朽網に特急停車

 北九州空港の最寄り駅は日豊線の朽網。これまで空港の最寄り駅として活用されていなかったのですが、鉄道も空港アクセスのひとつとして活用することになりました。

 まず。ダイヤ改正から半月ほど経った4月1日から、特急を上下合わせて10本停めます。その後は利用実績により、停車する特急の本数を変えます。そして、同じ4月1日からは朽網からの足、バスも充実させます。朽網と北九州空港とを結ぶバスは、27往復から40往復に増えます。小倉と北九州空港とをノンズトップで結ぶバスは、17往復から21往復に増えます。反対に折尾や学研都市ひびきのへのバスは大幅に減ります(黒崎バスセンターまでの便は微減です)。これをカバーするため、折尾から約3キロ圏内なら500円で利用可能な、「折尾駅定額タクシー」を始めます。4月1日から始めます。

 アプリを使えば、お得な切符もあります。「北九州空港特急きっぷ」です。朽網までの乗車券、自由席特急券と、バスがセットになったものです。3月1日から発売を始めますが、利用は4月1日からです。値段は折尾が1000円、黒崎も1000円、博多が2400円、別府・大分が3500円です。6月30日まではキャンペーンも行われます。折尾が500円、黒崎も500円、別府・大分が2700円です。なお、別府・大分のキャンペーン価格は先着1000人のみ適用されます。
(参考:JR九州ホームーページ https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2025/01/07/20241226_UPS_Japan_and_JRKyushu_utilize_Shinkansen_and_international_airline_networks.pdf)

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「EXサービス」見直しで、一部商品は大幅値上げへ

 JR東海、JR西日本、JR九州の3社は、東海道、山陽、九州新幹線で展開している「エクスプレス予約」、「スマートEX」(まとめて「EXサービス」)の見直しをします。簡単に言うと概ね値上げです。

 価格改定の理由のひとつは、JR西日本の運賃見直しとJR九州の値上げ。JR西日本の運賃見直しで変わるのは新快速が走る京都-姫路間だけなので、影響はほとんどないです。これに対してJR九州のほうは広い範囲で影響があります。「EX予約サービス」の新大阪-鹿児島中央間(「のぞみ」、「みずほ」利用。普通車指定席、通常期)は22670円から23980円に、博多-鹿児島中央間が10110円から11420円になります。「EX早特7」(普通車指定席用)の新大阪-鹿児島中央間は20000円から21400円になります。これらの改定は、4月1日発売分から行われます。

 これより影響が大きいのが、「EXサービス」の早特商品のリニューアル。新たに「EXファミリー早特7」を発売します。東海道新幹線の「ひかり」、「こだま」を2~6人で利用可能なお得な商品です。また、「EX早特7」は、東海道新幹線内で「ひかり」、「こだま」のみ利用可能な商品を新たに発売します。「のぞみ」については価格の改定を行います。「EX早特21」(現行:「EX早特21ワイド」)は価格を改定し、購入後の乗車変更を不可とします。新たに子供用をつくります。「EX早特3」(現行:「EX早特3」、「EXグリーン早特3ワイド」、「EXこだまグリーン早特3」)は、「のぞみ」、「こだま」の価格を改定し、新たに「ひかり」利用商品をつくります。子供用をつくります。なお、「EX早特28ワイド」、「EXのぞみファミリー早特3」、「EXこだまファミリー早特3」は廃止されます。現在発売中の早特商品は4月24日乗車分で終了となり、リニューアル後の早特商品は5月7日乗車分から利用開始となります。また、2026年春には「EXサービス」の中の往復割引商品が廃止となります。2026年3月31日乗車分で終了となります。

 それでは、リニューアル後の「EXサービス」の早特商品はどうなるのでしょうか? 東京・品川-新大阪間の普通車指定席で見ていきましょう。「EX早特7」の「ひかり」、「こだま」は12490円です。「EX早特21」の「のぞみ」は12370円から12980円になります。「EX早特3」の「こだま」グリーン車は11410円から13870円になります。一番影響が大きいのは、「EX早特3」の値上げ。東京からの帰りに「こだま」のグリーン車を使うこともあったのですが、東京・品川-名古屋間が9170円から11290円に値上げになるので、使うづらくなります。今は、普通車指定席の正規料金よりも安かったのですから。2024年11月に北関東に行ったときに予約が遅くて乗ることができなかったのが残念です。

 それにしても、インターネットでの切符を進めなければならないのに、割引切符を値上げするのは、あまり賢明ではありません。本来なら、「みどりの窓口」で買う人から人件費等も加味した運賃、料金をもらうようにしなければならないのです。以前にも書きましたが、鉄道の運賃規制そのものが時代遅れです。航空機やバスなど、ほかの交通機関と戦えるようにはなっていません。今の時代に見合うような運賃体系にすることができるよう、見直す必要があります。
(参考:JR東海ホームページ https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000044041.pdf)

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肥薩線、復旧しても駅の位置が変わる?

 2020年7月の豪雨で大きな被害を受け、復旧費用が高額でかつ利用者が少ないにもかかわらず、復旧する方向で話が進んでいる(2024年度中に最終合意が行われる予定です)、肥薩線の八代-人吉間。その肥薩線八代-人吉間ですが、JR九州の話によれば、線路の位置は変わらないものの、駅の位置については変わる可能性があるようです。

 どういうことでしょうか? 今の肥薩線の駅の中には、利用者がほとんどいないのもあります。そういうところに駅をつくっても意味はありません。また、被災の後、町の構造が変わっているところもあります。災害のことを考え、災害前と同じところに家ができるとは限りませんし、今の車中心の交通を考えると、むしろ町の構造が変わるのは当然のことと言えます。駅の場所が変わるのもある意味必然とも言えるでしょう。

 逆に、今後も同じような災害が起きても大きな被害を受けないように、線路の場所を変え、比較的高い場所に移設することを考えたほうが良いでしょう。実用的な乗り物にするためには、トンネルが多くなるのもやむを得ないです。その究極の姿が、八代から人吉、都城を経由して宮崎に行く新幹線です。お金はかかりますが、使えないローカル線を復活させるよりは比べものにならないぐらい価値があるでしょう。
(参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/e20b712987ed9ba023d2edcb51a2a7165233a1fa)

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JR九州、日豊線特急を別府または大分で乗り継ぐときの特例を廃止へ

 特急料金は1列車ごとに支払うのが原則なのですが、博多-宮崎空港間を走る特急については、途中の別府または大分で途中下車せずに乗り継ぐ場合、通しの料金で計算する特例があります。元々日豊線の特急は博多-宮崎間を通しで走るものであり、それをJRの都合で分割したため、そのような特例ができたのです。ところが、2025年4月1日の値上げに合わせて、この特例が廃止されることになりました。博多や小倉から日豊線特急で延岡や宮崎に行く場合は、2枚の特急券が必要になります。

 このこと自体は大きな問題ではありません。どうしても特例が多いと制度は複雑になってしまいます。シンプルにするというのは、ひとつの方向です。ただし、これには条件があります。使いやすい割引切符を用意することです。特に宮崎よりも大分県南部の佐伯あたりへの配慮は必要です。

 ところがJR九州はその割引切符の値上げを行います。値上げを行う切符は多種多様に及び、紙の切符もネットの切符も値上げされます。例えば、博多-鹿児島中央間の「九州ネットきっぷ」は、10110円から11420円になります(普通車指定席、通常期)。在来線も博多-小倉間は1470円から1550円、博多-佐賀間は1150円から1300円、博多-大分間は3150円から3500円になります(いずれも普通車指定席)。「かもめネットきっぷ」も博多-浦上・長崎間は4200円から4500円になります(普通車指定席)。

 バスなどほかの交通機関との競争、また「みどりの窓口」からの移行の促進を考えたら、正規の運賃を高くして、状況に応じて割引切符をつくるほうが望ましいです。それを妨げる要因のひとつに、国交省の時代錯誤な運賃規制もあります。博多から佐賀に行くときでさえ特急を使うのに、運賃を規制しても意味はありません。特急料金とのトータルで判断します。整備新幹線で並行在来線が切り離されるのも、運賃が安すぎるからです。そこそこ運賃が取れるのならば、並行在来線(それなりに需要があることが前提ですが)はJRのまま維持でき、しかも、競争力のある新幹線の利用客から高目の運賃をもらうことができます。昔のように窓口で正規切符を買う人ばかりではありません。知っている人は、ネットでできるだけ買おうとします。割引切符の充実している航空機などは、ネットで買うのが当たり前で、正規料金は有名無実です。さらに言えば、強力なライバル、車があります。規制を行うとしても鉄道しか交通手段のなかった時代の遺物を廃し、今の時代に合った規制が必要でしょう。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/12/11/241211_waribiki_kippu_kakaku_minaoshi.pdf)

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2025年3月ダイヤ改正発表(8)(JR九州)

 九州新幹線については、日中に博多-鹿児島中央間を運転する「つばめ」1往復があります。この「つばめ」を「さくら」に代えて速達化を図ります(博多ー熊本間には新たに「つばめ」1往復を走らせます)。深夜の「みずほ615号」の行き先を熊本から鹿児島中央に延長します。鹿児島中央23:36着です。西九州新幹線では、「かもめ1号」を嬉野温泉に停めます。嬉野温泉7:10発です。長崎に通勤、通学しやすくなります。

 福岡エリア、北九州エリアでは朝夕の通勤、通学時間帯に特急を充実します。博多7:11発の小倉行きの「きらめき2号」を増発し、門司港発肥前鹿島行きの「かささぎ101号」は使用する車両を787系から885系に変えることによって、同じ6両編成でも定員を増やします。276人から302人に増えます。朝の「かささぎ」3本が新たに二日市に停まります。夕方は小倉18:05発の「ソニック46号」を新たに赤間、福間、香椎に停めます。「ソニック44号」(小倉17:40発博多行き)、「ソニック49号」(博多19:00発大分行き)がともに6両から7両になります。日中では、行橋10:05発博多行きの「きらめき101号」を増発します。宮崎でも、「ひゅうが5号」のダイヤを10分ほど繰り上げ、延岡6:52発とします。宮崎着は7:59発で、通勤、通学に使いやすくします。

 特急の体系が全般的に変わるのが、豊肥線。現在は「九州横断特急」(熊本-大分間)1往復、「あそぼーい!」もしくは「九州横断特急」(熊本-別府間)1往復、「かわせみ くませみ」(臨時、熊本-宮地間)1往復、「あそ」(熊本-宮地間)1往復の合計4往復走っています。しかし、ダイヤ改正後は、「九州横断特急」(熊本-大分間、一部は熊本-別府間)3往復、「あそぼーい!」(臨時、熊本-宮地間)2往復の合計5往復になります。大分への本数が増えます。また、利用状況を踏まえて、水前寺、武蔵塚、光の森、赤水、中判田を通過します。

 普通列車に関しても改善がなされます。福岡エリア、北九州エリアで朝通勤、通学時間帯で増発がなされます。海老津に停まっていない快速が若干ありましたが、その通過している快速も停車します。日中、門司港-小倉間の運転本数を増やしますが、メンテナンス時間の確保のため、下関-小倉間の本数を減らします。

 唐津では、行き先ごとに乗り場を統一します。筑肥線伊万里方面は1番乗り場、唐津線佐賀方面は2番乗り場、筑肥線博多方面は3、4番乗り場に統一します。反対の西唐津へは、いろいろな乗り場から発車します。福岡エリア、北九州エリア以外でも通勤、通学時間帯を中心にして増発や増結がなされます。なお、日豊線の青井岳は朝晩は通過し、8~18時台だけの停車になります。

 新駅は仙巌園です。日豊線竜ヶ水-鹿児島間に開業する、無人駅です。上下合計で57本が停車します。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/12/13/241213_2025daiya_kaisei_1.pdf)

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豊肥線と久大線に夜行列車

 「SL人吉」の機関車は引退しましたが、客車は引退せずにイベント用として使われています。11月29日から12月1日にかけて、その50系客車を使ったイベント列車が走ります。

 今回のイベントは夜行列車。11月29日から30日にかけて走るのが、豊肥線を走る夜行列車、「50系客車で行く!豊肥本線(阿蘇高原線)ナイトツアー 熊本~大分乗車旅」。熊本から大分へ向かう夜行列車です。列車の愛称はかつて走っていた急行にちなんで、「ムーンライト火の山」です。熊本を30日0:15に出発し(集合は11月29日23:30)、大分には6:09に到着します。途中、豊後竹田に1時間ほど停まり、「竹灯籠」でのお迎えがあります。代金は大人、子供同額で12800円。軽食代(パン、お茶)、記念乗車証代、そして豊後竹田での飲み物代が含まれます。豊後竹田での飲み物は、地酒飲み比べセット、コーヒー、つぶらなカボスの3種類から予約時に選択します。当然ながら、20歳未満の人は、お酒を選ぶことはできません。

 次の11月30日から12月1日にかけて走るのが、久大線を走る夜行列車、「50系客車で行く!久大本線(ゆふ高原線)ナイトツアー 大分~博多乗車旅」。大分から博多へ向かう夜行列車です。列車の愛称はかつて走っていた急行にちなんで、「ムーンライト由布」です。大分を1日0:18に出発し(集合は11月30日23:45)、博多には6:05に到着します。途中、豊後森に1時間半ほど停まり、旧豊後森機関庫の見学、蒸気機関車のライトアップを楽しむことができます。代金は大人、子供同額で12800円。軽食代(パン、お茶)、記念乗車証代、そして豊後森での飲み物代が含まれます。豊後森での飲み物は、甘酒、ココアの2種類から予約時に選択します。

 なお、どちらのツアーとも、満席でキャンセル待ちとなっています。
(参考:JR九州ホームページ https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/10/22/241022_50_series_Announcement_of_release_of_Hohi_Main_Line_Kyudai_Main_Line_night_tour.pdf)

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豊肥線の一部複線化を検討か?

 台湾の半導体大手、TSMCが菊陽町に進出したため、豊肥線の利用者が増えています。原水のホームの拡幅工事が進み、また菊陽町内には新駅ができます。

 その豊肥線ですが、輸送力増強のため、熊本-肥後大津間において、一部複線化をすることも考えています。現時点では決定事項はありませんが、将来に向けて熊本県やJR九州は検討しているようです。
(参考:NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20240911/5000023308.html)

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「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅(5)

 平日の昼間にケーブルカー乗り場から麓に下りるバスは、行きに使った高速バスを除いて、ない。歩いて坂を下りる。15分あまりでバス停に着く。小倉と黒崎を結ぶ幹線系統のバスで、時刻表を見る限り、10分間隔でバスが来るようだ。しかし、時間になってもバスが来ない。しばらくして「バスが来た!」と思ったら、通過する特快の連節バスだった。さらにしばらく経ってからバスがやって来た。小倉からの長い系統のバスなので、遅れやすいのだろうか? バスは各停留所で停まり、乗り降りがある。何か所か停まり、黒崎駅前で降りる。しかし、駅はまだ先。次の黒崎バスセンターまで行ったほうが良かったか? 時間が時間なので、黒崎でお昼にする。駅構内のうどん屋にする。駅の店で、かつ駅弁屋の店なのに交通系ICカードで払うことができず、現金で払う。食べたのは、かしわうどん。かしわが少し入っている。ほかのうどんに比べて安い(しかも、どのうどんにもかしわが少し入っている)ので、これが素うどんに当たるのか?

 JRの駅の隣が黒崎バスセンター。バスセンターの一角に筑豊電鉄の駅がある。昔、北九州には門司から折尾まで西鉄の路面電車が走っていた(黒崎と折尾の間は25年ほど前に乗った)。小倉と黒崎を結ぶバスはその後継と言えるし、バスセンターに路面電車があるのもその現れだ。今でも黒崎と熊西の間は残っている。筑豊電鉄の車両が路面電車サイズなのは、西鉄の路面電車に乗り入れていた名残なのだ。黒崎13:00発の筑豊直方行きは低床車両。座席はほぼ埋まり、立っている人もいる。筑豊電鉄には併用軌道の区間はなく、むしろ高架さえある。ヨーロッパなどでいう、LRTとはこのようなものだろうか? もっともLRTの車両は割高である。それならホームをかさ上げして親会社の西鉄から中古の車両をもらえばよい。いわゆる県庁所在地などの中都市にある、地方私鉄だ。日本では私鉄がLRTの代わりをしているとも言えよう。35分ほどで終点の筑豊直方に到着。JRの駅と離れているので、炎天下の中を歩く。

 直方からはバッテリー電車の「DENCHA」に乗る。電化区間はパンタグラフから電気を取り、非電化区間は電化区間で蓄えた電気で走るのだ。819系の2両編成で、車内はロングシート。14:04に若松行きは発車した。しばらく電化区間を走ると、複線が単線になる。かつては石炭輸送で複線どころか複々線だった時代もあったようだが、石炭輸送がなくなり、単線でも間に合うようになったのか? 単線区間は筑前垣生と中間の間のほか、折尾の手前にもあった。折尾からは非電化区間。しかし、バッテリーのおかげで、ディーゼルカーのようなエンジン音がしない。走りは電車と同じように静かだ。若松からは渡し船という方法がある。対岸の戸畑とを結ぶもので、上に橋がかかっても船は残っている。以前より値上げしたとはいえ、運賃は100円だ。駅から乗り場までは意外と距離があり、急いで歩いて何とか15:03発の便に間に合う(船は昼間は15分間隔)。対岸の戸畑までは3分、あっという間に着く。まっすぐ進めばJRの駅だ。

 小倉で旅行のお土産を買い、ようやく帰途に就く。帰りは船。駅の新幹線口から送迎バスが出ている。連休前で乗る人が多いのか、バスは2台来た。道は混んでいて、新門司の港に着くのに45分もかかる。阪九フェリーはちょうど1年前に乗ったが(そのときの旅行記はこちら)、そのときと違って、今日は乗客が多い。2段ベッドが並ぶスタンダード洋室も、結構埋まっている。船は17:30に新門司を出た。出航してしばらくして風呂(露天風呂つき)に入り、その後で夕食にする。阪九フェリーの食堂は欲しいものをショーケースの中から取っていき、最後に精算するタイプ。食堂には空席がたくさんあるが、行列ができているのだ。みんな同額のバイキングとは違い、食べる分だけお金を払うので公平と言えば公平だが、食べ物を置く順序は考えたほうが良さそうだ。最初に小鉢や漬物があり、後で肉や魚を選ぶが、メインが決まらないと副菜は決まらない。入口に「本日のメニュー」などの看板もないので、どうしても選ぶ段階で迷ってしまう。結局、チキン南蛮をメインにしたが、野菜を取ることができなかった。朝は鳥取のデパートで買ったパン、昼はうどんでは、まともに野菜を食べていない。いったん晩御飯を食べた後、もう1回食堂に行ってサラダだけを食べる。

 船は6:00、定刻に泉大津に到着。こちらもバスがあるので、南海の泉大津に行く。14日は岸和田でだんじり祭が行われているので、それを見てから帰ることにした。

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「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅(4)

 3日目の13日は、宇部線の始発に乗る。新山口5:55発の宇部線経由宇部行きだ。105系の2両編成で、3扉ロングシート。黄色一色に塗られている。新山口を出た段階では空いていたが、宇部の町に近づくにつれ、段々増えていく。6時台なのに宇部新川に着くころには座席は大体埋まってきた。ところで、この新山口5:55発の列車、ワンマンカーのはずなのに、駅では全ての扉が開く。「ICOCA」が導入されているわけではない。この時間帯では宇部新川ですら無人なのだから、切符のチェックは不可能だ。沿線には住宅が多く、廃止以外の解決策がないローカル線ではないのだから、短期的には「ICOCA」と分岐駅での中間改札の導入、長期的には経営形態の見直しを検討したほうが良いだろう。鉄道のままで良いが、JRのままで良いとは限らない。枝線なのだから、JRの枠組みに縛られることなく、使いやすい鉄道にすることが求められる。氷見線や城端線の事例が参考になるだろう。BRTにする必要はないが、その問題提起を簡単に葬り去ったのは良くなかった。

 宇部新川からの小野田行き(宇部新川7:01発)も同じ105系2両編成。ただし、宇部新川まで乗ってきたのと違い、空いている。長門本山への乗り換え駅、雀田で乗り換え。雀田は1両分しかホームのかさ上げを行っていないため、扉が開くのは前の車両のみ。乗ることができるのは1か所しかないので、乗る客は多く見える。長門本山への列車(雀田7:22発)は123系の1両編成。分割民営化ごろに荷物電車を改造してつくった車両で、これは可部線にいたタイプ。朝から長門本山に行く人はなく、終点までひとりのみ。長門本山に着いた。列車が駅に着くと、ぽつぽつと列車に乗ってくる。朝2往復、夕1往復しかない線だが、学校に行くのはいつも同じ時間なので、これでもいいのだろうか? 雀田に戻り、小野田線で小野田に行く。雀田7:45発に乗ったが、こちらは123系でも羽衣線で使っていたバージョンだ。ただ羽衣線時代にはなかったトイレがついている(ほかの105系、123系にもトイレがある)。123系の中で一番荷物電車らしい外観をしている。車内は通学の高校生で混んでいる。途中で高校生が降りても、また代わりに乗ってくる。とても需要が極めて少ないローカル線とは思えない。宇部線と一緒にありかたを考える必要がある。新幹線や大都市圏の利用者に負担させる、という考えを捨てれば、まだ使える路線はある。

 小野田から宇部経由で居能へ。これで宇部線、小野田線の乗車は達成。居能8:51発で宇部線を後にする。線内で完結する列車が多い宇部線だが、これは珍しい下関行きだ。105系の2両編成だが、黄色一色ではなく、白をベースに青と赤の帯を巻いている。分割民営化後、黄色一色になるまで使われていた塗装である。下関に行くにはいい時間なのか、だんだん増えてくる。下関からは9:53発小倉行きに乗り換え。九州は交流なので、交直流の415系が使われる。JR九州の車両で、ステンレスの4両編成だ。門司の直前で直流から交流に切り替わる。車内の蛍光灯が一部を残して消えたが、昼間なのでそんなに暗くはならなかった。小倉からは10:15発の新田原行き。座席を減らした813系。信号か何かの都合で、出発が2、3分遅れた。

 2つ目の南小倉で降りる。ここでバスに乗り換えるのだが、バスは駅前には来ない。300メートルほど離れた国道上からバスは発車する。元々の計画でも乗り換え時間は5分しかないのに、JRが遅れた影響で乗り換え時間は3分ほど。走ったおかげで、時間調整で停まっていたバスに乗ることができた。バスは天神への高速バス、「いとうづ号」。小倉と天神とを結ぶ高速バスの一系統だ。途中で降りるので、前の席に座る。この「いとうづ号」、高速バスといいながら、なかなか高速道路に行かない。延々と一般道を走る。ようやく北九州都市高速に入り、トンネルをくぐったら、もう降りる停留所。高速道路上のバス停である。バス停の外に出て、急坂を少し登るとケーブルカー乗り場。帆柱ケーブルだ。券売機でケーブルカーとそれに続くスロープカーのセット券を買い、ケーブルカーに乗る。11:00発に間に合った。帆柱ケーブルのケーブルカーは、前後ともに大きなガラス1枚だけのため、見晴らしは抜群。急坂を登ると、八幡や若松の工業地帯が広がる。今回は昼間に登ったが、夜景もすばらしいものだろう。6分かけてケーブルカーで登った後は、スロープカーに乗り換え。スロープカーは1本のレールで坂を登る乗りもの。広く言えば鉄道の仲間だ。こちらの車両はもっとガラス張り。北九州の町を見ながら坂を登っていく。スロープカーが到着したところが皿倉山の頂上。しばらく景色を眺めてスロープカーとケーブルカーで坂を下りる。(続く)

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「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅(0)

 11日から14日にかけて、「WESTERポイント全線フリーきっぷ」を使って出かけてきました。その時の様子を明日から何回かに分けて書きます。

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