JR4社の株式持ち合いが増加

 JRグループの中で上場しているのは4社。JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州です。ところで、このJRの4社、互いの株式を持ち合う動きを強めています。2020年3月期には互いの株式を追加取得し、1年前に比べて1.8~3.6倍に増やしました。2020年3月時点の発行済み株式数に占める割合は概ね0.2~0.5%程度ですが、JR東日本、JR東海、JR西日本の3社はJR九州の株式を1.25~1.32%保有しています。

 JR4社は、株式を持ち合う理由として、災害への対応や技術開発についての情報交換、MaaS(鉄道やほかの交通機関を組み合わせて効率的な移動を目指す動き)への対応のためとしています。JR九州の株がアメリカの投資ファンドに買われているので、その対応との見方もあるようです。半分近くがこのような短期的な利益しか考えない(会社がどうなっても構わない)投資ファンドに買われているのです。

 JRが株式を持ち合うことについて批判する人もいますが、あまりにも単純な見方と言えます。そもそもJRはグループとして捉えるもので、バラバラに独立しているような存在ではありません。分割民営化したとはいえ、各社が連携して鉄道サービスに当たらなければならないのです。ホールディングスみたいな持ち株会社の下にJR各社がぶら下がる形態をとってもおかしくはなかったのです。投資ファンドが株を買うということはその会社に魅力があるということなので喜ばしいことと言えますが、会社も利用者も得して初めて株主も得する権利があるのです。会計のテクニックを駆使し、会社の財産を食ってまで株主に利益を与える必要はないのです。
(参考:日本経済新聞ホームページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60810150V20C20A6TJ1000/、ニュースイッチホームページ https://newswitch.jp/p/22761、Net IB News https://www.data-max.co.jp/article/32625)

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「らくラクはりま」、7月6日から全車指定席に

 通勤時間帯の決められた特急に、たったの300円で乗ることができる「期間限定 定期券併用チケットレス特急券」。当初6月30日までであった利用期間が延長され、7月31日までとなりました。対象列車は7月から若干減り上下合わせて21本となりましたが、値段は300円のまま変わりません。

 そして、「らくラクはりま」については、チケットレスサービスの利用が好調であることから、7月6日から全車指定席となりました。「らくラクはりま」が全車指定席になるほど好調とは意外ですが、特急料金が300円になったことで、連日完売だったようです。

 またこれまで、定員の5割程度しか指定券を売らなかったのですが、6月でその取り扱いは終了しました。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200625_01_ticketless.pdf、神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202007/0013479038.shtml)

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JR西日本、明石の新幹線車両基地について計画の提案を延期していた

 JR西日本は明石市内の山陽新幹線西明石-姫路間に新幹線の車両基地をつくる計画です。この場所はJR神戸線大久保-魚住間に隣接していて、JR神戸線への新駅の設置や大規模開発を検討しています。

 しかしこの計画、前に進んでいません。JR西日本は元々、3月末までに計画案を明石市に対して示すことになっていましたが、4月を過ぎても連絡はありませんでした。やっと連絡があったのは5月29日のこと。新型コロナウイルスの感染拡大で経営環境が変わり、計画案の提案を延期したいということでした。延期後の計画案の提案時期はまだ決まっていません。

 JR西日本としては明石に基地をつくる必要性があるということは認識しているものの、2037年の完成時期は遅くなる可能性があります。新型コロナウイルスの影響で長距離の需要がどうなるか、長崎新幹線がフル規格ででき、新大阪に直通するかを見極めているのでしょう。
(参考:神戸新聞NEXT https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202006/0013426311.shtml)

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全国各地の新幹線で臨時列車設定

 ほとんど設定されない状態で始まった、2020年夏の臨時列車。ところが、緊急事態宣言が解除され、徐々にではありますが、利用者が戻りつつあるようです。そこで、新幹線についても臨時列車が設定されることになりました。

 東北・北海道新幹線については「はやぶさ」を東京-新函館北斗間で運転します。新函館北斗では函館へのアクセス列車、「はこだてライナー」も設定します。ただ、一部の日は東京-新青森間の運転に留め、新青森-新函館北斗間の運転を取りやめる日もあります。そのほか、JR北海道の在来線では、「フラノラベンダーエクスプレス」の8、9月分の指定席を発売します。

 東海道・山陽新幹線では、「のぞみ」を運転します。例年より若干少なめですが(定期列車を合わせた数字で3~5%減)、お盆の時期は「のぞみ」が1時間に12本走ることができるダイヤを活かして、1日平均で前年より11本多い431本(定期列車を合わせた数字)を運転します。前年から3%多い数字です。特に8月16日は過去最多の455本(定期列車を合わせた数字)の列車を運転します。

 山陽・九州新幹線では、「さくら」や「ひかり」を中心に運転します。「さくら」は山陽・九州新幹線を直通するものが7月と8月に合わせて84本、九州新幹線で完結するものが7月と8月で42本運転されます。「ひかり」は山陽新幹線で7月と8月に合わせて90本運転されます。臨時列車の「ひかり」の中には全車指定席のものもあります。
(参考:JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200624_KO_HAYABUSA.pdf、https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200624_KO_Natsurin.pdf、JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040569.pdf、JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200624_05_sanyourinji.pdf、JR九州ホームページ www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2020/06/24/200624sinnkannsennrinji.pdf)

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北陸新幹線南越(仮称)の駅名は?

 2023年に北陸新幹線金沢-敦賀間が開業します。新たに開業する駅は、小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、南越、敦賀の6駅。そのうち、武生から東に約5キロのところにできる南越以外の5駅は在来線の駅に併設されるため、現行の駅名がそのまま新幹線の駅になると思われます。そうなると新幹線の駅名が話題になるのは、新駅の南越ぐらいしかありません。

 まさに、新駅のできる越前市が駅名をどうするか考えているところなのです。5月のことですが、越前市役所で駅名候補選定委員会の第2回会合が開かれました。この会合で6人の委員から出された、13の駅名候補が審議されました。駅名候補の選定方針はすでに第1回会合で定められています。それは、(1)位置情報を持ち、全国の人にわかりやすい (2)読みやすく、言いやすい (3)既存の駅(武生)との関係性が明確 (4)丹南地域の玄関口としてふさわしい の4つです。結局、13の候補のうち、順位が比較的高い8候補が残ることとなりました。鯖江市からは駅名に鯖江を入れてほしいとの要望がありましたが、落選しました。

 それでは、残った8つの候補はどういうものでしょうか? (1)越前武生(2)新武生(3)越前市(4)南越たけふ(5)越前(6)武生新(7)南越(8)越前国府 です。市の名前の越前、かつての市の名前(2005年に武生市と今立町が合併して越前市になりました)で中心駅の駅名でもある武生、地域名の南越を使ったものとなっています。

 ただ、越前や南越を単独で駅名にするには躊躇します。越前だと、越前市ではなく、福井県全体を思い浮かべてしまいます。南越は地域名のようですが、なじみがありません。既存の駅との関係性を明確にするためには、武生と組み合わせる必要があります。なお、駅名候補の越前武生は、福井鉄道の駅名にありますが、福井鉄道は駅名改称に必要な費用を越前市が負担するのなら問題はないという見解を示しています。

 今後の動きについて説明します。8つある駅名候補の中から6月15日からの1か月間、市内外から意見を募って、7月下旬に行われる次回の会合で5つぐらいに絞ります。8月上旬に複数の駅名候補をJR西日本に要望書というかたちで提出し、最終的にはJR西日本が2021年春に新駅名を決定します。
(参考:タビリスホームページ https://tabiris.com/archives/nanetsu-ekimei/、福井新聞ホームページ https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1093565)

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並行在来線の運賃水準が実は妥当なものかもしれない

 「新幹線と在来線、どちらが安いか?」と聞かれたら、「在来線」と答えるのが常識でしょう。在来線は運賃だけでいいのに対して、新幹線に乗るには特急料金がいるからです。しかし、その常識が通用しない区間があります。

 それは、並行在来線が絡む区間。飯山-上越妙高間など。新幹線は長いトンネルで一直線に結び、距離が短いのに対して、在来線は運賃の高い並行在来線などが複数絡むので、どうしても高くなるのです。新幹線は隣駅なので、特急料金が比較的安いのも有利に働いています。

 こういう特殊な事例はともかくとして、長い距離でも新幹線のほうが安いというところもあります。それは盛岡-新青森間。180キロもあるのに新幹線のほうが安いのです。新幹線は運賃が3080円、特急料金は特定特急料金(空席を利用)が2640円の合計5720円。これに対して在来線はIGRいわて銀河鉄道が2420円、青い森鉄道が3170円、JR東日本が190円の合計5780円と、新幹線のほうが60円安いのです。当然ながら新幹線のほうが圧倒的に速いです。盛岡-青森間ならば在来線はJR東日本分がいらなくなるので在来線のほうが安くなりますが、圧倒的な所要時間の差を考えると、在来線で移動するのは「青春18きっぷ」等を使う鉄道ファンぐらいです(安さを求めるなら、3400円の高速バスを使います)。運賃は別に安くなくてもいいのです。

 なぜ在来線はこんなにも高いのでしょうか? 別に並行在来線の第三セクターがぼろ儲けしているわけではありません。第三セクターになることで運賃が上がり、諸経費は下げることができます。人件費もJR東日本ならば超一流企業としての給料を払わないといけませんが、第三セクターならそこまではいりません。県などからの補助金ももらえます。おまけに、貨物列車の線路使用料も期待できます。これだけの条件が揃って、何とかなる状態なのです。

 逆に言えば、JRの運賃が安すぎ、大都市圏でない限り、特急料金がないとやっていけないのです。公益性が十分にあるにもかかわらず民間企業であるJRを補助金なしで経営しようと思ったら、特急料金を足したぐらいの水準が妥当な水準なのかもしれません。今は国でもなく、地元の県や市町村でもなく、大都市圏の人の払った運賃で維持しているのが現実です。特急や貨物列車が走る幹線だけでなく、バスで十分なぐらいにしか乗っていないローカル線でも。大都市圏以外は運賃を思いっきり上げて、航空機やバスなどとの競争のある区間には割引切符で対応したほうがJRにとっても利用者にとってもいいのかもしれません。
(参考:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/353240)

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JR西日本、新幹線や特急は前年の2割程度

 緊急事態宣言が解除されて1か月ほど経ちますが、鉄道の利用状況はどうなのでしょうか? JR西日本が6月14日までの状況をまとめて発表しました。

 ます、営業取扱収入(旅行会社発売分などを除く速報値)についてですが、対前年比で見ると5月は27.9%(この数字には消費税増税に伴う値上げ分も含まれていますので、それを補正すると若干減ります)、6月(1~14日、以下同じ)は47.8%です。分野別に見ると、定期券は5月が86.5%、6月が112.9%となっていますが(学校が始まったので通学定期を買い直した人もいるのでしょう)、新幹線や特急などが主体となる中長距離券の売り上げは5月が13.1%、6月が30.0%とあまり回復していません。

 この傾向は利用状況でも見られます。山陽新幹線、北陸新幹線、在来線特急、近畿圏の利用状況(速報値、近畿圏は近距離券発売実績で代用)は、5月はそれぞれ11%、7%、9%、32%でしたが、6月は26%、18%、21%、58%となっています。どの数字も低いですが特に県をまたぐ移動が控えられていたことがよくわかります。山陽新幹線と近畿圏で週ごとの利用状況の動きを分析すると、近畿圏は3月下旬の緊急事態宣言発令前の状況に戻っているのに対して、山陽新幹線はそこまで回復していないのがよくわかります。通勤用に特急券を格安で売っているのも、特急がガラガラで少しでも空席を活用しようとしているからです。

 このように利用状況が大きく落ち込んでいることから、4月から6月末までの3か月間の減収額は約1500~1600億円と見込んでいます。2019年度の第1四半期の運輸収入が2233億円であったことを考えると、7割ほども減少したことになります。悲惨な数字です。
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/2020/06/page_16168.html)

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福塩線に高校生向け臨時列車

 緊急事態宣言の影響で学校は休校となっていましたが、解除されたので学生や生徒が戻っています。朝のラッシュが戻ってきたのです。

 しかし、混雑する列車はまさに「三密」。感染拡大を防ぐためにはまさに避けたいところです。そこでJR西日本は福塩線に臨時列車を走らせました。6月1日からの平日、当分の間走るこの臨時列車は、福山8:15発の吉舎行き。沿線にある高校への通学用としての列車で(生徒以外でも乗車できます)、1両編成です。7時台に走る定期列車を3年生が、この臨時列車を1、2年生が使い、混雑の緩和を図ります。

 このような混雑は、福塩線だけではありません。徳島でも見られます。そこでJR沿線にある15の高校や特別支援学校はJR四国に対して、車両の増結を求めています。

 ただ、それは簡単にはいきません。朝ラッシュ時には使えるだけの車両を使っているので、増発することが難しいのです。先ほど挙げた福塩線も、三次に着いて仕事が終わった車両を活用しているのです。そういう車両がなければ、増結はできません。代わりにJR四国は分散登校や始業時間の繰り下げを勧めていますが、一刻も早く学習の遅れを取り戻したい学校側は受け入れることができません。

 混雑緩和には、特急用車両を使って「ホームライナー」を走らせる方法もあるでしょうが、これは社会人向けのアイデアで、高校生には難しいです。結局何も改善がなされないまま放っておかれるのでしょうか?
(参考:JR西日本ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200528_00_fukuensen.pdf、徳島新聞ホームページ https://www.topics.or.jp/articles/-/373172、中国新聞ホームページ https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=648429&comment_sub_id=0&category_id=112)

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「ムーンライトながら」、2020年夏は設定なし

 JR東日本は、7月以降の臨時列車の運転計画を発表しました。以前に記事にした北陸新幹線についても8月31日までですが、臨時列車の設定がなされました(9月以降は調整中です)。

 さて、この発表を見ても、あの臨時列車は出てきません。東京と大垣を結ぶ夜行快速、「ムーンライトながら」です。短い期間とは言え、学校が休みの期間に設定されていましたが、どうやらこの夏は設定を行わないようです。JR東日本によれば、新型コロナウイルスの影響などを考えてのことですが、春休みにも設定があったことを考えると、それもしっくりとは来ません。このまま消えてしまうのでしょうか?
(参考:マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20200619-1061109/、JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/press/2020/20200619_ho01.pdf)

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北陸新幹線に臨時列車設定か?

 2020年夏の臨時列車は、設定があるものの実際には指定券の発売を行っていなかったり、あるいは最初から臨時列車の設定をしていなかったりしていますが、運行させる動きがあるようです。

 9日に行われた深沢JR東日本社長の記者会見によれば、臨時列車の運行再開を考えているのは、北陸新幹線。緊急事態宣言が解除されたので、夏場に需要が回復する可能性があると判断しているようです。実際に臨時列車を設定するかは、予約状況を見てからのこととなります。また、上越妙高以西がJR西日本エリアのため、臨時列車の設定に当たってはJR西日本との協議を行うとのことです。

 全国的に見れば、ところどころで臨時列車を設定する動きが出ています。JR北海道は「フラノラベンダーエクスプレス」、「富良野・美瑛ノロッコ」、「くしろ湿原ノロッコ」の一部について、指定席の発売を始めます(「富良野・美瑛ノロッコ」、「くしろ湿原ノロッコ」については、新型コロナウイルス感染予防のため、指定席を4割ほど減らして発売します)。ただ、依然として指定席の発売を見合わせている列車はありますし、中には臨時列車の設定を取りやめる列車も出ています。

 小田急からJR東海の御殿場線に乗り入れる「ふじさん」ですが、7月18日から26日までと8月15日から30日までの休日に、臨時列車を1往復運転します。「ふじさん31号」は新宿12:40発御殿場14:18着、「ふじさん32号」は御殿場10:48発新宿12:27着です。

 JR四国は、「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」を岡山-琴平間、岡山-高松間で運転します。予土線では定期列車に併結するかたちで「しまんトロッコ」を運転します。「うずしお」や「剣山」に併結するかたちで「ゆうゆうアンパンマンカー」を運転します。なお、2020年の夏は、田井ノ浜海水浴場が開設されないため、牟岐線の田井ノ浜は開設されません。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/9e198cc1aa1e000c45f6958cbb58ca008bcb04be、JR北海道ホームページ https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200610_KO_Natsurin.pdf、小田急ホームページ https://www.odakyu.jp/news/o5oaa1000001rhrc-att/o5oaa1000001rhrj.pdf、JR四国ホームページ www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/20200609_rinji.pdf)

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