JR四国にもワンマン特急?

 地方の鉄道を中心に車掌のいないワンマン運転の列車はよく見られますが、基本的には運賃以外の料金が要らない普通列車です。しかし、JR四国は特急料金の必要な特急列車でワンマン運転を行うことを考えています。

 JR四国が導入を考え、すでに組合に提案しているのは、予讃線松山-宇和島間の「宇和海」。4両編成以下の特急で、八幡浜-宇和島間でのみ導入します(松山-八幡浜間は車掌が乗っています)。ドアの開閉は運転士が行い、車内には防犯カメラを設置します。

 この八幡浜-宇和島間では、特急は卯之町と伊予吉田に停まりますが、どちらも無人駅です。切符をどうやって回収するかが問題となりますが、松山方面は車掌が乗っているので、大きな問題ではないとしているのでしょう。JR四国ではスマホが切符となる「スマートえきちゃん」の導入を進めていますが、このような無人駅対策にもなることでしょう。わざわざ事前に「みどりの窓口」に行かなくても済み、無賃乗車の防止につながります。

 実は、ワンマン運転の特急はJR九州が導入しています。宮崎県などを走る列車の一部で導入しています。
(参考:読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20230818-OYO1T50005/)

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四国県庁所在地間の鉄道シェア、最高でも18%

 それなりに特急が走っている四国県庁所在地の間を鉄道で移動するのは、どれぐらいいるのでしょうか? 四国運輸局は調査対象とした22区間(4県庁所在地相互間と広島、大阪、神戸、東京方面)への移動経験のある1500人(四国各県各300人、四国外300人)に対して、1月に調査を行いました。

 4県庁所在地相互間の6区間のうち、鉄道のシェアが一番高かったのは、高松-松山間の18%、その次が高松-高知間の15%でした。そのほかは全て1割以下で、高松-徳島間は9%、徳島-高知間は4%、松山-高知間は3%、徳島-松山間は0%です。

 一番シェアが高いのは、新幹線がなく、短距離なので当たり前なのかもしれませんが、やはり車。4県庁所在地相互間の6区間とも5割を超えています。特に高いのは高松-徳島間の79%、徳島-高知間の75%です。高速バスは高松-徳島間の8%を除いて全て鉄道より高く、徳島-松山間の42%、松山-高知間の35%など鉄道だと不便なところのシェアが高いです。

 四国以外へはどうでしょうか? 大阪方面へは高速バスが59%と高く、鉄道は13%に留まっています。東京方面は遠いので、航空機の68%が高く、鉄道は19%です。

 四国内、四国外どちらについても鉄道は苦戦を強いられています。在来線程度では少々の改良程度で勝てるわけではありません。本気で車に勝とうと思うのなら、新幹線をつくらないと無理でしょう。今のままではどんどん負けるだけです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR6Z741XR67PTLC008.html)

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JR四国、夏の3日間乗り放題13000円

 JR四国には、全線特急自由席が3日間乗り放題の、「四国フリーきっぷ」があります。大人18000円、子供9000円です。しかしJR四国は、この夏、もっとお得なフリー切符を発売します。

 それは「夏の四国あちこちきっぷ」。「四国フリーきっぷ」同様、3日間有効で、JR四国全線の特急自由席が乗り放題です。発売期間は7月10日から9月28日まで、利用期間は7月13日から9月30日までの3日間です(8月8日~16日が利用開始日となるものは除きます。また、利用開始日は9月28日までです)。

 先ほども書いたとおり、値段はかなりお得となっています。大人は13000円、子供は6500円です。しかも、デジタル(「しこくスマートえきちゃん」、「しこくるり」、「tabiwa by WESTER」)で買った場合、大人は13000円のままですが、子供は3500円になるのです。家族の夏休みの旅行に使えます。ただし、デジタル発売は、子供は大人と同一行程の場合のみとなります。子供単独での発売は行いません。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2023%2006%2022.pdf)

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牟岐線の新駅は中止

 牟岐線に新駅をつくる話があります。場所は以前にも記事にしたとおり、徳島と阿波富田の中間あたり。このあたりに徳島県が整備する新ホールへのアクセスとして駅をつくります。駅舎がなく、ホーム1本だけの簡素な駅で、約2.5~3億円の工事費は徳島県が負担します。

 ところがこの新駅の計画、徳島で県知事が変わったため、消えることになりました。徳島から徒歩圏内にあるため、要らないと言うのです。

 自身の公約を反映させるかたちとなったのですが、もったいない話です。牟岐線も徳島に近いところは結構利用者がおり(新型コロナウイルスの影響がある2022年度でも徳島-阿南間の輸送密度は3793人です)、鉄道としての特性を発揮できる区間です。JRから切り離してバスにするしか方法はないところとは違って、駅を増やして使いやすくすればそれなりの効果があります。新駅は隣の徳島と違って駅構造が簡単なので、スロープだけでバリアフリーが完成します。エレベータやエスカレータがなくても良いのです。

 車に慣れた地方の人ほど、歩くことを嫌がります。数百メートルも歩かないといけないなら、それだけで車になるでしょう。バスに乗るような距離でもなく、中途半端です。そういうきっかけを与えてしまうのが、新駅の建設中止なのです。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR6G6WRBR6GOXIE02Q.html、JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/04_company/disclose/pdf/average/2022.pdf)

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JR四国、8000系をリニューアル

 JR四国の予讃線特急、「しおかぜ」、「いしづち」で使われている8000系特急型電車。8600系はあるものの、それほど数は多くないので、8000系のほうが主力です。その8000系ですが、値上げのところでも書きましたが、リニューアルをします。2度目のリニューアルです。

 どのようになるのでしょうか? 客席にはコンセントを設置します。グリーン車と指定席は全席に、自由席は窓側に設けます。グリーン車は電動リクライニング、フットレスト、読書灯も備えています。照明はLED間接照明になります。座席のモケットデザインは、グリーン車は「四国の芳醇なめぐみ」、指定席は「柑橘」、自由席は「瀬戸内海」をイメージしています。トイレは洋式化します。全て洋式トイレになります。JR四国では初めてとなる、車椅子フリースペースの設置を行います。自由席の5号車に3つ設けます。

 外観も変わります。8600系と共通の配色で、瀬戸内の温暖な気候、愛媛の柑橘を表すオレンジのラインを車両全長にあしらい、香川のオリーブをイメージした窓下ラインのグリーンを加えています。8600系と配色を揃えることによって、岡山・高松から松山に向かう特急であることを明確にする色彩デザインとなっています。

 リニューアルされた8000系は2023年12月にS編成(3両編成で、主に「いしづち」用)、2024年8月にL編成(5両編成で、主に「しおかぜ」用)がそれぞれ1編成ずつ運行を開始します。その後は定期検査で多度津工場に入るときに合わせて、年間2~3編成の工事を行い、2027年度に全ての編成のリニューアルを終えます。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/534f0c5052e5337fe0ed8ebb17100b761979856e.pdf、レスポンスホームページ https://response.jp/article/2023/05/22/371253.html)

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JR四国、3路線4線区が存廃議論の候補

 JRの旅客会社では一番規模の小さい、JR四国。首都圏の通勤路線や東海道新幹線のようなドル箱路線はありません。しかも、高速道路の整備は進み、経営は苦しいです。

 そのJR四国ですが、西牧JR四国社長は25日、存廃議論の候補として3路線4線区を挙げました。JR四国が具体的に存廃議論の候補を挙げたのは初めてのことです。

 それでは、具体的に存廃議論の候補に挙がっているのはどの路線でしょうか? 予土線は全線、予讃線の向井原-伊予大洲間(伊予長浜経由)、牟岐線の阿南-牟岐間と牟岐-阿波海南間です。牟岐線は牟岐で2つに分かれていますので、3路線4線区となるのです。いずれも国交省の有識者会議が示した、輸送密度1000人未満の線区です。JR四国の場合、2019年度に輸送密度が1000人未満であったのはこの4線区でした。

 確かにこの区間は元々利用者が少なく、特急や貨物がたくさん通るなどの、幹線機能はありません。今後もJR四国が維持するのは、正直言って厳しいと言えます。高速道路も特急の走る路線沿いに整備され、それなりにお金の入る特急の利用者を奪っています。第三セクターになるのでない限り、存廃議論の候補として挙げられた路線の廃止はやむを得ないと言えます。
(参考:朝日新聞4月26日朝刊中部14版)

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「しこくスマートえきちゃん」、4月から普通乗車券や定期券も利用可能に

 JR四国のアプリ、「しこくスマートえきちゃん」。以前にも記事にしましたが、この4月1日利用分から販売対象券種が拡大しました。普通乗車券、自由席特急券、定期券も使えるようになりました(事前にバージョンアップが必要です)。児島を除くJR四国管内の各駅相互間、及び児島を除くJR四国管内の各駅と土佐くろしお鉄道の各駅に跨がるときに使うことができます(定期券や「快てーき」は距離の制限があります)。なお、「しこくスマートえきちゃん」で発売する乗車券は通常のものとは違い、有効期間は1日間で、途中下車はできません。

 また、今回のバージョンアップにより、実際に乗車する人ではなく、ほかの人が代理で購入することができるようになります。事前に乗車する人と購入する人の間で、アカウントの連携が必要です。

 QRコード用の自動改札機もできました。高松と高知に設置されます。今回は2駅だけですが、ほかの駅にも設置すれば、不正乗車の防止につながります。

 JR四国に限らず、全国の駅から「みどりの窓口」が消えていきます。事前に切符を買って乗ることはますます期待できなくなります。多くの人が持っているスマホを活用することで、駅に行かなくても切符を買えるようにすることは、求められていることです。「みどりの窓口」に行かないと切符を買うことできないというこれまでの常識から脱却することができるようにすることが必要でしょう。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2023%2003%2024%2001.pdf)

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JR四国、普通列車の大半で半自動扱いを再開

 かつて、JR四国では、通年で半自動扱いを行ってきましたが、現在、車内換気を強化するため、一時的に全ての列車の乗降ドアを自動扱いとしています。しかし、新型コロナウイルスがある程度収まったのか、3月18日から、特急と一部普通列車を除いた、ドア開閉ボタンのあるワンマン列車を含む全ての普通列車と快速列車において、半自動扱いを行っています。冷暖房効果保持による車内快適性の向上が目的です。

 半自動扱いを行うのは、5000系(18両)、7000系(36両)、7200系(38両)、6000系(6両)、1000型(38両)、1200型(18両)、1500型(34両)、9640形(11両、土佐くろしお鉄道の車両)の合計199両です。なお、5000系「マリンライナー」については、高松のみ半自動扱いを行います。

 ドア開閉ボタンのないキハ40(9両)、キハ47(11両)、キハ32(21両)、キハ54(12両)の合計53両については、これまで通り自動でドアが開閉します。なお、キハ47は期間を定めて半自動扱いを行います。
(参考:JR四国ホームページ https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2023%2003%2008%2003.pdf)

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「THE ROYAL EXPRESS」は四国へ

 いつもは伊豆を走っている「THE ROYAL EXPRESS」ですが、伊豆を飛びだして北海道を走ることもあります。夏の恒例行事となっています。

 その「THE ROYAL EXPRESS」ですが、2024年1月から3月にかけて、四国を走ることになりました。岡山-高松-松山方面に、4日間のツアーを6回行います。岡山-高松-松山間は直流電化なので、「THE ROYAL EXPRESS」はそのまま走ることができそうですが、電気機関車に牽引されて走ります。岡山-高松間はJR西日本の、その他四国島内ではJR貨物の電気機関車に牽引されて走ります。本来8両編成の「THE ROYAL EXPRESS」は5両に短縮され、電気機関車が電源車と「THE ROYAL EXPRESS」を牽引して走るのです。なぜ松山方面にしたのかと言えば、電気機関車しか手配できなかったからです(逆に、ディーゼル機関車を手配することができたら、宇和島方面や高知方面、徳島方面に行くことができるようです)。また、直流電化区間なのになぜ電気機関車に牽引されるのかと言えば、四国の場合、トンネルが小さく、そのままでは通ることができないからです。パンタグラフを外して四国を走ることになります。

 今回の四国への運行も、各社が協力して行います(この調整に1年以上かかりました)。旅行商品販売・企画・運営を東急が、車両の四国への運搬をJR貨物が行います。実際の運行は岡山-児島間をJR西日本、児島-四国島内をJR四国が行います。値段は北海道と同等か若干高く、80万円程度になるようです。
(参考:東急ホームページ https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20230327-1.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/125135)

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JR四国が駅舎を簡素化へ

 JR四国で、昔からある木造の駅舎を取り壊して、アルミ製の壁と屋根程度の簡単なものにする動きが相次いでいます。バス停の待合室レベルです。JR四国には259の駅がありますが、このうち13駅がすでに建て替えられ、61駅について自治体と協議中です。

 それではなぜ、JR四国は駅舎を簡単なものにするのでしょうか? 今のままの駅舎では修繕費、定期検査代、耐震化費用のコストがかかるのです。どの駅にでも駅員がいた時代ならともかく、今は無人駅だらけです。JR四国の立場から言えば、立派な木造の駅舎を維持する必要はありません。そこで維持にかかる費用を軽減するために、駅舎を取り壊し、簡単なものにするのです。

 このような動きに対して、地元自治体の中には反対するところもありますが、JR四国に駅舎を維持させる必要性がない以上、仕方がないところでしょう。駅舎を簡単なものにするのはJR四国だけでなく、他社も行っています(例1例2)。昔からの味のある駅舎を維持してもらいたいのなら、地方自治体あたりがJR四国から駅舎を譲り受け、地方自治体で維持するのがいいのではないでしょうか? JR四国でもすでにそういう事例はあります。役所の出張所にしても良さそうです。平日の昼間限定ですが、障害者の乗り降りを役場の職員が手伝うということもできます。JRに負担を押しつけることなく、バリアフリーの向上に資することができます。
(参考:朝日新聞ホームページ https://digital.asahi.com/articles/ASR235CYMR21PTLC01G.html、https://digital.asahi.com/articles/ASR234TS3R1BPTLC00Z.html?iref=sp_nattop_feature_list_n)

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