、「サンライズ出雲」と近鉄特急ぐらいでしょうか? 廃止した後の喫煙ルームには、非常用の飲料水を配備します。災害などで駅以外の場所で長時間停車しないといけない状況になったとき、そこから水を配るのです。

 また、同じ2024年春からは、山陽新幹線の一部の駅の喫煙コーナーを廃止します。廃止する駅は新倉敷、新尾道、三原、東広島、新岩国、徳山、厚狭、新下関です。比較的小さな駅が多いです。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042990.pdf、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231017_00_press_shinkansen.pdf、JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2023/10/17/20231017_kyushu_kitsuen.pdf)

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芸備線の備後庄原-三次間は廃止の対象外?

 2023年10月1日施行の改正地域公共交通活性化再生法に基づいて法定化された、再構築協議会。ローカル線のありかたについて、鉄道事業者と沿線自治体などが話し合います。この再構築協議会は鉄道事業者や地方自治体の要請に基づいて国が設置するものです。この再構築協議会ですが、JR西日本が国に要請して、設置されることになりました。

 その対象となる区間は、芸備線の備中神代-備後庄原間。いずれも2桁の輸送密度のところです。さすがにこの程度の輸送密度では鉄道を維持するのは無理で、地元が全額お金を出すとかいうことをしない限り、鉄道として存続させるのは無理でしょう。

 反対に、備後庄原-三次間は再構築協議会の対象には含まれていません。ということは、備中神代-備後庄原間とは違い、すぐには見直しがされることはないでしょう。2022年度の輸送密度は327なので、備中神代-備後庄原間よりかは数字がよいです。このクラスでも鉄道がその持っている能力を発揮できるかは大きな疑問ですが(地元が責任を持つ第三セクターならともかく、株式を上場しているJRや大手私鉄だと、この数字の数倍ないといけないでしょう)、少なくとも当面は廃止になることはないでしょう。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/geibisenbingoshobara/)

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中国地方のローカル線に乗る2023(3)

 三次5:27発の始発に乗って広島に行く。キハ40の2両編成で、ワンマンではない。駅を出てしばらくは夜明け前で真っ暗だったが、だんだん明るくなってきた。最初はガラガラだった車内も徐々に増えていく。特に下深川を過ぎると客はさらに増えた。利用者のいる路線なら、227系のディーゼルカーバージョンが欲しいところだ。

 広島から山陽線で瀬野に行き、2024年4月に廃止されるスカイレールに乗る。ロープウェーのゴンドラみたいなものに乗るスカイレールは鉄道の一種だが、ここにしかないもの。急カーブや急勾配にも強いのが特徴だが、ほかの路線に広がらず、結果として採算が取れなくなったのだろう。スカイレールは交通系ICカードは使えず、券売機で切符を買う。切符にはQRコードが載っていて、それを改札機に読み取らせる。5分ほどで終点のみどり中央に到着。均一運賃のため、出口に改札はなく、切符回収用の箱があるだけ。駅を出ても住宅街しかないので、すぐに戻る。次の山陽線は白市行きなので、途中新たにできた寺家でいったん降り、後続の糸崎行きに乗る。

 糸崎で相生行きに乗り換え。広島から糸崎まで乗った列車は全て227系だったが、ここからは黄色の115系になる。福山で福塩線に乗り換えて、昨日乗っていなかった、神辺までの区間に乗る。神辺で待っても当分列車が来ないので、時刻表を見て、上戸手まで行く。すれ違うのは上戸手のひとつ先の新市なので、ここまで行っても同じ列車なのだ。福山で再び山陽線に乗り換え、岡山へ。

 ちょうど12時を過ぎたところなので、弁当(「桃太郎の祭ずし」)を買って赤穂線に乗る。岡山12:24発の播州赤穂行きだ。しばらく経って車内が空いてきたら食べようと思っていたが、なかなか空かない。弁当は途中で食べたが、伊部で「備前焼まつり」があり、それに行く人が乗っていたのだ。

 今日はずっと乗ってばかりなので、途中下車することにしよう。播州赤穂で降りて、お城を目指す。赤穂城は最初から天守閣はなく、天守台という展望台みたいなものしかなかったようだ。城には天守閣が必ずあるものかと思っていたので、意外な発見だ。赤穂と言えば忠臣蔵。忠臣蔵ゆかりのお寺や神社、博物館も回って、駅で見た小さなチラシの通り、2時間半で駅に戻る。

 予定より少し早く赤穂観光を終えたので、和田岬線に乗りに行くことにする。和田岬線の分岐駅、兵庫には新快速は停まらないので、明石で快速に乗り換える。そうして兵庫まで来たのだが、雨が降っていて、17時半の時点ですでに真っ暗。また明るいときに乗り直す必要があるが、せっかくここまで来たのだから一往復することにする。和田岬線はひと駅だけの支線なので和田岬には改札がなく、兵庫に和田岬の改札がある。その改札を通って、和田岬線に乗る。夕方の暗い時間に和田岬に行く人はまずいない。和田岬線専用の207系6両編成はガラガラで、ポスターの類は全くない。結構不気味だ。4分で和田岬に到着。ただ帰りは違う。土曜でも動いている工場があるようで、確実に座ることはできるが、ある程度の客は乗っている。和田岬線のダイヤは平日、土曜、日祝の3種類あって、土曜は平日よりは少ないものの、日祝のような2往復だけという極端なものではないのだ。和田岬線に乗るときには参考にされたい。

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中国地方のローカル線に乗る2023(2)

 総社で井原鉄道に乗り換え。12:45発の井原行きに乗る。次の清音まではJRと全く同じ線路を走る。しかし、井原鉄道に乗ったら井原鉄道の切符が必要で、「秋の乗り放題パス」は使えない。清音までは人の流れと合っていないのでガラガラだったが、清音で岡山方面からの乗り換え客が乗ってきた。特別支援学校の児童が乗っていた一部の区間を除いて、十数人といったところか? 井原鉄道は平成になってできた新しい鉄道なので、原則として高架(意外とトンネルが多かった)で踏切はない。車にとってはありがたいが、困るのは駅の利用者。駅が高いところにあり、階段での乗り降りがいるのだ。全くバリアフリーになっていない。しかし、エレベータをつけるほどの利用者はいない。歩くことができない人は車で運んでもらったほうが楽だろうが、現状だと歩く体力がある人しか使えない。 

 総社発は井原止まりなので、井原で乗り換え。井原鉄道は大体1時間に1本程度はあるが、車庫が井原のひとつ隣の早雲の里荏原にあるので、井原や早雲の里荏原発着のものも結構ある。有人駅のため運賃は駅で精算とのことだったので、駅の窓口で総社から神辺までの運賃を払う。次の列車は約30分後。列車が来るまで駅の売店などを見る。次の列車(井原13:53発)も1両だったが、こちらは水戸岡氏デザインの車両。乗っているのは井原までと同じく十数人。 

 神辺で福塩線に乗り換え。神辺14:27発の府中行きに乗る。105系の2両編成。105系は和歌山線などでよく見かけたが、あちらは103系改造の4扉車で、3扉のオリジナルはあまり乗ったことはない。福塩線のはオリジナルだ。神辺で小学生の団体が降りて満員状態ではなくなったが、それでもロングシートは大体埋まっている。福塩線は元私鉄のため駅が短い間隔である。駅もコンパクトで、交換できないホーム1本の駅なら、駅の外にすぐに出ることができる。こういう駅のほうがはるかにバリアフリーだ。駅前には自転車置き場があり、駅からの移動手段は自転車。各駅で降りていき、かなり減った状態で府中に到着。 

 府中から先は非電化のため、乗り換えが必要。府中15:00発はキハ120の1両編成。キハ120の1両編成は利用者の極めて少ない路線の証と言える。福塩線の府中以北もそのひとつで、昼間に走る臨時列車(学校のカリキュラムの都合で走るかどうか決まるらしい)を除いては、1日5往復しかない。乗った日(10月13日)は臨時列車の走る日だったが、それがなければ7時の次が15時だ。 

 十数人の客を乗せて府中を出発。今までの都市近郊から景色が変わる。利用者の少ない路線らしく草刈りも充分にやっていないようで、時々時速25キロ制限にかかり、枝にぶつかりながら進む。全くの鉄道が役目を終えたローカル線だ。話が変わるのは、三次にかなり近くなった、吉舎。ここで高校生が30人ほど乗ってくる。芸備線と合流する塩町ではさらに多く、40人以上の高校生が乗ってくる。下校ラッシュのようだ。今のところは具体的な廃止の動きはないが、バスになってもここのフォローは必要だろう。 

 今日の宿は三次。芸備線のすぐそばだ。廃止された三江線の跡はすぐ真下か? ホテルには食事処もあったので、そこで晩にした。(続く)

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